宝石賞
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(宝石評論賞から転送)
宝石賞(ほうせきしょう)は、岩谷書店のちの宝石社が主催していた推理小説、評論を対象とした公募新人文学賞。
- 宝石短篇賞:1946年開始、1964年終了、全17回
- 宝石中篇賞:1962年開始、1964年終了、全3回
- 宝石評論賞:1960年開始、1963年終了、全3回
宝石短篇賞
[編集]- 第1回から第3回までは、『宝石』探偵小説募集として、募集された。
- 第4回は、『宝石』百万円懸賞コンクールとして、規定枚数によって分かれたA・B・Cの三部門で募集された。
- 第5回は、『宝石』二十万円懸賞短篇コンクールとして、募集された。この回から受賞作を含めた候補25作が『別冊宝石』または『宝石』に掲載されるようになった。
- 第6回は、『宝石』二十万円懸賞として、募集された。
- 第7回から第12回までは、『宝石』短篇探偵小説懸賞として、募集された。
- 第13回から第15回までは、宝石賞として、募集された。
- 第16回から第17回までは、宝石短篇賞として、募集された。
選考委員
[編集]- 第1回 - 第3回:江戸川乱歩、城昌幸、水谷準
- 第4回:江戸川乱歩、城昌幸、水谷準、佐藤春夫、野村胡堂、大佛次郎、折口信夫、河盛好蔵、東郷青児、徳川夢声、渡辺紳一郎、坂口安吾、西條八十、大下宇陀児、久生十蘭、橋本乾三、式場隆三郎、角田喜久雄、木々高太郎、美作太郎、横溝正史、木村登、白石潔、松野一夫、長岡隆一郎、永田雅一、黒崎貞治郎、高橋邦太郎、池田太郎
- 第5回:江戸川乱歩、城昌幸、水谷準
- 第6回 - 第12回:江戸川乱歩、隠岐弘、城昌幸、水谷準
- 第13回:江戸川乱歩、城昌幸、中島河太郎、水谷準
- 第14回:江戸川乱歩、大内茂男、城昌幸、中島河太郎、水谷準
- 第15回 - 第16回:江戸川乱歩、城昌幸、中島河太郎、水谷準
- 第17回:笹沢左保、城昌幸、中島河太郎
受賞作
[編集]回(年) | 応募数 | 受賞作 | 受賞者 | 掲載 |
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第1回(1946年) | 不明 | 【当選】「犯罪の場」 | 飛鳥高 | 『宝石』1947年1月号 |
【当選】「鸚鵡裁判」 | 鬼怒川浩 | 『宝石』1947年4月号 | ||
【当選】「網膜物語」 | 独多甚九 | 『宝石』1947年2・3月合併号 | ||
【当選】「オラン・ペンデクの復讐」 | 香山滋 | 『宝石』1947年4月号 | ||
【当選】「達磨峠の事件」 | 山田風太郎 | 『宝石』1947年1月号 | ||
【当選】「砥石」 | 岩田賛 | 『宝石』1947年4月号 | ||
【当選】「殺人演出」 | 島田一男 | 『宝石』1947年2・3月合併号 | ||
第2回(1947年) | 不明 | 入選作なし | ||
第3回(1948年) | 不明 | 入選作なし | ||
【選外佳作】「ネペンテス恐怖事件」 | 女々良修 | 『別冊宝石』4号 | ||
【選外佳作】「感傷誤解事件」 | 宇留木圭 | 『別冊宝石』4号 | ||
【選外佳作】「妖鬼の咒言」 | 岡田鯱彦 | 『別冊宝石』4号 | ||
【選外佳作】「雨の挿話」 | 蟻浪五郎 | 『別冊宝石』4号 | ||
【選外佳作】「紅鱒館の惨劇」 | 岡村雄輔 | 『別冊宝石』4号 | ||
【選外佳作】「カロリン海盆」 | 香住春作 | 『別冊宝石』4号 | ||
第4回(1949年) | A 54編 B 150編 C 約500編 |
【A 一等】「ペトロフ事件」 | 中川透 | 『別冊宝石』8号 |
【A 二等】「渦潮」 | 遠藤桂子 | 『別冊宝石』9号 | ||
【A 三等】「硝子の家」 | 島久平 | 『別冊宝石』8号 | ||
【B 一等】「山荘殺人事件」 | 角田実 | 『別冊宝石』7号 | ||
【B 二等】「勝部良平のメモ」 | 丘美丈二郎 | 『別冊宝石』7号 | ||
【B 二等】「市議殺人事件」 | 高林清治 | 『別冊宝石』7号 | ||
【B 三等】「非情線の女」 | 坪田宏 | 『別冊宝石』7号 | ||
【B 三等】「海底の墓場」 | 埴輪史郎 | 『別冊宝石』7号 | ||
【B 三等】「冗談について」 | 錫薊二 | 『別冊宝石』7号 | ||
【C 一等】「「罪ふかき死」の構図」 | 土屋隆夫 | 『別冊宝石』6号 | ||
【C 二等】「かむなぎうた」 | 日影丈吉 | 『別冊宝石』6号 | ||
【C 二等】「黄色の輪」 | 川島郁夫 | 『別冊宝石』6号 | ||
【C 三等】「三つの樽」 | 宮原龍雄 | 『別冊宝石』6号 | ||
【C 三等】「翡翠荘綺談」 | 丘美丈二郎 | 『別冊宝石』6号 | ||
【C 三等】「自殺殺人事件」 | 須田刀太郎 | 『別冊宝石』6号 | ||
第5回(1951年) | 約500編 | 一等・二等・三等入選作なし | ||
【優秀作】「木箱」 | 愛川純太郎 | 『別冊宝石』14号 | ||
【優秀作】「太神楽異妖」 | 池田紫星 | 『別冊宝石』14号 | ||
【優秀作】「瘴気」 | 緒方心太郎 | 『別冊宝石』14号 | ||
【優秀作】「落石」 | 狩久 | 『別冊宝石』14号 | ||
【優秀作】「新納の棺」 | 宮原龍雄 | 『別冊宝石』14号 | ||
【佳作】「井桁模様殺人事件」 | 黒津富二 | 『別冊宝石』14号 | ||
【佳作】「仮面」 | 山沢晴雄 | 『別冊宝石』14号 | ||
【佳作】「氷塊」 | 由良啓一 | 『別冊宝石』14号 | ||
【選外佳作】「佐門谷」 | 丘美丈二郎 | 『別冊宝石』14号 | ||
【選外佳作】「断層」 | 川島郁夫 | 『別冊宝石』14号 | ||
【選外佳作】「奇妙な招待状」 | 土屋隆夫 | 『別冊宝石』14号 | ||
【選外佳作】「墓」 | 楢木重太郎 | 『別冊宝石』14号 | ||
【選外佳作】「売れる原稿を書く秘訣」 | 萬朶麗 | 『別冊宝石』14号 | ||
【選外佳作】「黒髪はなぜ編まれる」 | 夢座海二 | 『別冊宝石』14号 | ||
【選外佳作】「背信」 | 南達夫 | 『別冊宝石』14号 | ||
第6回(1952年) | 約300編 | 【第一席】「私は誰でしょう」 | 足柄左右太 | 『別冊宝石』24号 |
【第一席】「耳」 | 袂春信 | 『別冊宝石』24号 | ||
【第一席】「銀智慧の輪」 | 山沢晴雄 | 『別冊宝石』24号 | ||
【第二席】「白い路」 | 梶龍雄 | 『別冊宝石』24号 | ||
【第二席】「青の斑点」 | 梶田八郎 | 『別冊宝石』24号 | ||
【第二席】「消えた男」 | 鳥井及策 | 『別冊宝石』24号 | ||
【佳作】「天の斧」 | 藤山貴一郎 | 『別冊宝石』24号 | ||
【佳作】「激流」 | 川下米一 | 『別冊宝石』24号 | ||
【佳作】「砒素の谷」 | 衆理一 | 『別冊宝石』24号 | ||
【佳作】「夏の光」 | 南達夫 | 『別冊宝石』24号 | ||
第7回(1953年) | 約300編 | 【第一席】該当作なし | ||
【第二席】「アルルの秋」 | 鈴木秀郎 | 『別冊宝石』33号 | ||
【第二席】「何故に穴は掘られるか」 | 井上銕 | 『別冊宝石』33号 | ||
【佳作】「真剣な戯れ」 | 山上笙介 | 『別冊宝石』33号 | ||
【佳作】「みかん山」 | 白家太郎 | 『別冊宝石』33号 | ||
【佳作】「死の黙劇」 | 山沢晴雄 | 『別冊宝石』33号 | ||
第8回(1954年) | 約300編 | 【第一位】「X橋付近」 | 高城高 | 『宝石』1955年増刊号 |
【第二位】「足音」 | 深尾登美子 | 『宝石』1955年増刊号 | ||
【佳作】「N駅着信越線九時三十分」 | 坂井薫 | 『宝石』1955年増刊号 | ||
【佳作】「曲った部屋」 | 座間美郎 | 『宝石』1955年増刊号 | ||
【佳作】「白いドレス」 | 折口達也 | 『宝石』1955年増刊号 | ||
【佳作】「お金捜し」 | 平井昌三 | 『宝石』1955年増刊号 | ||
【佳作】「その夜の有利子」 | 灰沼樵 | 『宝石』1955年増刊号 | ||
第9回(1955年) | 約200編 | 【第一位】「深淵の底」 | 土英雄 | 『宝石』1956年増刊号 |
【第二位】「落ちる」 | 白家太郎 | 『宝石』1956年増刊号 | ||
【上位佳作】「黄いろい道しるべ」 | 白家太郎 | 『宝石』1956年増刊号 | ||
【上位佳作】「魔女の足あと」 | 大島薫 | 『宝石』1956年増刊号 | ||
【上位佳作】「月の光」 | 利根安理 | 『宝石』1956年増刊号 | ||
【佳作】「灯り」 | 藤井政彦 | 『宝石』1956年増刊号 | ||
【佳作】「検体X」 | 坂西明 | 『宝石』1956年増刊号 | ||
【佳作】「消えた街」 | 川野京輔 | 『宝石』1956年増刊号 | ||
【佳作】「誰が私を殺したか」 | 室生吾郎 | 『宝石』1956年増刊号 | ||
第10回(1956年) | 約200編 | 【第一位】「悪魔のような女」 | 椰子力 | 『宝石』62号 |
【第二位】「旅の男」 | 安永一郎 | 『宝石』62号 | ||
【第二位】「新進作家殺人事件」 | 守門賢太郎 | 『宝石』62号 | ||
【佳作】「自動車殺人事件」 | 仏三吉 | 『宝石』62号 | ||
【佳作】「われら集いて死者を悼む」 | 膳哲之助 | 『宝石』62号 | ||
【佳作】「呪いの夜」 | 智山宏史 | 『宝石』62号 | ||
【佳作】「わたしも言えない」 | 長房夫 | 『宝石』62号 | ||
【佳作】「不幸な姉弟」 | 坂井薫 | 『宝石』62号 | ||
第11回(1957年) | 不明 | 【第一席】「風の便り」 | 竹村直伸 | 『宝石』74号 |
【第二席】「兄と妹の話」 | 山本稲夫 | 『宝石』74号 | ||
【第二席】「五人のマリア」 | 菱形伝次 | 『宝石』74号 | ||
【佳作】「未完の遺書」 | 茂利樹夫 | 『宝石』74号 | ||
【佳作】「サルドニクスの笑」 | 鷹野宏 | 『宝石』74号 | ||
【佳作】「予告された死」 | 鈴木五郎 | 『宝石』74号 | ||
第12回(1959年) | 不明 | 【第一席】「灰色の思い出」 | 山村直樹 | 『宝石』1958年臨時増刊号 |
【第二席】「復讐墓参」 | 安永一郎 | 1958年臨時増刊号 | ||
【佳作】「深草少将の死」 | 西川斗志也 | 1958年臨時増刊号 | ||
【佳作】「余儀ない罪」 | 濠黄八 | 1958年臨時増刊号 | ||
【佳作】「闇の中の伝言」 | 笹沢佐保 | 1958年臨時増刊号 | ||
【佳作】「東海村殺人事件」 | 黒木曜之助 | 1958年臨時増刊号 | ||
【佳作】「千三つ」 | 鷹野宏 | 1958年臨時増刊号 | ||
第13回(1960年) | 不明 | 【一席】「女と子供」 | 藤木靖子 | 『宝石』1960年4月号 |
【二席】「カックー・カックー」 | 吉田千秋 | 『宝石』1960年臨時増刊号 | ||
【佳作】「初釜」 | 藤井礼子 | 『宝石』1960年臨時増刊号 | ||
【佳作】「紙屑は屑籠に」 | 猪股聖吾 | 『宝石』1960年臨時増刊号 | ||
【佳作】「奇術師」 | 土岐到 | 『宝石』1960年臨時増刊号 | ||
【佳作】「意志の声」 | 縄田厚 | 『宝石』1960年臨時増刊号 | ||
第14回(1961年) | 不明 | 【一席】「屍衛兵」 | 蒼社廉三 | 『宝石』1961年5月号 |
【一席】「蟻塚」 | 川辺豊三 | 『宝石』1961年5月号 | ||
【佳作】「抒情の殺人」 | 福田鮭二 | 『宝石』1961年臨時増刊号 | ||
【佳作】「くかだち」 | 神鳥統夫 | 『宝石』1961年臨時増刊号 | ||
【佳作】「報酬は一割」 | 荘野忠雄 | 『宝石』1961年臨時増刊号 | ||
【佳作】「錬金術」 | 会津史郎 | 『宝石』1961年臨時増刊号 | ||
第15回(1962年) | 不明 | 【一席】「死にゆくものへの釘」 | 田中万三記 | 『宝石』1962年4月号 |
【一席】「進化論の問題」 | 新羽精之 | 『宝石』1962年4月号 | ||
【佳作】「或る情事の果て」 | 後藤幸次郎 | 『宝石』1962年1月臨時増刊号 | ||
【佳作】「親友記」 | 天藤真 | 『宝石』1962年1月臨時増刊号 | ||
【佳作】「死後経過約二時間」 | 来栖阿佐子 | 『宝石』1962年1月臨時増刊号 | ||
第16回(1963年) | 不明 | 【一席】「鷹と鳶」 | 天藤真 | 『宝石』1963年4月号 |
【一席】「或る老後」 | 千葉淳平 | 『宝石』1963年4月号 | ||
【佳作】「土壇場」 | 奥野光信 | 『宝石』1963年1月臨時増刊号 | ||
【佳作】「つるばあ」 | 石沢英太郎 | 『宝石』1963年1月臨時増刊号 | ||
第17回(1964年) | 371編 | 【一席】「笞刑」 | 冬木喬 | 『宝石』1964年1月臨時増刊号 |
【一席】「枕頭の青春」 | 大貫進 | 『宝石』1964年1月臨時増刊号 | ||
【次席】「仲の良い兄弟」 | 桂真佐喜 | 『宝石』1964年1月臨時増刊号 |
主な落選作
[編集]- 第1回:山田風太郎「雪女」
- 第4回:岡田鯱彦「紅い頸巻」、「真実追求家」
- 第4回:川島郁夫(藤村正太)「盛装」、「接吻物語」
- 第4回:伊勢夏之助(伊藤桂一)「虫田博士の手術」
- 第4回:中川淳一(鮎川哲也)「地虫」
- 第5回:山沢晴雄「砧最初の事件」
- 第12回:笹沢佐保(笹沢左保)「九人目の犠牲者」
- 第14回:広瀬正「殺そうとした」
- 第14回:西村京太郎「黒の記憶」
- 第16回:桂真佐喜(辻真先)「生意気な鏡の物語」
- 第16回:斎藤栄「メバル」
- 第16回:滝井峻三(和久峻三)「金の卵」
宝石中篇賞
[編集]選考委員
[編集]受賞作
[編集]回(年) | 応募数 | 受賞作 | 受賞者 | 掲載 |
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第1回(1962年) | 不明 | 【入選】「交叉する線」 | 草野唯雄 | 『宝石』1962年6月臨時増刊号 |
第2回(1963年) | 不明 | 【入選】「機密」 | 斎藤栄 | 『宝石』1963年7月臨時増刊号 |
【佳作一席】「戦国主従」 | 鈴木五郎 | 『宝石』1963年7月臨時増刊号 | ||
【佳作二席】「翠水館説話」 | 早奈也人 | 『宝石』1963年7月臨時増刊号 | ||
第3回(1964年) | 『宝石』休刊により中止 |
主な落選作
[編集]- 第1回:斎藤栄「女だけの部屋」
- 第1回:稲垣一城(稲垣史生)「折焚く柴の記」
- 第1回:夏樹しのぶ(夏樹静子)「ガラスの鎖」
- 第1回:天藤真「塔の家の三人の女」
- 第2回:辻五郎(辻蟻郎)「無関心な少年」
- 第2回:山沢晴雄「離れた家」
- 第2回:田中文雄「白い翼の郷」
宝石評論賞
[編集]選考委員
[編集]受賞作
[編集]回(年) | 応募数 | 受賞作 | 受賞者 | 掲載 |
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第1回(1960年) | 不明 | 入選作なし | ||
【選外佳作】「感傷の効用 レイモンド・チャンドラー論」 | 権田万治 | 『宝石』1960年8月号 | ||
【選外佳作】「ポアロの微笑 A・クリスティについて」 | 佐藤東洋麿 | 『宝石』1960年6月号 | ||
第2回(1962年) | 入選作なし | |||
第3回(1963年) | 発表なし |