富士通杯達人戦
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達人戦 | |
---|---|
棋戦の分類 | 非公式戦 |
開催概要 | |
開催時期 | 9月(決勝) |
初回開催 | 1993年度(第1回) |
最終開催 | 2014 |
持ち時間 | 15分(優勝戦) |
番勝負 | 一番勝負 |
主催 |
週刊朝日 日本将棋連盟 |
協賛 | 富士通株式会社 |
公式サイト | 達人戦:日本将棋連盟 |
記録 | |
最多優勝 | 谷川浩司(5回) |
最長連覇 | 谷川浩司(4連覇) |
富士通杯達人戦(ふじつうはい たつじんせん)は、日本将棋連盟と週刊朝日編集部が主催、富士通の協賛で行われる将棋の棋戦で、非公式戦である。1993年に創設され、2014年までの22回実施された。2015年以降は休止。
40歳・八段以上から規定によって選抜された棋士によるプロ将棋界最初のシニア棋戦であった。決勝は早指しの公開対局で行なわれた。
2023年5月、50歳以上の現役棋士を出場対象とした公式棋戦「達人戦立川立飛杯」を創設することが公表された[1]。新棋戦については「達人戦立川立飛杯」の項目を参照。
方式
[編集]4月1日を基準とする以下の優先条件で選抜された棋士によるトーナメント戦である[2]。
- 選考順位
(第22回の選考順位、出場人数・条件は開催年により異なる)
- 40才以上の現役棋士前回優勝者・準優勝者に優先出場権[6]
- タイトル保持者
- 永世称号者
- 竜王戦1組通算5年以上在籍者および順位戦A級通算5年以上在籍者
- タイトル獲得経験者
- タイトル挑戦経験者
- 竜王戦1組ならびに順位戦A級在籍者
ただし、新たに出場資格を得た棋士は、その年に優先的に出場できる。その場合は選考順位にかかわらず、出場するはずだった者のうち最年少の者が外れる。
開催年により出場人数・参加条件が異なる。出場人数は多いときは12人、最少人数は6人だった。
- 第1回 - 第2回:出場人数= 8人、年齢制限=50歳以上
- 第3回 - 第5回:出場人数=12人、年齢制限=40歳以上
- 第6回 - 第20回:出場人数=10人、年齢制限=40歳以上
- 第21回 - 第22回:出場人数= 6人、年齢制限=40歳以上
回次
|
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
出場人数 | 8人 | 12人 | 10人 | 6人 | ||||||||||||||||||
年齢下限 | 50歳 | 40歳 | 40歳 | 40歳 | ||||||||||||||||||
前回優勝者 ・準優勝者 優先出場権 |
- | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | - | - | - | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 |
タイトル保持者
|
1 | 2 | 2 | 2 | 2 | 2 | 2 | 2 | 1 | 1 | 1 | 2 | 2 | 2 | 2 | 2 | 2 | 2 | 2 | 2 | 2 | 2 |
永世称号者
|
- | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | 3 | 3 | 3 | 3 | 3 | 3 | 3 | 3 | 3 |
通算5年以上 竜王戦1組在籍者 |
- | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | 4 | 4 | 4 | 4 | 4 | 4 | 4 | 4 | 4 |
通算5年以上 順位戦A級在籍者 |
- | - | - | - | - | - | - | - | 3 | 3 | 3 | 4 | 4 | 4 | 4 | 4 | 4 | 4 | 4 | 4 | 4 | 4 |
タイトル獲得経験者
|
2 | 3 | 3 | 3 | 3 | 3 | 3 | 3 | 2 | 2 | 2 | 3 | 3 | 5 | 5 | 5 | 5 | 5 | 5 | 5 | 5 | 5 |
タイトル挑戦経験者
|
- | - | 4 | 4 | 4 | 4 | 4 | 4 | 3 | 3 | 3 | 4 | 4 | 6 | 6 | 6 | 6 | 6 | 6 | 6 | 6 | 6 |
竜王戦1組在籍者 | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | 7 | 7 | 7 | 7 | 7 | 7 | 7 | 7 | 7 |
A級在籍者
|
- | - | 5 | 5 | 5 | 5 | 5 | 5 | 4 | 4 | 4 | 5 | 5 | 7 | 7 | 7 | 7 | 7 | 7 | 7 | 7 | 7 |
A級在籍経験者
|
- | - | 5 | 5 | 5 | 5 | 5 | 5 | 4 | 4 | 4 | 5 | 5 | - | - | - | - | - | - | - | - | - |
出典 | [7] | [8] | [9] | [10] [11] |
[12] | [13] | [14] | [15] | [16] | [17] | [18] | [19] | [20] | [21] | [22] | [23] | [24] | [25] | [26] | [27] | [28] | [29] |
1回戦から準決勝までの対局は東西の将棋会館で行われた(持ち時間は各3時間)。
決勝戦は有楽町朝日ホールにおいて公開対局で行われた。決勝戦の持ち時間は各15分(対局時計使用)で、さらに1分単位で10回の考慮時間がある。使い切ると1手30秒未満の秒読みとなる。
各対局の棋譜と観戦記は、『週刊朝日』で1局分を2週に分けて連載された。
2015年以降、諸般の事情により開催休止された[30]。
2023年、50歳以上の現役棋士全員を対象とした公式戦「達人戦立川立飛杯」としてリニューアルされることになった[1]。
各回の出場者・決勝結果
[編集]段位、称号は対局当時のもの。
回 | 決勝戦 | 出場者 | 出場 人数 | |||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
対局日 | 優勝 | 準優勝 | 2回戦シード | 1回戦からの出場者 | ||||||||||||
1 | 1993年 9月18日 |
米長邦雄 名人 |
内藤國雄 九段 |
-
|
米長 ○○ |
丸田 ●米 |
関根 ●大 |
大内 ○/●米 |
内藤 ○○ |
有吉 ●内 |
二上 ●加 |
加藤一 ○/●内 |
8名 | |||
2 | 1994年 9月17日 |
米長邦雄 前名人 |
内藤國雄 九段 |
-
|
米長 ○○ |
佐藤大 ●米 |
西村 ○/●米 |
加藤一 ●西 |
大内 ○/●内 |
有吉 ●大 |
高島 ●内 |
内藤 ○○ |
8名 | |||
3 | 1995年 9月 9日 |
中原誠 永世十段 |
有吉道夫 九段 |
米長 ●淡 |
加藤一 ●有 |
中原 ○○ |
内藤 ●桐 |
淡路 ○○/●有 |
森雞 ●淡 |
石田 ●有 |
有吉 ○○○ |
大内 ○/●中 |
勝浦 ●大 |
青野 ●桐 |
桐山 ○○/●中 |
12名 |
4 | 1996年 9月 7日 |
米長邦雄 九段 |
田丸昇 八段 |
中原 ●内 |
加藤一 ●田 |
米長 ○○ |
有吉 ●森 |
内藤 ○○/●田 |
青野 ●内 |
田丸 ○○○ |
大内 ●田 |
桐山 ●真 |
真部 ○/●米 |
勝浦 ●森 |
森雞 ○○/●米 |
12名 |
5 | 1997年 9月20日 |
中原誠 永世十段 |
加藤一二三 九段 |
米長 ○/●加 |
加藤一 ○○ |
森雞 ○/●中 |
中原 ○○ |
青野 ○/●米 |
有吉 ●青 |
大内 ○/●加 |
桐山 ●大 |
小林健 ○/●森 |
内藤 ●小 |
淡路 ○/●中 |
勝浦 ●淡 |
12名 |
回 | 決勝戦 | 出場者 | 出場 人数 | |||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
対局日 | 優勝 | 準優勝 | 2回戦シード | 1回戦からの出場者 | ||||||||||
6 | 1998年 9月19日 |
米長邦雄 永世棋聖 |
加藤一二三 九段 |
中原 ○/●米 |
米長 ○○ |
有吉 ●米 |
森雞 ○/●加 |
内藤 ●森 |
加藤一 ○○ |
田中寅 ○/●中 |
大内 ●田 |
勝浦 ○/●加 |
桐山 ●勝 |
10名 |
7 | 1999年 9月18日 |
内藤國雄 九段 |
米長邦雄 永世棋聖 |
米長 | 加藤一 | 10名 | ||||||||
8 | 2000年 9月 9日 |
青野照市 九段 |
有吉道夫 九段 |
内藤 | 米長 | 10名[31] | ||||||||
9 | 2001年 9月 8日 |
中原誠 永世十段 |
高橋道雄 九段 |
青野 | 有吉 | 10名[32] | ||||||||
10 | 2002年 9月14日 |
中原誠 永世十段 |
高橋道雄 九段 |
中原 | 高橋 | 10名[33] | ||||||||
11 | 2003年 9月13日 |
青野照市 九段 |
米長邦雄 永世棋聖 |
10名[34] | ||||||||||
12 | 2004年 9月11日 |
谷川浩司 棋王 |
中原誠 永世十段 |
10名 | ||||||||||
13 | 2005年 9月 3日 |
谷川浩司 九段 |
中原誠 永世十段 |
10名 | ||||||||||
14 | 2006年 9月 9日 |
谷川浩司 九段 |
加藤一二三 九段 |
10名 | ||||||||||
15 | 2007年 9月 1日 |
谷川浩司 九段 |
加藤一二三 九段 |
10名 | ||||||||||
16 | 2008年 8月31日 |
島朗 九段 |
青野照市 九段 |
10名 | ||||||||||
17 | 2009年 9月12日 |
南芳一 九段 |
塚田泰明 九段 |
10名 | ||||||||||
18 | 2010年 9月 4日 |
佐藤康光 九段 |
谷川浩司 九段 |
10名 | ||||||||||
19 | 2011年 9月 3日 |
羽生善治 二冠 |
佐藤康光 九段 |
谷川 ●羽生 |
青野 ○/●羽生 |
加藤一 ●青野 |
内藤 ●高橋 |
高橋 ○/●佐藤康 |
佐藤康 ○○ |
森 ●羽生 |
羽生 ○○○ |
桐山 ●島 |
島 ○ |
10名 |
20 | 2012年 9月 1日 |
羽生善治 二冠 |
森内俊之 名人 |
佐藤康 ●森内 |
高橋 ●加藤一 |
加藤一 ○/●森内 |
内藤 ●谷川 |
谷川 ○/●羽生 |
羽生 ○○ |
青野 ●森内 |
森内 ○○○ |
桐山 ○/●羽生 |
森 ●桐山 |
10名 |
21 | 2013年 9月 7日 |
谷川浩司 九段[36] |
羽生善治 三冠 |
森内 ●谷川 |
羽生 ○加藤一 |
内藤 ●谷川 |
谷川 ○○ |
加藤一 ○/●羽生 |
青野 ●加藤 |
6名 | ||||
22 | 2014年 9月 6日 |
森内俊之 竜王 |
高橋道雄 九段 |
羽生 ●高橋 |
谷川 ●森内 |
高橋 ○○ |
内藤 ●高橋 |
森内 ○○ |
加藤一 ●森内 |
6名 |
脚注
[編集]- ^ a b “将棋「達人戦」が公式戦になって復活 50歳以上、羽生善治九段ら”. 朝日新聞社 (2023年5月19日). 2023年5月19日閲覧。
- ^ 以下の出場条件は、『週刊朝日』2009年5月29日号64 - 65ページの第17回富士通杯達人戦特集記事による。
- ^ 第1-2回の年齢制限は50歳以上。第3-22回の年齢制限は40歳以上。
- ^ なお、現行の規定では順位戦A級に昇格した時点で八段となるため、「順位戦A級経験者」は全員八段以上である。
- ^ 例えば、第17回(2009年)の出場者選考時点では23名が該当した。
- ^ ただし、第4回に1度だけ出場して準優勝した田丸昇は、それ以後出場していない。
- ^ 第1回 富士通杯 達人戦
- ^ 第2回 富士通杯 達人戦
- ^ 第3回 富士通杯 達人戦
- ^ 第4回 富士通杯 達人戦
- ^ @NoboruTama0505 田丸 雑学堂 「1996年の「富士通杯達人戦」に46歳・八段の田丸が初出場(略)決勝の相手は兄弟子の米長邦雄。(略)写真は、「週刊朝日」に掲載された決勝の対局光景と観戦記の誌面」 / X(2023年12月1日)
- ^ 第5回 富士通杯 達人戦
- ^ 第6回 富士通杯 達人戦
- ^ 第7回 富士通杯 達人戦
- ^ 第8回 富士通杯 達人戦
- ^ 第9回 富士通杯 達人戦
- ^ 第10回 富士通杯 達人戦
- ^ 第11回 富士通杯 達人戦
- ^ 第12回 富士通杯 達人戦
- ^ 第13回 富士通杯 達人戦
- ^ 第14回 富士通杯 達人戦
- ^ 第15回 富士通杯 達人戦
- ^ 第16回 富士通杯 達人戦
- ^ 第17回 富士通杯 達人戦
- ^ 第18回 富士通杯 達人戦
- ^ 第19回 富士通杯 達人戦
- ^ 第20回 富士通杯 達人戦
- ^ 第21回 富士通杯 達人戦
- ^ 第22回 富士通杯 達人戦
- ^ “達人戦のお知らせ|将棋ニュース|日本将棋連盟”. 2018年7月21日閲覧。
- ^ [1]
- ^ [2]
- ^ [3]
- ^ [4]
- ^ “表彰式”. 富士通杯達人戦中継ブログ 2018年7月21日閲覧。
- ^ 当時連盟会長であったため、自分で自分を表彰する珍事が発生。このため授与者は当時の専務理事の青野照市が務めた[35]。