峠駅
峠駅 | |
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駅出入口(2022年5月) | |
とうげ Tōge | |
◄板谷 (3.3 km) (4.3 km) 大沢► | |
所在地 | 山形県米沢市大字大沢字峠[1] |
所属事業者 | 東日本旅客鉄道(JR東日本) |
所属路線 | ■奥羽本線(山形線) |
キロ程 | 24.5 km(福島起点) |
電報略号 | ウケ |
駅構造 | 地上駅 |
ホーム | 1面2線 |
乗車人員 -統計年度- |
10人/日(降車客含まず) -2004年- |
開業年月日 | 1899年(明治32年)8月1日[* 1][2] |
備考 | 無人駅[1] |
峠駅(とうげえき)は、山形県米沢市大字大沢字峠[1]にある、東日本旅客鉄道(JR東日本)奥羽本線の駅。「山形線」の愛称区間に含まれている。山形新幹線は通過し、普通列車上下各6本が停車する。山中にある無人駅で[新聞 1]、秘境駅として扱われることもある[新聞 2]。
標高が626メートルと奥羽本線内で最も高く、当駅を境としてそれぞれの方向に下り坂となる。
歴史
[編集]沿革
[編集]- 1899年(明治32年)
- 1949年(昭和24年)4月1日:福島駅 - 米沢駅間が1500V直流電化。通過線が設けられて、優等列車はスイッチバックを通らずに通過するようになった[3]。
- 1984年(昭和59年)12月1日:無人化[4]。
- 1987年(昭和62年)4月1日:国鉄分割民営化により、JR東日本の駅となる[2]。
- 1990年(平成2年)9月1日:山形新幹線開業に伴う改軌工事のため、スイッチバックを廃止し、ホームを本線に移設[5]。
- 1997年(平成9年)9月:旧駅舎の解体工事が開始[新聞 3]。
- 2024年(令和6年)10月1日:えきねっとQチケのサービスを開始[1][報道 1]。
鉄鉱石輸送
[編集]1942年(昭和17年)に、当駅の南方約8キロメートルの山中に滑川鉱山という鉄鉱山が開発された。その後、鉄鉱石が索道を通して峠駅に運び込まれ、専用線から貨物列車で東新潟港駅へ運ばれ、八幡製鉄所に向かっていた。同鉱山は1970年(昭和45年)に閉山となり、また峠駅の貨物取り扱いも1972年(昭和47年)に廃止となった[3]。
駅構造
[編集]島式ホーム1面2線を有する地上駅である。警報機と遮断機付きの構内踏切がある。米沢駅管理の無人駅である。
板谷峠は急勾配と豪雪による難所として知られ、もともと普通列車はスイッチバックで登っていた。このため、複雑な線路やポイントなどの施設が駅構内に設けられ、それらは雪から守るためスノーシェルターで覆われていた[6]。民営化後の山形新幹線開業に伴う改軌工事を期に普通列車を電車化したためスイッチバックは廃止され、ホームも本線上に移設された[6]が、スノーシェルターは新たに設けられたホームの覆屋として流用され、上下線も含めて大きく覆った構造から独特の雰囲気となっている。トイレは構内踏切横に男女共用で汲み取り式の仮設トイレが設置されている。
のりば
[編集]ホーム | 路線 | 方向 | 行先 |
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入口側 | ■山形線 | 下り | 米沢方面[7] |
反対側 | 上り | 福島方面[7] |
※案内上の番線番号は割り当てられていない。
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シェルター連絡通路(2022年5月)
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ホーム(2022年5月)
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構内踏切(2022年5月)
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待合室外観(2022年5月)
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待合室(2022年5月)
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スイッチバック解消前の様子(1990年8月)
峠の力餅
[編集]古くから駅の名物となっており、2024年(令和6年)現在でも昼間の普通列車が停車する度に駅売りの声が響く[6]。駅前の「峠の茶屋 力餅」が製造し、店内でも販売されている。
一折8個入りと10個入りがあり、立ち売りでは以前1,000円で10個入りのみを販売していたが、2022年(令和4年)6月現在では8個入りのみを1,000円で販売している。立ち売りは日中の列車で行う[6]。全く売れない日もあるが[新聞 2]、日本国内の駅ではほぼ姿を消した飲食物の立ち売り[新聞 1]を続けている。ホームでの立ち売りを行っていない朝夕の列車でも、事前に電話予約やメール予約をしておけば停車中に購入することができる。購入時は、最後尾1番後ろのドアから購入することができる。また、電車の4人対面シートの窓は、開けることができ、窓越しの購入もできる。[8]
「峠の力餅」は米沢駅近くや、山形新幹線「つばさ」の車内でも販売されているが、この力餅は「峠の茶屋 力餅」ののれん分けを行った分家である[9]。米沢駅前にある「峠の力餅 米沢支店」[10]で製造されており、峠駅のものとは一折の個数や価格および味が異なる。
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「峠の力餅」駅売り
利用状況
[編集]「山形県の鉄道輸送」によると、2000年度(平成12年度)- 2004年度(平成16年度)の1日平均乗車人員の推移は以下のとおりであった[11]。
乗車人員推移 | ||
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年度 | 1日平均 乗車人員 |
出典 |
2000年(平成12年) | 16 | [11] |
2001年(平成13年) | 14 | |
2002年(平成14年) | 13 | |
2003年(平成15年) | 11 | |
2004年(平成16年) | 10 |
駅周辺
[編集]隣の駅
[編集]脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ 峠駅で「力餅」という駅売りの声が入っている。
出典
[編集]- ^ a b c d e “駅の情報(峠駅):JR東日本”. 東日本旅客鉄道. 2024年8月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年9月12日閲覧。
- ^ a b c d 石野哲(編)『停車場変遷大事典 国鉄・JR編 Ⅱ』(初版)JTB、1998年10月1日、527-528頁。ISBN 978-4-533-02980-6。
- ^ a b c 鉄の道と鉄道—滑川鉱山と板谷峠の文化的景観 (PDF)
- ^ 「「通報」●根室本線幾寅駅ほか30駅の駅員無配置について(旅客局)」『鉄道公報』日本国有鉄道総裁室文書課、1984年11月29日、1面。
- ^ 『鉄道ジャーナル』通巻653号 p.54
- ^ a b c d 『鉄道ジャーナル』通巻653号、pp.19-21
- ^ a b “JR東日本:駅構内図・バリアフリー情報(峠駅)”. 東日本旅客鉄道. 2024年9月12日閲覧。
- ^ “ようこそ、峠の力餅の「峠の茶屋」へ”. www.togenochaya.com. 2024年12月8日閲覧。
- ^ “峠の茶屋 > 2004.11.2 当店HPリニューアルにあたって 山形新幹線内の力餅について”. 峠の茶屋. 2012年5月20日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年9月12日閲覧。
- ^ “峠の力餅 米沢支店のページ”. e-yone. 2013年7月16日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年9月12日閲覧。
- ^ a b “09.(図表)駅別乗車人員の推移” (PDF). 『山形県の鉄道輸送』令和5年度版. 山形県 (2024年3月). 2024年9月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年9月12日閲覧。
報道発表資料
[編集]- ^ 『Suicaエリア外もチケットレスで! 東北エリアから「えきねっとQチケ」がはじまります』(PDF)(プレスリリース)東日本旅客鉄道、2024年7月11日。オリジナルの2024年7月11日時点におけるアーカイブ 。2024年8月4日閲覧。
新聞記事
[編集]- ^ a b 原武史「(歴史のダイヤグラム)峠の駅で続く餅の立ち売り」『朝日新聞』2021年6月19日。2021年6月19日閲覧。
- ^ a b 星乃勇介「明治から続く「ちからーもちぃー」きょうも秘境駅で」『朝日新聞』2019年11月7日。2021年6月19日閲覧。
- ^ 「JR奥羽本線・旧「峠駅」の駅舎解体 消える情緒 惜しむ声 新幹線開通、老朽化で 米沢」『読売新聞』1997年9月13日、朝刊、山形読売庄内・最上、26面。
参考文献
[編集]- 鶴通孝(文章)、久保田敦(写真)「標準軌在来線で東京直結の夢の続き 奥羽本線はここから」『鉄道ジャーナル』第55巻第3号(通巻653号)、成美堂出版、2021年3月1日、14-25頁、ISSN 0288-2337。
- 「奥羽本線ものがたり」『鉄道ジャーナル』第55巻第3号(通巻653号)、成美堂出版、2021年3月1日、48-55頁、ISSN 0288-2337。
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- 駅の情報(峠駅):JR東日本
- 峠の茶屋 力餅
- 秘境駅で明治から続く「ちからーもちぃー」山形・峠の力餅 - YouTube(朝日新聞社提供、2019年11月13日公開)