愛と自由を求めて
『愛と自由を求めて』 | ||||
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ダニー・ハサウェイ の スタジオ・アルバム | ||||
リリース | ||||
録音 | 1972年 - 1973年4月10日 | |||
ジャンル | R&B、ソウル | |||
時間 | ||||
レーベル | アトコ・レコード | |||
プロデュース |
アリフ・マーディン ジェリー・ウェクスラー(#10) | |||
専門評論家によるレビュー | ||||
チャート最高順位 | ||||
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ダニー・ハサウェイ アルバム 年表 | ||||
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『愛と自由を求めて』(原題:Extension of a Man)は、アメリカ合衆国のR&B歌手ダニー・ハサウェイが1973年に発表したスタジオ・アルバム。ハサウェイの生前にリリースされた最後のスタジオ・アルバムである[3]。
背景
[編集]1曲目の「神わが声をきき給う」はオーケストラによる曲で、ハサウェイ自身はクロード・ドビュッシー、モーリス・ラヴェル、エリック・サティといった1800年代末期から1900年代初期の作曲家、それにジョージ・ガーシュウィンからインスパイアされたと記している[4]。「神わが声をきき給う」と「アイ・ノウ・イッツ・ユー」には、当時リターン・トゥ・フォーエヴァーで活動していたスタンリー・クラークが参加した[5]。
「フライング・イージー」は、ハサウェイがハーブ・アルパート&ザ・ティファナ・ブラスのために書いた曲である[3]。「溢れ出る愛を」は、ブラッド・スウェット・アンド・ティアーズがアルバム『子供は人類の父である』(1968年)で発表した曲のカヴァー。
CDボーナス・トラックの「ロード・ヘルプ・ミー」は1971年10月11日にレコーディングされた曲で、1972年に「溢れ出る愛を」がシングルとしてリリースされた際にB面曲として発表された[1]。
反響・評価
[編集]本作に先行して1972年にシングルとしてリリースされた「溢れ出る愛を」はBillboard Hot 100で60位、『ビルボード』のR&Bシングル・チャートで20位に達した[2]。そして、アメリカのBillboard 200では69位に達し、『ビルボード』のR&Bアルバム・チャートでは18位に達した[2]。また、1973年にはシングル「愛のすべて」がBillboard Hot 100で44位、R&Bシングル・チャートで16位に達し、「リトル・チルドレン」はR&Bシングル・チャートで67位に達した[2]。
音楽評論家のジョン・ブッシュはオールミュージックにおいて「ダニー・ハサウェイの最も野心的なLP」と評している[6]。
収録曲
[編集]特記なき楽曲はダニー・ハサウェイ作。1. 4. 8.はインストゥルメンタル。
- 神わが声をきき給う - "I Love the Lord; He Heard My Cry (Parts I & II)" – 5:32
- いつか自由に - "Someday We'll All Be Free" (Donny Hathaway、Edward Howard) – 4:14
- フライング・イージー - "Flying Easy" (D. Hathaway、Walter Lowe、Franklin Moss Jr.) – 3:13
- ヴァルデズ・イン・ザ・カントリー - "Valdez in the Country" – 3:33
- 溢れ出る愛を - "I Love You More Than You'll Ever Know" (Al Kooper) – 5:23
- リトル・チルドレン - "Come Little Children" – 4:35
- 愛のすべて - "Love, Love, Love" (J. R. Bailey、Ken Williams) – 3:25
- 貧民街 - "The Slums" – 5:11
- マグダレナ - "Magdalena" (Danny O'Keefe) – 3:08
- アイ・ノウ・イッツ・ユー - "I Know It's You" (Leon Ware) – 5:13
CDボーナス・トラック
[編集]- ロード・ヘルプ・ミー - "Lord Help Me" (Joe Greene、Billy Preston) – 4:07
参加ミュージシャン
[編集]- ダニー・ハサウェイ - ボーカル、ピアノ、エレクトリックピアノ、タック・ピアノ、オルガン、ベース、指揮
- コーネル・デュプリー - ギター (on #2, #3, #4, #5, #7, #8)
- デヴィッド・スピノザ - ギター (on #2, #3, #10)
- キース・ラヴィング - ギター (on #3, #4, #7)、アコースティック・ギター (on #8)
- ヒュー・マクラッケン - ギター (on #5, #9)、バンジョー (on #9)
- ジョセフ・ビショップ - ギター (on #6)
- フォル・アップチャーチ - ギター (on #6)
- スタンリー・クラーク - ベース (on #1, #10)
- ウィリー・ウィークス - ベース (on #2, #3, #4, #5, #7, #8)
- ゴードン・エドワーズ - ベース (on #9)
- グラディ・テイト - ドラムス (on #1, #9)
- レイ・ルーカス - ドラムス (on #2, #3, #4, #7, #8)
- フレッド・ホワイト - ドラムス (on #5, #6)
- リック・マロッタ - ドラムス (on #10)
- ラルフ・マクドナルド - パーカッション (on #3, #4, #7, #9)
- マーヴィン・スタム - トランペット (on #1, #2, #8, #9)
- デヴィッド・ニューマン - テナー・サックス (on #5)
- ジョー・ニューマン - トランペット (on #1, #6)
- ガーネット・ブラウン - トロンボーン (on #1, #6)
- セルダン・パウエル - 木管楽器 (on #1)、クラリネット (on #6, #9)、テナー・サックス (on #8)
- トニー・スタッド - トロンボーン (on #8, #9)
- ドン・バターフィールド - チューバ (on #1, #8, #9)
- フィル・ボドナー - アルト・サックス (on #8)、クラリネット (on #9)
- Myrna Summers & The Interdenominational Singers - コーラス (on #1, #7)、タンバリン (on #6)
- Jimmy Douglass, Mario "Big M" Medious, Richard Wells, William "Mac" McCollum - バッキング・ボーカル (on #8)
- Cissy Houston, Myrna Smith, Sylvia Shemwell - バッキング・ボーカル (on #10)
- ジーン・オーロフ - コンサートマスター (on #1)
- ヒューバート・ロウズ - フルート (on #1)
- Ernie Royal - トランペット (on #1)
- Dominick Gravine, Paul Faulise, Wayne Andre - トロンボーン (on #1)
- Jim Buffington, Julius Watkins, Tony Miranda - フレンチホルン (on #1)
- V. Abato - クラリネット (on #1)
- H. Schuman - オーボエ (on #1)
- Romeo Penque, Bill Slapin - 木管楽器 (on #1)
- Russ Savakus - コントラバス (on #1)
- Charles McCracken, George Ricci, Kermit Moore - チェロ (on #1)
- Emanuel Green, Harry Lookofsky, Julien Barber, Noel DaCosta, Sanford Allen, Theodore Israel - ヴァイオリン (on #1)
- Gloria Agostini - ハープ (on #1)
脚注
[編集]- ^ a b 日本盤CD(AMCY-3035)英文ブックレット
- ^ a b c d Donny Hathaway - Awards | AllMusic
- ^ a b BBC - Music - Review of Donny Hathaway - Extension of a Man - Review by Daryl Easlea - 2014年2月7日閲覧
- ^ 日本盤CD(AMCY-3035)英文ライナーノーツ(ダニー・ハサウェイ)
- ^ Donny Hathaway - Extension Of A Man (Vinyl, LP, Album) at Discogs
- ^ Extension of a Man - Donny Hathaway | AllMusic - Review by John Bush