コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

愛冠駅

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
愛冠駅
駅舎(2009年7月)
あいかっぷ
Aikappu
足寄 (6.1 km)
(3.3 km) 西一線
地図
所在地 北海道足寄郡足寄町愛冠35-12
北緯43度17分32.52秒 東経143度33分59.91秒 / 北緯43.2923667度 東経143.5666417度 / 43.2923667; 143.5666417座標: 北緯43度17分32.52秒 東経143度33分59.91秒 / 北緯43.2923667度 東経143.5666417度 / 43.2923667; 143.5666417
所属事業者 北海道ちほく高原鉄道
所属路線 ふるさと銀河線
キロ程 50.7 km(池田起点)
電報略号 カフ
駅構造 地上駅
ホーム 1面1線
開業年月日 1946年昭和21年)9月10日[1]
廃止年月日 2006年平成18年)4月21日
備考 ふるさと銀河線廃線に伴い廃駅
テンプレートを表示
1977年、国鉄池北線時代の愛冠駅と周囲500 m範囲。上が北見方面。国土交通省 国土地理院 地図・空中写真閲覧サービスの空中写真を基に作成
ホームの様子。線路撤去済

愛冠駅(あいかっぷえき)は、北海道足寄郡足寄町愛冠35-12[2]にあった北海道ちほく高原鉄道ふるさと銀河線である。国鉄JR北海道池北線時代の電報略号カフ事務管理コードは▲110506[3]

歴史

[編集]

年表

[編集]

駅名の由来

[編集]

所在地名より。付近の利別川の屈曲部にあるアイヌ語で「アイカッピラ(aikap-pira)」(アイカㇷ゚の・崖)と呼ばれた崖に由来する[11][5][12]。これについて山田秀三『北海道の地名』では次のように紹介している[11]

池北線愛冠駅から国道(引用注:国道242号)を約1キロ北行すると、右側に細い旧道の入口がある。そこに入って雑木林の中をまた1キロぐらいだらだらと下ると、左は利別川岸、右は見上げる大崖である。ここが愛冠の名の発祥地なのであった。 — 山田秀三、『北海道の地名』 p.301

この「アイカ(aikap)」は会話文中では動詞のあとにつけ「~できない」ということを表すが、地名の場合は海岸や川岸の大崖を指す言葉であり、多くの場合は「矢を放ったが届かなかった」という伝承が残っている[11]。1973年(昭和48年)に国鉄北海道総局が発行した『北海道 駅名の起源』では次のような伝承を紹介している[5]

猟に行くとき、がけに矢を射かけて運をためす風習があるが、ここはその矢が容易にがけに達しなかったところから、名づけられたといわれている。 — 日本国有鉄道北海道総局、『北海道 駅名の起源』 p.146

縁起の良い駅名として

[編集]

読みと漢字が「愛のカップル」に通じるとして人気があり、1989年(平成元年)と1991年(平成3年)には結婚式が挙行された[13][14]。愛冠駅に関する切符も、縁起の良い切符として売れ行き好調であった[15]。駅前に「愛の泉」なる水飲み場があり、駅前の橋には「ウエディング ブリッジ」という名がついている。2014年6月時点でも「愛の泉」は稼働しているが、愛冠駅舎は施錠されており、トイレ・待合室ともに立ち入ることはできない。

駅構造

[編集]

単式ホーム1面1線を有する地上駅。駅舎は「愛」の「冠」という名前にちなみ王冠型をしている。無人駅となった後に現在の木造平屋建て駅舎に改築された[8]

駅周辺

[編集]

隣の駅

[編集]
北海道ちほく高原鉄道
ふるさと銀河線
足寄駅 - 愛冠駅 - 西一線駅

脚注

[編集]
  1. ^ a b c d 石野哲 編『停車場変遷大事典 国鉄・JR編 II』(初版)JTB、1998年10月1日、892頁。ISBN 978-4-533-02980-6 
  2. ^ 『10年』 p. 104
  3. ^ 日本国有鉄道営業局総務課 編『停車場一覧 昭和41年3月現在』日本国有鉄道、1966年、237頁。doi:10.11501/1873236https://doi.org/10.11501/18732362022年12月10日閲覧 
  4. ^ 大蔵省印刷局, ed (1952-03-25). “日本国有鉄道公示 第97号”. 官報 (国立国会図書館デジタルコレクション) (7562). https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2964115/8. 
  5. ^ a b c 『北海道 駅名の起源』(第1版)日本国有鉄道北海道総局、札幌市、1973年3月25日、146頁。ASIN B000J9RBUY 
  6. ^ a b 『JR釧路支社』 p. 96
  7. ^ 『JR釧路支社』 p. 108
  8. ^ a b 『鉄道建築ニュース』1978年2月号(通巻338)、鉄道建築協会、1978年1月1日、40頁。 
  9. ^ 『JR釧路支社』 p. 122
  10. ^ 『10年』 p. 105
  11. ^ a b c 山田秀三『北海道の地名』(2版)草風館、浦安市〈アイヌ語地名の研究 山田秀三著作集 別巻〉、2018年11月30日、300頁。ISBN 978-4-88323-114-0 
  12. ^ アイヌ語地名リスト ア~イチ P1-10”. アイヌ語地名リスト. 北海道 環境生活部 アイヌ政策推進室 (2007年). 2017年10月20日閲覧。
  13. ^ 『10年』 p. 27
  14. ^ 『10年』 p. 34
  15. ^ 『10年』 p. 48

参考文献

[編集]
  • 『JR釧路支社 鉄道百年の歩み』北海道旅客鉄道釧路支社、2001年。 
  • 『ふるさと銀河線10年のあゆみ』ふるさと銀河線10周年記念事業実行委員会、1999年。 

関連項目

[編集]