戦利品 (クルアーン)
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戦利品 | |
啓示 | マディーナ啓示 |
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章題の意味 | 第1節に「戦利品はアッラーと使徒のものである」の語がある[1] |
啓示時期 | 主にヒジュラ暦2年[2] |
詳細 | |
スーラ | 第8章 |
アーヤ | 全75節 |
ジュズウ | 9 - 10番 |
ヒズブ | 18 - 19番 |
ルクー | 10回 |
語数 | 1243語 |
文字数 | 5299文字 |
前スーラ | 高壁 |
次スーラ | 悔悟 |
音楽・音声外部リンク | |
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Islam House.com - タルティール朗誦法による (朗誦者: ファーリス・アッバード) |
音楽・音声外部リンク | |
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Islam House.com - タジュウィード朗誦法による (朗誦者: ムハンマド・スィッディーク・アル=ミンシャーウィー) |
『戦利品』(せんりひん、アラビア語: الأنفال UNGEGN式: Al-Anfāl アル・アンファール)は、アル・クルアーン(コーラン)における第8番目のスーラである。主な内容は、バドルの戦いの啓示である。
本章の戦利品とは何であるか
[編集]- バドルの戦いで獲得した戦利品のことである[3]。
- 戦利品は、神と使徒のものである。 - 1節
- 財産というものは誘惑である。本当の大いなる報酬は、神の御許(おんもと)にある。 - 28節
- どのような戦利品でも5分の1は神に、使徒(ムハンマド)に、近親者、孤児、貧者および旅人に分配する[4]。 - 41節
- 預言者[5]は、捕虜を蓄えるのならば、地上の敵を存分に殺戮(さつりく)した後が、預言者としてふさわしいことである[6]。 - 67節
- 人間たちは、現世のどうでもいい「財」というものを欲するが、神が欲するのは来世である。 - 67節
- 万一、神が以前に出した規定[7]がなかったら、捕虜の獲得は、大変な罰を受ける行為である。 - 68節
- 正当な、よい戦利品は貰ってよい。そのかわり、寛大で慈悲深い神を畏れ(おそれ)なければいけない。 - 69節
- 預言者は、捕虜に言うべきことがある。それは、「神は寛大で慈悲深いので、捕虜の心の内に、よいところがあれば、捕虜として奪われたものよりも、よいものを授けたうえ、罪を許すであろう。」ということである。 - 70節
- 何もかも捨てて神の道に奮闘した人々[8]や、その人々に避難所を提供し援助をした人々[9]は、来世で神による赦し(ゆるし)と賜物(たまもの)がある。 - 74節
アラビア語による『戦利品』全文
[編集]アル・クルアーン第8章 『الأنفال (戦利品)』
関連項目
[編集]- クライシュ族 (クルアーン)
- クライシュ族
- ファイ(fay‘)
- ガニーマ(ghanīma)
脚注
[編集]- ^ 日本ムスリム情報事務所 聖クルアーン 戦利品 (アル・アンファール)
- ^ 大部分は預言者ムハンマドがマッカ(メッカ)からマディーナ(メディナ)に移住(ヒジュラ)後、マディーナで神(アッラーフ)により下された啓示である(マディーナ啓示)。
- ^ 井筒俊彦の翻訳版アル・クルアーンと、藤本勝次、伴康哉、池田修の共同翻訳版アル・クルアーンの解説による。
- ^ ムハンマドは、その自らの取り分を、自らの用途のほか、貧者の救済に充てた。それまでのアラブ部族社会では、戦利品は、4分の1がアラブ部族の長のもの、4分の3が部族員のものであった。
- ^ ムハンマドは、最大にして最後の預言者である。
- ^ 殺さずに捕虜にしたほうが、身代金が取れるので得であるが、第一にするべきは信仰の敵を倒すことであった。
- ^ 神が以前に、「捕虜を獲得して、更に身代金を取ってよい。」という規定を出したのであろうと、アル・クルアーンの翻訳者の1人である井筒俊彦は解説する。
- ^ ムハンマドに従いマディーナ(メディナ)に移住(ヒジュラ)した移住者(ムハージルーン)のこと。
- ^ マディーナ(メディナ)在住の援助者(アンサール)のこと。