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斂葬の儀

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
豊島岡墓地入口

斂葬の儀(れんそうのぎ)は、天皇皇族の本葬のことである。

概要

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「斂」の文字は「収斂」の語にもあるように「おさめる」ことを意味し[1]斂葬の語は、「死者を棺に納めて埋葬すること」を意味する[2]天皇及び三后皇后皇太后太皇太后)以外の皇族が、豊島岡墓地に埋葬されるようになったのは、1873年明治6年)の稚瑞照彦尊明治天皇第一皇子)の薨去以来である[3]皇室典範に定められておらず、したがって天皇の葬儀にあたる「大喪の礼」のような国の儀式(皇室典範第24条)ではなく、「大喪儀」のような皇室の儀式である。

天皇崩御の際の「斂葬の儀」は、特別なもので、いわゆる葬儀・告別式に当たるものであり、

  1. 葬場殿の儀 - 供物が霊前に献上され、天皇が御誄を読み、拝礼する
  2. 陵所の儀 - 埋葬する

の2つの部分で構成される

葬儀の構成

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ここでは皇族の葬儀について記述する。天皇や三后の葬儀については、大喪儀を参照。

  1. 皇族が薨去(死去)し、宮邸内に遺体が安置される。
  2. 御舟入りの儀(おふねいりのぎ) - 納棺にあたる。
  3. 拝訣 - 天皇、皇后、その他皇族などの弔問が行われる。
  4. 正寝移柩の儀 - 霊柩が当該皇族の邸宅に設けられた正寝(せいしん)に安置される。
  5. 通夜 - 数日程度、正寝にて通夜にあたる儀式が行われる。
  6. 轜車発引の儀 - 轜車[4](じしゃ、皇族用霊柩車)で、邸宅から豊島岡墓地に柩が遷される。
  7. 斂葬の儀 - 葬儀・告別式にあたる「葬場の儀」と納骨式にあたる「墓所の儀」から構成される。
    1. 葬場の儀 - 勅使・皇后宮使・その他皇族による葬儀が行われる。古来より天皇・皇后は皇族の葬儀には直接出席せず、使者を遣わすのが慣わしである。終了後、告別式にあたる一般拝礼が行われる。
    2. 出棺
    3. 火葬 - 近年は斂葬の儀は豊島岡墓地で行われるため、落合斎場で火葬に付される。
    4. 墓所の儀 - 遺骨が墓に葬られる。土盛りをして仮に塚を設け、数日一般拝礼を受け付けたのち、正式な墓を造営する。
  8. 天皇、皇后は諒闇に服す。

脚注

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  1. ^ デジタル大辞泉『』 - コトバンク、2012年6月8日閲覧。
  2. ^ デジタル大辞泉『斂葬』 - コトバンク、2012年6月8日閲覧。
  3. ^ デジタル大辞泉『豊島岡』 - コトバンク、2012年6月8日閲覧。
  4. ^ 霊柩を轜車内に納めている状態は、「霊轜」として区別される。

参考文献

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関連項目

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外部リンク

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