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一般参賀

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
新年祝賀の儀から転送)
令和初の一般参賀。このときは天皇の即位を祝う参賀であった(2019年5月4日 撮影)

一般参賀(いっぱんさんが、英語:Visit of the General Public to the Palace)とは、1948年昭和23年)から開催されている皇室行事である。この行事は、一般人が皇居に参入し、皇室に向けて祝賀の意を表する事が出来る唯一の機会である。毎年、1月2日天皇誕生日[1][2]行われているほか天皇の即位後にも行われている。

概要

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皇居に参内した国民に天皇が「おことば」を述べる形式で行われる。

  • 当日、国民は皇居前広場で整列して皇宮警察および警視庁の誘導に従って正門から参入[3]、中門を通り長和殿前の東庭に進む。
  • 長和殿のベランダに天皇および皇族が出御し、天皇が「おことば」を述べる。
  • 国民は宮内庁庁舎前を通り、坂下門より退下する。

当初は宮内庁庁舎屋上から昭和天皇が一人で民衆に対し手を振るというものであったが、1969年昭和44年)の昭和天皇に対しパチンコを撃った昭和天皇パチンコ狙撃事件などの経緯から、現在はガラス越しに「おことば」を述べる形式になった。

参賀

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新年一般参賀

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2012年(平成24年)新年一般参賀 第1回目

新年を祝うために行われる[4]

元日には四方拝を始めとする各皇室行事があるため1月2日に開催される[1]。参加者を入れ替えて5回行われ、天皇・内廷皇族秋篠宮家は5回[1]、それ以外の皇族は3回、ないし1回参加するのが通例である(平成時点)。1回目はNHK総合テレビで生中継されるのが慣例である[4]令和からは、上皇上皇后は午前中の3回のみ出席する。

2019年平成31年)の新年一般参賀は同年5月の皇位継承を前にして平成期最後の一般参賀であった[5]。史上最多の15万人超が集まったため、通年の5回を天皇・皇后の意向で急遽7回に増やした[5]

2020年令和2年)に発生した新型コロナウィルスのため、2021年(令和3年)と2022年(令和4年)は中止、2023年(令和5年)は事前申込制により一般参賀が再開された。2024年(令和6年)はコロナ後初めて入場制限なし[6]で行われる予定となっていたが、前日の1月1日夕方に発生した令和6年能登半島地震の影響を考慮し、新年一般参賀としては史上初の自然災害を理由とする中止が発表された[7][8]

天皇誕生日一般参賀

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天皇の誕生日を祝うために行われる。平成年間では、天皇・内廷皇族秋篠宮家の、いずれも成年皇族が出席した。3回行われる。令和年間は上皇・上皇后は出席しない[9]

その他の一般参賀

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皇位継承が行われたときにも、一般参賀が行われる。

平成の皇位継承の際には、昭和天皇の喪が明け、即位礼正殿の儀が終了した後の1990年(平成2年)11月18日に行われ、天皇・皇族は8回出席した。

令和の際には崩御を伴わない皇位継承であったことから、天皇が即位した2019年(令和元年)5月1日から3日後の4日に行われ、天皇・皇族は7回出席した。なお、この時退位により上皇となった明仁と上皇后となった美智子は出席しなかった。

備考

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中止

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これまで、一般参賀は10回中止になっている。

事故

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  • 1954年(昭和29年)1月2日 - 38万人もの参賀者が殺到したことによって二重橋で混乱が発生し、16人の死者を出した二重橋事件が発生している[18]

脚注

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  1. ^ a b c 新年一般参賀要領”. 宮内庁. 2017年6月21日閲覧。
  2. ^ 天皇誕生日一般参賀要領”. 宮内庁. 2017年6月21日閲覧。
  3. ^ 待機中に民間団体から紙製の日の丸の小旗が配布されている。
  4. ^ a b 新年祝賀・一般参賀”. 宮内庁. 2018年8月23日閲覧。
  5. ^ a b “一般参賀、平成最多の15万人超が皇居へ 閉門遅らせ「お出まし」急きょ2回追加”. Jcastニュース. (2019年1月2日). https://www.j-cast.com/2019/01/02347262.html?p=all 2021年1月2日閲覧。 
  6. ^ 新年一般参賀要領(中止前に更新されたキャッシュ)
  7. ^ a b 2024年(令和6年)1月12日宮内庁告示第1号「令和六年新年一般参賀は取りやめた件」
  8. ^ a b 2日の新年一般参賀 取りやめを発表 地震発生を受け 宮内庁 - NHK NEWS WEB 2024年1月2日
  9. ^ “天皇誕生日、一般参賀を実施 来月23日に3回を予定”. 朝日新聞デジタル. (2020年1月23日). http://www.asahi.com/articles/ASN1Q5VH3N1QUTIL02V.html 
  10. ^ “天皇誕生日一般参賀を中止で調整 宮内庁”. CHUNICHI Web (中日新聞). (2020年2月17日). オリジナルの2020年2月17日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20200217085010/https://www.chunichi.co.jp/article/front/list/CK2020021702000237.html 2020年11月27日閲覧。 
  11. ^ “新型コロナ:天皇誕生日の一般参賀、中止を発表 宮内庁”. 日本経済新聞 (日本経済新聞社). (2020年2月17日). https://www.nikkei.com/article/DGXMZO55712790X10C20A2CR0000?s=4 2020年11月27日閲覧。 
  12. ^ “新年一般参賀中止を発表 昭和天皇逝去後の1990年以来 宮内庁、感染拡大懸念”. 毎日新聞 (毎日新聞社). (2020年11月27日). https://mainichi.jp/articles/20201126/k00/00m/040/244000c 2020年11月27日閲覧。 
  13. ^ 新年ビデオメッセージ(令和3年1月1日)』(HTML)(プレスリリース)宮内庁、2021年1月1日https://www.kunaicho.go.jp/page/okotoba/detail/86#2762021年1月1日閲覧 
  14. ^ "「希望持って歩める年に」 天皇陛下、動画で新年のお言葉". 産経ニュース. 産経デジタル. 1 January 2021. 2021年1月1日閲覧
  15. ^ “天皇誕生日の一般参賀見送り 新型コロナで2年連続―宮内庁”. 時事通信 (時事通信社). (2021年1月18日). https://web.archive.org/web/20210118054613/https://www.jiji.com/jc/article?k=2021011800628&g=soc 2021年1月19日閲覧。 
  16. ^ “新年一般参賀取りやめ 宮内庁、地震被害を考慮”. 共同通信. (2024年1月2日). https://nordot.app/1114572460351275732 
  17. ^ 2日の新年一般参賀は中止に 能登地方地震に両陛下「心痛められている」 宮内庁 - 産経ニュース 2024年1月2日
  18. ^ 世相風俗観察会『現代世相風俗史年表:1945-2008』河出書房新社、2009年3月、60頁。ISBN 9784309225043 

外部リンク

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