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日本から国外に譲渡された中古鉄道車両

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

日本から国外に譲渡された中古鉄道車両では、かつて日本国内で使用され、日本国外に譲渡された鉄道車両を紹介する。

概要

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老朽化や運用路線・列車の廃止、あるいは運用者の都合などで廃車となった、日本国内で運用されていた鉄道車両を日本国外にて再利用しているケースが多数存在する。これは、いわゆる「リユース」活用を目的にしたもので、自動車においても同様の傾向が見られる。

戦前・戦時中から、日本内地から日本の勢力圏内の各国へ向けての、路面電車、機関車、気動車、貨車等の中古鉄道車両の輸出は存在した。また、特に戦時中は、現在見られるような国内で使用されなくなった車両の譲渡ではなく、軍の要請により使用中の車両が供出され国外へ送られる戦時供出が存在したことも特筆される。例えば南方の泰緬鉄道などへ送られたC56形の事例は、戦後2両が日本へ帰還することとなったほか、今なおタイ国内で現役の個体が存在することからよく知られている。さらに、「日本」の定義に外地を含めるならば、朝鮮総督府鉄道南満洲鉄道満洲国鉄(国線)などの間での車両のやり取りや敗戦に伴う各国軍・鉄道当局への引き継ぎなど、日本から外国に引き渡された車両は膨大な数に上る[注釈 1]

戦後は散発的な譲渡はあったものの、以上のような大規模な中古車両の国外譲渡はしばらく途絶えていた。1990年代に入ると、ロシア国鉄(サハリン)キハ58系気動車が、タイ国鉄へキハ58系気動車や12系客車がそれぞれまとまった数譲渡されるなど、再び中古車両の大規模な輸出が行われるようになり、今日までに機関車や気動車、客車、保線車両などが国外へ多数譲渡されている。

電車の譲渡も行われており、大規模なものとしては1995年にアルゼンチンブエノスアイレス地下鉄へ営団丸ノ内線500形を譲渡したことを皮切りに、インドネシアJR東日本205系電車が600両以上譲渡されるなど、譲渡事例も増えている。

通常は譲渡先での運用が終了した後は現地で解体されるが、先述のC56形や、ブエノスアイレス地下鉄に譲渡された営団500形4両のように、日本に里帰りした車両も存在する[1][2]

以下にマルチプルタイタンパーなどの保線車両を除いた、戦後に輸出・譲渡された車両を国・年度別に示す。

譲渡先

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注記

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小田急電鉄9000形がアルゼンチンの企業に譲渡され、ロカ線で運用されていると誤解される事が存在するが、9000形の車体デザインと似ている、全くの別物である日本製の電車(M/R.4000)が新車で輸出され、運用されているのであり、車体寸法・軌間や電気機器が全く異なる9000形の譲渡はされていない[16]

注釈

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  1. ^ 内地に限定しても、1943年に内地に編入された南樺太における、ソ連侵攻によるソ連軍への車両の引き継ぎが発生している。
  2. ^ 2017年9月、906号が韓国ソウル特別市蘆原区の旧京春線廃線区間を活用した鉄道公園「京春線森道」に保存・展示のために無償譲渡された。
  3. ^ 2000年にタイ国内の軌道工事会社に譲渡された元JR西日本所属のDD51形のうちの2両が、マレーシアの保線工事会社に再譲渡されている。
  4. ^ 2015年に譲渡予定だったが、政権交代後政治的な理由で受け取り拒否となり、名古屋港及びミャンマー側の港で放置されていた車両について、2021年のクーデター後に再度受け取りを表明したもの。
  5. ^ 2015年より順次廃車、そのうち4両(771,734,584,752号車)は2016年7月に東京メトロへ返還。2019年現在は6両10編成が現役。

出典

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  1. ^ アルゼンチン共和国ブエノスアイレスで活躍した丸ノ内線旧500形車両が約20年ぶりに東京に里帰りします! - 東京メトロ プレスリリース(7月20日)”. 2016年7月20日閲覧。
  2. ^ “南米に渡った丸ノ内線「赤い電車」、日本に里帰り?メトロが交渉中 - withnews(ウィズニュース)”. withnews. https://withnews.jp/article/f0160301003qq000000000000000W02j0401qq000013068A 2 June 2016閲覧。 
  3. ^ a b 『鉄道ピクトリアル』2020年5月号 (No.972) p.57 - 61 電気車研究会
  4. ^ ขอนแก่นเดินหน้าผลักดันรถรางแห่งแรกของประเทศ”. สถานีโทรทัศน์ไทยทีวีสีช่อง 3 (2018年10月14日). 2019年4月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年1月24日閲覧。
  5. ^ タイ地方都市での「スマートシティ開発」に挑戦〜車両製造チョータウィーのスラデート社長インタビュー”. TJRI (2023年5月16日). 2024年1月24日閲覧。
  6. ^ ชาวขอนแก่นรอลุ้น "แทรมน้อย" ส่งตรงจากญี่ปุ่น-ทดลองวิ่งในไทย”. MGR ONLINE (2019年2月10日). 2024年1月24日閲覧。
  7. ^ 来春廃止の路線も! 「臨海鉄道」の貨物輸送と機関車に注目〈東北・北関東版〉”. GetNaviweb (2020年9月13日). 2024年1月23日閲覧。
  8. ^ PANAY RAILWAY (p.18) - PHIPPINE RAILWAY HISTORICAL SOCIETY - 2019年5月作成・2021年3月16日閲覧
  9. ^ 日本の支援終了、「軍政下」ミャンマー鉄道の現状 線路改良や新車両、運転本数激減で「塩漬け」”. 東洋経済ONLINE (2024年1月26日). 2024年1月26日閲覧。
  10. ^ 車両の紹介:単車”. 広島電鉄. 2024年1月23日閲覧。
  11. ^ Market Street Railway. “No. 578j Kobe & Hiroshima, Japan”. 2024年1月23日閲覧。
  12. ^ Market Street Railway. “No.151 Osaka, Japan”. 2024年1月23日閲覧。
  13. ^ 「キハ183系」コンゴ民主共和国で再出発 輸出先が変更
  14. ^ “北海道で使用の中古鉄道車両 輸出先がコンゴ民主共和国に変更”. NHK. (2023年12月15日). https://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20231215/7000063295.html 2024年1月26日閲覧。 
  15. ^ Réhabilitation chemin de fer Matadi-Kinshasa : 7 nouveaux trains passagers acquis par l’ONATRA grâce à un partenariat privé-public7SUR7.CD、2023年12月14日。2024年01月26日閲覧。
  16. ^ ■ 日本から外国に譲渡(輸出)された鉄道車両。 - 陰謀カレンダー(T O P)- 2020年3月6日閲覧・明確ではない情報に注意

関連項目

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