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秋田総合車両センター

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
秋田総合車両センター
秋田総合車両センター
基本情報
鉄道事業者 東日本旅客鉄道
帰属組織 東北本部
整備済み車両略号 秋田総合車セ、AT
車両基地概要
敷地面積 169,440 m2
備考 2009年4月現在のデータ
敷地面積は有価証券報告書の値[1]
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秋田総合車両センター(あきたそうごうしゃりょうセンター)は、秋田県秋田市土崎港東三丁目にある、東日本旅客鉄道(JR東日本)東北本部管轄の車両工場。旧称土崎工場[2](土崎工・TZ)。

奥羽本線泉外旭川( - 秋田貨物)- 土崎間に位置しており、近江谷栄次の寄贈地に、1908年(明治41年)5月に開設された帝国鉄道庁土崎鉄工場を前身に持つ車両工場で、国鉄の所管となってからは長らく土崎工場という名称であったが、2004年(平成16年)4月1日の組織改正により現名称に改称した[2][3]

国鉄時代から各種車両の製造・改造・整備・廃車解体を行なっているが、JR東日本所属の電気機関車の検査[注 1]、動力用ディーゼルエンジンの整備[注 2]は当センターのみで実施する。また、駅に配備されているステンレスごみ入れの製造や、日本国外からの研修生の受け入れも行なっている。

毎年一回(例年10月≪最近は8月≫)センター内の一般公開を実施、入場している車両の展示(2010年公開ではキハ48くまげら増結改造、209系房総転用改造、直流機関車EF60、キヤE193系を使用した吊り上げ実演など)、エンジンなど部品職場の公開、ミニSL運転などを行い、公開日には社員食堂 (JR-Crossフーズカンパニー) も営業する。

2008年(平成20年)に大宮総合車両センターが車両の配置を開始(東大宮センターに配置)して以降、JR東日本で車両配置がない総合車両センターは当センターが唯一となっていたが、2021年(令和3年)4月1日に、別組織であった秋田車両センター[注 3]の在来線部門が組織改正のため、当センターの下部組織となり、名称を「秋田総合車両センター南秋田センター」に変更[4][注 4]、当センターも車両配置のある総合車両センターとなった。

整備済みの車体に記される略号

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広島車両所にて全般検査を受けた車両。台車に検査年月日およびHSが書かれる。
  • 「AT」・「秋田総合車セ」

当総合車両センターの特徴として、台車ブレーキシリンダー部分に、検査年月日とATが手書きで記入される[要出典]。年・月のみならず日まで書き込む車両工場としては、他に日本貨物鉄道(JR貨物)広島車両所が知られる。

歴史

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検査担当形式と配置区所

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出典:JR東日本テクノロジー株式会社HP 事業紹介[11][12]

電車

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気動車

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  • キハ40・48形:秋田総合車両センター南秋田センター
  • HB-E300系:秋田総合車両センター南秋田センター・新潟車両センター
  • GV-E400系:秋田総合車両センター南秋田センター
  • キヤE193系:秋田総合車両センター南秋田センター

客車

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機関車

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製造された車両

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本センターでは土崎工場時代より車両の製造実績がある。

土崎工場
  • D51形蒸気機関車
    • 9両が製造された。土崎工場(当時)1号機 (D51 232) は大森山公園に静態保存されている。
  • 701系
    • 0番台2連4本、100番台全車(2連5本3連1本)、1000番台2連17本、1500番台2連1本、5000番台2連4本、5500番台2連6本の計77両を新製している[18]ほか、1000番台1033編成の浸水復旧に伴う1500番台化(1508編成)も実施している。
  • E127系
    • 100番台2両編成2本の計4両が製造された[18]

701系の製造業務は本工場において、52年ぶりとなる車両製造である[10]。ただし、川崎重工業で製作した構体を本工場まで甲種車両輸送により搬入し、艤装・内装等を本工場で実施したノックダウン生産[19][18]である。E127系100番台も川崎重工業で製作した構体を組み立てたノックダウン生産である[19][18]

秋田総合車両センター
  • HB-E300系
    • HB-E300-5の1両のみ、秋田総合車両センターで艤装され、構体を制作した総合車両製作所横浜事業所との共同制作名義となっている。

保存車両

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脚注

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注釈

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  1. ^ 以前は日本貨物鉄道(JR貨物)所属のED75形の検査を受託し、JR東日本の直流電気機関車の検査を大宮車両所に委託していたが、それぞれの所属会社で検査を受ける形に変更されている。
  2. ^ 郡山総合車両センターでは気動車も検査は行うが、エンジン整備を実施しない。
  3. ^ 当センター(秋田総合車両センター)と名称が似ているために混同されやすかった。
  4. ^ なお、2019年4月1日に新幹線統括本部が発足、秋田車両センターの新幹線車両のみ同所属となり、車体表記も〈幹アキ〉であったが、同車両センターの新幹線部門は、2021年4月1日の組織改正で「秋田新幹線車両センター」に変更された[5]
  5. ^ ディーゼルエンジンの整備のみで、車体などは所属区所で修繕する。

出典

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  1. ^ 第35期有価証券報告書 42頁 (PDF) - 東日本旅客鉄道
  2. ^ a b c 「JR年表」『JR気動車客車編成表 '04年版』ジェー・アール・アール、2004年7月1日、187頁。ISBN 4-88283-125-2 
  3. ^ 太田浩道 編「JR工場一覧表 東日本旅客鉄道 秋田総合車両センター」『JR気動車客車編成表 2021夏』発行人 横山裕司、交通新聞社〈ジェー・アール・アール編〉、2021年6月17日、232頁。ISBN 978-4-330-78917-0 
  4. ^ a b 太田浩道 編「東日本旅客鉄道 秋田総合車両センター南秋田センター 秋アキ」『JR電車編成表 2021夏』発行人 横山裕司、交通新聞社〈ジェー・アール・アール編〉、2021年5月24日、20頁。ISBN 978-4-330-02521-6 
  5. ^ 太田浩道 編「東日本旅客鉄道 秋田新幹線車両センター 幹アキ」『JR電車編成表 2021夏』発行人 横山裕司、交通新聞社〈ジェー・アール・アール編〉、2021年5月24日、19頁。ISBN 978-4-330-02521-6 
  6. ^ 昭和17年鉄道省告示第203号(昭和17年9月9日付官報第4701号掲載)
  7. ^ 宮内庁『昭和天皇実録第十』東京書籍、2017年3月30日、412頁。ISBN 978-4-487-74410-7 
  8. ^ 『機構改革で秋鉄管轄 国鉄土崎工場』昭和48年8月29日読売新聞秋田読売
  9. ^ 『博覧会列車「アメリカントレイン」 車両完成 盛大に落成式』昭和63年4月26日読売新聞朝刊23面秋田2
  10. ^ a b c 交友社『電車』1993年6月号「701系電車を新造して」pp.16 - 19記事。
  11. ^ 事業紹介 | JR東日本テクノロジー株式会社”. JR東日本テクノロジー. 2022年6月2日閲覧。
  12. ^ 事業所一覧 | JR東日本テクノロジー株式会社”. JR東日本テクノロジー. 2021年6月8日閲覧。
  13. ^ 飯田大弥 (2009年7月9日). “EF65 501、オハ12、オハ47が秋田総合車両センターへ入場”. 鉄道ファンrailf.jp 鉄道ニュース. 交友社. 2021年6月9日閲覧。
  14. ^ 宇尾野智 (2009年3月16日). “オハ47 2246、全検を終え出場”. 鉄道ファンrailf.jp 鉄道ニュース. 交友社. 2021年6月9日閲覧。
  15. ^ 島崎誠 (2020年10月14日). “スハフ32 スハフ42が出場”. 鉄道ファンrailf.jp 鉄道ニュース. 交友社. 2021年6月9日閲覧。
  16. ^ 宇尾野智 (2010年2月24日). “スハフ42 2173が出場”. 鉄道ファンrailf.jp 鉄道ニュース. 交友社. 2021年6月9日閲覧。
  17. ^ 中山智則 (2012年10月2日). “オハニ36 11が秋田総合車両センターから出場”. 鉄道ファンrailf.jp 鉄道ニュース. 交友社. 2021年6月9日閲覧。
  18. ^ a b c d 川崎重工業『未来へつづく100年の軌跡 : 兵庫工場100年史 』p.418。
  19. ^ a b JR東日本秋田支社土崎工場『土崎工場90年のあゆみ 1908-1998』pp.144 - 145記事。

参考文献

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  • 交友社『電車』1993年6月号「701系電車を新造して」(金谷剛:JR東日本秋田支社土崎工場設計技術科助役)
  • JR東日本秋田支社土崎工場『土崎工場90年のあゆみ 1908-1998』
  • 川崎重工業『未来へつづく100年の軌跡 : 兵庫工場100年史 』

関連項目

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外部リンク

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