木村雅信
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木村 雅信(きむら まさのぶ、1941年10月5日 - 2021年6月27日 )は日本の作曲家、ピアニスト。
経歴
[編集]中国河北省石門市(現、石家荘市)で生まれ、種子島に育つ。東京芸術大学・大学院で学び1970年に修了。作曲は長谷川良夫と小倉朗に師事。1972年、札幌大谷短期大学専任講師に就任。同短期大学の助教授・教授、札幌大谷大学音楽学部教授を歴任。1964年、第33回日本音楽コンクール第3位、1973年に第2回モスクワ国際バレエコンクール最優秀伴奏ピアニスト賞、2006年に札幌芸術賞[1]。などの受賞歴がある。国内、中国、ロシア、ヨーロッパ、オーストラリアなどで作品が演奏されており、札幌現代音楽展(歴代の同人に座光寺公明、保木誠、泉史夫、蛯子元、小林隆一、出路茂子、吉田均、兵井秀和、小森俊明らが名を連ねる)を主宰していた。2012年江別第一中学校音楽教諭武田靖博先生の依頼で「ケセンの復活」を作曲。原曲は「ケセンの詩(うだ)」を基に東日本大震災の東北地方を激励の意味を込めて作曲された。
主な作品
[編集]オペラ
[編集]- 『竹取物語』 Op.235(全3幕、1991年)
- 『月のウサギ』 Op.300
バレエ
[編集]- 『鳥』(1968年)
- 『ヤマトタケル』 Op.30(1968年)
- 『美しきブーゲンビリア』 Op.33(1969年)
- 『竹取物語』 Op.64(1973年)
- 『嵐ヶ丘』 Op.74(全3幕、1974年)
- 『御伽草子』 Op.80(1975年)
- 『あらぎぬ』 Op.111(1981年)
- 『星の夜のファンタジー』
- 『森のできごと』
- 『赤い靴』
- 『ピノキオ』
- 『舌切り雀』
管弦楽曲・協奏曲
[編集]- 16世紀のパヴァーヌに基づく変奏曲 Op.34(1970年頃)
- スペイン組曲
- ピアノ協奏曲
- 箏・十七絃・オーケストラのための協奏曲
吹奏楽曲
[編集]- エレジー Op.85(1976年)
- マルチャ・モーラ・アルコイヤーナ Op.146(1984年)
- ファンファーレと祝典序曲 Op.165(1986年)
- ケセンの復活(2012年)
- オペラ序曲「竹取物語」OP235 吹奏楽版
マンドリンオーケストラ曲
[編集]- 3つのレントラー(1981年)
- コンチェルト・マドリガーレ 第1番 Op.122(1982年/1996年改訂)
- イタリア組曲 Op.141(全5曲、1981-83年)
- ロシアのモードによる3声のカノン(1983年、原曲=Pf Op.136)
- マンドリンオーケストラとピアノのための小協奏曲 Op.152(1984年)
- ダンス・パッション Op.163(1985年)
- コンチェルト・マドリガーレ 第2番 Op.175(1987年)
- コンチェルト・アルドローゾ
- パドヴァ 第1番 Op.148(1984年)
- パドヴァ 第2番
- オスティナート
- アルメニアのために
- コンチェルト・マドリガーレ 第3番『MINWA』
- タンゴ・ファンタジー 第1番
- エスニック・マーチ Op.270(1995-1996年)
- タンゴ・ファンタジー 第2番 Op.280(1996年)
- タンゴ・シンフォニカ Op.288(1997年)
- マエストーソ
- ユーラシア Op.400(2008年)
- カメラータ
室内楽曲
[編集]- ヴァイオリン・ソナタ Op.14(1964年)
- ヴァイオリンとヴィオラのためのデュオ Op.22(1966年)
- ヴァイオリンとチェロのためのデュオ Op.56(1972年)
- ホルン・ソナタ Op.50(1972年)
- 4つのトムトム・マリンバ・ヴァイオリン・ピアノのためのソナタ Op.53(1972年)
- ディフェレンツィア 第3番 Op.55(1972年、Fl)
- リチェルカーレ Op.151(1984年、弦楽六重奏)
- 弦楽三重奏曲 Op.162(1985年)
- 津軽ホーハイ節によるカノン Op.205(1988年、リコーダー・Guitar)
- トリオ『マルチヌー讃』 Op.215(1989年)
- 宮城野 Op.250(1993年、Fl・Vn・筝)
- デュオ・ファンタジー Op.295(1997年、4Tomtom・Vn)
- サクソフォン四重奏曲 第2番(2000年)
- フルート・ソナタ第2番 Op.312(2000年)
- セレナータ組曲 Op.348(2003年、Fl・Ob・Cl・Fg)
- サクソフォン四重奏曲 第5番『サルサ』 Op.350(2003年)
- 五重奏曲II“帰去来‐桃源へ” Op.367(2004年、Fl・Ob・Cl・Hr・Fg)
- 弦楽四重奏曲『A.Dvorzakへのオマージュ』 Op.384(2005年)
- デュオ・ファンタジー 第2番 Op.385(2005年、Ob・Perc)
- パーセニア Op.391(2006年、Cl・4Vc)
ピアノ曲
[編集]- フーガ ロ調 Op.3-a(1961年)
- インテルメッツォI Op.25(1968年)
- パッヘルベルの主題によるヴァリエーション Op.27(1971年)
- 前奏曲 第2番 Op.36-2(1971年、プレリュードNo.2)
- パ・ド・ドゥ Op.63(1973年)
- ポエム Op.72(1975年)
- ピアノ・ソナタ 第1番 Op.76(1975年)
- バーバーの主題によるヴァリエーション Op.82(1976)
- 雪の神のユーカラ Op.106-9(1980年、アイヌの素材による舞曲No.14)
- ショパンの主題によるヴァリエーション Op.131(1983年、2台のPf)
- パガニーニの主題によるヴァリエーション Op.160(1984年、2台のPf)
- 2つのインプレス Op.184(1987年)
- 中国民謡による鋼琴練習曲ー東北地区の六つの歌 Op.199(1988年)
- 巳年の音楽 Op.207(1989年)
- ヴァリアンティ Op.220(1990年)
- アフロス Op.231(1990年)
- エストニアの歌 Op.262(1995年)
- アイヌの素材による舞曲(No.1 二台のPf、No.2-N.7、No.8『釧路地方のリムセ』二台のPf、No.9『石狩川流域のリムセ』二台のPf、No.10『十勝地方のリムセ』二台のPf、No.11『熊送り 静内のリムセ』二台のPf、No.12 二台のPf、No.13 二台のPf、No.14『雪の神のユーカラ』、No.15-No.19、No.20『ヤイシャマネナ』、No.21『白老のウポポ』、No.22-No.36)
- プレリュード(No.1、No.2、No.3『カラハリのうた』、No.4『マキフク族の歌』、No.5『夢と予言』、No.6『日高三石越前踊り』、No.7『済州島の歌』、No.8『毛越寺稚児延年花折』、No.9『ソロモン群島の哀歌』、No.10『Neputa』、No.11『サンタマリア・ノヴェルラの鐘』、No.12『星の笑い』、No.13、No.14『"不屈の民"のテーマによる反行カノン』、No.15、No.16『Emburi』、No.17『組曲・二童敵討』、No.18『サティへのオマージュI』、No.19『エストニアのうた』、No.20『ラッグルズへのオマージュI』、No.21『カリンバI』)(1970年-)
- インヴェンション(No.1 ―アイヌのモティーフによる、No.2 ―上方のモティーフによる、No.3、No.4『奄美の子守うた』、No.5『ホーエンヤ』、No.6、No.7、No.8『一羽の小鳥が…』、No.9『種子島大踊』、No.10、No.11『グレン・グールドの音列による』)(1982年-)
- シャコンヌ(No.1-No.3、No.4『マルティヌーへのオマージI』、No.5『サティへのオマージュII』、No.6、No.7、No.8『ハンガリー民謡"孔雀"によるヴァリエーション』、No.9 ―ブラームスの主題による、No.10)(1985年-)
- 雲南歌舞曲集(No.1-No.13)(2004年-)
- “ニブフの歌”―4つのインヴェンション Op.354(2003年)
- 月光光 Op.357-1(2004年)
ギター曲
[編集]- アステリスクI Op.77(1976年)
- プレリュード(No.1-No.11、No.12 二調、No.13、No.14『春の胎動』、No.15、No.16 ロ調、No.17-No.19)(1982年-)
- リチェルカーレ Op.180(1987年)
- 2つのギターのためのデュオ『長崎のティエントス』 Op.237(1991年)
歌曲
[編集]- 自作の詩による2つの歌 Op.1(1960年)
- 広島幻想 Op.147(1983年)
- 月光 Op.189(1987年、詩:河邨文一郎)
- しぐれ(1991年、詩:佐藤春夫)
- こどものための『茶色の木馬』(1970-1994年)
- ケセンの詩(うだ) Op.243/259(1992-1994年、詩:山浦玄嗣)
- 三つの春の歌(2003年、詩:土肥睦子)
合唱曲
[編集]- 女声合唱組曲『天草のオラショ』 Op.104(1981年)
- 女声合唱曲『燃えるオルガン』 Op.119(1982年)
- 女声合唱のためのインヴェンション(No.1『天の七夕』、No.2『西三国の守り子うた』、No.3『ひとめふため』、No.4-No.10、No.11『田上のヨンヨー節』、No.12『上毛野の星月のうた』、No.13『諸県の子もりうた』)(1982年-)
- 南島のわらべうたによる5つのカノン Op.144(1984年)
- 岩手のわらべうたによる10のポリフォニー Op.175(1986年)
- 『宝林讃』 Op.172(1986年)
- 『正像末和讃五首』 Op.183(1987-1988年)
- 但馬の子もりうたによる3つのカノン Op.196(1988年)
- 混声合唱組曲『蓮如抄』 Op.275(1996年、詞:太宰行信)
- 金子みすゞの詩による12の歌 Op.312(3)/Op.322(4)/作品番号なし(5)(2000-2003年、単声Op.312-1,2、Op.322-4)
- 残された時間 Op.376(2005年、詩:祖父江文宏)
- あまちゃ(詩:まどみちお)
- リンゴがひとつ(詩:山田恵里)
- 沙羅の花(詩:瀬戸内寂聴)
- よみたんのうた(詩:木村雅信)
カンタータ
[編集]- 一一(いちいち)の華のなかよりは――浄土讃歌 Op.92(1977年)
- 戦争にいのち奪われたあなた方よ Op.192(1988年、テキスト:高史明)
- 妙好人のうた Op.390(2006年、テキスト:浅原才市)
環境音楽
[編集]- プランタン Op.168(1986年)
- 白樺のサイン Op.169(1986年)
著書
[編集]- 作曲家の手仕事(みすず書房、ISBN 4-622-04235-5)
- 音楽の贈り物(響文社、ISBN 4-87799-009-7)