札幌国際ハーフマラソン
札幌国際ハーフマラソン大会(さっぽろこくさいハーフマラソンたいかい)は、2012年まで毎年7月上旬に開催されていた陸上競技大会である。
解説
[編集]この大会は世界ハーフマラソン選手権(旧世界ロードランニング選手権)の代表選手選考を兼ねていた。
北海道札幌市の札幌市円山競技場発着で札幌市内を縦断し、白石区内の東札幌3条5丁目折り返しのコースで行われた。気候的にもコース的にも好タイムが出やすい大会として知られ、また夏季に行われるハーフマラソンの大会としては数少ないもので、男子のジュマ・イカンガー、女子の高橋尚子、野口みずき、リディア・シモン、キャサリン・ヌデレバ等といった国内外の一流選手が参戦したレースとしても知名度が高い大会でもあった。
さらに従来から箱根駅伝を目指す大学生が多数参加していたが、2005年より同時期に開催されていた日本学生陸上競技対校選手権大会(日本インカレ)のハーフマラソン種目がなくなったことから、多くの学生の参加があった。
歴史
[編集]1958年に北海タイムス主催の「タイムスマラソン」として始まった。
1974年の第17回より距離が30kmに短縮され、「タイムスマラソン30kmロードレース」に改称。これより北海タイムス関連の放送局であった札幌テレビ放送(STV)制作で日本テレビ系列全国放送が開始され、これが同系列としては初のロードレース中継となった[1]。1980年には日本テレビも制作に関与し、舛方勝宏や倉持隆夫が実況を担当した[2]。
1987年(同年より北海道マラソンが開催)の第30回よりハーフマラソン形式となり、「タイムス国際ハーフマラソン」になるが、第32回を最後に北海タイムスが経営難のため降板。1990年の第33回より「札幌国際ハーフマラソン」に改称。主催新聞社は北海タイムス商標権を取得した読売新聞社となる。
2012年12月27日に行われた大会組織委員会で、第55回大会を最後に打ち切りとなることが決定した[3]。
その後、2021年5月5日に東京オリンピックテスト大会として『札幌チャレンジハーフマラソン』が行われ、札幌市内におけるハーフマラソン国際大会としては9年ぶりの復活となった。放送も札幌テレビ制作協力により日本テレビ系列で生中継された。
歴代優勝者
[編集]男子
[編集]回 | 年 | 氏名 | 所属 | 記録 |
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30 | 1987年 | 渋谷俊浩 | 雪印乳業 | 1時間05分40秒 |
31 | 1988年 | ジュマ・イカンガー | タンザニア | 1時間03分22秒 |
32 | 1989年 | ジュマ・イカンガー | タンザニア | 1時間02分56秒 |
33 | 1990年 | ジュマ・イカンガー | タンザニア | 1時間03分56秒 |
34 | 1991年 | 早乙女等 | 日本電気 | 1時間04分39秒 |
35 | 1992年 | 実井謙二郎 | MDI | 1時間02分59秒 |
36 | 1993年 | ルケツ・スワルトブーイ | ナミビア | 1時間02分02秒 |
37 | 1994年 | タデッセ・ゲブレ | テクモ | 1時間04分29秒 |
38 | 1995年 | ステファン・マヤカ | 山梨学院大学 | 1時間01分43秒 |
39 | 1996年 | ステファン・マヤカ | ダイエー | 1時間02分02秒 |
40 | 1997年 | ステファン・マヤカ | ダイエー | 1時間03分57秒 |
41 | 1998年 | エリック・ワイナイナ | コニカ | 1時間02分56秒 |
42 | 1999年 | ジョン・カーニー | 平成国際大学 | 1時間01分32秒 |
43 | 2000年 | ラバン・カギカ | NKK | 1時間02分16秒 |
44 | 2001年 | ジェームス・ワイナイナ | スズキ | 1時間01分52秒 |
45 | 2002年 | サムエル・カビル | ホンダ | 1時間01分11秒 |
46 | 2003年 | ジョン・カーニー | トヨタ自動車 | 1時間02分08秒 |
47 | 2004年 | ジェームズ・ムワンギ | NTN | 1時間01分28秒 |
48 | 2005年 | メクボ・ジョブ・モグス | 山梨学院大学 | 1時間01分28秒 |
49 | 2006年 | サイラス・ジュイ | 日産自動車 | 1時間01分16秒 |
50 | 2007年 | メクボ・ジョブ・モグス | 山梨学院大学 | 59分54秒 |
51 | 2008年 | メクボ・ジョブ・モグス | 山梨学院大学 | 1時間00分52秒 |
52 | 2009年 | ガトゥニ・ゲディオン | 日清食品 | 1時間00分39秒 |
53 | 2010年 | サイラス・ジュイ | 日立電線 | 1時間01分20秒 |
54 | 2011年 | サイラス・ジュイ | 日立電線 | 1時間01分47秒 |
55 | 2012年 | マーティン・マサシ | スズキ浜松アスリートクラブ | 1時間01分35秒 |
女子
[編集]回 | 年 | 氏名 | 所属 | 記録 |
---|---|---|---|---|
29 | 1986年 | 荒木久美 | 京セラ | 1時間15分31秒 |
30 | 1987年 | 浅井えり子 | 日本電気HE | 1時間14分50秒 |
31 | 1988年 | 荒木久美 | 京セラ | 1時間13分30秒 |
32 | 1989年 | リサ・マーチン | オーストラリア | 1時間12分25秒 |
33 | 1990年 | リサ・ワイデンバック | アメリカ合衆国 | 1時間12分54秒 |
34 | 1991年 | リサ・ワイデンバック | アメリカ合衆国 | 1時間13分50秒 |
35 | 1992年 | 浅井えり子 | 日本電気HE | 1時間12分20秒 |
36 | 1993年 | オルガ・アペル | メキシコ | 1時間10分38秒 |
37 | 1994年 | 谷川真理 | 良品計画 | 1時間13分53秒 |
38 | 1995年 | 坂下奈穂美 | ワコール | 1時間10分32秒 |
39 | 1996年 | 上林一美 | ワコール | 1時間09分40秒 |
40 | 1997年 | 市橋有里 | 住友VISA | 1時間11分03秒 |
41 | 1998年 | 市橋有里 | 住友VISA | 1時間11分45秒 |
42 | 1999年 | リディア・シモン | ルーマニア | 1時間08分51秒 |
43 | 2000年 | 高橋尚子 | 積水化学 | 1時間09分10秒 |
44 | 2001年 | リディア・シモン | ルーマニア | 1時間09分46秒 |
45 | 2002年 | キャサリン・ヌデレバ | ケニア | 1時間08分57秒 |
46 | 2003年 | キャサリン・ヌデレバ | ケニア | 1時間08分23秒 |
47 | 2004年 | 大南博美 | UFJ銀行 | 1時間08分45秒 |
48 | 2005年 | キャサリン・ヌデレバ | ケニア | 1時間09分24秒 |
49 | 2006年 | 野口みずき | シスメックス | 1時間08分14秒 |
50 | 2007年 | 野口みずき | シスメックス | 1時間08分22秒 |
51 | 2008年 | 加納由理 | セカンドウィンドAC | 1時間08分57秒 |
52 | 2009年 | 中村友梨香 | 天満屋 | 1時間09分20秒 |
53 | 2010年 | 加納由理 | セカンドウィンドAC | 1時間11分47秒 |
54 | 2011年 | フローレンス・キプラガト | ケニア | 1時間10分29秒 |
55 | 2012年 | 伊藤舞 | 大塚製薬 | 1時間10分52秒 |
運営
[編集]放送
[編集]- 札幌テレビ(年度によっては日本テレビ)をキーステーションに日本テレビネットワーク協議会(NNS)28局全国ネット・日曜13:30~14:55(テレビ大分を除く)
- 1990年前半までは12:00~13:55に放送され、大会放送時は「TV JOCKEY」→「スーパーJOCKEY」は休止。12時台のローカル番組は休止か移動して放送した。
- 2006年から、全映像ハイビジョン制作で放送されている。
- STVラジオでも北海道ローカルで実況生中継していた時期があった。
協賛
[編集]脚注
[編集]- ^ なお、同系列における箱根駅伝中継は1987年から。
- ^ 『実況! 熱きことばの伴走者たち』(1994年3月発売・4月1日発行、日本テレビ放送網アナウンス部編著・創拓社発行)には、「日本テレビ初のロードレース中継」「タイムス30Kロードレース 舛方・倉持アナ札幌へ」と記載されているため、日本テレビ主導の制作だった可能性がある。
- ^ “札幌ハーフマラソンが終了”. スポーツ報知. (2012年12月28日)