残菊物語
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『残菊物語』(ざんぎくものがたり)は、村松梢風による日本の短編小説[1]、および同作を原作とする新派の戯曲、日本の映画、日本のテレビ映画である。
1937年(昭和12年)9月、「サンデー毎日」増刊号に掲載され、翌年に同題の小説集が刊行された[1]。1937年10月には、巌谷慎一の脚本により新派劇となり、明治座で上演されている[1]。さらに1939年(昭和14年)に溝口健二監督、1956年(昭和31年)に島耕二監督、1963年(昭和38年)に大庭秀雄監督が映画化[1]、1967年(昭和42年)には塚田圭一がテレビ映画化している。
あらすじ
[編集]歌舞伎役者・二代目尾上菊之助の悲恋の物語。身分違いの恋を全うして芸の道に励み、妻は悲しい結末を迎えるが、菊之助は素直で誠実で情愛のこもった人物として描かれている。
1939年版
[編集]殘菊物語 | |
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The Story of the Last Chrysanthemums | |
監督 | 溝口健二 |
脚本 |
依田義賢 構成 川口松太郎 |
原作 | 村松梢風 |
製作総指揮 | 総監督 白井信太郎 |
出演者 |
花柳章太郎 森赫子 |
音楽 | 深井史郎 |
撮影 |
三木滋人 藤洋三 |
編集 | 河東與志 |
製作会社 | 松竹京都撮影所 |
配給 | 松竹 |
公開 | 1939年10月10日 |
上映時間 | 146分 |
製作国 | 日本 |
言語 | 日本語 |
『殘菊物語』は、溝口作品の中でも評価されている戦前の映画であり、1939年のキネマ旬報邦画ベスト・テン第2位に入賞した。溝口の監督作品の『芸道三部作』の一つとして知られている(ただし、他の『浪花女』、『芸道一代男』は現存しない)。本作は、溝口作品の中で、ほぼ全てが現存する数少ない戦前作品となった(146分中143分現存)。
映像と音声をデジタル修復した版が制作されており、2015年にカンヌ映画祭でプレミア上映されて好評を博した。淀川長治は、黒澤明の『羅生門』、小津安二郎の『戸田家の兄妹』と共に、自身の邦画ベスト3に本作品を挙げている。ブルーレイでも発売されている。
配役
[編集]- 二代目尾上菊之助:花柳章太郎
- 中村福助:高田浩吉
- 栄寿太夫:川浪良太郎
- 尾上松助:高松錦之助
- 守田勘弥:葉山純之輔
- 尾上多見蔵:尾上多見太郎
- 待合の客:結城一朗
- 新富座の頭取:南光明
- 同座女形:天野刃一
- 奥役:井上晴夫
- 旅廻り太夫元:石原須磨男
- 同頭取:廣田昂
- 待合の客:富本民平
- 旅廻りの役者:保瀬英二郎
- 芸妓栄龍:伏見信子
- 同小仲:花岡菊子
- 同小菊:白河富士子
- おつる:最上米子
- 茶店の婆:中川芳江
- お徳の叔母:西久代
- 五代目の女中:鏡淳子
- 同女中:大和久乃
- 同乳母:田川晴子
- 芸妓一:柴田篤子
- 芸妓二:秋元富美子
- 芸妓三:国春美津枝
- 女角力:白妙公子
- 劇団より
- 五代目尾上菊五郎:河原崎権十郎
- お徳:森赫子
- 尾上多見二郎:花柳喜章
- 按摩元俊:志賀廼家辨慶
- 待合の女将:柳戸はる子
- 猿廻しの男:松下誠
- 角座頭取:島章
- お徳の叔父:中川秀夫
- 旅廻りの役者:花田博
- 實川猿三郎:春本喜好
- 菊之助の弟子:橘一嘉
- 大船より
- 若い者:磯野秋雄
- 新興より
1956年版
[編集]残菊物語 | |
---|---|
『残菊物語』 1956年 | |
監督 | 島耕二 |
脚本 | 依田義賢 |
原作 | 村松梢風 |
製作 | 永田雅一 |
出演者 |
長谷川一夫 淡島千景 |
音楽 | 大森盛太郎 |
撮影 | 長井信一 |
編集 | 西田重雄 |
製作会社 | 大映京都撮影所 |
配給 | 大映 |
公開 | 1956年4月23日 |
上映時間 | 112分 |
製作国 | 日本 |
言語 | 日本語 |
配役
[編集]- 二代目尾上菊之助:長谷川一夫
- お徳:淡島千景(松竹)
- 栄寿太夫:黒川弥太郎
- 守田勘弥:見明凡太朗
- 中村福助:伊沢一郎
- 中村芝翫:市川小太夫(松竹)
- 芸者米子:阿井美千子
- 芸者小ふみ:三田登美子
- おつる:中村玉緒
- 里:吉川満子(松竹)
- おもと:浪花千栄子(東宝)
- 尾上多見蔵:寺島雄作
- 木賃宿の亭主:荒木忍
- 旅芝居の座員甲:東良之助
- 芝居茶屋の客:上田寛
- 医者:南部彰三
- 旅芝居の頭取:天野一郎
- 尾上松助:尾上栄五郎
- 朝日座の頭取:水原浩一
- 道具屋:石原須磨男
- 料亭の客:原聖四郎
- 旅芝居の座員乙:高倉一郎
- 旅芝居の座員丙:葉山富之輔
- 実川延二郎:五代千太郎
- お徳の伯父新作:芝田総二
- 角座の頭取:玉置一恵
- 衣裳屋の源さん:横山文彦
- 延二郎の番頭:岩田正
- 見物の客A:藤川準
- 見物の客B:菊野昌代士
- 越川一
- 見物の客C:旗考思
- 福助の弟子:滝川潔
- 旅芝居の裏方甲:大崎四郎
- 旅芝居の裏方乙:大国八郎
- 旅芝居の座員丁:愛原光一
- 待合の女将:金剛麗子
- 茶屋の婆や:小松みどり
- 芝居茶屋の内儀:小林加奈枝
- 尾上家の女中:前田和子
- 京都の宿の女中:仲上小夜子
- 国枝勢津子
- 高原朝子
- 菊五郎の番頭:市川壽美蔵
- 嵐璃昇:嵐三右衛門
- 五代目尾上菊五郎:澤村訥升(九代目澤村宗十郎)
1963年版
[編集]残菊物語 | |
---|---|
監督 | 大庭秀雄 |
脚本 | 依田義賢 |
原作 | 村松梢風 |
製作 |
白井昌夫 桑田良太郎 |
出演者 |
市川猿之助 岡田茉莉子 |
音楽 | 黛敏郎 |
撮影 | 厚田雄春 |
編集 | 相良久 |
製作会社 | 松竹京都撮影所 |
配給 | 松竹 |
公開 | 1963年10月17日 |
上映時間 | 105分 |
製作国 | 日本 |
言語 | 日本語 |
配役
[編集]- 二代目尾上菊之助:二代目市川猿之助(初代市川猿翁)
- お徳:岡田茉莉子
- 五代目尾上菊五郎:嵐寛寿郎
- 尾上夫人里:中村芳子
- 中村福助:津川雅彦
- 栄寿太夫:北上弥太朗
- 尾上松助:織田政雄
- 守田勘弥:黒川弥太郎
- 中村芝翫:市川小太夫
- 尾上多見蔵:明石潮
- 弟子多見三郎:花井緑太郎
- 按摩元俊:伴淳三郎
- 按摩元俊娘おつる:岩本多代
- 朝日座の頭取:三島雅夫
- 田舎廻りの太夫元:山路義人
- 旅廻り太夫元:名和宏
- 芸者小ふみ:冨士眞奈美
- 芸者米子:千之赫子
- 柳橋待合の女将:沢村貞子
- 旅廻りの座頭:曾我廼家明蝶
- 茶店の婆や:菅井きん
- 大阪商人:上田吉二郎
- 福助の弟子:市川猿三郎
- 菊五郎の家の女中:葵京子
- 旅廻りの役者:大泉滉
- 旅廻りの役者:中村是好
- 木賃宿の老爺:左卜全
テレビドラマ
[編集]1957年版
[編集]1959年版
[編集]1962年版
[編集]1967年版
[編集]- 1967年12月14日 - 12月28日『シオノギテレビ劇場』(フジテレビ)にて放映。
- 監督:塚田圭一
- 出演:市川門之助、柳永二郎、池内淳子、市川翠扇、大矢市次郎、山茶花究、市川たか志、美田園子
- 音楽:渡辺岳夫
1973年版
[編集]- 1973年11月14日 - 11月21日『女・その愛のシリーズ』(NET)にて放送。
- 監督:佐々木康
- 脚本:野上龍雄
- 出演者:香山美子、津川雅彦、辰巳柳太郎、東恵美子、佐々木孝丸、滝田裕介、南美江、中村芝鶴[5]
脚注
[編集]- ^ a b c d 残菊物語 コトバンク
- ^ “残菊物語(1957年)”. テレビドラマデータベース. 2021年2月5日閲覧。
- ^ “残菊物語(1959年)”. テレビドラマデータベース. 2021年2月5日閲覧。
- ^ “残菊物語(1962年)”. テレビドラマデータベース. 2020年2月5日閲覧。
- ^ “残菊物語(1973年)”. テレビドラマデータベース. 2021年2月5日閲覧。
外部リンク
[編集]- 残菊物語 (1939) - allcinema
- 残菊物語 (1939) - KINENOTE
- The Story of the Last Chrysanthemums - IMDb
- 残菊物語 (1956) - allcinema
- 残菊物語 (1956) - KINENOTE
- 残菊物語 (1963) - allcinema
- 残菊物語 (1963) - KINENOTE
- 溝口版の紹介 - YouTube
- 残菊物語(1957) - テレビドラマデータベース
- 残菊物語(1959) - テレビドラマデータベース
- 残菊物語(1962) - テレビドラマデータベース
- 残菊物語(1967) - テレビドラマデータベース
- 残菊物語(1973) - テレビドラマデータベース
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残菊物語(1959年)
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残菊物語(1962年)
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フジテレビ 木曜22:00~22:45枠 | ||
残菊物語(1967年)
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フジテレビ シオノギテレビ劇場 | ||
花咲く湊
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残菊物語(1967年)
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