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気まぐれ天使

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
気まぐれ天使
ジャンル テレビドラマ
原作 葉村彰子
脚本 松木ひろし
監督 斎藤光正
出演者 石立鉄男
大原麗子
酒井和歌子
森田健作
樹木希林
秋野暢子
音楽 大野雄二
オープニング 小坂忠&ウルトラ「気まぐれ天使」
製作
プロデューサー 上野徹
長富忠裕
松岡明
山本剛正
制作 日本テレビ(放送局)
ユニオン映画(制作)
放送
放送国・地域日本の旗 日本
放送期間1976年10月6日 - 1977年10月19日
放送時間水曜 20:00 - 20:54
放送枠日本テレビ水曜8時枠連続ドラマ
放送分54分
回数43
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気まぐれ天使』(きまぐれてんし)は、日本テレビ系列で放送されたホームドラマである。石立鉄男ユニオン映画シリーズの第六作で、放映期間は1976年10月6日から1977年10月19日までの全43話。

概要

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  • 本作の放送回数は全43回。これは、石立鉄男・ユニオン映画シリーズとしては最長記録である[1]
  • オープニングがアニメーションを利用しており、それまでのシリーズとは一線を画する。この演出・作画は芝山努が手掛けた[2]。芝山の所属は、「Aプロ」から、1976年(昭和51年)9月9日に社名を変更・改組したばかりの「シンエイ動画」である。クレジットはキャストから紹介され、これも、それまでのシリーズでスタッフの後に配役を紹介する順番とは異なっている。
  • 音楽:大野雄二&選曲:鈴木清司コンビは、本作の劇伴ブリッジを、同じ日本テレビ系アニメ『ルパン三世 (TV第2シリーズ)』(1977年10月期開始と放送時期も近い)や、その後のアニメ映画『ルパン三世 カリオストロの城』(1979年公開)などでも流用している。
  • 劇中に登場する下着は、ワコールの協力を得ている。それまでのシリーズと異なり、主人公の下宿だけでなく、会社や取引先を舞台に同僚と展開する話も多いのが特徴である。
  • 「プリンセス下着本社」は、窓に特徴のある海運ビル(東京都千代田区平河町2-6-4)。劇中で、当時隣接していた「株式会社タイトー」(当時:千代田区平河町2-5-3 → 2007年新宿へ移転)のロゴ(TAITO CORPORATION)が、また第33話では近隣の赤坂プリンスホテルホテルニューオータニなどが確認出来る。

あらすじ

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女性下着の大手メーカー・プリンセス下着の宣伝部に勤める忍は、ポスターなどのコピーライターとして仕事に従事する一方で、昔からの夢である童話作家として成功するために、仕事が終われば毎晩部屋で童話制作に勤しんでいた。この「童話制作」がカギとなり、同僚の妙子と交際がスタート。二人で「300万円を貯めるまで結婚しない」という条件で、婚約関係に。早稲田の古本屋[3]の二階に居候という貧しい生活を続けていた。

そんなある日曜日、街を歩いていた忍は行き倒れになった老女を助ける。その老女・伊集院綾乃は、公家の家の生まれで、嫁との不仲が原因で京都府から家出をしてきたのだと称するのだった。忍は綾乃に新幹線の切符を買い与え、いったん駅で別れる。しかし、妙子と口論になって不機嫌に帰宅した忍を待っていたのは綾乃だった。まだ発車まで時間があるというのにもかかわらず、新幹線に乗り遅れてしまったと言い、周囲に忍の居所を聞きまわって忍の下宿先までやって来たのだという。手癖の悪い綾乃は、周囲を巻き込みながら様々なトラブルを引き起こすも、「人生は忍の一文字」という父親の教えのもと耐えしのぶのであった。

忍は、綾乃がそれまでいたというアパートを探しに雑司ヶ谷に来る途中、綾乃の孫娘、フーテンもどきで英語が達者な渚と出会う。家主から巨額の未払い家賃を請求された忍は逃げ帰る。渚から、綾乃が多くの昔話を語れることを知った忍は、これをもとに童話が書けるとふんで、帰る家のない綾乃と渚と同居することに。渚は、忍の優しさを見抜いて強く慕うようになる。大家夫婦は、家庭教師として渚が優秀だと分かり、綾乃と渚に隣室での間借りを許し、家賃の面倒は忍がみることになった。しかし綾乃のバサマの手癖の悪さやフーテンの渚の世間知らずが巷でトラブルを引き起こし、忍は世話を焼かされるのであった。

忍の上司で副部長の榎本は、何かと忍の失敗をフォローする義理堅いサッカー部の後輩。実家は大金持ちのため、そういう背景を知らない人と行きずりの恋に落ちて結婚するのが夢。鼻っ柱の強い妙子と付き合おうとするも婚約している妙子から断られて失恋、代わりに、妙子の妹の真紀から見染められ、行きずりのように出会って、ちょくちょくデートする仲になる。

妙子は、年末にフランスのデザイナーに見初められ、婚約を解消して渡仏する。寂しく感じる忍だが、年明けの数週間後、新しい部長として南條友江がバイクに乗って横浜支店からやってきた。厳格な経営スタイルに宣伝部員は戸惑い、忍と榎本は、トモエ御前だとかヒトラーだとかあだ名をつけて愚痴を言う。友江は、おしゃれで仕事のできる榎本より、誠実そうな忍を見込んで、近くにアパートを探してくれという。忍は、妙子の渡仏で寂しがっていた妹の真紀に紹介し、友江と真紀の同居が始まる(ヒロインの交代)。友江は、部下としてトラブルを起こす忍や綾乃のしりぬぐいをするうち、童話作家としての顔に気づき、童話を読んで人柄を高く評価するようになる。

友江の登場を機に、忍自体が職場でトラブルを起こし、友江と榎本が世話を焼くという話が多くなり、ビジネスコメディが展開されるようになっていく。アバンタイトルとエンディングで、石立鉄男が視聴者に向かって一言発するメタ演出も多用されるようになる。終盤は、忍が童話作家としての成功を夢見て、意を決してプリンセス下着を退職。友江と渚のどちらを選ぶのか、友江は、仕事のできる榎本と童話作家に生きる忍とどちらを選ぶのか、タイトル通り二転三転を経て、幕が閉じる。

キャスト

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  • 森脇雄二:山本紀彦(小料理屋「八重」の店主)
  • 藤平一郎:穂積隆信(プリンセス下着・宣伝部部長)
  • 由利:浅野真弓(プリンセス下着・宣伝部社員)  
  • 信子:前沢保美(プリンセス下着・宣伝部社員)
  • 朝子:津山登志子(プリンセス下着・宣伝部社員)
  • 鈴木:小野進也(ラジオ局ディレクター)
  • 岡崎:岸部一徳(真紀の友達)
  • プリンセス下着・専務:若松和子
  • プリンセス下着・人事部長:曽我廼家一二三
  • 榎本財閥執事・長谷川(二代目):今福正雄(第15、38、42、43話など)
  • 勝代:田島令子(編集者、友江の親友)
  • 歌子:藤谷美和子(渚の親友)
  • 加茂 忍の父:田中浩
  • 加茂 忍(幼少の頃):西川和孝
  • 猪野剛太郎、大矢兼臣、水無川冬子、池田武司、宮本茂

ゲスト出演者

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第1話

第3話

  • 榎本財閥の執事・長谷川(初代):東野英心(当時、クレジットは東野孝彦)

第4話

第7話
第8話
第10話
第11話
第12話
  • プリンセス下着・社長:清川虹子
  • プリンセス下着・社長の息子:うえだ俊(当時、クレジットは植田俊)
第14話
第15話
第17話
第19話
第20話
第21話
第22話
第23話
第24話
第25話
第26話
第27話
第28話
第29話
第30話
第31話
  • プリンセス下着の警備員・森:谷村昌彦
  • 交番巡査:山谷初男
  • オーストラリア下着卸商社員:ヤン・エリック
  • 水橋和夫、山田五郎、小池幸二、小島巌、宮沢康、小幡良二、今市陽一
第32話
  • アグネス・ハム:ナンシー美紀
  • 神山春乃:加藤治子
  • プレジール社員:北村総一郎
  • 「ホテル山手」の用心棒:団巌
  • 神山宅の隣人:マリーナ・ガランデ
  • ハワイのホテルメイド:ディーテン
  • 有田麻里、松本敏男、岩下純三、土生和彦、佐藤信行、高橋るみ、
第33話
第34話
第35話
第36話
  • 坂下(さかのした):田辺靖雄(忍の同級生)
  • いづくら(耀子の兄):津村鷹志(当時、クレジットは津村隆)
  • 山代タイムズ・石沢:轟謙二
第37話
第38話
第39話
第40話
  • 大沢良子:松本留美(大学時代の童話サークルのメンバー)
  • 大沢稔:伊藤洋一
第41話
第42話
  • 西島武夫:有川博(セブンレコード・プロデューサー)

使用曲

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  • 主題歌:「気まぐれ天使」 作詞:松木ひろし/作・編曲:大野雄二/唄・演奏:小坂忠&ウルトラ
  • 挿入歌:「ジングル・ジャングル」 作詞:坪田直子/作・編曲:大野雄二/唄:坪田直子
  • DUCATI(ドゥカティ)社の「パラレルツインモデル500GTL」。南條友江が通勤にも使用していた(32話で横浜の街を忍と2人で、来日していた「アグネス・ハム」をバイクに乗って探し回るシーンで確認出来る。1975年発売品なので新車であろう)。忍や榎本も「部長の運転は荒い」と劇中のセリフにも何度もあるように、後ろに乗せられて降りたときふらつく場面が多い。

スタッフ

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サブタイトル

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回数 放送日 サブタイトル 脚本 監督
1 1976年

10月6日

忍ぶれど…… 松木ひろし 斎藤光正
2 10月13日 働けど……
3 10月20日 想わねど…… 手銭弘喜
4 10月27日 笛吹けど……
5 11月3日 信ずれど…… 鶴島光重
6 11月10日 君待てど……
7 11月17日 拾いものには御用心 田中知己
8 11月24日 野良猫に乾杯
9 12月1日 シンデレラの靴
10 12月8日 とらぬタヌキとマリアさま 鶴島光重 斎藤光正
11 12月15日 海の向うに何がある? 松木ひろし 手銭弘喜
12 12月22日 めざめた朝
13 12月29日 これっきり、もう…… 斎藤光正
14 1977年

1月5日

笑う門には…… 鶴島光重 手銭弘喜
15 1月12日 嗚呼!花の成人式
16 1月19日 花も恥じらう独裁者 松木ひろし 田中知己
17 1月26日 げに恐ろしきは…… 手銭弘喜
18 2月2日 ブラジャーで首を吊れ! 窪田篤人
19 2月9日 これぞ男の生きる道 鶴島光重 田中知己
20 2月16日 ジュリエット危機一髪 松木ひろし
21 2月23日 破れかぶれで30だァ!! 鶴島光重 斎藤光正
22 3月2日 ヒットラーが脱ぐ日 窪田篤人 手銭弘喜
23 3月9日 あなた代わりはないですか 鶴島光重
24 3月16日 虹をわたったカモさんは……
25 3月23日 花の命はみじかくて 窪田篤人
26 3月30日 マタハリ恋に死す 松木ひろし 田中知己
27 4月6日 地球を蹴っとばせ 手銭弘喜
28 4月20日 拾ったチョコを食べないで!
29 5月11日 お母さん、あしからズ 鶴島光重 田中知己
30 5月25日 蒸発のブルース 松木ひろし 荒木功
31 6月8日 赤い夕陽にピンクの風 窪田篤人
若園修
手銭弘喜
32 6月22日 母をたずねて今日も又…… 鶴島光重
33 7月13日 ああ、結婚遁走曲 窪田篤人 斎藤光正
34 7月27日 オトコの約束 松木ひろし 田中知己
35 8月3日 夕空はれて…… 鶴島光重 手銭弘喜
36 8月10日 バサマの目にも……
37 8月17日 パンダに続け! 佐藤重直
38 8月24日 友江とならばドコドコ迄も 手銭弘喜
39 9月7日 センチメンタル・マキ 田中知己
40 9月21日 オハナシできた? 手銭弘喜
41 10月5日 社を捨てて、街に出よう 松木ひろし
42 10月12日 ゴール前の混戦
43 10月19日 棒っ切れにバラが咲く

放送局

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特記の無い限り全て放送時間は 水曜 20:00 - 20:54、同時ネット。

脚注

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注釈

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  1. ^ 第31話から樹木希林として出演。この第31話から35話までのオープニングでのクレジット表示は「悠木千帆改メ 樹木希林」。

出典

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  1. ^ 気になる嫁さん」、「パパと呼ばないで」の全40回が2位である
  2. ^ 出典:『コメディードラマソングブック』(VAP
  3. ^ akochi (2013年2月11日). “古書現世”. 昔のドラマのロケ地を探そう!. 2023年3月2日閲覧。
  4. ^ フィルムクレジット上は「東洋現像」とクレジットされている。
  5. ^ 北海道新聞』1977年6月各日朝刊テレビ欄
  6. ^ a b 岩手日報』1977年6月各日朝刊テレビ欄
  7. ^ 秋田魁新報』1977年6月各日朝刊テレビ欄
  8. ^ 山形新聞』1977年6月各日朝刊テレビ欄
  9. ^ a b 福島民報』1977年6月各日朝刊テレビ欄
  10. ^ 信濃毎日新聞』1977年6月各日朝刊テレビ欄
  11. ^ 山梨日日新聞』1977年6月各日朝刊テレビ欄
  12. ^ a b c 『北國新聞』1976年10月6日付朝刊、テレビ欄。
  13. ^ 中日新聞』1977年6月各日朝刊テレビ欄
  14. ^ 京都新聞』1977年6月各日朝刊テレビ欄
  15. ^ 山陰中央新報』1977年6月各日朝刊テレビ欄
  16. ^ a b 山陽新聞』1977年6月各日朝刊テレビ欄
  17. ^ a b c d e 『大分合同新聞』1977年6月8日付朝刊、テレビ欄。
  18. ^ 徳島新聞』1977年6月各日朝刊テレビ欄
  19. ^ 愛媛新聞』1977年6月各日朝刊テレビ欄
  20. ^ 熊本日日新聞』1977年6月各日朝刊テレビ欄
  21. ^ 宮崎日日新聞』1977年6月3日付朝刊テレビ欄
  22. ^ 『宮崎日日新聞』1977年6月各日朝刊テレビ欄
日本テレビ 水曜20時台
(1976年10月12日 - 1977年10月19日)
前番組 番組名 次番組
気まぐれ天使