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法政大学アリオンコール

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

法政大学アリオンコール(ほうせいだいがくアリオンコール)とは、法政大学で活動する合唱団である。80年以上の歴史と伝統を誇り、法政大学の現存音楽団体としては最古の歴史を持つ。通称は「アリオン」。顧問指揮者は田中信昭。東京六大学合唱連盟に加盟している。

概要

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1928年に、当時存在した法政大学YMCAを母体として創立した男声合唱団で、1930年に初の演奏会を挙行して以来、戦中戦後の混乱期の中断を挟みながらこれまで活動を続けている。団名は、紀元前7世紀頃に実在したギリシアの詩人で音楽家の『アリオン』にちなんで名づけられている。

演奏の特色としては現代音楽を取り上げる事が多い点が挙げられ、これまで委嘱作品・初演作品を含め、定期演奏会ではほぼ毎年現代音楽を演奏している。

近年は最盛期よりも所属人数が減少しており、2014年には定期演奏会の中止、2015年には東京六大学合唱連盟定期演奏会での単独ステージを中止するまでに至った。これを受け、2016年からは女声団員の募集を開始。また、同年から常任指揮者に蓮沼喜文を迎えた。

沿革

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  • 1928年 - 法政大学YMCA(聖歌隊)が母体となり「アリオンコール」創立。創立者は木村繁。
  • 1930年 - 第1回研究発表会開催。(以後1933年まで3回開催)
  • 1931年 - 第5回合唱競演音楽祭出場。(以後1935年まで3回出場)
  • 1940年 - ゲストに藤原義江等を迎え、紀元2600年記念「独唱と合唱の会」を日比谷公会堂にて開催(現在アリオンコールではこれを第1回定期演奏会としている)。
  • 1942年 - この年の卒業生の卒団以降、第2次世界大戦の激化により一時活動が途絶える。
  • 1946年 - 塚本吉成氏らが中心となり「コール・フロイデ」結成。
  • 1949年 - 団名を「アリオン合唱団」に改称。
  • 1955年 - 静岡にて初の地方演奏会を開催。
  • 1957年 - 常任指揮者に田中信昭を迎える(後に顧問指揮者に変更)。団名を現名称の「アリオンコール」に改称。
  • 1960年 - 第1回法関交歓演奏会を共立講堂大阪産経会館にて開催。
  • 1998年 - 創立70周年記念式典を開催。「アリオンコール70年記念史」を出版。公式ホームページ開設。OB合唱団「オールアリオン」の第1回演奏会を開催。
  • 2008年 - 創立80周年記念演奏会(第58回定期演奏会)を開催。
  • 2014年 - 第64回定期演奏会を団員数減少に伴い中止。
  • 2016年 - 女声団員の募集を開始。常任指揮者に蓮沼喜文を迎える。

演奏会

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現在定期的に行われている演奏会は以下の通り。

その他法政大学校友会・同窓会での演奏、体育会試合での校歌斉唱など各方面で演奏を行っている。

委嘱活動と初演作品

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法政大学アリオンコールの最大の特色として、邦人作曲家への活発な委嘱活動が挙げられる。これまでの委嘱作品数は30を超え、出版や録音、再演に恵まれている曲も少なくない。以下に委嘱曲の一覧を示す(括弧内は特に断わらない限り作詩者)。

委嘱作品

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復刻版委嘱作品

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関西大学グリークラブとの合同委嘱作品

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  • 柴田南雄 - 二群の男声合唱のための「わが出雲・はかた」(入沢康夫那珂太郎
  • 田中均 -  2群の男声合唱とフルート、ピアノ、ティンパニによる「信連」
  • 外山雄三 - 黒人霊歌集(編曲)
  • 三善晃 - 二群の男声合唱とピアノのための「路標のうた」(木島始

世界初演作品

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主要ディスコグラフィー

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  • 柴田南雄の音楽(Tower Records Victor Heritage Collection) - 「萬歳流し」を演奏
  • 山本邦山作品集成 二(日本伝統文化振興財団) - 邦楽器と打楽器・声のための三章「釈迦」を演奏
  • 柴田南雄 合唱のためのシアターピース(ビクターエンタテインメント) - 東京混声合唱団などとともに「念佛踊」を演奏
  • 柴田南雄とその時代 第一期(フォンテック) - 「三つの男声合唱曲」「わが出雲・はかた」を演奏

参考文献

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  • 法政大学アリオンコール70年史編集委員会編集『法政大学アリオンコール70年史』法政大学アリオンコールOB会、1998年6月14日

脚注

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  1. ^ a b 公式サイト、および上の『70年史』では「卒団生委嘱作品」として通常の委嘱作品と区別されている。
  2. ^ 混声合唱からの編曲。ただし編曲にあたって新たに作曲された箇所がある。
  3. ^ 1995年に作曲されたが『70年史』では初演が「未定」とされており、2009年時点でも初演は果たされていない。
  4. ^ マザーアースからの出版にあたって、合唱のための「無限旋律生成術」とされ、男声合唱団以外でも演奏できるようになっている。
  5. ^ 早稲田大学グリークラブが初演。その後にピアノ譜が紛失したため長らく演奏されなかった。カワイ出版の楽譜まえがきに詳しい。
  6. ^ ハーバード大学グリークラブの委嘱により書かれたが、同団では演奏困難として初演されなかった。
  7. ^ 文化庁舞台芸術創作奨励賞1990年度受賞作品。

関連項目

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外部リンク

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