波号第百三潜水艦
波号第百三潜水艦 | |
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基本情報 | |
建造所 |
進水まで川崎重工業泉州工場 進水後は川崎重工業艦船工場 |
運用者 | 大日本帝国海軍 |
艦種 | 潜水艦 |
級名 | 波百一型潜水艦 |
建造費 | 2,135,000円 |
艦歴 | |
計画 | マル戦計画 |
起工 | 1944年6月29日 |
進水 | 1944年10月21日 |
竣工 | 1945年2月3日 |
最期 | 1946年4月1日海没処分 |
除籍 | 1945年11月30日 |
要目(竣工時) | |
基準排水量 | 370トン |
水中排水量 | 493トン |
全長 | 44.50m |
垂線間長 | 42.20m |
幅 | 6.10m |
吃水 | 4.04m |
機関 |
中速400型ディーゼル1基 蓄電池 仮称一号二十一型120個 主電動機 特十型複巻直流電動機 150馬力 1基 |
推進 | 1軸 |
出力 |
水上 400bhp 水中 150shp |
速力 |
水上 10ノット 水中 5ノット |
燃料 | 重油25トン |
航続距離 |
水上 3,000カイリ/10ノット 水中 46カイリ/2.3ノット |
潜航深度 | 100m |
乗員 |
定員26名 特修兵教員最大21名 |
搭載能力 | 貨物60トン |
兵装 | 25mm機銃 単装1基 |
レーダー | 13号電探1基 |
ソナー |
1945年5月 九三式水中聴音機 |
その他 | 九九式測探儀 |
波号第百三潜水艦[注釈 1](はごうだいひゃくさんせんすいかん)は、日本海軍の潜水艦。波百一型潜水艦の3番艦。太平洋戦争を生き延び、戦後海没処分された。
艦歴
[編集]マル戦計画の輸送潜水艦小型、第4601号艦型の3番艦、仮称艦名第4603号艦として計画。1944年6月29日、川崎重工業泉州工場で仮称艦名第4605号艦と同時に起工。8月25日、波号第百三潜水艦と命名されて波百一型潜水艦の3番艦に定められ、本籍を呉鎮守府と仮定。10月10日、艤装員事務所を神戸川崎造船所内に設置し事務を開始。21日、進水。進水後の艤装は川崎重工業本社艦船工場で行う。
1945年2月3日竣工し、艤装員事務所を撤去。本籍を呉鎮守府に定められ、第六艦隊第十一潜水戦隊に編入。同日、伊予灘へ向け神戸発。5日伊予灘に到着し、訓練に従事。20日、呉に帰投し26日まで整備を行なう。27日、訓練のため伊予灘へ向け呉発。
3月7日、別府湾に帰投。9日から伊予灘で訓練に従事。19日の呉軍港空襲の際には長鯨や波号第105潜水艦とともに対空戦闘を行う。撃墜戦果、損害ともになし。21日、波号第105潜水艦とともに呉に帰投し、22日から揚塔訓練を呉で行うとともに、4月3日まで呉海軍工廠で訓令による蓄電池排気管の設置等、訓令工事を実施。
4月7日から再び伊予灘で訓練に従事。15日、第六艦隊第十六潜水隊に編入。同日呉に帰投。19日、呉海軍工廠第二船渠に入渠し、27日まで舷外亜鉛の張替え作業など渠中整備を行う。整備中の26日、第六艦隊の軍隊区分先遣部隊第一潜水部隊に編入。29日、天一号作戦に参加するため呉を出撃し、沖縄東方海面で哨戒と偵察に従事。5月21日、呉に帰投。
6月、本艦をガソリン輸送潜水艦とすることが決定される。
7月1日、第十六潜水隊から削除され、第三十四潜水隊に編入。8月15日、第三十四潜水隊が解隊され、第十五潜水隊に編入。終戦時は呉に所在。11月30日、海軍省の廃止に伴い除籍。
1946年4月1日、五島列島キナイ島沖でアメリカ海軍により海没処分された。
潜水艦長
[編集]- 艤装員長
- 村山芳文 大尉:1944年10月14日 - 1945年2月3日
- 潜水艦長
- 村山芳文 大尉:1945年2月3日 - 1945年11月29日
脚注
[編集]- 注釈
- ^ 本来の艦名表記は波號第百三潛水艦。
- 脚注
参考文献
[編集]- 海軍省、第二復員省
- 昭和19年6月20日付 内令員第1062号。
- 昭和19年8月25日付 達第279号、内令第992号、内令第1000号、内令員第1573号。
- 昭和20年2月3日付 内令第95号、内令員第210号、内令員第211号。
- 昭和20年4月15日付 内令第331号。
- 昭和20年7月1日付 内令第586号。
- 昭和20年8月15日付 内令第735号。
- 昭和19年10月16日付 秘海軍公報 第4828号。
- 昭和19年10月21日付 秘海軍公報 第4832号。
- 昭和20年2月15日付 秘海軍公報 第4932号。
- 昭和19年10月20日付 秘海軍辞令公報 甲 第1624号。
- 昭和20年2月12日付 秘海軍辞令公報 甲 第1719号。
- 昭和20年12月20日付 第二復員省辞令公報 甲 第17号。
- 呉鎮守府戦時日誌。
- 第十一潜水戦隊戦時日誌。
- 第十六潜水隊戦時日誌。
- 第六艦隊戦時日誌。
- 波号第百三潜水艦戦時日誌。
- 波号第百九潜水艦戦時日誌。
- 世界の艦船 No. 469 増刊第37集 『日本潜水艦史』、海人社、1993年。
- 世界の艦船 No. 791 増刊第114集 『日本潜水艦史』、海人社、2013年。
- 福井静夫 『写真 日本海軍全艦艇史』、ベストセラーズ、1994年。ISBN 4-584-17054-1
- 福井静夫 『昭和軍艦概史III 終戦と帝国艦艇 -わが海軍の終焉と艦艇の帰趨-』、出版共同社、1961年。
- 防衛研修所戦史室 戦史叢書 第88巻 『海軍軍戦備(2) -開戦以後-』、朝雲新聞社、1975年。
- 丸スペシャル No. 43 日本海軍艦艇シリーズ『日本の潜水艦III』、潮書房、1980年。
- 丸スペシャル No. 132 日本海軍艦艇発達史『日本の潜水艦I』、潮書房、1988年。
- 明治百年史叢書 第207巻 『昭和造船史 第1巻(戦前・戦時編)』、原書房、1977年。