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涙そうそう

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
涙そうそう
森山良子楽曲
リリース1998年11月26日
規格12cmCD
ジャンル歌謡曲
作詞者森山良子
作曲者BEGIN

涙そうそう」(なだそうそう)は、森山良子作詞、BEGIN作曲による楽曲。「涙そうそう」の意味は、がポロポロこぼれる様子であり、森山が早世した兄への思いを歌詞に込めたもの。

1998年の森山によるバージョンや2000年のBEGINによるバージョンのほか、2001年の夏川りみによるバージョンがヒットするなど、多くのアーティストにカバーされている。別れの歌・卒業ソングとしても親しまれ、日本の歌百選にも選ばれている。調はヘ長調[1](BEGINバージョンはイ長調)。

作詞の背景・森山良子による歌唱

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森山良子がライブで共演したBEGINと意気投合して、沖縄の曲を依頼した。BEGINから送られたデモテープのタイトルに書いてあった「涙そうそう」が沖縄の言葉で「涙がぽろぽろこぼれ落ちる」を意味すると聞いた森山は、若くしてこの世を去った兄を想う歌詞をつけた。

森山と兄は2人だけの年子の兄妹であり、幼少期には取っ組み合いのけんかをし、同じ高校で同じバスケットボール部に所属していた。死の直後は誰を見ても兄に見え、思い出すのも辛く、家族も誰も兄の話題を口にしなかった。森山は居間の棚から赤い革表紙のアルバムを取り出しては、兄の影を追ってひとり泣いた。そんなある日、一番星を見上げると星が瞬いたとき、「メソメソすんなよ。助けてあげられなくて悪いけど、お前もがんばれよ」と兄が語りかけてきたかのように森山には思えた。以上のような思いを歌詞にしたもので、2007年現在でも森山は、一日の出来事や思いを、一番星に向かってそっと打ち明けているという[2]

森山によるバージョンは、1998年発売の森山のアルバム『TIME IS LONELY』に収録。その後、2001年12月5日発売シングル「さとうきび畑」のカップリング(2曲目)にも収録。

BEGINのシングル

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「涙そうそう」
BEGINシングル
初出アルバム『BEGIN』
B面 かりゆしの夜(2000年盤)
島人ぬ宝(2002年盤)
リリース
ジャンル J-POP
時間
レーベル インペリアル(2000年盤)
テイチク(2002年盤)
作詞・作曲 森山良子BEGIN
チャート最高順位
BEGIN シングル 年表
愛を捨てないで
(1999年)
涙そうそう
(2000年)
空に星があるように
(2000年)
BEGIN 年表
島人ぬ宝
(2002年)
涙そうそう/島人ぬ宝
(2002年)
オジー自慢のオリオンビール (エイサー・バージョン)
(2003年)
テンプレートを表示

2000年3月23日BEGIN18枚目のシングルとして発売。2002年6月26日に、「島人ぬ宝」とのカップリングでカセット・テープで発売。

2000年7月21日発売の島唄アルバム『ビギンの島唄 〜オモトタケオ〜』には、三線バージョン・三線ウチナーグチバージョン(訳詞:新城俊昭)が収録。

収録曲

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2000年盤

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  1. 涙そうそう
  2. かりゆしの夜
  3. 花(LiveVersion)
  4. 涙そうそう(オリジナル・カラオケ)

2002年盤

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  • A面
    1. 涙そうそう
    2. 涙そうそう(オリジナル・カラオケ)
    3. 涙そうそう(三線バージョン)
    4. 涙そうそう(三線ウチナーグチバージョン)
  • B面
    1. 島人ぬ宝
    2. 島人ぬ宝(オリジナル・カラオケ)

夏川りみのカバー・シングル

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「涙そうそう」
夏川りみシングル
初出アルバム『南風
てぃだ 〜太陽・風ぬ想い〜他』
B面 あなたの風
リリース
規格 12cmCD
ジャンル J-POP
レーベル ビクターエンタテインメント
作詞・作曲 森山良子BEGIN
プロデュース 京田誠一
チャート最高順位
  • 週間8位(オリコン
  • 2002年度年間87位(オリコン)
  • 2003年度年間21位(オリコン)
  • 2004年度年間58位(オリコン)
  • 2005年度年間175位(オリコン)
  • 登場回数232回(オリコン)
夏川りみ シングル 年表
花になる
2000年
涙そうそう
2001年
道しるべ
2003年
テンプレートを表示

夏川りみの現在の名義における3枚目のシングルとして2001年3月23日に発売。夏川は、沖縄サミットのテレビ中継でBEGINがこの曲を演奏しているのを見て、カバーしたいと思うようになった[3]。BEGINは夏川の依頼に応えて「あなたの風」を提供するが、夏川はなおも「涙そうそう」にこだわり、最終的にカバーが実現した[3]

沖縄県の大手CDショップ「照屋楽器店」の売上ランキングでは発売1週目にしてB'zの「ultra soul」に次ぐ2位を記録[4]。2001年、沖縄のラジオ3局(エフエム沖縄琉球放送ラジオ沖縄)で年間チャート1位となる[5]。全国に知られるようになるまでには時間がかかったものの、2002年から3年あまりに渡ってヒットし続けた。累計売上は120万枚突破[6]

2019年9月23日付までのオリコン週間シングルランキングでのトップ100ランクイン週数は通算157週であり、SMAPの「世界に一つだけの花」、中島みゆきの「地上の星/ヘッドライト・テールライト」に続いて歴代3位である[7]

2006年にはANAの沖縄線キャンペーン「マッタリーナ→ ホッコリーナ→ 沖縄」のテレビCMでキャンペーンソングとして使用され、2007年には日本郵政グループ(日本郵便・ゆうちょ銀行かんぽ生命保険など)のCMで使用された。

収録曲

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  1. 涙そうそう
  2. あなたの風
    • BEGINが作詞・作曲したバラードソング
  3. 花になる(アコースティック・ヴァージョン)
  4. 涙そうそう(インストゥルメンタル・ヴァージョン)
  5. あなたの風(インストゥルメンタル・ヴァージョン)

その他のカバー

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映像作品

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2006年にはTBSテレビ局の開局50年記念として、この作品をモチーフにした妻夫木聡長澤まさみ主演の映画が2006年秋に公開された。他、これにリンクして視聴者の手記を基にしたドラマを放映している。これまでに『広島 昭和20年8月6日』(松たか子出演)、『涙そうそう この愛に生きて』(黒木瞳出演)が映像化された。

主な記録・賞

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脚注

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出典

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  1. ^ 涙そうそう(夏川りみ) / コード譜 / ギター - J-Total Music!”. Jトータルミュージック. 2016年8月6日閲覧。
  2. ^ 伊藤千尋 (2007年4月14日). “「涙そうそう」森山良子と兄・晉”. 朝日新聞Travel. 愛の旅人. 朝日新聞社. 2019年10月17日閲覧。
  3. ^ a b 桑原シロー (2002年10月3日). “夏川りみ”. TOWER RECORDS ONLINE. 2015年6月26日閲覧。
  4. ^ 沖縄の歌姫・夏川りみブレーク中 新曲「涙そうそう」は地元であゆ超えたスポーツ報知、2001年4月25日。(インターネットアーカイブのキャッシュ)
  5. ^ 夏川りみ「涙そうそう」沖縄年間1位で“全国区”へSANSPO.COM、2002年1月20日。(インターネット・アーカイブのキャッシュ)
  6. ^ 夏川りみ、来年こそ紅白…台湾クリスマス公演:芸能:スポーツ報知読売新聞社、2007年12月26日。(インターネット・アーカイブのキャッシュ)
  7. ^ 歴代シングル ロングセラーランキング TOP5、ORICON NEWS、2019年9月20日。
  8. ^ ハワイに伝わった「涙そうそう」、フラダンスの動画が素敵すぎる”. 2019年2月28日閲覧。
  9. ^ スマホ時代に着信メロディ復活元年 GIGAエンタメロディ「着信メロディ15年間ランキング」発表 歴代No.1アーティストはEXILE、PRTIMES(株式会社フェイス・ワンダワークス)、2015年1月20日。

注釈

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  1. ^ 同作を含むアルバム「Ke'alaokamaile」は同年ハワイのグラミー賞と呼ばれるナ・ホク・ハノハノ・アワードで7部門を受賞し、「Ka Nohona Pili Kai」はSong of the Yearに輝くなど大ヒットとなった[8]
  2. ^ 本作は中華圏全体でヒットする。中華圏での複数のカバーのうち最も有名なカバーとなった。