エンカのチカラ
『エンカのチカラ』 | ||||
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Various Artists の コンピレーション・アルバム | ||||
リリース | ||||
ジャンル | J-POP | |||
レーベル | 日本コロムビア | |||
プロデュース | 臼井孝 | |||
Various Artists アルバム 年表 | ||||
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『エンカのチカラ』は、日本コロムビアから発売されたコンピレーション・アルバムシリーズの名称。
概要
[編集]演歌歌手によるJ-POPのカバー曲集という、史上初のコンセプトアルバム[1]。キャッチコピーは、実力派演歌歌手×J-POP=E-POP[2]。タイトルの通り、演歌の実力派たちが、百戦錬磨の歌声を惜しみなく発揮している[3]。
収録曲の大半はアルバム内でひっそりと発表されており、廃盤で入手困難なものがほとんどであった[4]。現在でもサブスク未解禁曲が多い[5]。
Amazonやタワーレコードなど、演歌の売上がほとんどない店舗で売上を伸ばし[6]、シリーズ累計売上6万枚のヒット作となった[注釈 1][7]。価格は2,000円[8]。
エピソード
[編集]2010年10月4日放送の日本テレビ「しゃべくり007」にて、マツコ・デラックスとミッツ・マングローブが本作を購入したと述べていた。
本作でのカバー曲は歌番組でも歌唱されている(メディアでの披露の項目参照)。2018年9月25日のTBS「演歌の乱」放送後には、10年前の作品であるにも関わらず、Amazonの演歌・歌謡曲コンピレーションアルバム部門1位になった[9]。本作のプロデューサーで音楽マーケッターの臼井孝は、「『エンカのチカラ』後、E-POPカバーは10倍増」と分析している[10]。
「歌い手によって景色が変わる」E-POPの世界を[11]、オリコンニュースサイトは「『湘南』が『日本海』になる」と表現した[11][12]。
邦楽コンピレーションは大ヒット曲を集めたものが主流である[4]。「ましてや演歌歌手、ましてや“E-POPカバー”というキワモノ」であるため、各レコード会社で企画が通らず、当初の提案から発売まで5年近く掛かった[4]。
シリーズ
[編集]1. エンカのチカラ -SONG IS LOVE 80's&90's-
[編集]2008年12月3日発売。品番:COCP-35287
曲順 | タイトル | 歌手 | オリジナル |
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01 | TSUNAMI | 五木ひろし | サザンオールスターズ |
02 | DEAR…again | 川中美幸 | 広瀬香美 |
03 | HOWEVER | 前川清 | GLAY |
04 | リバーサイドホテル | 八代亜紀 | 井上陽水 |
05 | 駅 | マルシア | 竹内まりや |
06 | 聖母たちのララバイ | 都はるみ | 岩崎宏美 |
07 | 愛染橋 | 藤あや子 | 山口百恵 |
08 | ジェラシー | 石川さゆり | 井上陽水 |
09 | 恋におちて -Fall in love- | 南かなこ | 小林明子 |
10 | 破れた恋の繕し方教えます | 小林幸子 | 松任谷由実 |
11 | for you… | 吉幾三 | 高橋真梨子 |
12 | 昴 | 美空ひばり | 谷村新司 |
2. エンカのチカラ -SONG IS LIFE 70's-
[編集]2008年12月3日発売。品番:COCP-35288
曲順 | タイトル | 歌手 | オリジナル |
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01 | シクラメンのかほり | 都はるみ | 布施明 |
02 | 氷の世界 | ちあきなおみ | 井上陽水 |
03 | 神田川 | 島倉千代子 | かぐや姫 |
04 | 時には母のない子のように | 美空ひばり | カルメン・マキ |
05 | 想い出まくら | 森昌子 | 小坂恭子 |
06 | わかれうた | 伍代夏子 | 中島みゆき |
07 | わたしの城下町 | 大川栄策 | 小柳ルミ子 |
08 | 硝子坂 | 長山洋子 | 高田みづえ |
09 | 夢先案内人 | 香西かおり | 山口百恵 |
10 | ペッパー警部 | 石川さゆり | ピンク・レディー |
11 | 思秋期 | 坂本冬美 | 岩崎宏美 |
12 | 季節の中で | 新沼謙治 | 松山千春 |
13 | いとしのエリー | 八代亜紀 | サザンオールスターズ |
3. エンカのチカラ -GORGEOUS 90's-00's-
[編集]2009年4月22日発売。品番:COCP-35548
曲順 | タイトル | 歌手 | オリジナル |
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01 | 真夏の果実 | テレサ・テン | サザンオールスターズ |
02 | さよならイエスタデイ | 細川たかし | TUBE |
03 | 会いたい | 石川さゆり | 沢田知可子 |
04 | ZUTTO | 都はるみ | 永井真理子 |
05 | はがゆい唇 | 香西かおり | 高橋真梨子 |
06 | PIECE OF MY WISH | マルシア | 今井美樹 |
07 | 花 | 小林幸子 | 石嶺聡子/喜納昌吉 |
08 | 最後の雨 | 前川清 | 中西保志 |
09 | ハナミズキ | 石原詢子 | 一青窈 |
10 | 涙そうそう | 西尾夕紀 | 森山良子 |
11 | 少年時代 | 島倉千代子 | 井上陽水 |
12 | 世界に一つだけの花 | 五木ひろし | 槇原敬之 |
4. エンカのチカラ -GREAT 80's-
[編集]2009年4月22日発売。品番:COCP-35549
曲順 | タイトル | 歌手 | オリジナル |
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01 | ワインレッドの心 | 森進一 | 安全地帯 |
02 | 飾りじゃないのよ涙は | 島津亜矢 | 中森明菜 |
03 | 恋 | 細川たかし | 松山千春 |
04 | 待つわ | 島倉千代子 | あみん |
05 | 恋人よ | 美空ひばり | 五輪真弓 |
06 | 春なのに | 南かなこ | 柏原芳恵 |
07 | かなしみ笑い | 美川憲一 | 中島みゆき |
08 | ダンスはうまく踊れない | 八代亜紀 | 石川セリ |
09 | いっそセレナーデ | 松原のぶえ | 井上陽水 |
10 | 夢芝居 | 大川栄策 | 梅沢富美男 |
11 | ラヴ・イズ・オーヴァー | 美空ひばり | 欧陽菲菲 |
12 | 乾杯 | 前川清 | 長渕剛 |
5. エンカのチカラ -GOLD 70's-
[編集]2009年4月22日発売。品番:COCP-35550
曲順 | タイトル | 歌手 | オリジナル |
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01 | 魅せられて | 石川さゆり | ジュディ・オング |
02 | 瀬戸の花嫁 | 森進一 | 小柳ルミ子 |
03 | ビューティフル・サンデー | 都はるみ | 田中星児 |
04 | 旅の宿 | 美空ひばり | よしだたくろう |
05 | 我が良き友よ | 天童よしみ | かまやつひろし |
06 | わかって下さい | ちあきなおみ | 因幡晃 |
07 | 精霊流し | 島倉千代子 | グレープ |
08 | サボテンの花 | 舟木一夫 | チューリップ |
09 | いい日旅立ち | 中村美律子 | 山口百恵 |
10 | あんたのバラード | 鳥羽一郎 | 世良公則&ツイスト |
11 | かもめが翔んだ日 | 松原のぶえ | 渡辺真知子 |
12 | ジョニーの子守唄 | 新沼謙治 | アリス |
13 | 卒業写真 | マルシア | 荒井由実 |
メディアでの披露
[編集]- 石原詢子『ハナミズキ』 - BSプレミアム「BS日本のうた」
- 鳥羽一郎&小柳ルミ子『あんたのバラード』 - BS朝日「人生、歌がある」
- 長山洋子&石原詢子『硝子坂』 - BS朝日「人生、歌がある」[13]
- 藤あや子『愛染橋』 - BS朝日「人生、歌がある」
- 細川たかし『さよならイエスタデイ』 - TBS「演歌の乱」
脚注
[編集]出典
[編集]- ^ “62・悲しみのレベルの違いに”. T2U音楽研究所~はてな置き場(旧:私を支える音楽と言葉) (2008年11月25日). 2024年12月6日閲覧。
- ^ a b “美空ひばり、八代亜紀、五木ひろし…が歌う、斬新すぎるJ-POP『エンカのチカラ』”. BARKS (2011年12月20日). 2024年12月6日閲覧。
- ^ “演歌巨匠がJ-POPを歌う“エンカのチカラ”最新作が2作同時発売”. CDjournal (2014年10月28日). 2024年12月6日閲覧。
- ^ a b c “全曲驚きの連続!音楽史上初!実力派演歌歌手のJ-POPカバーアルバム エンカのチカラ第2弾!2009年4月22日 3 タイトル同時発売!”. 大人の歌ネット. 2024年12月7日閲覧。
- ^ 臼井孝/T2U音楽研究所/おとおんチャンネル [@t2umusic] (2021年10月1日). "2021年10月1日午後0:36のポスト". X(旧Twitter)より2024年12月7日閲覧。
- ^ 臼井孝 [@takashiusui_t2umusic] (2013年4月16日). "カバーアルバム(21)". Instagramより2024年12月7日閲覧。
- ^ “昭和の名曲から最新ヒットまで…女性アーティストによる濃密ラブソングコンピ登場”. Real Sound (2014年12月2日). 2024年12月6日閲覧。
- ^ “61・エンカのチカラ、発売へ”. T2U音楽研究所~はてな置き場(旧:私を支える音楽と言葉) (2008年11月2日). 2024年12月6日閲覧。
- ^ 臼井孝/T2U音楽研究所/おとおんチャンネル [@t2umusic] (2018年9月26日). "2018年9月26日午後6:42のポスト". X(旧Twitter)より2024年12月7日閲覧。
- ^ 臼井孝/T2U音楽研究所/おとおんチャンネル [@t2umusic] (2011年9月2日). "2011年9月2日午後1:00のポスト". X(旧Twitter)より2024年12月7日閲覧。
- ^ a b 臼井孝/T2U音楽研究所/おとおんチャンネル [@t2umusic] (2017年7月14日). "2017年7月14日午前6:39のポスト". X(旧Twitter)より2024年12月7日閲覧。
- ^ “五木ひろしが「TSUNAMI」をカバー、「湘南」が「日本海」になる感じ”. ORICON NEWS (2014年10月28日). 2024年12月7日閲覧。
- ^ “日本の名曲 世界の名曲 人生歌がある ”和製ポップスの父” 作曲家・服部良一特集”. BS朝日. 2024年12月6日閲覧。