熊本県立第一高等学校
熊本県立第一高等学校 | |
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北緯32度48分4.4秒 東経130度42分0秒 / 北緯32.801222度 東経130.70000度座標: 北緯32度48分4.4秒 東経130度42分0秒 / 北緯32.801222度 東経130.70000度 | |
過去の名称 |
熊本県立高等女学校 熊本県立第一高等女学校 熊本県立女子高等学校 |
国公私立の別 | 公立学校 |
設置者 | 熊本県 |
併合学校 | 熊本県立第二高等女学校 |
校訓 |
叡智 真理の探求 自律 高潔 品格 |
設立年月日 | 1903年 |
共学・別学 | 男女共学 |
課程 | 全日制課程 |
単位制・学年制 | 学年制 |
設置学科 | 普通科 |
学科内専門コース | 普通科 英語コース |
学期 | 3学期制 |
学校コード | D143210000032 |
高校コード | 43103G |
所在地 | 〒860-0003 |
熊本県熊本市中央区古城町3-1 | |
外部リンク | 公式サイト |
ウィキポータル 教育 ウィキプロジェクト 学校 |
熊本県立第一高等学校(くまもとけんりつ だいいちこうとうがっこう、英: Kumamoto Prefectural Daiichi High School)は、熊本県熊本市中央区古城町にある公立高等学校。略称は「一高」(いっこう)、または「熊本一高」、「第一」。
戦前の高等女学校を前身とし、戦後の学制改革により、男女共学の新制高等学校となったが、1976年(昭和51年)4月に男子の入学者数が0となり、1978年(昭和53年)3月の卒業生を最後に、2012年(平成24年)3月までの34年間男子の在籍はなかった[1]。2012年(平成24年)4月に男子生徒70名が入学、2013年(平成25年)4月には102名の男子生徒が入学した。
学校概要
[編集]- 歴史
1903年(明治36年)に開校した「熊本県立高等女学校」を前身とする。2003年(平成15年)に創立100周年を迎えた。
- 設置課程・学科
- 教育精神「白梅の精神」
春に先がけ、凜冽たる空気の中で、凜乎として気品高い香りを放つ白梅の精神 「叡知、真理の探究、自律、高潔、品格」
- 教育目標
「進学指導の『質』と『量』の工夫・改善」「男女共学の定着」「部活動の充実・振興」
- 校章
校花の「白梅」(しらうめ)を意匠化し、その中央に「高」の文字を配する[注釈 1]。
- 校歌
作詞は勝承夫、作曲は平井康三郎によるもの。3番まであり、各番に校名の「熊本一高(くまもといっこう)」が登場する。
- 制服(女子)
第一高等女学校時代、近所にあった武本商店(現在は学生服のタケモト)の娘が通学を始めたことがきっかけで制服の制作依頼が来たことから、試作を重ね、現在も着用されているセーラー服がデザインされている[2]。
- 夏服 - 長袖の白いセーラー服で、袖部分は青色で白線が入っている。ネクタイは白で蝶結び。スカートは紺。
夏用セーラー服がデザインされたのは1935年(昭和10年)のことである。当時、青い襟が日に当たると色が褪せやすかったという難点を克服するために、韓国に渡って色褪せない青い生地を買い付け、使用することで問題を解決した[2]。
- 制服(男子)
一般的な黒の詰襟の学生服である。胸元のポケットに白の一本線が入っている。
- 保護者会
「好文会」(こうぶんかい)と称する。
- 同窓会
「清香会」(せいこうかい)と称する。
- 寄宿舎
女子寮「白梅寮」がある。
沿革
[編集]- 熊本県立高等女学校
- 1903年(明治36年)
- 1904年(明治37年)10月14日 - 校友会(生徒会)が発足。
- 1905年(明治38年)3月13日 - 薮の内16番地の熊本県立熊本中学校[注釈 3](旧制中学校)跡に移転。
- 1908年(明治41年)2月14日 - 修業年限1年の補習科を設置。
- 1910年(明治43年)3月 - 補習科を第一部と第二部に分ける。
- 1911年(明治44年)4月12日 - 校舎新築のため、新町にある熊本県立商業学校[注釈 4]跡の仮校舎に移転。
- 1912年(大正元年)9月10日 - 梅花形の徽章(校章)を制定。
- 1913年(大正2年)
- 1918年(大正7年)3月 - 同窓会を「清香会」と命名。
- 熊本県立第一高等女学校
- 1921年(大正10年)3月25日 - 「熊本県立第一高等女学校」に改称。補習科を廃止し、修業年限3年の専攻科を設置。
- 1923年(大正12年)3月16日 - 本科の修業年限を5年に変更。
- 1944年(昭和19年)4月1日 - 本科の修業年限を4年に変更。修業年限2年の高等科を設置。
- 1946年(昭和21年)4月1日 - 本科の修業年限を5年に変更。
- 1947年(昭和22年)3月 - 高等科を廃止。
- 熊本県立第二高等女学校
- 1921年(大正10年)3月25日 - 熊本女子師範学校[注釈 5](現・熊本市立藤園中学校校地)内に「熊本県立第二高等女学校」が開校。
- 1923年(大正12年)3月16日 - 本科の修業年限を5年に変更。
- 1943年(昭和18年)3月31日 - 修業年限を4年とする。
- 1946年(昭和21年)4月1日 - 修業年限を5年に変更。
- 新制高等学校
- 1948年(昭和23年)4月1日
- 学制改革によって、熊本県立第一高等女学校と第二高等女学校が統合し、「熊本県立女子高等学校」が開校。
- 全日制課程、定時制課程、通信教育部を設置。
- 1949年(昭和24年)
- 1951年(昭和26年)6月26日 - 大水害で被害を受ける。
- 1952年(昭和27年)9月 - 校歌を制定。
- 1959年(昭和34年)3月 - 熊本市古城二の丸(現在地)に移転。
- 1960年(昭和35年)
- 1962年(昭和37年)5月12日 - 皇太子・皇太子妃が来校。
- 1966年(昭和41年)5月15日 - 秩父宮妃が来校。
- 1969年(昭和44年)4月1日 - 理数科を設置。
- 1976年(昭和51年)4月 - 男子生徒の入学者数が0となる。
- 1978年(昭和53年)4月 - 男子生徒の在籍が消滅。
- 1979年(昭和54年)3月 - 熊本県立江津高等学校(現・熊本県立湧心館高等学校)の新設に伴い、通信制課程の募集を停止。
- 1980年(昭和55年)
- 1982年(昭和57年)3月31日 - 通信制課程を廃止。
- 1985年(昭和60年)12月 - サーキット・トレーニング施設が完成。
- 1987年(昭和62年)4月 - 英語コース1学級を設置。
- 1989年(平成元年)3月25日 - 武道館が完成。
- 1992年(平成4年)3月24日 - セミナーハウス(研修施設)「清香館」が完成。
- 1994年(平成6年)3月31日 - クラブハウスが完成。
- 1996年(平成8年)1月10日 - コミュニティセンター「清香館」が完成。
- 1999年(平成11年)7月13日 - 第一高校テレフォンサービスを開始。
- 2002年(平成14年)5月23日 - 文部科学省により、スーパーイングリッシュランゲージハイスクール(SELHi, セルハイ)に指定。
- 2006年(平成18年)8月1日 - オーストラリア交流事業を開始。
- 2023年(令和5年) 1月-県下県立高校初[注釈 6]の長寿命化改修を開始し、校舎の建て替え等を行う[注釈 7]。
学校行事
[編集]3学期制をとる。
- 1学期
- 4月 - 始業式、入学式、入寮式、対面式、1年宿泊研修
- 5月 - 一高祭体育部門(体育祭)、生徒会認証式、県高総体・県総文祭推戴式、好文会(PTA)総会、県高校総文祭
- 6月 - 県高総体、英語合宿(英語コース)
- 7月 - 七夕、芸術鑑賞会、学校説明会、終業式
- 8月 - 夏季セミナー[注釈 8]、オーストラリア交流事業
- 2学期
- 3学期
- 1月 - 始業式、大学入学共通テスト、持久走大会
- 2月 - 高校前期入試、清香会(同窓会)入会式、卒寮式
- 3月 - 卒業式、合唱コンクール、高校後期入試、修了式
部活動
[編集]- 運動部
- テニス部
- ソフトテニス部
- 水泳部
- 陸上部
- バドミントン部
- バレーボール部
- 卓球部
- なぎなた部
- 剣道部
- 空手部(部員0名)
- 弓道部
- 女子ソフトボール部
- 硬式野球部
- 2012年創部
- サッカー部
- 2012年創部
- ウエイトリフティング同好会
- 全国大会に複数名出場することもある。高校からの初心者が多いが、1年次から鍛錬を積めば、3年次には全国大会へ出場可能なまでになるとされる。
- 文化部
- 文芸部
- 演劇部
- 音楽部
- 熊本市内でコンサートを開催したり、全国各地を行脚するなど活動的である。新曲の委嘱も行っている。外部のコンサートなどでは「第一高校合唱団」という名前で活動することもある。NHK全国学校音楽コンクールにおいては毎年熊本県代表として九州ブロックコンクールに出場している。全日本合唱コンクールにおいては、全国大会の常連であり、近年では平成22年度の全国大会で7度目の金賞を受賞している。
- 華道部
- 茶道部
- 書道部
- 写真部
- 白梅太鼓部
- 生物部
- 地学部
- 化学部
- 放送部
- 行事などの準備等が活動の中心だが、NHK杯全国高校放送コンテストにおいて全国大会の常連校であり、過去2回全国優勝をした部員がいる。同大会と毎年秋から冬に行われる九州高校放送コンテストでは毎年入選者を出している。また、熊本県高等学校総合文化祭の総合司会に選抜されるなど、校外での司会などを行うことも多い。
- 美術部
- バトントワリング部
- 邦楽部
- 漫画研究同好会
- 囲碁・将棋同好会
- 図書部
- ESS(English Speaking Society)
「共学化」復活への動き
[編集]同校は1949年に男女共学となった。当時は通学区域を周辺に限定した小学区制がとられ、西山中学校、三和中学校などの各中学校から男子生徒が入学した。全盛期の1952年には3学年合わせて約300人の男子生徒が在籍した。しかし、1954年の中学区制移行に伴い、男子が激減し、1978年卒業の3人を最後に2011年時点まで、男子生徒が1人もいない状況が続いていた[1]。 国立大学の合格者数減少など、進学校としての地盤沈下を懸念する声を背景に「共学化」復活を実現させる運動が拡大。同窓会「清香会」が2010年11月に男女共学推進委員会を立ち上げて、具体的な活動を開始した[1][4]。その結果、2012年度入学試験では70人の男子受験生、2013年度入学試験では102人の男子受験生が合格した。
著名な出身者
[編集]- 政治家
- 研究者・学者
- 文化人
- 芸能
- 三縄みどり - 声楽家
- 藤本いくよ - 声楽家
- 正木裕子 - 声楽家
- 井上智恵 - ミュージカル女優
- 舞花 - シンガーソングライター
- 宮崎京 - ファッションモデル、2003年ミス・ユニバース5位入賞
- マッキー - ローカルタレント
- 宮寺智子 - 声優
- 丸井純子 - 熊本ローカルタレント
- 加納麻衣 - 熊本ローカルタレント
- 緒方仁深 - 熊本ローカルタレント
- 坂ノ上茜 - 女優
- マスコミ
- スポーツ
著名な関係者
[編集]アクセス
[編集]- 熊本市電(B系統)「洗馬橋電停」下車すぐ。
- 熊本都市バス(G3-1・2・U4-1系統) 産交バス(U2-1・2・U3-1・U4-2・3系統)「中央郵便局前」下車すぐ。
- 熊本都市バス(U1-1・W1-1・W2-1・H1-1・H2-1系統)「第一高校東門」下車すぐ。
- 「桜町バスターミナル」徒歩7分。
周辺
[編集]脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ 熊本県立第二高等学校(竜胆を意匠化した校章)とよく似た配色である。
- ^ 学校創立100周年を記念して、同窓会の企画により、リカちゃん人形の熊本県立第一高等学校の制服バージョンが発売された。
- ^ 熊本県立熊本高等学校の前身。
- ^ 熊本県立熊本商業高等学校の前身
- ^ 熊本大学教育学部の前身の1つ。
- ^ 熊本県立済々黌高等学校においても行われる。
- ^ 5年間の工事を行い2028年に完了する予定。
- ^ いわゆる夏季課外のこと。長期休みの課外は「セミナー」と呼ばれている。
- ^ 2014年(平成26年)11月に熊本地方合同庁舎B棟へ移転
出典
[編集]- ^ a b c 飯村直亮 (2011年6月15日). “県立第一高校に男子生徒を 同窓会を中心に運動”. 熊本日日新聞. オリジナルの2011年6月16日時点におけるアーカイブ。 2011年6月16日閲覧。
- ^ a b “あの制服を作ったお話。”. 学生服のタケモト. 2022年12月20日閲覧。
- ^ 原武史『昭和天皇御召列車全記録』新潮社、2016年9月30日、102頁。ISBN 978-4-10-320523-4。
- ^ “女子しかいない34年…共学高が男子獲得作戦”. 読売新聞 (2011年7月30日). 2011年7月31日閲覧。[リンク切れ]
- ^ 勝場勝子・村山茂代『二階堂を巣立った娘たち―戦前オリンピック選手編―』不昧堂出版、2013年4月18日、135頁。ISBN 978-4-8293-0498-3。