三陸鉄道北リアス線
北リアス線 | |||
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白井海岸駅に到着する列車 (2008年5月3日) | |||
概要 | |||
起終点 |
起点:宮古駅 終点:久慈駅 | ||
駅数 | 16駅 | ||
運営 | |||
開業 | 1972年2月27日 | ||
三セク転換 | 1984年4月1日 | ||
所有者 |
日本国有鉄道(国鉄)→ 三陸鉄道 | ||
使用車両 | 三陸鉄道#車両を参照 | ||
路線諸元 | |||
路線総延長 | 71.0 km (44.1 mi) | ||
軌間 | 1,067 mm (3 ft 6 in) | ||
電化 | 全線非電化 | ||
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停車場・施設・接続路線 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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北リアス線(きたリアスせん)は、岩手県宮古市の宮古駅と久慈市の久慈駅とを結ぶ三陸鉄道の鉄道路線である。
沿線の三陸海岸は海岸段丘が続いており、沿線がリアス式海岸である南リアス線とは風景が対照的となっている。
路線データ
- 管轄(事業種別):三陸鉄道(第一種鉄道事業者)
- 区間(営業キロ):宮古 - 久慈 71.0km
- 軌間:1067mm
- 駅数:16駅(起終点駅含む)
- 複線区間:なし(全線単線)
- 電化区間:なし(全線非電化)
- 閉塞方式:特殊自動閉塞式(軌道回路検知式)
- 車両基地所在駅:久慈駅
運行形態
2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)で全線が不通となったが、同年3月中に宮古 - 小本(現在の岩泉小本)間・陸中野田 - 久慈間が、2012年4月には田野畑 - 陸中野田間が復旧し、2014年4月の小本 - 田野畑間の復旧を以て全線で運転を再開した。列車は基本的には宮古 - 久慈間を通して運転されている。このほか、朝に普代始発久慈行が1本、平日に限って夜間に久慈始発田野畑行の各駅停車が1本、田野畑始発久慈行の快速列車1本が設定されている。全列車、ワンマン運転である。
震災前の運行形態は、宮古 - 久慈間を往復する各駅停車が中心で、山田線・三陸鉄道南リアス線を通って盛駅まで直通する列車が1日1往復設定されていた。季節によってはレトロ調車両やお座敷車両「さんりくしおかぜ」での運転もあった。震災前には「リアス・シーライナー」や「さんりくトレイン北山崎」などJR線に直通する臨時列車が設定されていたが、2012年には八戸線の全線復旧に伴い、キハ48形を改造したジョイフルトレイン「リゾートうみねこ」が北リアス線に乗り入れ、直通運転が復活した[1]。2014年8月には、久慈 - 盛岡間に宮古経由で北リアス線とJR山田線を直通する臨時列車「さんりく北リアス」が運転される予定である[2]。
歴史
改正鉄道敷設法別表第6号に規定する予定線「岩手県久慈ヨリ小本ヲ経テ宮古ニ至ル鉄道」であり、宮古 - 田老間は1972年に国鉄宮古線(みやこせん)として、普代 - 久慈間は1975年に国鉄久慈線(くじせん)として開業した。しかし、国鉄再建法により既開業区間は第1次特定地方交通線に指定され、日本鉄道建設公団が建設中であった田老 - 普代間は工事が中断されたが、岩手県などが中心になって設立した第三セクター三陸鉄道が既開業区間も合わせて引き受けることになって工事を再開、1984年4月1日、宮古線・久慈線の三陸鉄道への転換と同時に開業し、同社の北リアス線として全通した。
宮古線
- 1972年(昭和47年)2月27日 - 宮古線として宮古 - 田老間 (12.8km) が開業、旅客営業のみ。一の渡・佐羽根・田老の各駅を新設。
- 1981年(昭和56年)9月18日 - 第1次特定地方交通線として廃止承認。
- 1984年(昭和59年)4月1日 - 日本国有鉄道から三陸鉄道に転換。
久慈線
- 1975年(昭和50年)7月20日 - 久慈線として久慈 - 普代間 (26.0km) が開業、旅客営業のみ。陸中宇部・陸中野田・野田玉川・堀内・普代の各駅を新設。
- 1981年(昭和56年)9月18日 - 第1次特定地方交通線として廃止承認。
- 1984年(昭和59年)4月1日 - 日本国有鉄道から三陸鉄道に転換。
北リアス線
- 1984年(昭和59年)
- 4月1日 - 三陸鉄道 北リアス線として宮古 - 久慈間 (71.0km) が転換・開業。田老 - 普代間 (32.2km) が延伸開業され全通。摂待・小本・島越・田野畑の各駅を新設。
- 12月22日 - 白井海岸駅を新設。
- 1986年(昭和61年)7月26日 - 野田玉川 - 陸中野田間に十府ヶ浦臨時駅を新設。1994年(平成6年)までの夏季および1999年の夏季のみの開設[3]。
- 1987年(昭和62年)3月22日 - 国鉄山田線・大船渡線との定期列車による直通運転を開始[4]。
- 2010年(平成22年)10月16日 - 山口団地駅を新設[3]。
- 2011年(平成23年)
- 2012年(平成24年)4月1日 - 田野畑 - 陸中野田間が営業再開[5]。これにより、未再開駅は島越駅のみとなる。
- 2014年(平成26年)4月6日 - 小本 - 田野畑間が営業再開[6]。
- 2015年(平成27年)12月23日 - 小本駅が岩泉小本駅に改称[7]。
- 2017年(平成29年)3月 - 米田駅(仮称)を新設予定[8]。
東日本大震災による被災
2011年の東北地方太平洋沖地震では、同時に発生した津波により、路線各所が大小の被害を受けた。中でも、島越駅付近では駅および近接する松前川橋梁・コイコロベ橋梁・ハイペ沢橋梁が流失し、陸中野田駅 - 野田玉川駅間では道床が流失している[5]。しかしながら、三陸鉄道社長の決断により震災の5日後には一部区間で運転を開始、「震災復興列車」として3月末まで運賃無料で運行し、地元の足や復興への希望の象徴となった。ただし路盤が不安定になっていたため、運転再開当初は25km/h、4月11日からは45km/hの速度制限がかかり、信号系統も未復旧であったため代用閉塞である指導通信式を用いていた[5]。
路線の半分以上をトンネルとするなど明治三陸大津波での経験を踏まえたルート選定が幸いし、被害箇所は5箇所、延長にして5.8kmと局所的であった[5]。そのため、復旧はルートの変更無く行われることとなった[5]。2012年には前記の路盤流出により不通となっていた田野畑駅 - 陸中野田駅間が開通し、同時にCTCが復旧したため、指導通信式の使用も終了となり[5]、陸中野田駅 - 野田玉川駅間を除く大半の区間で震災前と同じ90km/h運転が出来るようになった[9]。残る小本駅 - 田野畑駅間は2014年4月6日に復旧[6]、島越駅付近は流失した高架橋の代わりに築堤を整備した[10]。
駅一覧
駅名 | 駅間キロ | 営業キロ | 快速 | 接続路線・備考 | 線路 | 所在地 |
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宮古駅 | - | 0.0 | 東日本旅客鉄道:山田線 | | | 宮古市 | |
山口団地駅 | 1.6 | 1.6 | | | |||
一の渡駅 | 4.6 | 6.2 | ◇ | |||
佐羽根駅 | 2.9 | 9.1 | | | |||
田老駅 | 3.6 | 12.7 | ◇ | |||
摂待駅 | 8.8 | 21.5 | | | |||
岩泉小本駅 | 3.6 | 25.1 | ◇ | 下閉伊郡岩泉町 | ||
島越駅 | 8.3 | 33.4 | | | 下閉伊郡田野畑村 | ||
田野畑駅 | 2.2 | 35.6 | ● | ◇ | ||
普代駅 | 9.3 | 44.9 | ● | ◇ | 下閉伊郡普代村 | |
白井海岸駅 | 3.4 | 48.3 | ↓ | | | ||
堀内駅 | 3.1 | 51.4 | ↓ | | | ||
野田玉川駅 | 4.5 | 55.9 | ● | ◇ | 九戸郡野田村 | |
米田駅(仮称) | - | - | ↓ | 2017年3月開業予定[8] | | | |
陸中野田駅 | 4.0 | 59.9 | ● | ◇ | ||
陸中宇部駅 | 3.4 | 63.3 | ↓ | | | 久慈市 | |
久慈駅 | 7.7 | 71.0 | ● | 東日本旅客鉄道:八戸線 | | |
三陸鉄道では2009年4月より、北リアス線の久慈、宮古、南リアス線の釜石、盛の4駅の命名権を募集しており、同年4月27日から1年間宮古駅に「アイフルホーム宮古」[11][12]、同年6月1日から1年間久慈駅に「琥珀王国久慈」[13]の愛称がついていた。
その他
- NHKで2013年度前期(4月1日 - 9月28日)に放送された連続テレビ小説『あまちゃん』は、岩手県久慈市をモデルとした「北三陸市」が舞台で、当線が「北三陸鉄道リアス線」(通称:「北鉄」)、久慈駅が「北三陸駅」、堀内駅が「袖が浜駅」、田野畑駅が「畑野駅」として劇中に登場した(劇中の車両は当線と同じもの)。また、久慈駅に隣接する車庫、オープニングシーンや主人公が自転車で列車と併走するシーンなどが撮影された陸中野田 - 陸中宇部間、主人公の祖母が東京へ旅立つ主人公を見送るシーンなどが撮影された大沢橋梁、津波で線路が流されたシーンが撮影された島越駅付近、最終回で主人公らがトンネル内で走るシーンが撮影された第三白井トンネルなど、三陸鉄道の協力のもと、当線内各箇所で様々なロケ撮影がされた。なお、「北三陸鉄道リアス線」の開業日は、実際の北リアス線の開業日(1984年4月1日)と異なり、1984年7月1日となっている。また、劇中でも北三陸鉄道は2011年3月11日の大地震と津波の被害を受け不通となり、劇中では2012年7月1日、北三陸 - 畑野間が復旧し、設定では2013年度中を予定している全線復旧の前に作品が完結した。放送終了後も久慈駅改札口付近にドラマ関連の展示品を置くなど、観光客向けのサービスを続けている。
- 駅名標のデザインは南リアス線のものとは異なっている。
脚注
- ^ 「リゾートうみねこ」三陸鉄道乗入れ - 三陸鉄道
- ^ 三陸鉄道のレトロ車両、JR山田線へ乗り入れる - 期間限定で直通列車を運行 - マイナビニュース、2014年7月16日
- ^ a b 今尾恵介『日本鉄道旅行地図帳 東日本大震災の記録』、新潮社、2011年、31頁。ISBN 978-4-10-790047-0
- ^ 岩渕徹 他 『走れ、さんてつ! 〜三陸鉄道のある風景よ、もう一度!!〜』、徳間書店、2012年、8頁。ISBN 978-4-19863351-6
- ^ a b c d e f よみがえれ!みちのくの鉄道 第二編3章 (PDF) - 国土交通省
- ^ a b 三鉄が4月全線再開 南リアス線5日、北リアス線6日 - 岩手日報、2014年1月2日。
- ^ 三陸鉄道、北リアス線小本駅を「岩泉小本」に改称…12月23日 - レスポンス、2015年11月25日。
- ^ a b 三鉄北リアス線「米田駅」を着工 - 河北新報 2016年8月4日。
- ^ 三陸鉄道北リアス線 田野畑〜久慈間4月1日運転再開いたします。 - 三陸鉄道
- ^ 島越駅舎が待望の着工 田野畑、三陸鉄道北リアス線 - 岩手日報、2013年12月10日。
- ^ 駅名は「アイフルホーム宮古」 三鉄の命名権取得(岩手日報、2009年4月23日。インターネット・アーカイブ)
- ^ 三陸鉄道:宮古駅の愛称、アイフルホームに(毎日新聞、2009年4月28日。インターネット・アーカイブ)
- ^ 愛称は「琥珀王国」に 三鉄・久慈駅(岩手日報、2009年6月2日。インターネット・アーカイブ)
関連項目
- 日本の鉄道路線一覧
- 北陸トンネル火災事故 - 車両燃焼実験で宮古線を使用。
- うに弁当 - 三陸鉄道の名物駅弁。