ウイニングチケット
この記事は「旧馬齢表記」が採用されており、国際的な表記法や2001年以降の日本国内の表記とは異なっています。 |
ウイニングチケット | ||||||||||||
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東京競馬場での展示 (2007年4月22日) | ||||||||||||
欧字表記 | Winning Ticket[1] | |||||||||||
品種 | サラブレッド[1] | |||||||||||
性別 | 牡[1]→騸 | |||||||||||
毛色 | 黒鹿毛[1] | |||||||||||
生誕 | 1990年3月21日[1] | |||||||||||
父 | トニービン[1] | |||||||||||
母 | パワフルレディ[1] | |||||||||||
母の父 | マルゼンスキー[1] | |||||||||||
生国 | 日本(北海道静内町)[1] | |||||||||||
生産者 | 藤原牧場[1] | |||||||||||
馬主 | 太田美實[1] | |||||||||||
調教師 | 伊藤雄二(栗東)[1] | |||||||||||
調教助手 | 笹田和秀[2] | |||||||||||
厩務員 | 島明広[3] | |||||||||||
競走成績 | ||||||||||||
生涯成績 | 14戦6勝[1] | |||||||||||
獲得賞金 | 3億7177万4000円[1] | |||||||||||
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ウイニングチケット(Winning Ticket )[1]は、日本の競走馬・種牡馬。主な勝ち鞍に1993年の東京優駿(日本ダービー)、弥生賞、京都新聞杯。
戦績
- 特記事項なき場合、本節の出典はJBISサーチ[4]
3歳時(1992年)
1992年9月21日、函館競馬場での3歳新馬戦でデビューし、5着[5]。2戦目で勝ち上がるが、ソエが出たために約3か月の休養に入る[5]。12月中山競馬場での葉牡丹賞で復帰してメジャーウィナーを退けて2勝目、ホープフルステークスも3馬身差で制し3連勝とした[5]。
4歳時(1993年)
4歳初戦、皐月賞トライアルの弥生賞では最後方からの差しでナリタタイシン以下を抑えて優勝し、皐月賞に駒を進める[5]。皐月賞は1番人気で迎えるも、4コーナーで2番手に上がる競馬がアダとなって5位入線、のち3位入線のガレオンが8着に降着になったことで4着となった[5][6]。東京優駿(日本ダービー)では再び1番人気に推され、レースではインコースを進んで折り合いをつけることに撤し、4コーナーで5番手から押し上げてビワハヤヒデを競り落とし、外から追い込んできたナリタタイシンも振り切って優勝した[7]。かねてから「ダービーに勝てば騎手を辞めてもいい(ぐらいの気持ち)」と公言していた鞍上の柴田政人もこの時は敢えて取材を拒絶して臨み[8]、19度目の挑戦で悲願を成就した形となった[9]。4か月半の休養ののち、秋初戦の京都新聞杯では4コーナー6番手から差し切ってマイヨジョンヌをクビ差退け、重賞3勝目を挙げた[10]。続く菊花賞とジャパンカップは2戦連続で3着に入ったが、有馬記念は折り合いを欠き11着に終わった[10]。
5歳時(1994年)
5歳時は米国遠征も噂されたが肩の具合が今一つで白紙となり、3月に一旦社台ファームに放牧に出された。5月に栗東トレーニングセンターに戻って5歳初戦の高松宮杯に柴田善臣騎乗で出走したが5着[11]に終わった。秋は武豊とのコンビでオールカマーから始動したがビワハヤヒデの2着、天皇賞(秋)は8着に終わった。天皇賞のレース中に屈腱炎を発症したため、このレースを最後に引退することになった[12]。
競走成績
以下の内容は、JBISサーチ[4]およびnetkeiba.com[13]に基づく。
競走日 | 競馬場 | 競走名 | 格 | 距離(馬場) | 頭数 | 枠番 | 馬番 | オッズ
(人気) |
着順 | タイム
(上り3F) |
着差 | 騎手 | 斤量 [kg] |
1着馬(2着馬) | 馬体重 [kg] |
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1992. | 9. 6函館 | 3歳新馬 | 芝1200m(不) | 14 | 5 | 7 | 13.8(7人) | 5着 | 1.16.4 (40.1) | 0.5 | 柴田政人 | 53 | マルチ | 452 | |
9.13 | 函館 | 3歳新馬 | 芝1700m(重) | 12 | 6 | 7 | 4.0(1人) | 1着 | 1.48.8 (39.4) | -0.2 | 横山典弘 | 53 | (ヒノデクロスオー) | 446 | |
12. 6 | 中山 | 葉牡丹賞 | 500 | 芝2000m(良) | 9 | 8 | 9 | 4.0(2人) | 1着 | 2.02.1 (35.7) | -0.8 | 田中勝春 | 54 | (メジャーウィナー) | 456 |
12.27 | 中山 | ホープフルS | OP | 芝2000m(良) | 7 | 4 | 4 | 1.3(1人) | 1着 | 2.02.3 (34.7) | -0.5 | 柴田政人 | 55 | (マイヨジョンヌ) | 456 |
1993. | 3. 7中山 | 弥生賞 | GII | 芝2000m(良) | 11 | 8 | 10 | 3.3(1人) | 1着 | 2.00.1 (35.0) | -0.3 | 柴田政人 | 55 | (ナリタタイシン) | 466 |
4.18 | 中山 | 皐月賞 | GI | 芝2000m(良) | 18 | 2 | 4 | 2.0(1人) | 4着 | 2.00.6 (35.4) | 0.4 | 柴田政人 | 57 | ナリタタイシン | 460 |
5.30 | 東京 | 東京優駿 | GI | 芝2400m(良) | 18 | 5 | 10 | 3.6(1人) | 1着 | 2.25.5 (36.2) | -0.1 | 柴田政人 | 57 | (ビワハヤヒデ) | 458 |
10.17 | 京都 | 京都新聞杯 | GII | 芝2200m(良) | 10 | 4 | 4 | 1.2(1人) | 1着 | 2.13.3 (34.4) | 0.0 | 柴田政人 | 57 | (マイヨジョンヌ) | 466 |
11. 7 | 京都 | 菊花賞 | GI | 芝3000m(良) | 18 | 5 | 9 | 2.8(2人) | 3着 | 3.05.7 (35.3) | 1.0 | 柴田政人 | 57 | ビワハヤヒデ | 470 |
11.28 | 東京 | ジャパンC | GI | 芝2400m(良) | 16 | 1 | 2 | 9.1(4人) | 3着 | 2.24.6 (35.9) | 0.2 | 柴田政人 | 55 | レガシーワールド | 460 |
12.26 | 中山 | 有馬記念 | GI | 芝2500m(良) | 14 | 7 | 11 | 5.4(3人) | 11着 | 2.32.6 (36.7) | 1.7 | 柴田政人 | 55 | トウカイテイオー | 462 |
1994. | 7.10中京 | 高松宮杯 | GII | 芝2000m(良) | 13 | 4 | 5 | 2.1(1人) | 5着 | 2.01.7 (36.8) | 1.0 | 柴田善臣 | 59 | ナイスネイチャ | 456 |
9.18 | 中山 | オールカマー | GIII | 芝2200m(重) | 8 | 3 | 3 | 2.8(2人) | 2着 | 2.14.8 (35.5) | 0.3 | 武豊 | 57 | ビワハヤヒデ | 462 |
10.30 | 東京 | 天皇賞(秋) | GI | 芝2000m(良) | 13 | 6 | 9 | 5.0(2人) | 8着 | 1.59.2 (35.0) | 0.6 | 武豊 | 58 | ネーハイシーザー | 462 |
引退後
引退後は静内スタリオンステーションで種牡馬となり、種牡馬としては11シーズンの供用で血統登録頭数507頭、出走頭数はそのうちの440頭、そして310頭が勝ち馬となった[14]。1997年産のベルグチケットがフェアリーステークスを勝ったほか、地方競馬の重賞勝ち馬も複数送り出し、1998年産のオイスターチケットの系譜に連なるレイパパレが大阪杯を優勝したことで、G1競走勝ち馬の血統表に名が残る事となった[15]。2005年に種牡馬を引退。去勢手術を受けて、うらかわ優駿ビレッジAERUで引退名馬繋養展示事業助成対象馬として余生を送っている。
他方、1996年には銅像が建てられるも2000年に何者かに破壊され、頭部を持ち去られたり(2004年復元)[16]、2019年9月18日には見学者によってたてがみを切り取られる被害に見舞われたりと[17]、直接・間接的に御難に遭っている(いずれの事件も、被疑者は検挙されていない)。
2021年8月18日、それまで最高齢のG1馬であったレガシーワールドが死亡したことにより、本馬が存命最高齢のG1馬となった[18]。
主な産駒
- 1996年産
- ウツミトップガン(南部駒賞、オータムカップ)[19]
- カゼノモンジロウ(サンタアニタトロフィー3着、01ブリリアントカップ)[20]
- 1997年産
- ベルグチケット(フェアリーステークス、新潟3歳ステークス2着)[21]
- スミノエース(サラブレッドカップ)[22]
- 1998年産
- オイスターチケット(ファンタジーステークス3着、すずらん賞、シェルズレイ、ブラックシェルらの母)[23]
- ベラミチケット(かもしか賞)[24]
- 1999年産
- 2000年産
- 2001年産
- 2002年産
- 2004年産
- タイガンジョウジュ(荒尾ダービー)[33]
血統表
ウイニングチケットの血統 | (血統表の出典)[§ 1] | |||
父系 | ゼダーン系 |
[§ 2] | ||
父 *トニービン Tony Bin 1983 鹿毛 |
父の父 *カンパラKampala 1976 黒鹿毛 |
Kalamoun | *ゼダーン | |
Khairunissa | ||||
State Pension | *オンリーフォアライフ | |||
Lorelei | ||||
父の母 Severn Bridge1965 栗毛 |
Hornbeam | Hyperion | ||
Thicket | ||||
Priddy Fair | Preciptic | |||
Campanette | ||||
母 パワフルレディ 1981 黒鹿毛 |
マルゼンスキー 1974 鹿毛 |
Nijinsky | Northern Dancer | |
Flaming Page | ||||
*シル Shill |
Buckpasser | |||
Quill | ||||
母の母 ロッチテスコ1975 鹿毛 |
*テスコボーイ Tesco Boy |
Princely Gift | ||
Suncourt | ||||
スターロツチ | *ハロウェー | |||
コロナ | ||||
母系(F-No.) | クレイグダーロツチ(GB)系(スターロッチ系)(FN:11-c) | [§ 3] | ||
5代内の近親交配 | Hyperion 4 × 5 = 9.38%、Nasrullah 5 × 5 = 6.25% | [§ 4] | ||
出典 |
脚注
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o “ウイニングチケット”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2021年8月1日閲覧。
- ^ “【菊花賞】淀三千に2頭出し!笹田和秀調教師トーク”. サンスポZBAT!競馬. サンケイスポーツ (2016年10月20日). 2021年8月1日閲覧。
- ^ “【ダービーの栄光】(3)1993年ウイニングチケット”. サンスポZBAT!競馬. サンケイスポーツ. 2022年1月1日閲覧。
- ^ a b “ウイニングチケット 競走成績”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2021年8月1日閲覧。
- ^ a b c d e f #関西競馬四季報93年秋 p. 305
- ^ #関西競馬四季報94年春 p. 47
- ^ #関西競馬四季報94年春 p. 51
- ^ “三好達彦「【名馬列伝】ダービーを勝つために生まれた”幸福の使者”。ウイニングチケットと好敵手たちの激闘録」(2)”. THE DIGEST. 株式会社日本スポーツ企画出版社 (2021年7月10日). 2021年8月1日閲覧。
- ^ “三好達彦「【名馬列伝】ダービーを勝つために生まれた”幸福の使者”。ウイニングチケットと好敵手たちの激闘録」(3)”. THE DIGEST. 株式会社日本スポーツ企画出版社 (2021年7月10日). 2021年8月1日閲覧。
- ^ a b #関西競馬四季報94年春 p. 525
- ^ #関西競馬四季報94年秋 p. 277
- ^ “三好達彦「【名馬列伝】ダービーを勝つために生まれた”幸福の使者”。ウイニングチケットと好敵手たちの激闘録」(4)”. THE DIGEST. 株式会社日本スポーツ企画出版社 (2021年7月10日). 2021年8月1日閲覧。
- ^ “ウイニングチケットの競走成績”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd.. 2021年8月1日閲覧。
- ^ “ウイニングチケット 種牡馬情報:世代・年次別(サラ系総合)”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2021年8月1日閲覧。
- ^ “【大阪杯・豆知識】無傷6連勝レイパパレ、ウイニングチケット子孫初のGI制覇”. netkeiba. netkeiba.com. 2021年4月4日閲覧。
- ^ “ウイニングチケット像復元”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd. (2004年4月16日). 2021年8月1日閲覧。
- ^ “ウイニングチケットもたてがみ切られる…たてがみがメルカリで出品される”. スポーツニッポン (2019年9月19日). 2019年9月19日閲覧。
- ^ https://twitter.com/aeru_joba/status/1428123017687621632?s=20
- ^ “ウツミトップガン”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2021年8月1日閲覧。
- ^ “カゼノモンジロウ”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2021年8月1日閲覧。
- ^ “ベルグチケット”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2021年8月1日閲覧。
- ^ “スミノエース”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2021年8月1日閲覧。
- ^ “オイスターチケット”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2021年8月1日閲覧。
- ^ “ベラミチケット”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2021年8月1日閲覧。
- ^ “サンヴァレー”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2021年8月1日閲覧。
- ^ “ユウキャラット”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2021年8月1日閲覧。
- ^ “ウィンメッセージ”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2021年8月1日閲覧。
- ^ “スーパーリターン”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2021年8月1日閲覧。
- ^ “マルシゲトニービン”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2021年8月1日閲覧。
- ^ “ウイニングマミー”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2021年8月1日閲覧。
- ^ “パワフルボーイ”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2021年8月1日閲覧。
- ^ “トサローラン”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2021年8月1日閲覧。
- ^ “タイガンジョウジュ”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2021年8月1日閲覧。
- ^ a b c “ウイニングチケット 血統情報:5代血統表”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2021年8月1日閲覧。
- ^ a b c d e “ウイニングチケットの5代血統表”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd.. 2021年8月1日閲覧。
- ^ 平出貴昭 (2014年9月17日). “『覚えておきたい日本の牝系100』収録の全牝系一覧”. 競馬“血統”人生/平出貴昭. 2020年4月5日閲覧。
参考文献
- 「関西競馬四季報 1993秋季号」『競馬ブック』第14巻第3号、ケイバブック。
- 「関西競馬四季報 1994春季号」『競馬ブック』第15巻第1号、ケイバブック。
- 「関西競馬四季報 1994秋季号」『競馬ブック』第15巻第3号、ケイバブック。
関連項目
外部リンク
- 競走馬成績と情報 netkeiba、JBISサーチ、Racing Post エラー:
|racingpostname=
が未定義です。(参照1・参照2) - ウイニングチケット - 競走馬のふるさと案内所
- ウイニングチケット - 引退名馬(名馬.jp)