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「ファイナルファンタジー」の版間の差分

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「ゲームの特徴」の全面的な書き直し
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== ゲームの特徴 ==
== ゲームの特徴 ==
[[ファイナルファンタジーシリーズ]]の初作となる本作は[[坂口博信]]をはじめ、『[[サガ]]』の[[河津秋敏]]、『[[聖剣伝説]]』の[[石井浩一]]らが総力戦で作り上げた以降のスクウェアRPGの原点の一つであり、[[ウィザードリィ]]や[[D&D]]といった古典的ファンタジー作品の世界観をベースとしながらも独自の装飾によって個性的なファンタジーの様式を作り上げ、当時まだドラクエの模倣に留まっていた[[コンシューマ]]RPGの分野に新たな流れを齎す作品となった。
ファイナルファンタジーシリーズは[[ドラゴンクエストシリーズ]]に比べ、グラフィック面を特に強化している。ファミリーコンピュータ向けに製作された第1作目である本作より、既にその傾向が見られる。


本作のもっとも大きな特徴の一つが変則的なスタイルで導入される[[オープニング]]タイトルのシーンであり、プレイヤーは半ばフィールドに放り出される形で唐突にゲームは始まるのだが、ゲームが進行しおぼろげながら状況と目的が見えてきた所ではじめて物語の大きな目的が示され、美しいグラフィックや音楽と共に探求の旅へ誘う演出は本作の代表的なシーンとして知られ、その音楽はシリーズの代表曲として続編作品に広く使われる物となった。
内容は、現在の目で見れば確かに荒削りで乱雑な面も目立つが、第1作目にして既に「ジョブの概念」「クラスチェンジシステム」「サイドビューの戦闘画面」「攻撃回数の概念」など、当時の家庭用RPGとしては珍しい要素を備えていた。また、魔法や亜人といったファンタジー然としたことがらと、超古代文明に代表されるオーバーテクノロジーが入り混じる独特の世界観などは、後のシリーズにも受け継がれていくものである。本作は、スクウェアRPG全ての原点<ref>ただし、厳密には本作がスクウェアのRPG第一作というわけではない。スクウェアは前年にあたる1986年4月に、アニメーションを多用したSFロボット3DRPG『[[クルーズチェイサーブラスティー]]』(シナリオ:坂口博信)をPC用ソフトとしてリリースしている。</ref>であり、同時に、[[坂口博信]]をはじめ、『[[サガシリーズ|サガ]]』の[[河津秋敏]]、『[[聖剣伝説]]』の[[石井浩一]]らが総力戦で作り上げた「以降のRPGのひな形」ともいえるものでもあった。


「頻度の高い[[コマンド]]の[[ショートカット]]」「全世界を見渡せるマップ」「[[エンカウント]]のない飛行乗り物」や乗り物の「高速[[スクロール]]処理」など他の[[RPG]]作品が[[スーパーファミコン]]世代になってようやく実装し始めるような洗練されたインターフェースが既に多く採用されており、またフィールドマップにおいてはファミコンの限られた[[VRAM]]をグラフィック描画に集中するプログラムテクニックによって滑らかな海岸線や立体的な質感の山岳など本作の特徴である高品質なグラフィックを実現しており、このためフィールドマップでは会話ウィンドウは開かない仕様になっている。
ゲームスタート直後にはタイトル画面が表示されず、序盤のイベントを終えた後、新たに出来る道を通過する際に初めて「FINAL FANTASY」のタイトルが映し出される。


キャラメイキング要素を備えたファミコンRPGとしては[[ドラゴンクエストⅢ]]に先駆けており、魔法を店で購入する独特のシステムや、属性や弱点を突いた多彩な戦略シチュエーション、どの[[ジョブ]]でもクリアできる自由度の高さなどといったやり込みやリプレイバリューの要素が豊かであり、また天空城や海底神殿などの幻想的なダンジョンの舞台設定や[[アニメーション]]で表現された戦闘シーン、要所で挿入される[[四天王]]的ボスとの対決や外来語の多用で異国的な雰囲気を盛り上げる演出手法など、今日においてはもはや当たり前すぎて気にも留められないほどの定番的手法の数々をコンシューマRPGにおいていち早く取り入れた点でも業界を大きく先取る先駆的な作品であった。
ゲーム自体の特徴から、後のシリーズ作品と同じ感覚でプレイすると難易度は若干高く感じる。攻撃回数の概念があることとも関連があるが、特に序盤では敵への通常攻撃を行った際に回避されることが多く、さらにダメージ量も幅の大きいランダムな数値であるため、優れた武器や能力を持ったキャラ以外は通常攻撃の確実性が低い。また、通常攻撃と同様に魔法もランダム数値の幅が大きいため、MPの少なさも相まって回復や攻撃の魔法が役立つ局面が限られている。

[[ファイナルファンタジーシリーズ]]の定番と言える[[クリスタル]]や[[飛空艇]]、可愛らしい[[魔道士]]キャラクターといったお馴染みの要素も一作目から多く登場しており、超文明や時空輪廻など世界を形作る高次的な概念や、敵キャラクターにも[[カオス]]、[[四元素]]といった哲学的な名前が与えられるなど、完全懲悪に収まらない観念的な世界観を敷く手法もまた形を変えながら後のシリーズや派生的な作品に色濃く引き継がれている。


== システム ==
== システム ==
本作は終始4人パーティでるが、後のズと同様、移動中に画面に表示されるプレイヤーキャラクターは先頭の1人だけである。
本作は終始4人パーティで進行するが、移動シーンの画面は先頭の1人だけが代表的に表示される。


移動中におけるアイテム・魔法の使用やステータスの確認などは、'''メニュー画面'''と呼ばれるサブ画面を開いて行う。また、町やダンジョンなどでは、決定ボタンを1回押すだけで目の前の人との会話をしたり、物を調べたりすることができる。
移動中におけるアイテム・魔法の使用やステータスの確認などは、'''メニュー画面'''と呼ばれるサブ画面を開いて行う。また、町やダンジョンなどでは、決定ボタンを1回押すだけで目の前の人との会話をしたり、物を調べたりすることができる。
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=== 戦闘システム ===
=== 戦闘システム ===
戦闘は当時の多くのRPGと同様の[[ターン]]制となっている。敵モンスターを全て倒すと戦いが終了する。主人公たち4人全員が死亡あるいは石化状態になると[[ゲームオーバー]]となり、前回セーブを行った場面からやり直さければならない
戦闘は当時の多くのRPGと同様の[[ターン]]制となっている。敵モンスターを全て倒すと戦いが終了する。主人公たち4人全員が死亡あるいは石化状態になると[[ゲームオーバー]]となり、前回セーブを行った場面からの再開と


戦闘画面は、画面右側に主人公たち4人が縦に並び、画面左側に敵モンスターのグラフィックが表示されるサイドビュー方式。主人公たちが行動するときはキャラクターが実際に剣を振ったりする動作が見られ、HPが少なくなったりステータス異常に陥ったりすると、キャラクターが膝を落としてうずくまるようになっている。このように、「戦闘時に自分たちのキャラクターが画面に表示されてアニメーションする」RPGは、『[[ドラゴンクエスト]]』のような「敵モンスターだけが画面に表示される」方式が主流であった当時としては珍しいものであった。また、キャラクターやモンスターの行動時には「○○のこうげき」「○○は××をとなえた」のような文章による表現を使わず、行動したキャラクターと相手の名前、魔法や特殊攻撃などの名前、攻撃回数、ダメージポイントなどが、並んだウィンドウ内にそれぞれ表示されるだけである。このように、シリーズ第1作目の本作から既に戦闘時のビジュアル重視の作風が見られ、後の作品ではさらに文字によるキャラクターの行動の説明が少なくなっていくこととなる。
戦闘画面は、画面右側に主人公たち4人が縦に並び、画面左側に敵モンスターのグラフィックが表示されるサイドビュー方式。主人公たちが行動するときはキャラクターが実際に剣を振ったりする動作が見られ、HPが少なくなったりステータス異常に陥ったりすると、キャラクターが膝を落としてうずくまるようになっている。このように、「戦闘時に自分たちのキャラクターが画面に表示されてアニメーションする」RPGは、『[[ドラゴンクエスト]]』のような「敵モンスターだけが画面に表示される」方式が主流であった当時としては珍しいものであった。また、キャラクターやモンスターの行動時には「○○のこうげき」「○○は××をとなえた」のような文章による表現を使わず、行動したキャラクターと相手の名前、魔法や特殊攻撃などの名前、攻撃回数、ダメージポイントなどが、並んだウィンドウ内にそれぞれ表示されるだけである。このように、シリーズ第1作目の本作から既に戦闘時のビジュアル重視の作風が見られ、後の作品ではさらに文字によるキャラクターの行動の説明が少なくなっていくこととなる。
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本作では、町の「宿屋」に泊まるか、あるいはワールドマップ上で「テント」「コテージ」などの宿泊用アイテムを使用することによってセーブするシステムである。ただしGBA版、PSP版では移動中であればどこでもセーブが可能になっている。
本作では、町の「宿屋」に泊まるか、あるいはワールドマップ上で「テント」「コテージ」などの宿泊用アイテムを使用することによってセーブするシステムである。ただしGBA版、PSP版では移動中であればどこでもセーブが可能になっている。


ファミコン版でも宿泊用アイテム使用時にセーブするかどうかは任意だが、コテージはセーブを選択しないとMPが回復しない。セーブを選択してもセーブのタイミングがMP回復の前であるため、(直後に別のアイテムでセーブしない限りは)再開した際にMPが回復していない状態から始まるという仕様になっている。また宿屋に泊まる際には必ずセーブに同意しなくてはならないため、ファミコン版ではセーブせずにMPを回復させる手段が無い。言い換えればセーブバッファ1つしか無いにもかかわらずセブせずにゲームを進めることが困難だった。
ファミコン版でも宿泊用アイテム使用時にセーブするかどうかは任意だが、コテージはセーブを選択しないとMPが回復しない。セーブを選択してもセーブのタイミングがMP回復の前であるため、(直後に別のアイテムでセーブしない限りは)再開した際にMPが回復していない状態から始まるという仕様になっている。また宿屋に泊まる際には必ずセーブに同意しなくてはならないため、ファミコン版ではセーブせずにMPを回復させる手段が無い。セーブバッファ1つしか無いため前回のプレイデタを温存してゲームを進める事は困難だった。


=== ミニゲーム ===
=== ミニゲーム ===
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== ジョブ ==
== ジョブ ==
FFシリーズでの「ジョブ」とは職業([[キャラクタークラス]])のことである。本作はゲーム開始時に4人のキャラクターのジョブを選択し、以降転職することはできない。物語の後半になると「クラスチェンジ」によそれぞれの上位のジョブになことが可能
FFシリーズでの「ジョブ」とは職業([[キャラクタークラス]])のことである。[[ファイナルファンIII]]ジョブチェンジシステムが初出の語でありFC版「Ⅰ」の頃は特別な呼び方は無かたが現在では公式にもジョブの呼称が用いられている。

本作はゲーム開始時に4人のキャラクターのジョブを選択し、以降転職することはできない。物語の後半になると「クラスチェンジ」によって、それぞれの上位のジョブになることが可能。


クラスチェンジをすると新たな武器や魔法を扱えるようになり、キャラクターのグラフィックも変わる。ファミコン版ではグラフィックの頭身が上がり、まるで子供から大人に成長したかのような姿になるが、リメイク版では頭身の変化はない。<!--FF2~6のドット絵に慣れた目には確かに奇異に感じるが、本作発売当時もそういう見方をされていたのか?←されてたけど、記述はしないでもいいです。-->
クラスチェンジをすると新たな武器や魔法を扱えるようになり、キャラクターのグラフィックも変わる。ファミコン版ではグラフィックの頭身が上がり、まるで子供から大人に成長したかのような姿になるが、リメイク版では頭身の変化はない。<!--FF2~6のドット絵に慣れた目には確かに奇異に感じるが、本作発売当時もそういう見方をされていたのか?←されてたけど、記述はしないでもいいです。-->
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; 4体のカオス (Four Fiends of Chaos)
; 4体のカオス (Four Fiends of Chaos)
: 土の[[リッチ]] (Lich of Earth)、火の[[マリリス]] (Marilith of Fire)、水の[[クラーケン]] (Kraken of Water)、風の[[ティアマット]] (Tiamat of Wind)。カオスに送り込まれた4体の怪物。『[[ファイナルファンタジーIX]]』にも登場する。
: 土の[[リッチ]] (Lich of Earth)、火の[[マリリス]] (Marilith of Fire)、水の[[クラーケン]] (Kraken of Water)、風の[[ティアマット]] (Tiamat of Wind)。カオスに送り込まれた4体の怪物。『[[ファイナルファンタジーIX]]』にも登場する。

== 世界観 ==
本作の世界を支える根本にあるのは火、水、土、風の4つのクリスタルである。物語は、クリスタルの輝きが失われ、世界が滅亡へと進むところから始まる。

プレイヤー(光の戦士)の目的はクリスタルの輝きを取り戻し、世界を救うことである。その目的を達するまでの過程で、この世界の真実を知ることになる。


=== 地名 ===
=== 地名 ===

2010年12月20日 (月) 19:47時点における版

ファイナルファンタジーシリーズ > ファイナルファンタジー
ファイナルファンタジー
ジャンル ロールプレイングゲーム
対応機種 ファミリーコンピュータMSX2ワンダースワンカラープレイステーションiアプリゲームボーイアドバンスEZアプリ(BREW)S!アプリプレイステーション・ポータブルWiiバーチャルコンソール)、プレイステーション3プレイステーション・ポータブルゲームアーカイブス)、iPhoneiPod touch
開発元 スクウェア
MSX2:マイクロキャビン
GBA、WSC、PS:トーセ
発売元 スクウェア
MSX2:マイクロキャビン
音楽 植松伸夫
人数 1人
メディア FC:2Mb+64KRAMロムカセット
MSX2:2DDディスク 1枚
発売日 FC:1987年12月18日
MSX2:1989年12月22日
FC(I・II):1994年2月27日
WS:2000年12月9日
PS:2002年10月31日
i:2004年3月1日
GBA:2004年7月29日
EZ:2004年8月19日
S!:2006年7月3日
PSP:2007年4月19日
Wii(VC):2009年5月26日
PS3/PSP(GA):2009年6月24日
iPhone/iPod touch:2010年2月25日
対象年齢 CERO:A(全年齢対象)
売上本数 FC:52万本
WS:37万本
PS:12万本
PSP:10万本
その他 ※上記は日本国内のデータである。
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ファイナルファンタジー』(FINAL FANTASY最終幻想、通称 ファイナルファンタジーI(-ワン)、略称FFIFF1)は1987年12月18日スクウェア(現スクウェア・エニックス)から発売されたファミリーコンピュータゲームソフト

ジャンル種別はRPGファイナルファンタジーシリーズの第1作。

概要

タイトルにナンバリングはされておらず、当初の正式タイトルは単に『ファイナルファンタジー』である。リメイク作品には「I」の呼称が付けられる。

この名称は後に発売されたファミリーコンピュータ版およびプレイステーション版『ファイナルファンタジーI・II』とゲームボーイアドバンス版『ファイナルファンタジーI・II アドバンス』で部分的に現れる。

制作スタッフ

製品バリエーション

本作は移植・リメイクなどにより、次のようなバリエーションを持つ。

ゲームの特徴

ファイナルファンタジーシリーズの初作となる本作は坂口博信をはじめ、『サガ』の河津秋敏、『聖剣伝説』の石井浩一らが総力戦で作り上げた以降のスクウェアRPGの原点の一つであり、ウィザードリィD&Dといった古典的ファンタジー作品の世界観をベースとしながらも独自の装飾によって個性的なファンタジーの様式を作り上げ、当時まだドラクエの模倣に留まっていたコンシューマRPGの分野に新たな流れを齎す作品となった。

本作のもっとも大きな特徴の一つが変則的なスタイルで導入されるオープニングタイトルのシーンであり、プレイヤーは半ばフィールドに放り出される形で唐突にゲームは始まるのだが、ゲームが進行しおぼろげながら状況と目的が見えてきた所ではじめて物語の大きな目的が示され、美しいグラフィックや音楽と共に探求の旅へ誘う演出は本作の代表的なシーンとして知られ、その音楽はシリーズの代表曲として続編作品に広く使われる物となった。

「頻度の高いコマンドショートカット」「全世界を見渡せるマップ」「エンカウントのない飛行乗り物」や乗り物の「高速スクロール処理」など他のRPG作品がスーパーファミコン世代になってようやく実装し始めるような洗練されたインターフェースが既に多く採用されており、またフィールドマップにおいてはファミコンの限られたVRAMをグラフィック描画に集中するプログラムテクニックによって滑らかな海岸線や立体的な質感の山岳など本作の特徴である高品質なグラフィックを実現しており、このためフィールドマップでは会話ウィンドウは開かない仕様になっている。

キャラメイキング要素を備えたファミコンRPGとしてはドラゴンクエストⅢに先駆けており、魔法を店で購入する独特のシステムや、属性や弱点を突いた多彩な戦略シチュエーション、どのジョブでもクリアできる自由度の高さなどといったやり込みやリプレイバリューの要素が豊かであり、また天空城や海底神殿などの幻想的なダンジョンの舞台設定やアニメーションで表現された戦闘シーン、要所で挿入される四天王的ボスとの対決や外来語の多用で異国的な雰囲気を盛り上げる演出手法など、今日においてはもはや当たり前すぎて気にも留められないほどの定番的手法の数々をコンシューマRPGにおいていち早く取り入れた点でも業界を大きく先取る先駆的な作品であった。

ファイナルファンタジーシリーズの定番と言えるクリスタル飛空艇、可愛らしい魔道士キャラクターといったお馴染みの要素も一作目から多く登場しており、超文明や時空輪廻など世界を形作る高次的な概念や、敵キャラクターにもカオス四元素といった哲学的な名前が与えられるなど、完全懲悪に収まらない観念的な世界観を敷く手法もまた形を変えながら後のシリーズや派生的な作品に色濃く引き継がれている。

システム

本作は終始4人パーティで進行するが、移動シーンの画面では先頭の1人だけが代表的に表示される。

移動中におけるアイテム・魔法の使用やステータスの確認などは、メニュー画面と呼ばれるサブ画面を開いて行う。また、町やダンジョンなどでは、決定ボタンを1回押すだけで目の前の人との会話をしたり、物を調べたりすることができる。

後述のようなMPシステムや魔法の内容、ジョブの特徴、モンスター名などに、テーブルトークRPGの『ダンジョンズ&ドラゴンズ』や『ウィザードリィ』の強い影響が見られる。

戦闘システム

戦闘は当時の多くのRPGと同様のターン制となっている。敵モンスターを全て倒すと戦いが終了する。主人公たち4人全員が死亡あるいは石化状態になるとゲームオーバーとなり、前回セーブを行った場面からの再開となる。

戦闘画面は、画面右側に主人公たち4人が縦に並び、画面左側に敵モンスターのグラフィックが表示されるサイドビュー方式。主人公たちが行動するときはキャラクターが実際に剣を振ったりする動作が見られ、HPが少なくなったりステータス異常に陥ったりすると、キャラクターが膝を落としてうずくまるようになっている。このように、「戦闘時に自分たちのキャラクターが画面に表示されてアニメーションする」RPGは、『ドラゴンクエスト』のような「敵モンスターだけが画面に表示される」方式が主流であった当時としては珍しいものであった。また、キャラクターやモンスターの行動時には「○○のこうげき」「○○は××をとなえた」のような文章による表現を使わず、行動したキャラクターと相手の名前、魔法や特殊攻撃などの名前、攻撃回数、ダメージポイントなどが、並んだウィンドウ内にそれぞれ表示されるだけである。このように、シリーズ第1作目の本作から既に戦闘時のビジュアル重視の作風が見られ、後の作品ではさらに文字によるキャラクターの行動の説明が少なくなっていくこととなる。

魔法

キャラクターの職業によっては魔法を使用することができるが、本作では魔法はレベルアップによって覚えるのではなく、町の中にある「魔法屋」(黒魔法屋・白魔法屋)で購入することによってのみ習得できる。習得できる魔法は職業によって異なる。

魔法は1から8までのレベルに分かれており、各レベルごとに白魔法・黒魔法それぞれ4つ存在する。ただし一人のキャラクターが覚えられる魔法数の限度は1つのレベルにつき3つまでなので取捨選択することになる。また、魔法の使用回数は魔法のレベルごとに決められており、キャラクターのレベルが上がるほど、魔法の使用回数も増えていく(本作における「MP」とはこの「使用回数」のことを指す。宿屋に泊まることによりすべて回復する)。レベルが低いうちに高レベルの魔法を購入することも可能ではあるが、その魔法レベルの最大MPがゼロであればMPが上がるまで使用することはできない。

本作では後のシリーズと違い、魔法の全体化はできない。魔法ごとに敵全体、味方一人、自分のみなどの効果範囲が決められており、そのために後シリーズとは魔法体系も異なっている。本作固有の魔法としては、アンデッドにダメージを与えるディア系、味方全体を回復するヒール系などが存在する。他に、雷系の攻撃魔法が「サンダガ」でなく「サンガー」となっていたり、ケアルの第二段階の名前が「ケアルラ」でなく「ケアルア」であるなど、名称が異なる魔法も幾つか見られる。なお、本作には「アディア」のように「ア」をつけて強化される白魔法が他にも存在し、「アレイズ」のように後のシリーズに受け継がれたものもある。 ちなみにケアルアはファイナルファンタジーXIIIで、初代以来の復活を遂げている。

ただしGBA版およびPSP版では魔法の回数制は廃され、新たに「MP」の数値が設定された。同様にMPを消費する『FFII』や『FFIV』以降のシリーズと近いシステムとなっている。

乗り物

本作に登場する乗り物は3種類。なお、船や飛空船(飛空艇)に乗っているときは、それぞれ波の音、プロペラの音が効果音として鳴るようになっている。

  • - 海の上を移動することができる。川や湖は移動できない。移動スピードは徒歩の2倍。港町プラボカを占領していた海賊ビッケの率いるカイゾクを倒すことで譲り受ける。なお、本作では上陸できる場所は「港」に限られるが、カヌーを持っていれば河口に船を止めてそこからカヌーに乗り換えることができる(つまり、河口を港代わりに使うことができる)。
  • カヌー - 川や湖の上を進むことができる。これを持っていれば、川・湖に入ったときに自動的にカヌーに乗ることができる。
  • 飛空船(飛空艇) - 伝説の空飛ぶ船。船にプロペラがついたもので、どんな地形の上でも空を飛んで移動することができる。ただし着陸できるのは平地のみ。移動スピードは徒歩の4倍で、飛行中はモンスターとのエンカウントが発生しない。なおGBA版とPSP版でのみ、開発者はシドであるとされる(ゲーム中には登場せず、名前のみ語られる)。

セーブ

FFシリーズでは第1作目である本作からバッテリーバックアップが採用されている。ただし、ファミコン版はセーブデータを1本のカセットにつき1つしか記録できない。ROMカセットでのセーブ機能は『ドラゴンクエスト』に先んじての導入である。ただし、本作がファミコンRPG初の採用ではない。

本作では、町の「宿屋」に泊まるか、あるいはワールドマップ上で「テント」「コテージ」などの宿泊用アイテムを使用することによってセーブするシステムである。ただしGBA版、PSP版では移動中であればどこでもセーブが可能になっている。

ファミコン版でも宿泊用アイテム使用時にセーブするかどうかは任意だが、コテージはセーブを選択しないとMPが回復しない。セーブを選択してもセーブのタイミングがMP回復の前であるため、(直後に別のアイテムでセーブしない限りは)再開した際にMPが回復していない状態から始まるという仕様になっている。また宿屋に泊まる際には必ずセーブに同意しなくてはならないため、ファミコン版ではセーブせずにMPを回復させる手段が無い。セーブバッファは1つしか無いため前回のプレイデータを温存してゲームを進める事は困難だった。

ミニゲーム

船の中でAボタン(○ボタン)を押しながら、Bボタン(×ボタン)を一定回数押すと、ミニゲームの「15パズル」をプレイできる。クリアすると、ファミコン版では100ギルを得られ、リメイク版ではクリアタイム更新ごとに高額の賞金や貴重なアイテムを得られる。携帯電話版には存在しない。

ファミコン版の15パズルは、ナーシャが勝手に入れたもので、周囲のスタッフはあまりに嬉しそうにそれを報告するナーシャを見て何も言えず、そのままとなった[1]

本作ではオープニングがゲーム途中の1イベントであるため、普段はオープニングの音楽を聴く機会が無い。しかしこのミニゲームを起動することで、物語途中でもオープニングの音楽およびタイトルグラフィックの一部を視聴することができる。

その他

毒、石化、死亡状態になったキャラクターは一番後ろに下げられる。

移植版・リメイク版の特徴

前述のように、本作はシリーズ中でも特に多くのリメイク・移植がなされている。ワンダースワンカラー版以降のリメイク版のタイトルロゴは、『FFIV』以降の字体が用いられ、「光の戦士」が描かれている。ロゴのキャラクターデザインは天野喜孝である。プレイステーション・ポータブル版では、再度タイトルロゴがリニューアルされた。

MSX2版

  • BGMはMSX2の拡張機能を利用してFM音源+PSG音源を用いてアレンジされている。
  • メディアはフロッピーディスクであり、頻繁にディスクアクセスが発生する。
  • 処理速度を稼ぐために移動時の画面は描画エリアが少ない(それでもかなり遅い)。
  • モンクの武器防具をはずした場合のパラメータ未実装。モンクはマサムネ以外はテツヌンチャクが最強の攻撃となる。
  • 攻撃魔法の属性が曖昧。
  • エンディング後にCtrlキーを押すとサウンドモードに入れる。

ワンダースワンカラー版

  • グラフィック・ボス戦BGM・効果音・台詞・メッセージの追加・変更
  • イベントシーンの追加
  • 「15パズル」でクリア時間などに応じアイテム等をもらえるようになった
  • バグの修正のほか、一部の敵の行動パターンの変更・ボスのHP増加によるバランス調整
  • 倍速移動(ダッシュ)が可能になった
  • アイテム所持が無制限に。ショップではまとめ買いが可能
  • 習得した魔法を忘れることができる
  • ダメージや回復の数値表現は、『FFIII』以降と同様に対象キャラクターから数値がポップアップされる形式に変更
  • 攻撃ヒット数は攻撃を行ったキャラ自身の上部に表示される
  • 戦闘中も武器・防具の装備を変更できる
  • 光の戦士の持っていたクリスタルの設定を「クリスタルの欠片」に変更。それぞれ元のクリスタルが存在する

プレイステーション版

基本的にワンダースワンカラー版の移植だが、ハード性能の違いによりグラフィックは更に描き直されている。ゲームの各所では3Dムービーが流れる。進行状況によって様々なイラストを閲覧できる「イラストギャラリー」と、モンスターのデータを閲覧することができる「モンスター図鑑」が追加されている。

メニュー画面の専用BGMが無くなった。メニュー表示中は現在移動しているフィールドのBGMがそのままボリュームを抑えて流れるようになっている。

システム面では、レベルアップ頻度や魔法使用回数が大幅に増えた「イージーモード」が追加された。また「メモファイル」と呼ばれる簡易セーブシステムを導入。電源を切ると失われるデータだが、移動中は任意の場所でデータをセーブ・ロードすることができる。

携帯電話アプリ版

基本的にはワンダースワンカラー版・プレイステーション版とほぼ同じ。ただし、セリフやショップ画面、画面切り替え時のワイプ処理などはFC版に近い。コース登録を行い、500FFポイント(500円相当)を支払う事により購入できる。

ゲームボーイアドバンス版

ファイナルファンタジーI・II アドバンス』として発売され、本作と『ファイナルファンタジーII』を同じカセットに収録している。

画面はワンダースワンカラー版をベースに色数を増やして描き直されている。戦闘画面では主人公キャラは少しだけ小さめになり、背景画のデザインも異なっている。また、従来の移植ではほとんど変更の無かった基本システムが大幅に変更された。当時の雑誌媒体などに掲載された広告では「低年齢層のユーザーでも楽しめる」ことを強調しており、パッケージや説明書などに使用された各キャラクターのイラストも、親しみやすいデフォルメタッチで描かれている。

主な追加点・変更点としては以下の様なものがある。

  • 従来はほぼ無意味だった一部の能力値が、戦闘に大きく影響するようになった。
  • 『FFII』以降のFFシリーズに登場したアイテムが多数追加された。強力な回復アイテム、能力増強アイテム、装備品など。
  • 魔法がMP制となり、MP回復アイテムも追加されたため、使用の制限が少なくなった。
  • 上記により、主に魔法系のジョブが大幅に強化され、原作のジョブ間の性能差がかなり是正された。
  • レベルアップに必要な経験値が減少し、戦闘が非常に楽になった。ただしボスは強化されている。
  • 『FFII』以降と同様に、戦闘勝利後に一部の敵がアイテムを落とすようになった。
  • 戦闘でのコマンド入力時、LボタンとRボタンを同時押しするとキャラクター全員が「にげる」を選択したことになる(同録されている『FFII』も同様)。
  • 「Soul of Chaos(ソウル・オブ・カオス)」という、物語の本筋とは無関係な4つのエクストラダンジョンが追加された。このダンジョンでは『FFIII』『FFIV』『FFV』『FFVI』に登場したボスモンスター(ただし、『FFI』のゲームシステムに合わせてパラメーター等はオリジナルから変更されている)やアイテムが多数登場する。なお、各作品のボスが登場する際にはそれぞれの原作にもとづいたシチュエーションやセリフなども再現されており、これら作品のファンへのサービス的な要素も大きい。

プレイステーション・ポータブル版

ファイナルファンタジー20周年記念作品。システム、バトル画面の各種デザインなどはGBA版『FFI・IIアドバンス』に収録されている『FFI』(以下、GBA版『FFI』)に準じるが、ハードの変更に伴いモンスター等のグラフィックが全て描き直されている。タイトルロゴもリニューアル。

マップ背景もリニューアルされ、村の中で光が差し込む演出などが加わった。

PS版のCGムービーと、GBA版『FFI』の「Soul of Chaos」「サウンドモード」を収録。さらにPSP版オリジナルの新要素として天野喜孝ギャラリーや新ダンジョン「時の迷宮」が追加されている。PSP版オリジナルのボスも登場する追加ダンジョン「時の迷宮」は謎解きやパズルの要素も含まれており、難度が高い。

Wii(バーチャルコンソール)版

リメイク版ではなくオリジナル版の配信であるため、内容はファミコン版とほぼ同一。様々なハードで移植・リメイクが繰り返されているが、第1作が単体として任天堂ハードに移植されるのはオリジナル以来、約22年ぶりとなる。

PS3・PSP(ゲームアーカイブス)版

プレイステーションでのリメイク版をほぼそのまま配信しているため、内容はPS版とほぼ同一。

iPhone・iPod touch版

2010年1月21日に『ファイナルファンタジーII』とともに移植し、全世界同時にApp Storeで配信すると発表[2]、同年2月25日より配信が開始された[3]。PSP版をベースに、操作方法をiPhone・iPod touchのインターフェイスにあわせて最適化、タッチ操作でプレイできるように開発されている。

ジョブ

FFシリーズでの「ジョブ」とは職業(キャラクタークラス)のことである。ファイナルファンタジーIIIの「ジョブチェンジシステム」が初出の語でありFC版「Ⅰ」の頃は特別な呼び方は無かったが、現在では公式にもジョブの呼称が用いられている。

本作はゲーム開始時に4人のキャラクターのジョブを選択し、以降転職することはできない。物語の後半になると「クラスチェンジ」によって、それぞれの上位のジョブになることが可能。

クラスチェンジをすると新たな武器や魔法を扱えるようになり、キャラクターのグラフィックも変わる。ファミコン版ではグラフィックの頭身が上がり、まるで子供から大人に成長したかのような姿になるが、リメイク版では頭身の変化はない。

矢印の右側に記した名称は、クラスチェンジ後のジョブである。

戦士→ナイト
重装備に身を包み、武器を使った戦いを専門とする。クラスチェンジ後は一部の白魔法を習得できる。
シーフ→忍者
戦闘はやや苦手だが「こううん」が高く、「にげる」の成功率が高い。クラスチェンジ後は装備が大幅に増え、一部の黒魔法を習得できる。FC版では他のジョブと比べて見劣りするが、GBA版以降は戦闘力が強化されている。
モンク→スーパーモンク
肉弾戦の専門家。素手の攻撃力がレベルアップに従って加速度的に強くなる。最終的には全ジョブの中で最も攻撃力が強くなる。
赤魔術士→赤魔道士
ある程度の白魔法・黒魔法を使うことができ、武器攻撃もこなす。
白魔術士→白魔道士
白魔法(主に回復魔法など)を使用できる。
黒魔術士→黒魔道士
黒魔法(主に攻撃魔法など)を使用できる。

スタート時の選択画面では「戦士・シーフ・モンク・赤魔術士」(機種によって「戦士・シーフ・白魔術士・黒魔術士」)が表示されているが、どんな組み合わせでもクリアはできる。複数のキャラクターを同じジョブにもできる。


注意:以降の記述には物語・作品・登場人物に関するネタバレが含まれます。免責事項もお読みください。


登場人物

光の戦士 (Warriors of Light)
プレイヤーキャラ。コーネリアに現れた4人。それぞれがクリスタルを持っている。後のFFシリーズのプレイヤーキャラたちと違い、彼らには一切セリフらしいセリフがない。また、彼らが何者であるのかについてはエンディングで明らかにされる。
歴代FFシリーズのクロスオーバー作品『ディシディア ファイナルファンタジー』では、この4人の一人らしい、このゲームのパッケージに描かれている鎧の戦士「ウォーリア オブ ライト」という名の人物(関俊彦)が登場するが、本作『FFI』のゲーム中にこの姿を見ることは無い。
漫画版では光の戦士として独自のキャラクターが登場している(後述)。
セーラ・コーネリア (Sara Cornelia)
コーネリアの王女。ガーランドに誘拐される。
コーネリア王 (King of Cornelia)
セーラの父親。古来から伝わる予言を信じて、セーラ救出を光の戦士たちに依頼する。妃はジェーン王妃。
ジェーン・コーネリア (Jeen Cornelia)
コーネリア王の妻であり、セーラの母親。
ガーランド (Garland)
コーネリアのナイトであったが、セーラを強引に我がものとすべく(リメイク版ではコーネリアの王の座を要求するため)誘拐し、カオス神殿に潜む。光の戦士により一度は倒されるものの、その後2000年前にタイムトリップし、カオスとして甦る。
『ディシディア ファイナルファンタジー』にも、ウォーリア オブ ライトの好敵手として登場する(声:内海賢二)。
マトーヤ (Matoya)
少し偏屈な魔女。大事な水晶を盗まれて困っている。言葉を話すホウキと暮らしている。
ビッケ (Bikke)
港町プラボカを占領していた海賊。光の戦士に挑みかかるも返り討ちにあい、詫びを入れるために船を譲った。
ウネ (Unne)
メルモンドの町に住む学者。ロゼッタ石を渡すと主人公たちにもルフェイン語を教えてくれる。
アストス (Astos)
ダークエルフの王。本来妖精王となるはずのエルフの王子に呪いをかけ、その座を我がものにしようとしていた。
スミス
ドワーフの鍛冶屋。アダマンタイトを渡すとエクスカリバーを作ってくれる。
バハムート (Bahamut)
ドラゴンの王。光の戦士たちに称号を与えるべく、試練を課す。
カオス (Chaos)
本作のラストボス。2000年前のカオス神殿におり、世界を滅ぼすために4体のカオスを未来に送り込む。その正体はガーランド。
4体のカオス (Four Fiends of Chaos)
土のリッチ (Lich of Earth)、火のマリリス (Marilith of Fire)、水のクラーケン (Kraken of Water)、風のティアマット (Tiamat of Wind)。カオスに送り込まれた4体の怪物。『ファイナルファンタジーIX』にも登場する。

地名

  • コーネリア王国 - 二大国家の1つの国。森と海に囲まれた美しい町で、人々は“夢の都”と呼ぶ。
  • 港町プラボカ - アルディ内海に面した港町。海賊に占領されている。
  • エルフの国 - 二大国家の1つでエルフという種族の国。王子が5年間も眠り続けている。街の片隅には、あるゲームの人物の名が刻まれた墓がある。
  • メルモンド - 西の大陸にある町。カオスの影響で大地が腐り、荒廃している。
  • クレセントレイク - 三日月形の湖がある自然に囲まれた町。予言者ルカーンはここを目指したという。
  • オンラク - "情報の宝庫" と呼ばれる北西の大陸にある町。かつて水の力で栄えていた。
  • 山頂の町ガイア - 北の大陸にある山に囲まれた大地の孤島。通称“鷹の目”。妖精の棲む泉があるといわれている。
  • ルフェイン人の町 - 北の大陸にある、かつて存在した高度文明の民の町。通称“鷹の翼”。

ストーリー

土、火、水、風の4つの力がさえぎられ、暗黒に包まれた世界。人々は世界を救う「光の戦士」の伝説を信じ、待ち続けていた。

長い長い旅の果てに、光の戦士の証である4つのクリスタルを手にした4人の若者がコーネリアの地へと辿りつく。そのころコーネリアでは、かつてこの王国のナイトであったガーランドによってセーラ姫がさらわれるという事件が発生していた。戦士たちは、王の願いを聞き入れ、ガーランドが立て籠もるというカオスの神殿へと向かうことになった。ガーランドを倒し、姫を取り戻した戦士たち。王はその感謝の印としてコーネリアの北にある橋を修復させた。失われたクリスタルの輝きを取り戻し、世界に再び平和をもたらすために、戦士たちは橋を渡り、未知なる大地へと旅立つ。

戦士たちは、クリスタルの輝きをさえぎる存在である土・火・水・風の「4匹のカオス」を倒し、クリスタルの輝きを甦らせていく。しかし、すべての輝きを取り戻してもなお、世界に平和はおとずれなかった。

クレセントレイクの賢者たちは語る。すべての元凶は2000年前にいると。4つの力はその中心であるカオスの神殿へと集まっている。悪の源を叩くのだ。戦士たちは4つのクリスタルと黒水晶の力によって2000年前の「カオスの神殿」へと向かった。

2000年前のカオスの神殿の最下層にいたのは、ガーランドだった。一度は戦士たちに倒されたガーランドは4匹のカオスによってゆがめられた4つの力で2000年前に飛び、そこに甦っていたのだ。そして、2000年後のためにふたたび4匹のカオスを未来へと送り込む。ガーランドは「カオス」として、何度も繰り返される閉じた2000年の時の鎖の中で永久に生き続ける存在になっていた。

戦士たちはカオスに勝利し、時の鎖を断ち切った。世界もまた、元の姿を取り戻す。

人々は、戦士たちの活躍も、ゆがめられた世界のことも覚えてはいない。だが、心のどこかに残ったその記憶を「架空の物語」として語り続けるのだった。

制作秘話

制作の経緯

本作以前のスクウェア(当時)は、PCゲーム市場おいては「グラフィックに長けたADVを作るソフトハウス」として、それなりの評価を得ていたメーカーだった。しかし、そのころ参入した家庭用ゲーム機市場ともども、セールス面では非常に苦しい状況が続いていた。「これがヒットしなければ、ゲーム開発をやめる。これが最後のチャンス」という決断で企画されたのが本作『ファイナルファンタジー』である[4]

ジャンルはRPG。ディレクターである坂口博信と、横浜国立大学以来の彼の友人、田中弘道の2人は、学生時代に『ウィザードリィ』や『ウルティマ』などのRPGを深く遊び込んでいたこともあり、RPG制作の意向はもともと持っていたようだ(本作発売の前年にあたる1986年には、PC用ソフトとして、3DRPG『クルーズチェイサーブラスティー』が制作されている)。

FCでRPGを開発することを彼らに決意させた大きな要因は『ドラゴンクエスト』のヒットによるものである。当時のゲーム業界においてRPGはFC向け市場として成立しないとされていた。これはFCユーザーのほとんどが若年層であり、思考系ゲームの最たるものであるRPGは彼ら若年層のユーザーにとって非常にハードルの高い存在だったからである。そもそも当時FCのROM容量は制限が厳しく、制作自体も困難がともなうものだった(『ドラゴンクエスト』開発時にエニックスの取締役千田幸信が、FCでRPGを作ろうと企画した堀井雄二中村光一を諭して、まずはADVの『ポートピア連続殺人事件』の移植をさせたのもそういう事情である)。

制作に当たったのは坂口博信を中心とするスクウェアAチーム。当初はわずか4人でのスタートであったという[5]。この時の「最後の夢」を託して作った事から、本作には『ファイナルファンタジー』という名前が付けられた。また後に坂口は「あんなに一生懸命ゲームを作ったのは初めてだった」とも語っている。坂口は当時在学8年目でまだギリギリ大学に戻ることが可能だったため、「最後に一本作って、大学に戻ろう」と考えていたようだ[6]。完成したゲームは社内での評価は良かったものの[7]、スクウェアとしては大して売れないだろうと考え、出荷を抑えようとしたようである。それに異を唱えた坂口は、ROMを持ってつてのある出版社などを回り、記事や広告を掲載してもらえるように頼んで回った。当時弱小ソフト会社に過ぎなかったスクウェアの社運をかけたタイトルの広告は、「PC関連の雑誌を中心に掲載される」というファミコンのゲームとしては極めて異例の形となった[要出典]エラー: タグの貼り付け年月を「date=yyyy年m月」形式で記入してください。間違えて「date=」を「data=」等と記入していないかも確認してください。

1987年12月18日に発売となった『ファイナルファンタジー』は52万本という結果を残した。同年12月に発売予定されていた『ドラゴンクエストIII』が翌1988年2月に発売延期された影響もあったとはいえ、当時社長であった宮本雅史はこの数字に十分な手ごたえを感じ、次回作の制作を命じた[要出典]エラー: タグの貼り付け年月を「date=yyyy年m月」形式で記入してください。間違えて「date=」を「data=」等と記入していないかも確認してください。。その後、このタイトルは安定したヒットを維持し、いまなお続く人気シリーズとなっている。

天野喜孝のデザイン

キャラクターデザインを天野喜孝が担当する事になったきっかけは、坂口博信率いるFF開発スタッフの中に熱烈な天野喜孝ファンがいたためである。天野の参加についての交渉には、坂口と共に、天野がキャラクターデザインを務めた『機甲創世記モスピーダ』のメインライターの一人でもあった寺田憲史も同行した。ただし、当時寺田は天野との面識はなかったようである。この誘いに、天野は「面白いからやりましょう」と即答した。当初は断られるか、少なくとも「ちょっと考えさせてくれ」と言われるとスタッフは思っていたという。

天野が最初に描いた絵は、ドット絵らしいカクカクとしたものだったそうだが、スタッフが普通に描いてくださいと頼むと、彼らしい独特な絵を描いてくれるようになったという。

その後、天野は主要キャラクターデザイン、イメージデザインの他にもモンスターデザインも手掛けることになり、FFシリーズには彼のデザインによるモンスターが非常に多く登場することとなった。また『FFIII』以降は召喚獣のデザインも手掛けている。ちなみに開発スタッフが天野喜孝の絵を見て刺激を受け、ゲーム内容を変更することもあるそうだ[要出典]エラー: タグの貼り付け年月を「date=yyyy年m月」形式で記入してください。間違えて「date=」を「data=」等と記入していないかも確認してください。。例えば天野の描いた「タコのようなものの絵」を見てインスピレーションを受けた開発スタッフがそのイメージのままに創り出したのが『FFVI』の名脇役「オルトロス」であるという[要出典]エラー: タグの貼り付け年月を「date=yyyy年m月」形式で記入してください。間違えて「date=」を「data=」等と記入していないかも確認してください。

サウンド

音楽は植松伸夫が担当している。特に以下の4作は、質の高さゆえにファイナルファンタジーの顔と呼べる存在である。これらの楽曲は、初出時には全てフラット系の楽曲であった。

FINAL FANTASY(メインテーマ)

植松がこのゲームの音楽を作るにあたって最初に完成した曲は、最初のイベントをクリアした後、橋を渡った時に流れる「オープニング・テーマ」という曲である。この曲自体は意外にも実に簡単に作曲されたそうである[要出典]エラー: タグの貼り付け年月を「date=yyyy年m月」形式で記入してください。間違えて「date=」を「data=」等と記入していないかも確認してください。が、彼は、この曲が自分にとってFFのイメージメロディであり、自分が作ったFFの曲の中で一番の傑作だと語っている[要出典]エラー: タグの貼り付け年月を「date=yyyy年m月」形式で記入してください。間違えて「date=」を「data=」等と記入していないかも確認してください。。リメイク版では同時発音数が増えて豪華になり、テンポは荘厳性の為にかなり遅く変更された。またこの曲は後にファイナルファンタジーシリーズのメインテーマとなる曲である。今作の調性はヘ長調。後のシリーズでは変ロ長調(『FFIV』、『FFVI』、『FFXII』)、ハ長調(『FFV』)、ホ長調(『FFIII』、『FFVIII』、『FFIX』)などに転調されて用いられている。ちなみにオーケストラアレンジ版はホ長調でサビ部分にメロディーが追加されている。実はこの曲にもメンデルスゾーン結婚行進曲からの素材引用があることは、あまり知られていない[要出典]エラー: タグの貼り付け年月を「date=yyyy年m月」形式で記入してください。間違えて「date=」を「data=」等と記入していないかも確認してください。。当時のBGM路線はクラシック楽曲からの編曲、様式模倣、そしてギャグ系という三本柱でできていた[要出典]エラー: タグの貼り付け年月を「date=yyyy年m月」形式で記入してください。間違えて「date=」を「data=」等と記入していないかも確認してください。。全シリーズに使われていると思われがちだが『FFII』『FFX』『FFXIII』では使用されなかった。また、リメイクおよび移植版などにも追加される事はなかった。

プレリュード

同じくファイナルファンタジーの全シリーズを通して使用される事になる楽曲「プレリュード」は、この第1作のみ変ロ長調で作曲されていた。しかも単純な上昇音形ではなく、オクターブ上のB♭から始まって短七度下のCに16分音符分落ちてから上昇する巧妙な仕掛けが施されていた。この他にも4オクターブの音域に詰め込むため、いくつかの音名で後のシリーズとはオクターブが違っている。さらに8分音符分のディレイが加わることにより、音源の貧しさにもかかわらず大変色彩的な効果が得られている。この第1作のみフェード・インが使われている。ポスト・ミニマリズム的要素をRPG用の楽曲に適用したのは、当時の製作状況を考えると斬新である。これだけ練られた作曲上の効果は、後のシリーズの「プレリュード」では聴かれることはなく、美しい8分音符ディレイは後のリメイク版『FFII』と『FFXI』でまた採用された(リメイク版では、後のシリーズのような上昇音形と下降音形に改められ、8分音符ディレイも割愛されている)。

当初「プレリュード」のBPMは100に設定され、軽快な印象を与えていた。しかし、後のシリーズではよりゆったりとしたBPMが採用されることが多い。サウンドトラック全体にも、同様の傾向が見られる。また、仮想したハープの音質が最もFFらしく響くようで、その後のシリーズにてアレンジや機材のヴァージョンアップを経ても、ハープで仮想されることが多い。

ファンファーレ

全シリーズを通して使われる「勝利のファンファーレ」も『FFI』から登場しているが、音源の制限から、4オクターブの音域に詰め込むために出だしのアルペジョが2回同じ音域を不自然に反復される(リメイク版では丸ごとカットされている)。初出の調性は変ホ長調。このファンファーレは後にハ長調(『FFIV』)に改められる。旧第1開発事業部(北瀬佳範野村哲也所属)が制作した作品(『FFVII』、『FFVIII』、『FFX』)で使用されているものはファンファーレ後のメロディが異なっている。また『FFXI』はレベルアップ時にファンファーレ部分のみが流れる。

戦闘

本作には戦闘シーンの音楽が1曲しか存在せず、ボス戦、およびラストボス戦も普通の戦闘の曲である。これも初出は現在とは違うト短調であった。しかしながら、印象的なイントロはすぐにユーザーに記憶され、後のシリーズでも活用されることとなった。

後のFF作品では、戦闘のBGMはバリエーションに富んだものとなっていき、ボス戦の曲だけでも数曲が作られるという作品も登場する。それに合わせ本作のリメイク版にもボス戦用の曲が新たに作られた。

パーティ制の導入

本作は複数のキャラクターが戦闘に参加するパーティバトルを実装している。これは、1986年5月27日に発売された『ドラゴンクエスト』との差別化を図ることもその目的のひとつであった[要出典]エラー: タグの貼り付け年月を「date=yyyy年m月」形式で記入してください。間違えて「date=」を「data=」等と記入していないかも確認してください。

その他の情報

  • エルフの村に「リンク」という人物の墓が存在する。ゼルダの伝説シリーズの主人公リンクを意識していると思われるが、特に何も語られることはない。(ちなみに本作より前に発売されていたゼルダの伝説シリーズ第2作『リンクの冒険』では『ドラゴンクエスト』の勇者ロトの墓が登場している)。この「お墓連鎖」ともいえるお遊びは、後にナムコの格闘RPG『ケルナグール』に「フリオニール(『ファイナルファンタジーII』登場キャラの名前)ここに眠る」といったところにも飛び火している。
  • 『ドラゴンクエスト』などでは物語の最終目標である事の多かった「捕らわれたお姫様を助ける」という展開がプロローグに過ぎず、その直後にタイトル表示を含んだオープニングイベントが始まるという構成も、当時としては衝撃的なものであった。またFC版ではオープニングでスタッフロールも表示されたがWSC版以降ではその後のシリーズと同様にエンディングで表示される。
  • 北米のNES版 "Final Fantasy" および1994年発売の『ファイナルファンタジーI・II』以降のリメイク版では『ダンジョンズ&ドラゴンズ』に登場するモンスターから借用した「ビホルダー」とその派生「デスビホルダー」の名称とグラフィックが他社著作権抵触を避けるためか変更されており、北米版ではそれぞれ'EYE'、'PHANTOM'、日本版では「イビルアイ」、「デスアイ」となっている(FC版I・IIではグラフィックのみ変更され、名前はそのまま)。
  • 『FFII』以降のFFにはあまり見られない、独特なテキストも本作の特徴のひとつ。例えばアイテムや魔法を使用する際にはユニークで愛嬌のあるメッセージが表示された。ただしこれらの多くはリメイク版では失われてしまっている。
  • 地図を見るための隠しコマンドのヒントである「サカサ」の呪文「とくれせんたぼーび」が有名。移植先に合わせて「とーたすんたぼーび」「とーたすんたぼつば」「いてっけんたぼろぜ」「いてっけんたぼめこ」などのバリエーションがある。
  • 本来港にしか上陸できない船は、カヌーがあればなぜか川にも上陸できるため、ダンジョンの攻略順を本来と入れ替えて、早く有用な装備を入手することができる。
  • オープニングなどの際、スタッフロールが表示されるが、このとき"PROGRAMMED BY NASIR"とナーシャ・ジベリの名前が誰よりも先にクレジットされている。これは『FFII』『FFIII』も同様。
  • 本作より以前、ディスクシステムで『聖剣伝説 THE EMERGENCE OF EXCALIBUR』というRPGの発売が予定されていたが、開発が進まず発売中止となった。その後、スクウェアより「発売中止となった『聖剣伝説』と同様の趣旨を持ったゲーム(パーティー制のRPG)」として本作『ファイナルファンタジー』が発表された。なお、この『聖剣伝説』という名称は、後のゲームボーイ版『聖剣伝説 〜ファイナルファンタジー外伝〜』に引き継がれたものの、ゲーム内容は全くの別物となった。
  • スクウェアでアルバイトしていた時田貴司もグラフィックで参加している。

関連商品

音楽

『ファイナルファンタジー I・II全曲集』(ポリスター、1988年)
FC版の音源を収録している。
『ファイナルファンタジーI・II オリジナルサウンドトラック』(デジキューブ、2002年)
PS版の音源を収録している。

漫画版

1989年12月30日初版。海明寺裕によって漫画化され、JICC出版局より「宝島COMIC」として全1巻が発行されている。タイトルはオリジナル同様『ファイナルファンタジー』。光の戦士やガーランドのキャラクターが掘り下げられており、オリジナル色も強い。この漫画版では、光の戦士としてオリジナルキャラクターを主人公に据えている。

なお、同作者によれば『FFII』の漫画も描かれる予定だったが、60ページほど描き上げた所で当時のスクウェアが版権を引き上げてしまい、世に出ることは無かったということである(但しJICC出版局がこの漫画版『ファイナルファンタジー』発売後に『ファミコン必勝本』別冊として発行した、ゲームコミックアンソロジー的な内容の雑誌には途中まで描かれていた漫画版『FFII』が掲載されている。よって、正確には「単行本として世に出ることは無かった」というべきだろう)。

パフィ・トルテ
漫画版の主人公。ゲーム内には登場しないオリジナルキャラクター。エルフの村の平凡な宿屋の娘であったが、ふとしたことから光の戦士の証であるクリスタルを授けられ、別の次元にある世界(劇中の舞台となるFF1の世界)でマトーヤと共に旅を続けていた。
フリッツ・スチュアート
漫画版のオリジナルキャラクター。元モンク僧の青年。酒と女がバレてしまい、修道院から追い出された「なまぐさぼーず」。クリスタルを持つ光の戦士のひとり。
DB-6(どぶろく)
漫画版のオリジナルキャラクター。ルフェイン人の作ったロボット。400年前、復旧困難に陥った浮遊城からワープキューブを託されて地上へと降りた。オンラク近郊の滝の裏の洞窟でパフィたちと出会う。原作ゲームに登場するロボットは主人公達にワープキューブを渡すと壊れてしまうが、DB-6は最後まで同行する。
バハムート
ドラゴンの王。クリスタルを持つ光の戦士のひとり(漫画版でのオリジナル設定)。海底神殿でパフィたちを助け、以降はパーティに同行する。
マトーヤ
幼い少女のような姿で登場し、ほぼオリジナルキャラクターといっていいほどゲーム版とは別人として描写されている。クリスタルを持つ光の戦士のひとり(漫画版でのオリジナル設定)。うまそうなモンスター(クラーケン)を見ると目の色が変わる。海明寺はこのキャラクターが気に入っていたらしく、漫画版『FFII』にはガイの代わりに出していた。
セーラ・コーネリア
コーネリアの王女。ガーランドによってカオスの神殿に囚われる。理想の男性(「かっこいーい人」)を夢見る少女であり、冴えない「おじさん」のガーランドに対してはっきりと嫌悪の意志を示していた。カオスの神殿から救出された後、一度は城に戻ったがフリッツを追ってプラボカまで来てしまい、以降は光の戦士たちと同行することになる。
ビッケ
海賊。漫画版ではプラボカでパフィたちに退治された後に、パフィを「あねご」と呼んで付き慕う。飛空艇の操縦などでも活躍。アダマンタイトをドワーフのスミスに送り届けるために単身浮遊城を離れた後、光の戦士たちのことを人々に語りかけた。
ガーランド
コーネリア城の元親衛隊長。どこか冴えない中年男性として描かれており、醜くはないものの、決して「美形キャラ」ではない。セーラとの縁談がこじれ、力づくでカオスの神殿に彼女を幽閉する。

ゲームブック

『ファイナルファンタジー 勇者に光あれ!』
双葉社ファミコン冒険ゲームブックより1988年4月25日刊行。著者は井上尚美、編集はレッカ社。
本作の前の物語を描くゲームブック。主人公ウォーリア オブ ライトたちに名前があり、舞台は「コーネリア」でも「プラボカ」でもないゲームブックオリジナルの世界になっている。表紙カバーのイラストは出渕裕が担当。天野の描いた、ゲームソフトのパッケージ等で使用されているイメージイラストをベースに描いている。

『ファイナルファンタジー 勇者に光あれ!』では、光の巫女に選ばれたオリジナルキャラクターを主人公に据えている。

トーイ(ウォーリア オブ ライト)
主人公。ウルムの月が蛇の星座にかかったときに生まれた1人目の少年。
ロム(シーフ オブ ライト)
ウルムの月が蛇の星座にかかったときに生まれた2人目の少年。
マレク(モンク オブ ライト)
ウルムの月が蛇の星座にかかったときに生まれた3人目の少年。
ギア(メイジ オブ ライト)
ウルムの月が蛇の星座にかかったときに生まれた4人目の少年。
光の巫女
ウルムの月が蛇の星座にかかったときに生まれた4人の少年たちを光の戦士にさせた少女。
『ファイナルファンタジー クリスタル継承伝説』
ケイブンシャ・アドベンチャーヒーローブックスより1987年12月刊行。著者は三原治、編集はスタジオ・ハード
「水」のクリスタルの啓示を受けた少年が光の戦士として活躍するというオリジナルストーリー。ゲーム版以前の時代を舞台とした物語だが、主人公の活躍をもってしても世界の混沌を完全には打ち破る事ができず、世界の救済は次の世代の光の戦士―――すなわちゲーム本編の光の戦士たちへと託される事となる。なお世界観はゲーム版をベースにSF的な要素を加味したものになっていて、独自の年表などが資料として併載されていた。

攻略本

FINAL FANTASY 完全攻略本(FC)
徳間書店,1988/01/31
FINAL FANTASY I・II 完全攻略編(FC)
NTT出版,1994/07/13
FINAL FANTASY,Vジャンプブックス(WS)
集英社
FINAL FANTASY Traveler’s Guide(WS)
デジキューブ.2000/12/22
FINAL FANTASY 公式コンプリートガイド(WS)
エンターブレイン,2001/01/10
FINAL FANTASY I・II 公式コンプリートガイド(PS)
エンターブレイン,2002/11/12
ファイナルファンタジーI・IIアドバンス―ゲームボーイアドバンス版
Vジャンプ編集部 (編さん) ,集英社 (2004/07)
ファイナルファンタジー1・2アドバンス(GBA)
集英社,2004/08/03
ファイナルファンタジー 公式ガイドブック(PSP)
エンターブレイン,2007/06/12

CD

ファイナルファンタジー I・II全曲集
植松伸夫 、ポリスター,(1994/3/25)
ファイナルファンタジー I・II オリジナル・サウンドトラック
デジキューブ,(2002/10/23)

脚注

  1. ^ 電撃オンライン『FINAL FANTASY I・II ADVANCE』インタビュー
  2. ^ スクエニ、シリーズ1作目と2作目をiPhone/iPod touch向けに配信決定 「ファイナルファンタジー」&「ファイナルファンタジーII」、GAME Watch、2010年1月21日
  3. ^ 「ファイナルファンタジー」「ファイナルファンタジーII」 各1000円で配信開始、ITmedia、2010年2月25日
  4. ^ Vol.21 ファイナルファンタジー”. ヒット商品を支えた知的財産権. 日本弁理士会. 2010年5月25日閲覧。
  5. ^ 文・志田英邦/写真・松井友生『ゲーム・マエストロVOL.1プロデューサー/ディレクター編(1)』(株式会社毎日コミュニケーションズ、2000年)171頁(坂口博信発言)その4人のうち3人は、坂口本人とナーシャ・ジベリ石井浩一であったという(同書172頁)。
  6. ^ 文・志田英邦/写真・松井友生『ゲーム・マエストロVOL.1プロデューサー/ディレクター編(1)』(株式会社毎日コミュニケーションズ、2000年)167頁(坂口博信発言)。
  7. ^ ファイナルファンタジーが発売した頃、社内の人間に「坂口ちゃーん、初めていいもん作ったじゃん」と言われたという(文・志田英邦/写真・松井友生『ゲーム・マエストロVOL.1プロデューサー/ディレクター編(1)』(株式会社毎日コミュニケーションズ、2000年)172頁(坂口博信発言))。

外部リンク

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