「自動体外式除細動器」の版間の差分
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[[File:Korin-AED-JAPAN201607.jpg|thumb|270px|AED(外観)]] |
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[[ファイル:AED at Centrair.jpg|thumb|200px|right|[[中部国際空港]]に設置された自動体外式除細動器]] |
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[[File:Korin-AED-JAPAN201607-2.jpg|thumb|270px|パッドを取り出したところ]] |
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[[ファイル:Medtronic_aed_training_kit.jpg|thumb|200px|right|[[w:en:Medtronic|メドトロニック]]のAEDトレーニングシステム。AEDは電気ショックの発生源となる本体と人体に装着する電極パッドから構成される。本体は、電源スイッチの他に心電図の解析を行う解析ボタンと電気ショックを与える通電ボタンを備えている。]] |
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[[File:Nihon Kohden AED in Shin-Sugita Station 20080208.jpg|thumb|270px|駅に設置されているAED]] |
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'''自動体外式除細動器'''(じどうたいがいしきじょさいどうき、{{Lang-en-short|''Automated External Defibrillator, AED''}})は、[[心停止]](必ずしも心静止ではない)の際に機器が自動的に[[心電図]]の解析を行い、[[心室細動]]を検出した際は[[除細動]]を行う[[医療機器]]。[[除細動器]]の一つであるが、動作が自動化されているため施術者が非医療従事者でも使用できる。 |
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== 概要 == |
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'''自動体外式除細動器'''(じどうたいがいしきじょさいどうき、''Automated External Defibrillator, AED'')は、[[心室細動]]の際に機器が自動的に解析を行い、必要に応じて電気的なショック([[除細動]])を与え、心臓の働きを戻すことを試みる[[医療機器]]。[[除細動器]]の一つだが動作が自動化されているので施術者は医師である必要がない。 |
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心室細動していた[[ヒトの心臓|心臓]]は、AEDによる電気ショックで静止状態になるので、使用後は速やかに[[胸骨圧迫]]によって、拍動の回復を促す必要がある(および、技術があり可能ならば[[人工呼吸]]を併用することが望ましい<ref>[https://www.japanresuscitationcouncil.org/wp-content/uploads/2016/04/1327fc7d4e9a5dcd73732eb04c159a7b.pdf JRC蘇生ガイドライン2015 第1章 一次救命処置(BLS)]</ref>)。通常であれば拍動は自発的に再開する。主に不特定多数の者が出入りする空港や[[航空機]]内、[[ホテル]]などの[[公共施設]]に広く設置され、[[消火器]]などと同様に、万一の事態が発生した際には、その場に居合わせた人([[バイスタンダー]])が自由に使えるようになっている。 |
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電気除細動器は1950年代に初めて開発され、初期の通電波形は単相性で、通電により「心室細動」が除細動されることは驚きをもって受け止められた<ref name="shiji">[https://www.fdma.go.jp/singi_kento/kento/items/kento265_01_150327_hou.pdf 総務省消防庁「包括的指示下での除細動に関する研究会報告書」] 2022年7月25日閲覧。</ref>。1980年代になって二相性波形のほうがより良い効果を示すことが明らかになると、低エネルギー通電も可能な二相性通電波形が採用されるようになり、1995年にAHA(米国心臓協会)のPAD勧告が公共スペースでの市民による除細動を推奨したことで自動体外式除細動器が普及するきっかけになった<ref name="shiji" />。 |
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日本で現在承認されている製品は[[薬事法]]上の、類別・機械器具12、一般的名称・'''半自動除細動器'''あるいは'''非医療従事者向け自動除細動器'''に該当する。海外の一部製品にあるような、完全に自動化された除細動器ではない。 |
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日本では、[[救急車]]が現場到着するまで平均で約8分を要するが、心室細動が起きると数秒で意識がなくなり約5分後には不可逆的な脳障害が発生して死亡することとなるため<ref>[https://www.msdmanuals.com/ja-jp/ホーム/06-心臓と血管の病気/不整脈/心室細動#v720055_ja 心室細動の症状 - 06. 心臓と血管の病気] - MSDマニュアル家庭版</ref>、一刻も早く電気的除細動を施行することが必要とされている<ref>[[カーラーの救命曲線]]によれば、[[心停止]]3分で死亡率はおよそ50%、と言われている。</ref>。救急車の到着以前にAEDを使用した場合には、[[救急隊員]]や[[医師]]が駆けつけてからAEDを使用するよりも、[[救命率]]が数倍も高いことが明らかになっている<ref>[http://www.osaka-mishima.jp/AEDweb.doc 非医療従事者による自動体外式除細動器 (AED) を用いた除細動と心肺蘇生] - 大阪府三島救急医療センター(シカゴのオヘア空港やラスベガスのカジノに設置されたAEDが市民によって使用され、高い救命率を示した話。){{404|date=2023-01}}</ref><ref>{{Cite journal|author=Valenzuela, Terence D.; Roe, Denise J.; Nichol, Graham; Clark, Lani L.; Spaite, Daniel W.; Hardman, Richard G. |year=2000 |title=Outcomes of Rapid Defibrillation by Security Officers after Cardiac Arrest in Casinos |journal=[[ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン|New England Journal of Medicine]] |volume=343 |issue=17 |pages=1206-1209 |PMID=11071670 |doi=10.1056/NEJM200010263431701 |url=https://doi.org/10.1056/NEJM200010263431701}}</ref>。 |
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== 機器の概要 == |
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使い方は、電源を入れ、電極パッドを胸に貼り付けると[[心電図]]を解析して電気ショックを与えるべきかを調べる('''[[心室細動]]・非常にテンポが速い[[心室頻拍]](一部機種では上室性頻拍も適応)の場合のみ電気ショックの適応'''。[[心臓]]が完全に停止した場合([[心静止]])などでは電気ショック不要)。電気ショックが必要と解析した場合には、機械の指示にしたがってスイッチを押すと電気ショックを与える。従来の除細動器は医師などの専門家が使用することを想定されているため手動式であるが、空港などに公共の場に配備されている自動体外式除細動器 (AED) は、操作を自動化して医学的判断ができない一般の人でも使えるように設計されている。操作はいたって簡単で、AEDの発する指示音声にしたがってボタンを押すなど2 - 3の操作のみで、取り付けも[[ピクトグラム]]で分かりやすく説明されており、医療知識や複雑な操作なしに電気的除細動が実行される。AEDによる除細動の施行と併せて、そばにいる者が[[胸骨圧迫]]([[心臓マッサージ]])・[[人工呼吸]]を継続して行うことも救命のために不可欠である。 |
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== 機器の使用 == |
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実際にAEDを一般市民が使うケースは非常に多いと考えられる。日本では[[救急車]]が現場到着するまで平均で約7分を要するが、心室細動の場合、一刻も早く電気的除細動を施行することが必要とされており、7分も待つわけにはいかない([[カーラーの救命曲線]]によれば[[心停止]]3分で死亡率はおよそ50%)。救急車の到着以前にAEDを使用した場合には、[[救急隊員]]や[[医師]]が駆けつけてからAEDを使用するよりも[[救命率]]が数倍も高いことが明らかになっている<ref>[http://www.osaka-mishima.jp/AEDweb.doc 非医療従事者による自動体外式除細動器 (AED) を用いた除細動と心肺蘇生] - 大阪府三島救急医療センター(シカゴのオヘア空港やラスベガスのカジノに設置されたAEDが市民によって使用され、高い救命率を示した話。)</ref><ref>[http://content.nejm.org/cgi/content/abstract/343/17/1206 Outcomes of Rapid Defibrillation by Security Officers after Cardiac Arrest in Casinos](上記カジノの話の原文) - [[ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン|NEJM]]. (2000) 343:1206-1209.</ref>。こうしたことから、AEDをなるべく多数配置するとともに、一人でも多くの住民がAEDに関する知識を有することが非常に重要だとされている。また現在では子供用のAEDパッドが認可され、1歳以上の子供なら使用できるAEDが増えている。AEDが登場し始めた当初は一セットあたり100万円以上だったが、2007年には30万円程度になっている。心停止に陥る可能性の高い疾患の家族を抱える家庭では自家所有している例もある。レンタルだと1機5000円程度。 |
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=== 使用方法 === |
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収納スタンドは、蓋を開けると[[サイレン]]やブザー鳴動・赤ランプの点滅で緊急事態発生を周囲に告げる他、使用された事を示す信号が、当該施設の[[防災センター]]に送られるようになっているものもある(これにより防災センターは、[[警備員]]を現場に向かわせ対応する)。 |
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電源を入れると、電極パッドを胸に貼り付けるように音声案内が流れる。パッドを素肌に直接貼り付けることができていれば、ブラジャーは外す必要はなく、もし余裕があれば、パッドを貼った後に、上から上着やタオルなどを掛ければよい(電気ショックの時間を遅らせないことが重要)<ref>{{PDFlink|[http://aed-project.jp/images/index/faq.pdf よくあるご質問]}} 減らせ突然死 AEDプロジェクト</ref>。電極パッドを胸に貼り付けると自動的に[[心電図]]の解析が始まり、電気ショックを与えるべきかの判断が行われる。 |
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収納スタンドは蓋を開けると[[サイレン]]やブザー鳴動・赤ランプの点滅で緊急事態発生を周囲に告げる他、使用された事を示す信号が施設の[[防災センター]]に送られるようになっているものもある(これにより防災センターは[[警備員]]を現場に向かわせ対応する)。 |
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電気ショックが必要と判断された場合には、放電のボタンを押すようにアナウンスが流れ、施術者がボタンを押すと電気ショックによる除細動が行われる。 |
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== 使用方法 == |
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AEDの使用方法については、{{PDFLink|[http://www.fdma.go.jp/html/life/pdf/oukyu2.pdf <!--救命処置の流れ(心肺蘇生法とAEDの使用)--->総務省消防庁のサイト]}}や[http://www.jhf.or.jp/aed/ <!--AEDで助かる命--->日本心臓財団のサイト]を参照のこと。 |
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ショックボタンがない代わりに自動で電気ショックを実行するオートショックAED(フルオート機)も存在する。従来機(セミオート機)だとショックボタンを押すのを躊躇ってしまったり、操作ミス等でショックが適切に行われなかったという問題が調査により報告されているが、フルオート機ではショックが必要と判断した場合は音声ガイドかブザー音による3カウント後に自動でショックを実行するために確実に処置を行え、同時に救助者の精神的負担も抑えられるとしている <ref>{{Cite web|和書|title=オートショックAEDとは、一般的なAEDとの違いについて {{!}} AED(自動体外式除細動器)ならヤガミ |url=https://aed.yagami-inc.co.jp/column/column/autoshock-aed/ |website=AED情報なら株式会社ヤガミ |access-date=2022-05-14 |language=ja}}</ref>。しかし、ボタンがないことで救助者が困惑する可能性があったり実行前に救助者が患者から離れるのが遅れてしまうと感電する可能性がセミオート機よりも高いといった相違点に伴う問題もあり、[[厚生労働省|厚労省]]からも注意が呼びかけられている<ref>{{Cite web|和書|title=・ショックボタンを有さない自動体外式除細動器(オートショックAED)使用時の注意点に関する情報提供等の徹底について(◆令和03年07月30日医政地発第730003号薬生安発第730003号薬生機審発第730003号) |url=https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00tc6095&dataType=1&pageNo=1 |website=www.mhlw.go.jp |access-date=2022-05-15}}</ref>。日本国内では2021年に初めて製造販売承認を取得した製品が発売されたが、2022年現在、販売条件として[[日本救急医療財団]]の指導に基づいた設置要件を満たした場所へ設置すること、そして使用者が適切な講習・訓練を受けている必要がある<ref>{{Cite web|和書|title=オートショックAED徹底解剖。一般的なAEDとの違いとは? {{!}} AEDガイド |url=https://inoti-aed.com/auto-shock-aed/ |website=inoti-aed.com |date=2022-04-22 |access-date=2022-06-08 |language=ja}}</ref>。当該製品にはセミオート機と区別する為に[[電子情報技術産業協会|JEITA(電子情報技術産業協会)]]によって策定された共通のロゴが製品本体やキャリングケースに掲示されている。 |
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== 日本の状況 == |
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[[空港]]や[[飛行機]]内、[[ホテル]]などの[[公共施設]]に広く設置され、[[消火器]]などと同様に、万一の事態が発生した際にはその場に居合わせた人が自由に使えるようになっている。かつて日本では、[[医師]]しか使用が認められていなかった。 |
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AEDの使用方法については、製造メーカーのホームページなどを参照のこと。 |
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[[2003年]]になって、ようやく[[救急救命士]]に使用(医師の指示なく)が認められ、[[2004年]]7月からは[[バイスタンダー|一般市民]]も使えるようになり、空港や[[学校]]、[[球場]]、[[鉄道駅|駅]]などの公共施設に設置されることが多くなった。[[2005年]]に開催された[[2005年日本国際博覧会|愛知万博]]ではAEDを多数配置しており、これによって助かった人が少なからずいる。また2006年7月には大手鉄道事業者の中で初めて、[[東京都交通局]]が[[都営地下鉄]]全101駅へのAED設置を完了した。2006年には[[東日本旅客鉄道|JR東日本]]の新幹線全駅にAEDが設置されたほか、[[東海旅客鉄道|JR東海]]も新幹線全駅と在来線主要駅に設置<ref>[http://company.jr-central.co.jp/company/achievement/report/solidarity.html お客様、沿線の皆様、関係業務機関との連携] - JR東海 安全報告書 2008</ref>、[[小田急電鉄]]が[[2008年]][[3月15日]]から営業運転を開始した[[小田急60000形電車|60000型電車「MSE」]]に列車内で初めて設置されるだけでなく、そのほかのすべての[[小田急ロマンスカー|特急ロマンスカー]]にも2008年10月22日に設置完了するなど、鉄道事業者でもAEDの導入が進んでいる。 |
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=== 使用目的の誤解 === |
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[[日本プロサッカーリーグ|Jリーグ]]ではすべての試合会場にAEDを設置することを義務付けている。 |
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[[ファイル:Medtronic_aed_training_kit.jpg|thumb|180px|right|[[w:en:Medtronic|メドトロニック]]のAEDトレーニングシステム。AEDは電気ショックの発生源となる本体と人体に装着する電極パッドから構成される。本体は、電源スイッチの他に心電図の解析を行う解析ボタンと電気ショックを与える通電ボタンを備えている。]] |
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AEDとは「異常な拍動を繰り返し、ポンプとしての役割を果たしていない状態(心室細動)」の心臓を、電気ショックによって一時静止させることにより正常な拍動の再開を促すものであり、「静止した心臓を電気ショックで再起動させる」ものではない。 |
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また、AED使用によって一時静止させられた心臓は、本来であれば自動的に拍動を再開するが、酸欠等の状態にあると拍動が再開しにくいため、AED使用後は、速やかに(人工呼吸と)[[心肺蘇生法#胸骨圧迫|胸骨圧迫]](一般に心臓マッサージといわれるもの)を行い、拍動の再開を促す必要がある。AED機器が心室細動ではないと診断した場合は、除細動は行われず、胸骨圧迫を行うようアナウンスが流れる<ref>[https://aed-zaidan.jp/report/20220712.html 報道でのAEDに関する表現について] - 公益財団法人日本AED財団、2022年7月10日</ref><ref>[https://aed-zaidan.jp/report/20220714.html 緊急メッセージ:安倍元総理銃撃事件に関わるAED使用について] - 公益財団法人日本AED財団、2022年7月14日</ref>。 |
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変わったところでは、[[2007年]][[1月20日]]より運行を開始した[[東京都]][[清瀬市]]の[[清瀬市コミュニティバス]]「きよバス」車内にはAEDが搭載されている。AED取扱代理店、バス車体製造会社、運行会社の協議・検討により、バス走行中の振動にも耐えられる様に勘案されている。また、[[6月8日]]には[[国際自動車]]が保有する観光バスの一部車両にAEDが搭載された。 |
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=== 講習 === |
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日本で、[[バイスタンダー|一般市民]]がAEDを使用できるようになった背景には、[[アメリカ心臓協会]] (AHA: American Heart Association) が中心となって策定した救急蘇生[[国際ガイドライン]]によりAEDの高い有効性が実証されたことと併せて、2002年に[[高円宮憲仁親王]]がスポーツ活動中の[[心室細動]]により急逝したことの影響も大きいとされている。 |
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; [[ファイル:観光学部・普通救命講習.webm|サムネイル|救命講習の様子]]公的団体 |
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:日本では、各地の[[消防本部]]や[[日本赤十字社]]の都道府県支部が、心臓マッサージやAEDの使用方法などの救命講習会を開催している。病院や[[保健所]]で独自に行っているところもある。 |
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; 民間団体 |
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:アメリカ心臓協会 (AHA: American Heart Association) 公認講習を開催する日本蘇生協議会所属のNPO法人愛宕救急医療研究会、NPO大阪ライフサポート協会、日本ACLS協会や、[[メディックファーストエイド社]]、国際救急救命協会、日本救急蘇生普及協会(財団法人日本救急医療財団指定事業者)が非医療従事者向けにトレーニングを提供している。また、プロ野球球団に入団したばかりの新人選手に対して救命講習会を行った例がある<ref>[https://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2013/01/19/kiji/K20130119005008830.html 西武 新人選手に心臓マッサージとAED講習会] スポニチ、2013年1月19日</ref>。 |
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== 設置と保守 == |
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[[2007年]]から[[千葉県]][[市川市]]議会議員(現 千葉県議会議員)を務めているものまねタレントの[[プリティ長嶋]]は、[[2004年]]8月に自らが役員を務め、息子が所属する少年野球チームのライバルチームの選手が試合中胸に打球を受け心臓発作(心臓震盪)を起こし、治療の甲斐なく死亡したため「AEDがあれば救える命がある」との思いから、AEDの普及を自身の政策に掲げている<ref>{{Cite web|url=http://pretty333.at.webry.info/|title=プリティ長嶋のブログ|accessdate=2011-06-30}}</ref>。 |
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=== 主な設置場所 === |
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2005年のヨーロッパのガイドラインでは、空港、カジノ、スポーツ施設など少なくとも2年に1件院外心停止が発生する可能性がある施設への設置を推奨している<ref name="teigen">{{Cite journal|url=https://doi.org/10.11281/shinzo.44.392 |title=AEDの具体的設置·配置基準に関する提言 |author=日本循環器学会AED検討委員会 |author2=日本心臓財団 |year=2012 |journal=心臓 |volume=44 |issue=4 |pages=392-402 |doi=10.11281/shinzo.44.392}}</ref>。また、米国のガイドラインでは5年に1件心停止が発生する場所への設置を推奨している<ref name="teigen" />。 |
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==== 交通機関 ==== |
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高校野球では、2007年4月に行われた春季近畿地区高校野球大会大阪府予選で、[[近畿大学泉州高等学校|飛翔館高等学校]]の投手に打球が直撃して心肺停止状態に陥り、AEDなどの救命処置によって一命を取り留める事故があった<ref>[http://www2.asahi.com/koshien/news/OSK200704300021.html 打球直撃の投手、AEDで救命処置 高校野球・大阪]、[[朝日新聞]]、2007-04-30</ref>。2009年に、この出来事を題材としたAED普及広告が日本心臓財団によって出されている。 |
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* [[空港]]、[[旅客機]]内(旅客機は、1990年代から諸外国の航空会社がいち早く機内に搭載を開始し、日本航空も、2001年10月に国際線機内に搭載を始めている<ref>{{Cite journal|和書|author=大塚祐司 |year=2007 |title=航空機内での心肺蘇生の実施により心的外傷を負った1例 |url=https://plaza.umin.ac.jp/~GHDNet/08/cprtrauma.htm |journal=宇宙航空環境医学 |publisher=日本宇宙航空環境医学会 |volume=44 |issue=3 |pages=71-82 |ISSN=03870723}}</ref>) |
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* 鉄道駅構内(大都市周辺や地方主要都市の[[JR]]駅、[[大手私鉄]]、[[地下鉄]])、[[新幹線]]、[[特急列車]]内 |
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* [[フェリー]]ターミナル、フェリー内 |
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* バス(主に観光バス)、バス[[営業所]]等 |
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ファイル:AED at Centrair.jpg|[[中部国際空港]]に設置されたAED |
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ファイル:AED by MASA.jpg|[[京橋駅 (大阪府)]]に設置された緑色のランプ付きのタイプ(フィリップス製) |
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ファイル:AED by MASA2.jpg|[[難波駅 (Osaka Metro)|Osaka Metro難波駅]]の[[大阪市営地下鉄千日前線|千日前線]]と[[大阪市営地下鉄四つ橋線|四つ橋線]]ホームに設置([[日本光電]]製) |
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ファイル:AED_700-7000.jpg|[[西日本旅客鉄道|JR西日本]]、[[ひかりレールスター]]([[新幹線700系電車|700系]]7000番台)6号車に設置(フィリップス製) |
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ファイル:AED 800.jpg|[[九州旅客鉄道|JR九州]]、[[新幹線800系電車|800系]]4号車に設置 |
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ファイル:Nihon Kohden AED in E7 20150314.jpg|[[東日本旅客鉄道|JR東日本]]、[[新幹線E7系・W7系電車|E7系]]7号車デッキに設置(日本光電製) |
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==== 医療機関 ==== |
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JR東海と[[西日本旅客鉄道|JR西日本]]は、[[2008年]][[12月]]より[[東海道新幹線|東海道]]・[[山陽新幹線]]の全編成でAEDを設置すると発表した<ref>[http://www.westjr.co.jp/news/newslist/article/1173777_799.html 東海道・山陽新幹線の全編成へのAED(自動体外式除細動器)搭載について] - JR西日本 プレスリリース 平成20年7月28日</ref>。さらにJR東日本も所有する新幹線の全編成に[[2009年]]2月以降AEDを設置すると発表<ref>[http://www.jreast.co.jp/press/2008/20081102.pdf 新幹線へのAED(自動体外式除細動器)搭載について] - JR東日本 プレスリリース 2008年11月6日</ref>。[[九州旅客鉄道|JR九州]]でも2009年[[3月1日]]より[[九州新幹線]]の6編成すべてに設置すると発表した<ref>[http://www13.jrkyushu.co.jp/newsreleaseweb.nsf/9dd28b8cb8f46cee49256a7d0030d2e6/56db06e329b55489492575680057fc6a?OpenDocument 九州新幹線「つばめ」にAED(自動体外式除細動器)を設置します] - JR九州 プレス発表資料 2009年2月25日</ref>。 |
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[[ファイル:Vender equips aed.jpg|サムネイル|140px|[[龍谷大学]]に設置されているAED搭載の自動販売機(AEDは[[日本光電]]製)]] |
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* 病院(病棟、ロビー)、[[診療所]]([[歯科]]医院含む) |
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==== 公共施設 ==== |
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[[2009年]][[3月22日]]に開催された[[東京マラソン]]2009にて、ランナーとして出場していたタレントの[[松村邦洋]]がスタート地点から約15kmの[[港区 (東京都)|港区]][[高輪|高輪二丁目]]付近で突然倒れ、一時心肺停止 (CPA) 状態になった。伴走していた救護班がAEDを使用するなど対応が早かったため意識はすぐに回復し、命に別状はなかった。松村の所属事務所の発表によると原因は[[急性心筋梗塞]]による心室細動であったという<ref>[http://contents.oricon.co.jp/news/entertainment/64418/ 松村邦洋、東京マラソンで一時心肺停止 ニュースORICON STYLE]</ref>。東京マラソンでは[[2013年]][[2月24日]]に開催された大会でも、参加ランナーが約23kmの[[水天宮 (東京都中央区)|水天宮]]前交差点で突然倒れ、近くを走っていた[[松山市]]役所勤務の参加ランナーなどが心臓マッサージや近くの[[交番]]から持ってきたAEDによる処置を行い、一命を取り留めたことがある<ref>[http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2013022602000129.html 救命ランナーズの1人名乗り 男性「助かって良かった」]東京新聞、2013年2月26日</ref>。 |
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* [[市役所]]、[[学校]](大学、[[幼稚園]]や[[保育園]]含む)、図書館、[[市民会館]]、大規模な[[公園]]の管理事務所、[[コンベンションセンター]]など人の出入りの多い場所 |
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==== 商業施設、娯楽施設 ==== |
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[[テレビ東京]]系列で放送されている[[バラエティ番組]]「[[開運!なんでも鑑定団]]」の収録スタジオ内に、[[2010年]]からAEDが設置された。特定のテレビ番組のためにAEDを設置した初めての事例で、これは同番組の性格上、高齢もしくは心臓に何らかの持病がある出演者(依頼人等)が、鑑定結果にショックを受けて、万が一の事態が発生した場合等を考慮したものである。 |
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* 大型[[量販店]]、[[デパート]]、ホテル、大都市の[[オフィスビル]]、[[コンビニエンスストア]]、[[パチンコ]]店、[[競技場]]([[野球場]]、[[サッカー場]]、[[競馬場]]、[[競輪場]]、[[競艇場]]、[[オートレース場]])、[[テーマパーク]]など |
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==== その他 ==== |
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[[静岡県]][[三島市]]では、平成22年7月1日から「あんしんAEDステーション24設置事業」を実施して市がAEDを購入し、市内の24時間営業の[[コンビニエンスストア]]や[[ガソリンスタンド]]などに協力を仰ぎ、AEDを設置してもらっている。この事業で42台のAEDが市内のあらゆる場所に設置された<ref>[http://www.city.mishima.shizuoka.jp/ipn006983.html 三島市公式サイト:あんしんAEDステーション24設置事業について]</ref>。 |
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* 大規模な工場内、自衛隊[[駐屯地]]、救急車内など |
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=== メンテナンスと寿命 === |
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2010年4月、[[大阪府]][[大阪市]]で心肺停止状態の男性に救急隊員が救命処置を行おうとした所、救急車に取り付けられたAEDが故障により作動しないと言う事態が起こった(男性は搬送先の病院で死亡)。製造元の調査により部品の欠落が原因と発表されたが部品が欠落した原因は不明、これに伴う自主回収などは行われていない<ref>[http://www.jiji.com/jc/zc?k=201004/2010042100141 時事ドットコム:救急車のAED作動せず=心肺停止の男性死亡-大阪市]</ref>。 |
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[[File:Korin-AED-JAPAN201607-2.jpg|thumb|270px|バッテリ切れのAED(インジゲーターが赤色になっていて、バッテリは0%を示している)]] |
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バッテリーには使用期限、電極のパッドには使用回数や使用期限があるため、定期的な点検と交換が必要となる<ref>[http://www.city.kyoto.lg.jp/shobo/page/0000061680.html AEDの部品 使用期限切れに御注意を] 京都市消防局、2009年11月20日</ref>。毎日自動的にセルフテストを行い、問題がなければインジゲーターが緑色になりすぐに使える状態である。バッテリ切れなどの異常が発生すると赤色・バツ印になり、アラームが鳴る<ref>{{Cite web |title=AEDの日常点検の方法|点検について|設置済みのお客様へ|AEDライフ by 日本光電 |url=https://www.aed-life.com/user/check/dailycheck/ |website=日本光電のAED情報サイト【AEDライフ】 |access-date=2024-04-04 |language=ja}}</ref>。バッテリーは汎用リチウム電池やバッテリーパックが用いられ、すぐに利用可能な状態で販売されている。購入者側で再充電や再使用することは無く、使い捨てである(2024年現在では充電式も存在する)。バッテリーの使用期限は未使用の状態で通常2-5年である。AED本体についても保証期間は5年程度で、耐用年数は7年程度とされる。このため、AEDを設置した施設については、未使用であっても5-8年毎に機器の再購入が必要となり、1台あたり20-40万円の費用負担が発生する。また、使用する状況になっても、バッテリー切れで使えなかったという事例があり、実際にそれが原因で患者を見殺しにしてしまう事件もある<ref>{{Cite web |title=救急車のAEDバッテリー切れ 70代女性、搬送先で死亡 成田:朝日新聞デジタル |url=https://www.asahi.com/articles/ASQ247509Q24UTIL05B.html?iref=ogimage_rek |website=朝日新聞デジタル |date=2022-02-04 |access-date=2024-02-06 |language=ja}}</ref>。 |
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== 機器の普及 == |
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2011年から綜合警備保障株式会社 ([[ALSOK]]) が完全屋外対応のAED収納ボックス「AEDプローブボックス」を発売し、アミューズメント施設、公園やゴルフコース内、住宅街等、屋内にとどまらないAEDの設置が実現されるものと期待されている<ref>[http://www.alsok.co.jp/company/news/news_release_details.htm?alpc_news.news_detail%5Bid%5D=1753 警備会社のALSOKが世界初の完全屋外対応AED収納BOXの販売を開始した。] - ALSOK ニュースリリース 2011年10月6日</ref>。 |
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=== 米国での普及 === |
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1992年、米国心臓協会(AHA)はガイドラインで心臓突然死の救命率向上には現場での早期除細動が重要とした<ref name="hashimoto">[http://www.jdmet.jp/JREDMR/JREDMR15_18-21_MHashimoto.pdf 橋本真由美、奥寺敬「救急医療から見たAEDの地理的空間」] 2022年7月25日閲覧。</ref>。 |
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2000年には、米国心臓協会(AHA)のガイドラインで一般市民によるAED使用の有効性が明記され、連邦法により連邦施設への自動体外式除細動器(AED)の設置が義務付けられた<ref name="hashimoto" />。 |
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=== 主な設置場所の例 === |
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2001年、[[連邦航空局]]は2004年7月までに航空機への自動体外式除細動器(AED)の設置を義務付けた<ref name="hashimoto" />。 |
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; 交通機関 |
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*空港、[[旅客機]]内(旅客機は1990年代から諸外国の航空会社がいち早く機内に搭載を開始し、日本航空も2001年10月に国際線機内に搭載を始めている<ref>[http://plaza.umin.ac.jp/GHDNet/08/cprtrauma.htm 航空機内での心肺蘇生の実施により心的外傷を負った1例]総合病院国保旭中央病院神経精神科 大塚祐司、宇宙航空環境医学 Vol. 44, No. 3, 71-82, 2007</ref>) |
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*鉄道駅構内(大都市周辺や地方主要都市の[[JR]]駅、[[大手私鉄]]、[[地下鉄]])、[[新幹線]]、[[特急列車]]内 |
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*[[フェリー]]ターミナル、フェリー内 |
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*バス(主に観光バス) |
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2003年にはニューヨーク州法が学校への自動体外式除細動器(AED)の設置を義務付けている<ref name="hashimoto" />。 |
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; [[医療機関]] |
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*[[病院]](病棟、ロビー)、[[診療所]]([[歯科]]医院含む) |
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=== 日本での普及 === |
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; 公共施設 |
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かつて日本では、[[医師]]しか使用が認められていなかったが、[[2003年]]に[[救急救命士]]に医師の指示がなくても使用することが認められ、さらに[[2004年]]7月からは非医療従事者である民間人も使用できるようになり、空港や学校、[[野球場|球場]]、[[鉄道駅|駅]]などの公共施設に設置されることが多くなった。 |
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*[[市役所]]、[[学校]]([[大学]]、[[幼稚園]]や[[保育園]]含む)、[[図書館]]、[[市民会館]]、大規模な[[公園]]の管理事務所、[[コンベンションセンター]]など人の出入りの多い場所 |
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[[2005年]]に開催された[[2005年日本国際博覧会|愛知万博]]では会場内にAEDを多数配置した。また2006年から2008年頃にかけて[[公共交通機関]]でのAED設置が進んだ。2006年7月、[[都営地下鉄]]全101駅へのAED設置完了を皮切りとして、2006年には[[東日本旅客鉄道|JR東日本]]新幹線全駅、[[東海旅客鉄道|JR東海]]も、[[東海道新幹線]]全駅と在来線主要駅に設置された<ref>[http://company.jr-central.co.jp/company/achievement/report/solidarity.html お客様、沿線の皆様、関係業務機関との連携] - JR東海 安全報告書 2008</ref>。 |
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; 商業施設、娯楽施設 |
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*大型[[量販店]]、[[デパート]]、ホテル、大都市の[[オフィスビル]]、[[コンビニエンスストア]]、[[パチンコ]]店、[[競技場]]([[野球場]]、[[サッカー場]]、[[競馬場]]、[[競輪場]]、[[競艇場]]、[[オートレース場]])、[[テーマパーク]]など |
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この背景として、[[皇族]]の[[高円宮憲仁親王]]が[[2002年]](平成14年)11月21日、[[スカッシュ (スポーツ)|スカッシュ]]の練習を行っていた最中に[[心室細動]]による[[心不全]]により急逝して以来、心室細動に対する対応が[[厚生労働省]]や[[消防庁]]で取り上げられたことがあげられる<ref>{{Cite web|和書|title=「涙をふいて」高円宮さま作った曲、AED普及ソングに:朝日新聞デジタル|url=https://www.asahi.com/articles/ASKCN3W69KCNUTIL00V.html|website=朝日新聞デジタル|accessdate=2019-06-13|language=ja}}</ref><ref>{{Cite web|和書|title=お知らせ|url=https://www.nz-ishikai.or.jp/cgi-bin/me_backno.cgi?f=hb200512.dat&no=9|website=www.nz-ishikai.or.jp|accessdate=2019-06-08}}</ref>。 |
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; その他 |
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*大規模な工場内、救急車など |
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日本全国には2024年9月時点で69万台あるといわれている<ref>{{Cite web|url=https://digital.asahi.com/articles/DA3S16034818.html|title=AED20年、救った8千の命 全国69万台、使用率低さ課題:朝日新聞デジタル|accessdate=2024-10-21|publisher=朝日新聞}}</ref>。 |
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ファイル:AED 001.JPG|4か国語対応の取り扱い説明も備わるスタンド型([[日本光電]]製) |
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ファイル:AED by MASA.jpg|[[京橋駅 (大阪府)]]に設置された緑色のランプ付きのタイプ |
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ファイル:AED by MASA2.jpg|[[難波駅]]の[[大阪市営地下鉄千日前線|千日前線]]と[[大阪市営地下鉄四つ橋線|四つ橋線]]ホームに設置([[日本光電]]製) |
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ファイル:Vender equips aed.jpg|[[龍谷大学]]に設置されているAED搭載の自動販売機(AEDは[[日本光電]]製) |
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ファイル:AED_700-7000.jpg|[[西日本旅客鉄道|JR西日本]]、[[ひかりレールスター]]([[700系]]7000番台)6号車に設置(フィリップス製) |
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ファイル:AED 800.jpg|[[九州旅客鉄道|JR九州]]、[[新幹線800系電車|800系]]4号車に設置 |
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== 製造と販売 == |
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=== 欧米で販売されている商品 === |
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出典:日本心臓財団<ref>[http://www.jhf.or.jp/aed/buy.html AEDはどこで購入できますか?]2011年12月26日</ref> |
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* フィリップスメディカル(米国) |
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* カルディアック・サイエンス(米国) |
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* フィジオコントロール(米国) |
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* ハートサインテクノロジーズリミテッド(英国) |
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=== 日本で販売されている商品 === |
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出典:日本心臓財団<ref>[http://www.jhf.or.jp/aed/buy.html AEDはどこで購入できますか?] 2017年3月1日</ref> |
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*ハートスタート([[フィリップス]]、[[フクダ電子]]、レールダル) |
*ハートスタート([[フィリップス]]、[[フクダ電子]]、レールダル) |
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*ベネハートCシリーズ(フクダ電子<ref group="注">[[深圳邁瑞生物医療電子]]のOEM機だが、フクダ電子は選任製造販売元ではなく製造販売業者として取り扱う(添付文書等への外国特例承認取得者の記載はなし)。</ref>) |
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*カルジオライフ([[日本光電]]) |
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*カルジオライフ([[日本光電]]<ref group="注">AED-9100/9200シリーズはカルディアック・サイエンスのOEM、AED-1200以降の機種は自社製造(ただしAED-1200はカルディアック・サイエンスから技術提携を受ける形で製造)。</ref>) |
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*ライフパック([[日本メドトロニック]]) |
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* |
*ライフパック([[フィジオコントロール]]、日本ストライカー) |
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*サマリタンパッド(ハートサインテクノロジーズ、日本ストライカー) |
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*ZOLL AED Plus([[アドミス]]) |
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*CU-SP1([[株式会社CU]]) |
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*パワーハートG3([[オムロンヘルスケア]]) |
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*ZOLL AED Plus、ZOLL AED 3([[旭化成|旭化成ゾールメディカル]]<ref>[http://www.asahi-kasei.co.jp/asahi/jp/news/2012/ze121024.html 救命救急医療機器事業の日本法人営業開始について] 旭化成、2012年10月24日</ref>) |
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*パワーハートG3、レスキューハート HDF-3500([[オムロンヘルスケア]]<ref group="注">パワーハートG3はカルディアック・サイエンス、レスキューハート HDF-3500はハートサインテクノロジーズリミテッドのOEM。</ref>) |
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*カーディアックレスキュー([[日本ライフライン]]) |
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== AEDをめぐる諸課題 == |
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=== 使用率の男女差 === |
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;公的団体 |
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倒れた人が女性の場合、男性よりAEDが使われにくい、という調査結果を2019年に京都大学などの研究グループが発表した<ref name="danjosa" /><ref>{{Cite web|和書|url = https://www.mbs.jp/mint/news/2019/06/07/070182.shtml |title = 「AED使用で救命率2倍」なのに、"女性には使いにくい"現実 |work = 毎日放送 |accessdate = 2019-06-09}}</ref>。この調査は、2008年から2015年において全国の学校の構内で心停止となった子ども232人について、救急隊が到着する前にAEDのパッドが装着されたかどうかを調べたものである。それによると、小学生と中学生では男女に有意な差はなかったが、高校生になると大きな男女差が出ていたという。高校生・高専生の場合、AEDのパッドが貼られた割合が男子生徒83.2%、女子生徒55.6%と30ポイント近い差があった。研究グループは、女子高校生の場合、近くにいた人たちが素肌を出すことに一定の抵抗があったのではないかと分析している<ref>{{Cite web|和書|url = https://web.archive.org/web/20190506210627/https://www3.nhk.or.jp/lnews/shutoken/20190506/1000029328.html |title = AED 女子生徒に使われない! |work = NHK |date = 2019-05-06 |accessdate = 2019-05-12}}</ref>。 |
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:日本では、各地の[[消防本部]]や[[日本赤十字社]]の都道府県支部が、心臓マッサージやAEDの使用方法などの救命講習会を開催している。[[病院]]や[[保健所]]で独自に行っているところもある。 |
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;民間団体 |
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:アメリカ心臓協会 (AHA: American Heart Association) 公認講習を開催する日本蘇生協議会所属のNPO法人愛宕救急医療研究会、NPO大阪ライフサポート協会、日本ACLS協会や、[[メディックファーストエイド社]]、国際救急救命協会、日本救急蘇生普及協会(財団法人日本救急医療財団指定事業者)が一般市民向けにトレーニングを提供している。 |
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同様の調査はフランスでも行われており、2011年から2014年にパリ周辺で心停止となったおよそ11,000人のうち、女性でAEDの使用や心臓マッサージといった救命措置がとられたのは60%で、男性より10ポイント低い結果であった<ref name="danjosa" />。 |
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変わったところでは、プロ野球球団に入団したばかりの新人選手に対して救命講習会を行った例がある。<ref>[http://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2013/01/19/kiji/K20130119005008830.html 西武 新人選手に心臓マッサージとAED講習会]スポニチ、2013年1月19日</ref> |
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背景の1つとして訴訟を恐れる心理が指摘されることがあるが、弁護士の小林義和は、救命の流れから逸脱しない限りは、費用や時間、勝訴見込みの観点から、訴訟が発生するケースは考えにくいと述べている<ref name="danjosa">{{Cite web|和書|url = https://web.archive.org/web/20190508140514/https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190508/k10011909081000.html |title = 女性だとAEDが使われない? 救命処置の男女差 |work = NHK |date = 2019-05-08 |accessdate = 2019-05-12}}</ref><ref name="AEDguide">{{Cite web|和書|url = https://inoti-aed.com/aed-low1/ |title = 【弁護士に聞いてみた】AEDを使ってセクハラになる可能性ってありますか? |work = AEDガイド |author = 清水岳 |date = 2019-05-10 |accessdate = 2019-05-12}}</ref><ref>{{Cite web|和書|url = https://inoti-aed.com/use-of-aed-for-women/ |title = 【女性とAED】服は全部脱がせなくても大丈夫。訴訟リスクがないことを知ろう。|work = AEDガイド |author = 清水岳 |date = 2019-05-10 |accessdate = 2019-05-12}}</ref>。また、弁護士の天辰悠は、「着衣を脱がす行為は[[強制猥褻罪]]に、衣類をハサミで切断することは[[器物損壊罪]]にあたるが、除細動の迅速な実施のためにやむをえず行った行為は、該当者の死を避けるための[[緊急避難]]行為として処罰の対象とはならない」、「性的意図がなければ罪には問われない」という趣旨の主張をしている<ref name="jcast201712" />。なお、2019年5月時点でAEDの使用に伴う痴漢やセクハラの類に関する訴訟は存在しない<ref name="AEDguide" /><ref>{{Cite web|和書|url = https://www.zakzak.co.jp/article/20190517-IIW3XS72URKPPAFT6JT7AV2IPU/ |title = 「女性にAED」はセクハラ? 高校生ら対象の調査で男女格差、パッド装着時に抵抗感か |work = 夕刊フジ |date = 2019-05-17 |accessdate = 2019-05-23}}</ref>。 |
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== 出典 == |
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{{Reflist}} |
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なお、[[フィリップス]]のつなぐヘルスケア編集部がフェリップスメールマガジン読者を対象に行ったアンケートによると、医療従事者以外の一般の人が救助にあたる場合、「AEDを使うために異性に衣服を脱がされること」について、女性の合計86%が不快感、もしくは抵抗感を感じるという回答結果が得られた<ref name=":0">{{Cite web|和書|title=いつ、誰にでも起こりうる心肺停止の怖さ。あなたができる救助の心構え|url=https://www.philips.co.jp/a-w/about/news/archive/standard/about/blogs/healthcare/20180915-blog-aed-and-privacy.html|website=Philips|accessdate=2019-08-09|language=ja-jp}}</ref>。またプライバシー配慮については「周りの人から見えないようにしてほしい」という要望も寄せられている<ref name=":0" />。そのため、フィリップス・ジャパンの成川憲司は救護者で人垣を作るのがベストだと述べている<ref name=":0" />。実際に一部の自治体や施設には、プライバシーに配慮するため衝立が用意されていることがある<ref>総務省 関東管区行政評価局,『[https://www.soumu.go.jp/main_content/000589080.pdf 国の出先機関等の施設における救命活動に関する調査 -AEDを中心として-]』. 2018</ref><ref>新潟県監査委員,『[https://web.archive.org/web/20190809235416/http://www.pref.niigata.lg.jp/HTML_Article/455/13/H30gyouseikansahoukokusyo_941773,0.pdf 行政監査結果報告書 AED(自動体外式除細動器)の設置、管理等について 〜いざという時、使えるように〜]』. 2019</ref>。 |
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==参考図書== |
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*いのちを救う先端技術 久保田博南 PHP新書 ISBN 4569701159 |
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旭化成ゾールメディカル株式会社が、医療従事者を除く一般市民500人に対して実施した「一次救命処置およびAED使用に関する意識調査」によると、「女性に対して救命処置をしたいが抵抗がある」と回答した人は37.9%であり、その男女比は、男性58.0%、女性42.0%であった<ref name=":1">{{Cite web|和書|title=一次救命処置およびAED使用に関する意識調査| AEDコラム|AEDなら旭化成ゾールメディカル |url=https://www.ak-zoll.com/aed/column/aedcolumn003.html |website=AEDなら旭化成ゾールメディカル |access-date=2022-06-22}}</ref>。また、「抵抗がある」「できない、したくない」「わからない」と回答した方のうち60.1%は「衣服を脱がせたり、肌に触れることに抵抗があるため」、33.4%は「セクシャルハラスメントで訴えられないか心配なため」と回答している<ref name=":1" />。 |
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== 外部リンク == |
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* [http://www.mhlw.go.jp/houdou/2009/04/dl/h0401-4d.pdf AEDの製品外観一覧(厚生労働省)] |
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* [http://www.fdma.go.jp/html/life/pdf/oukyu2.pdf 救命処置の流れ(心肺蘇生法とAEDの使用)(総務省消防庁)] |
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* [http://www.mhlw.go.jp/shingi/2004/07/s0701-3.html 非医療従事者による自動体外式除細動器 (AED) の使用のあり方検討会報告書(厚生労働省)] |
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* [http://www.jhf.or.jp/aed/index.html 日本心臓財団・AEDを知っていますか] |
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* {{PDFLink|[http://www.med.nagoya-u.ac.jp/edu/skills/Text/AEDtext070131.pdf AEDの使い方のポイント 自習用テキスト 名古屋大学医学部付属病院]}} |
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実際、スポーツ大会で女性が倒れた際、「倒れていたのが女性で、駆けつけたのが男性だった」ためにAEDが使われなかった事例が存在する。結果として女性には重い意識障害が残り、寝たきりの生活が続いているという<ref>{{Cite web|和書|url = https://www3.nhk.or.jp/news/special/miraiswitch/article/article23/ |title = 女性にAED ためらわないで |work = NHK |date = 2019-05-31 |accessdate = 2021-01-10}}</ref>。 |
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=== デマの流布 === |
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2017年12月、「(架空のアンケートにおいて)多くの女性がAEDを男性に使われた場合「セクハラで訴える」と答えた」などという内容のデマがツイートされ、拡散された<ref name="jcast201712">{{Cite web|和書|date=2017-12-22 |url=https://www.j-cast.com/2017/12/22317403.html?p=all |title=嘘だった「AED使った男性をセクハラで...」 投稿主「問題提起のつもりだった」 |publisher=J-CAST |accessdate=2017-12-23}}</ref><ref name="ryukyushimpo20171231">{{Cite web|和書|author=島袋コウ |date=2017-12-31 |url=https://ryukyushimpo.jp/style/study/entry-639820.html |title=広がった「AEDセクハラデマ」と、その裏で築かれる偏見 |work=[[琉球新報|琉球新報Style]] |publisher=琉球新報社 |accessdate=2018-02-09}}</ref>。この件について、発信源の男性は「人命・女性の尊厳を軽んじ、緊急時の救助活動を躊躇させる」として、「女性に対する侮辱、脅迫する行為を行い、全ての方に多大なるご迷惑をおかけした」とブログ上で謝罪した<ref name="jcast201712" /><ref name="ryukyushimpo20171231" /><ref>「[http://arekun.com/1549 【謝罪】AEDに関するツイートについて]」モクセイ属のヒイラギさん2017年12月22日</ref>。なお、過去にもAEDに関係したデマは、内容の細部は異なりつつも(例えば、「AEDを使うために女性を裸にしたら警察を呼ばれた」という内容)、インターネット上で流布されたことがある<ref name="ryukyushimpo20171231" />。 |
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=== 使用時の法的責任の問題 === |
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==== 米国 ==== |
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米国では州法などで救助行為を奨励することを目的とした責任軽減を定める法として、[[善きサマリア人の法]](Good Samaritan Law(Act))が制定されている<ref name="konishi">[https://www.jiam.jp/journal/pdf/95-05-01.pdf 小西敦「緊急事務管理規定とよきサマリア人法の必要性」国際文化研修2017春 vol.95] - 全国市町村国際文化研修所 2022年7月25日閲覧。</ref>。ただし、州法によって善きサマリア人の法の内容は様々で、約7割の州ではすべての人を対象にしているが、残りの3割の州では医療従事者や消防隊員・警察官などに対象を限定しており、すべての人を対象としている場合でも明示的に医療従事者を含むと規定する場合が多い<ref name="konishi" />。 |
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また、6割強の州で「誠実に(in good faith)」という要件、約4割の州で「無償で(without compensation 又は gratuitously)」という要件を明記している<ref name="konishi" />。なお、ミネソタ州とバーモント州では支援義務を課している<ref name="konishi" />。 |
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==== 日本 ==== |
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対象の身体に対する「急迫の危害」を回避するための「救命処置」であるAEDの利用により、救命対象を死亡させた場合、あるいは怪我や障害を与えた場合でも、使用者は悪意または重過失がなければ責任を問われない<ref name=faq />。さらに、AEDの使用により症状悪化が起きることは滅多に無いため、日本救急医学会は「此方の問いかけに反応がなく、呼吸がない場合に使用」する機器だと述べた上で、対象の意識や呼吸の状態が少しでも普通では無いと感じた場合にも試しに使用してみることを推奨している<ref name=faq>日本救急医学会 [http://aed.jaam.jp/faq.html 公式ウェブサイト]</ref><ref>[https://www.j-cast.com/healthcare/2016/07/25273300.html?p=all えっ、意識低下した人に「AED使うな」? 「自称」看護師の指示は大間違い] J-CASTニュース 2016年7月25日</ref>。日本救急医学会の指導医によるとAEDを使用しないと死亡に至る[[死戦期呼吸]]と普通の呼吸の差を見分けることが一般人には難しいことや、そもそも心室細動時の呼吸状態である死戦期呼吸の認知度が低いことも、即座のAED利用をしない要因の一つと指摘している<ref>[https://www.asahi.com/articles/ASK8G31QDK8GUOHB001.html 女子マネジャー死亡、「呼吸」誤解? AED使ってれば] 朝日新聞 2017年8月17日</ref>。 |
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先述の通り、AEDの使用による救命に失敗した場合でも、悪意または重過失がなければ、救助者が責任を問われることはない。しかし日本には「善きサマリア人の法」がないため救助者が[[提訴]]される可能性が存在するという指摘がある<ref>{{Cite web|和書|date=2015-10-09|author=成相通子(m3.com編集部)|title=「善きサマリア人法」、日本では進まず◆Vol.2 - 医療維新 - m3.comの医療コラム|url=https://www.m3.com/open/iryoIshin/article/361760/|website=m3.com|publisher=[[エムスリー|エムスリー株式会社]]|accessdate=2019-05-23}}</ref>。日本には善きサマリア人の法と似た[[b:民法第698条|民法698条]]の「緊急事務管理規定」があるものの、民法698条では不十分とする1999年の消防庁報告書や、緊急時における重過失の線引きが判例の積み立ても足りず曖昧であるといった指摘がなされている<ref>{{Cite web|和書|title=応急手当と法的責任|url=https://plaza.umin.ac.jp/GHDNet/07/r2-law.htm|website=plaza.umin.ac.jp|accessdate=2019-08-09|publisher=|author=沼田貴範}}</ref><ref>小西敦,『[https://www.jiam.jp/journal/pdf/95-05-01.pdf 緊急事務管理規定とよきサマリア人法の必要性]』. 2017</ref>。 |
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実際、2016年に千葉県が訴訟費用を貸し付ける規定を盛り込んだ条例を制定している<ref>{{Cite web|和書|url = https://www.nikkei.com/article/DGXLASDG18HAP_Z11C16A0CC0000/ |title = AED利用、千葉県が条例で促進 救助巡る訴訟も支援 |work = 日本経済新聞 |date = 2016-10-19 |accessdate = 2019-05-12}}</ref>。ただし、千葉県はその趣旨で「AEDの使用等が直ちに訴訟に繋がるものではなく、いたずらに『訴訟』という言葉が先行して一般県民の誤解と不安感を煽ることがないように、特に丁寧な説明を行うよう留意する必要がある」としている<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.pref.chiba.lg.jp/iryou/taiseiseibi/aed/documents/aedjourei_tikujou.pdf |title=千葉県AEDの使用及び心肺蘇生法の実施の促進に関する条例逐条解説 |format=PDF |accessdate=2019-05-12}}</ref>。 |
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なお、1994年総務庁報告書は「現行法の緊急事務管理によってほとんどのケースをカバーでき、免責の範囲はかなり広い」としつつ、将来的な課題として引き続き慎重に検討する必要があるとしている<ref name="konishi" />。 |
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=== 使用率の低さ === |
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2018年の時点で日本には少なくとも50万台以上のAEDが設置されていると推定されているが、心肺停止によって倒れるところを目撃された人のうち、AEDによる電気ショックが行われる割合は4%程度である<ref>{{Cite web|和書|url = https://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/400/301141.html |title = 「AEDと心肺蘇生 更なる活用への課題」(視点・論点) |work = NHK |date = 2019-07-04 |accessdate = 2021-01-10}}</ref><ref>{{Cite web|和書|url = https://guides.lib.kyushu-u.ac.jp/c.php?g=775075&p=5560195 |title = 除細動器と心臓ペースメーカのきほん: AED使用の現状・問題点 |work = 九州大学附属図書館 |accessdate = 2021-01-10}}</ref>。しかもそのうち約半数は医療従事者であり、一般市民による使用率は低い。そうした背景を受け、[[京都大学]]の石見教授は「AEDが素早く心停止の現場に届く仕組みの構築」と「AEDを使った救命処置を出来る人を増やすこと」が必要であるとしている。 |
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== 関連文献 == |
|||
* {{Cite book|和書|author= 久保田博南 |authorlink= 久保田博南 |title= いのちを救う先端技術 |year= 2008 |publisher= [[PHP研究所]] |series= [[PHP新書]] |isbn= 4569701159 }} |
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== 脚注 == |
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{{脚注ヘルプ}} |
|||
{{Reflist|30em}} |
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=== 注釈 === |
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{{Reflist| group=注}} |
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== 関連項目 == |
== 関連項目 == |
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{{Commonscat| |
{{Commonscat|Automated external defibrillators}} |
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{{Colbegin|2}} |
|||
*[[除細動]] |
|||
* [[心肺蘇生法]] |
|||
*[[植え込み型除細動器]] (ICD) |
|||
* [[一次救命処置]] |
|||
*[[国際蘇生連絡協議会]] (ILCOR) |
|||
* [[心室細動]] |
|||
*[[日本蘇生協議会]] (JRC) |
|||
* [[除細動]] |
|||
* [[植え込み型除細動器]] (ICD) |
|||
* [[国際蘇生連絡協議会]] (ILCOR) |
|||
* [[日本蘇生協議会]] (JRC) |
|||
* [[減らせ突然死プロジェクト]] |
|||
* [[プリティ長嶋]] - 中学生の野球大会中に内野手が打球を胸に当て死亡した事故をきっかけに、AEDの普及を自身の政策に掲げている。 |
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== 外部リンク == |
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* [https://www.jhf.or.jp/check/aed/ AEDで助かる命] - 日本心臓財団 |
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* [https://www.aed-zaidan.jp/ 日本AED財団] |
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* [http://www.aed-project.jp/ 減らせ突然死 AED プロジェクト] |
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* [https://www.qqzaidanmap.jp/ 日本救急医療財団 全国AEDマップ] - AED設置情報を提供 |
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* [https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iyakuhin/aed/ AEDを点検しましょう!] - 厚生労働省 |
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* [https://www.mhlw.go.jp/houdou/2009/04/dl/h0401-4d.pdf AEDの製品外観一覧] - 厚生労働省 |
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* [https://www.mhlw.go.jp/shingi/2004/07/s0701-3.html 非医療従事者による自動体外式除細動器 (AED) の使用のあり方検討会報告書] - 厚生労働省 |
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* [https://www.city.saitama.jp/003/002/013/002/p019665_d/fil/asuka.pdf 「体育活動時等における事故対応テキスト〜ASUKAモデル〜」] さいたま市教育委員会 平成24年9月30日 |
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2025年1月7日 (火) 23:00時点における最新版
自動体外式除細動器(じどうたいがいしきじょさいどうき、英: Automated External Defibrillator, AED)は、心停止(必ずしも心静止ではない)の際に機器が自動的に心電図の解析を行い、心室細動を検出した際は除細動を行う医療機器。除細動器の一つであるが、動作が自動化されているため施術者が非医療従事者でも使用できる。
概要
[編集]心室細動していた心臓は、AEDによる電気ショックで静止状態になるので、使用後は速やかに胸骨圧迫によって、拍動の回復を促す必要がある(および、技術があり可能ならば人工呼吸を併用することが望ましい[1])。通常であれば拍動は自発的に再開する。主に不特定多数の者が出入りする空港や航空機内、ホテルなどの公共施設に広く設置され、消火器などと同様に、万一の事態が発生した際には、その場に居合わせた人(バイスタンダー)が自由に使えるようになっている。
電気除細動器は1950年代に初めて開発され、初期の通電波形は単相性で、通電により「心室細動」が除細動されることは驚きをもって受け止められた[2]。1980年代になって二相性波形のほうがより良い効果を示すことが明らかになると、低エネルギー通電も可能な二相性通電波形が採用されるようになり、1995年にAHA(米国心臓協会)のPAD勧告が公共スペースでの市民による除細動を推奨したことで自動体外式除細動器が普及するきっかけになった[2]。
日本では、救急車が現場到着するまで平均で約8分を要するが、心室細動が起きると数秒で意識がなくなり約5分後には不可逆的な脳障害が発生して死亡することとなるため[3]、一刻も早く電気的除細動を施行することが必要とされている[4]。救急車の到着以前にAEDを使用した場合には、救急隊員や医師が駆けつけてからAEDを使用するよりも、救命率が数倍も高いことが明らかになっている[5][6]。
機器の使用
[編集]使用方法
[編集]収納スタンドは、蓋を開けるとサイレンやブザー鳴動・赤ランプの点滅で緊急事態発生を周囲に告げる他、使用された事を示す信号が、当該施設の防災センターに送られるようになっているものもある(これにより防災センターは、警備員を現場に向かわせ対応する)。
電源を入れると、電極パッドを胸に貼り付けるように音声案内が流れる。パッドを素肌に直接貼り付けることができていれば、ブラジャーは外す必要はなく、もし余裕があれば、パッドを貼った後に、上から上着やタオルなどを掛ければよい(電気ショックの時間を遅らせないことが重要)[7]。電極パッドを胸に貼り付けると自動的に心電図の解析が始まり、電気ショックを与えるべきかの判断が行われる。
電気ショックが必要と判断された場合には、放電のボタンを押すようにアナウンスが流れ、施術者がボタンを押すと電気ショックによる除細動が行われる。
ショックボタンがない代わりに自動で電気ショックを実行するオートショックAED(フルオート機)も存在する。従来機(セミオート機)だとショックボタンを押すのを躊躇ってしまったり、操作ミス等でショックが適切に行われなかったという問題が調査により報告されているが、フルオート機ではショックが必要と判断した場合は音声ガイドかブザー音による3カウント後に自動でショックを実行するために確実に処置を行え、同時に救助者の精神的負担も抑えられるとしている [8]。しかし、ボタンがないことで救助者が困惑する可能性があったり実行前に救助者が患者から離れるのが遅れてしまうと感電する可能性がセミオート機よりも高いといった相違点に伴う問題もあり、厚労省からも注意が呼びかけられている[9]。日本国内では2021年に初めて製造販売承認を取得した製品が発売されたが、2022年現在、販売条件として日本救急医療財団の指導に基づいた設置要件を満たした場所へ設置すること、そして使用者が適切な講習・訓練を受けている必要がある[10]。当該製品にはセミオート機と区別する為にJEITA(電子情報技術産業協会)によって策定された共通のロゴが製品本体やキャリングケースに掲示されている。
AEDの使用方法については、製造メーカーのホームページなどを参照のこと。
使用目的の誤解
[編集]AEDとは「異常な拍動を繰り返し、ポンプとしての役割を果たしていない状態(心室細動)」の心臓を、電気ショックによって一時静止させることにより正常な拍動の再開を促すものであり、「静止した心臓を電気ショックで再起動させる」ものではない。
また、AED使用によって一時静止させられた心臓は、本来であれば自動的に拍動を再開するが、酸欠等の状態にあると拍動が再開しにくいため、AED使用後は、速やかに(人工呼吸と)胸骨圧迫(一般に心臓マッサージといわれるもの)を行い、拍動の再開を促す必要がある。AED機器が心室細動ではないと診断した場合は、除細動は行われず、胸骨圧迫を行うようアナウンスが流れる[11][12]。
講習
[編集]- 公的団体
- 日本では、各地の消防本部や日本赤十字社の都道府県支部が、心臓マッサージやAEDの使用方法などの救命講習会を開催している。病院や保健所で独自に行っているところもある。
- 民間団体
- アメリカ心臓協会 (AHA: American Heart Association) 公認講習を開催する日本蘇生協議会所属のNPO法人愛宕救急医療研究会、NPO大阪ライフサポート協会、日本ACLS協会や、メディックファーストエイド社、国際救急救命協会、日本救急蘇生普及協会(財団法人日本救急医療財団指定事業者)が非医療従事者向けにトレーニングを提供している。また、プロ野球球団に入団したばかりの新人選手に対して救命講習会を行った例がある[13]。
設置と保守
[編集]主な設置場所
[編集]2005年のヨーロッパのガイドラインでは、空港、カジノ、スポーツ施設など少なくとも2年に1件院外心停止が発生する可能性がある施設への設置を推奨している[14]。また、米国のガイドラインでは5年に1件心停止が発生する場所への設置を推奨している[14]。
交通機関
[編集]- 空港、旅客機内(旅客機は、1990年代から諸外国の航空会社がいち早く機内に搭載を開始し、日本航空も、2001年10月に国際線機内に搭載を始めている[15])
- 鉄道駅構内(大都市周辺や地方主要都市のJR駅、大手私鉄、地下鉄)、新幹線、特急列車内
- フェリーターミナル、フェリー内
- バス(主に観光バス)、バス営業所等
医療機関
[編集]公共施設
[編集]商業施設、娯楽施設
[編集]その他
[編集]- 大規模な工場内、自衛隊駐屯地、救急車内など
メンテナンスと寿命
[編集]バッテリーには使用期限、電極のパッドには使用回数や使用期限があるため、定期的な点検と交換が必要となる[16]。毎日自動的にセルフテストを行い、問題がなければインジゲーターが緑色になりすぐに使える状態である。バッテリ切れなどの異常が発生すると赤色・バツ印になり、アラームが鳴る[17]。バッテリーは汎用リチウム電池やバッテリーパックが用いられ、すぐに利用可能な状態で販売されている。購入者側で再充電や再使用することは無く、使い捨てである(2024年現在では充電式も存在する)。バッテリーの使用期限は未使用の状態で通常2-5年である。AED本体についても保証期間は5年程度で、耐用年数は7年程度とされる。このため、AEDを設置した施設については、未使用であっても5-8年毎に機器の再購入が必要となり、1台あたり20-40万円の費用負担が発生する。また、使用する状況になっても、バッテリー切れで使えなかったという事例があり、実際にそれが原因で患者を見殺しにしてしまう事件もある[18]。
機器の普及
[編集]米国での普及
[編集]1992年、米国心臓協会(AHA)はガイドラインで心臓突然死の救命率向上には現場での早期除細動が重要とした[19]。
2000年には、米国心臓協会(AHA)のガイドラインで一般市民によるAED使用の有効性が明記され、連邦法により連邦施設への自動体外式除細動器(AED)の設置が義務付けられた[19]。
2001年、連邦航空局は2004年7月までに航空機への自動体外式除細動器(AED)の設置を義務付けた[19]。
2003年にはニューヨーク州法が学校への自動体外式除細動器(AED)の設置を義務付けている[19]。
日本での普及
[編集]かつて日本では、医師しか使用が認められていなかったが、2003年に救急救命士に医師の指示がなくても使用することが認められ、さらに2004年7月からは非医療従事者である民間人も使用できるようになり、空港や学校、球場、駅などの公共施設に設置されることが多くなった。
2005年に開催された愛知万博では会場内にAEDを多数配置した。また2006年から2008年頃にかけて公共交通機関でのAED設置が進んだ。2006年7月、都営地下鉄全101駅へのAED設置完了を皮切りとして、2006年にはJR東日本新幹線全駅、JR東海も、東海道新幹線全駅と在来線主要駅に設置された[20]。
この背景として、皇族の高円宮憲仁親王が2002年(平成14年)11月21日、スカッシュの練習を行っていた最中に心室細動による心不全により急逝して以来、心室細動に対する対応が厚生労働省や消防庁で取り上げられたことがあげられる[21][22]。
日本全国には2024年9月時点で69万台あるといわれている[23]。
製造と販売
[編集]欧米で販売されている商品
[編集]- フィリップスメディカル(米国)
- カルディアック・サイエンス(米国)
- フィジオコントロール(米国)
- ハートサインテクノロジーズリミテッド(英国)
日本で販売されている商品
[編集]出典:日本心臓財団[24]
- ハートスタート(フィリップス、フクダ電子、レールダル)
- ベネハートCシリーズ(フクダ電子[注 1])
- カルジオライフ(日本光電[注 2])
- ライフパック(フィジオコントロール、日本ストライカー)
- サマリタンパッド(ハートサインテクノロジーズ、日本ストライカー)
- CU-SP1(株式会社CU)
- ZOLL AED Plus、ZOLL AED 3(旭化成ゾールメディカル[25])
- パワーハートG3、レスキューハート HDF-3500(オムロンヘルスケア[注 3])
- カーディアックレスキュー(日本ライフライン)
AEDをめぐる諸課題
[編集]使用率の男女差
[編集]倒れた人が女性の場合、男性よりAEDが使われにくい、という調査結果を2019年に京都大学などの研究グループが発表した[26][27]。この調査は、2008年から2015年において全国の学校の構内で心停止となった子ども232人について、救急隊が到着する前にAEDのパッドが装着されたかどうかを調べたものである。それによると、小学生と中学生では男女に有意な差はなかったが、高校生になると大きな男女差が出ていたという。高校生・高専生の場合、AEDのパッドが貼られた割合が男子生徒83.2%、女子生徒55.6%と30ポイント近い差があった。研究グループは、女子高校生の場合、近くにいた人たちが素肌を出すことに一定の抵抗があったのではないかと分析している[28]。
同様の調査はフランスでも行われており、2011年から2014年にパリ周辺で心停止となったおよそ11,000人のうち、女性でAEDの使用や心臓マッサージといった救命措置がとられたのは60%で、男性より10ポイント低い結果であった[26]。
背景の1つとして訴訟を恐れる心理が指摘されることがあるが、弁護士の小林義和は、救命の流れから逸脱しない限りは、費用や時間、勝訴見込みの観点から、訴訟が発生するケースは考えにくいと述べている[26][29][30]。また、弁護士の天辰悠は、「着衣を脱がす行為は強制猥褻罪に、衣類をハサミで切断することは器物損壊罪にあたるが、除細動の迅速な実施のためにやむをえず行った行為は、該当者の死を避けるための緊急避難行為として処罰の対象とはならない」、「性的意図がなければ罪には問われない」という趣旨の主張をしている[31]。なお、2019年5月時点でAEDの使用に伴う痴漢やセクハラの類に関する訴訟は存在しない[29][32]。
なお、フィリップスのつなぐヘルスケア編集部がフェリップスメールマガジン読者を対象に行ったアンケートによると、医療従事者以外の一般の人が救助にあたる場合、「AEDを使うために異性に衣服を脱がされること」について、女性の合計86%が不快感、もしくは抵抗感を感じるという回答結果が得られた[33]。またプライバシー配慮については「周りの人から見えないようにしてほしい」という要望も寄せられている[33]。そのため、フィリップス・ジャパンの成川憲司は救護者で人垣を作るのがベストだと述べている[33]。実際に一部の自治体や施設には、プライバシーに配慮するため衝立が用意されていることがある[34][35]。
旭化成ゾールメディカル株式会社が、医療従事者を除く一般市民500人に対して実施した「一次救命処置およびAED使用に関する意識調査」によると、「女性に対して救命処置をしたいが抵抗がある」と回答した人は37.9%であり、その男女比は、男性58.0%、女性42.0%であった[36]。また、「抵抗がある」「できない、したくない」「わからない」と回答した方のうち60.1%は「衣服を脱がせたり、肌に触れることに抵抗があるため」、33.4%は「セクシャルハラスメントで訴えられないか心配なため」と回答している[36]。
実際、スポーツ大会で女性が倒れた際、「倒れていたのが女性で、駆けつけたのが男性だった」ためにAEDが使われなかった事例が存在する。結果として女性には重い意識障害が残り、寝たきりの生活が続いているという[37]。
デマの流布
[編集]2017年12月、「(架空のアンケートにおいて)多くの女性がAEDを男性に使われた場合「セクハラで訴える」と答えた」などという内容のデマがツイートされ、拡散された[31][38]。この件について、発信源の男性は「人命・女性の尊厳を軽んじ、緊急時の救助活動を躊躇させる」として、「女性に対する侮辱、脅迫する行為を行い、全ての方に多大なるご迷惑をおかけした」とブログ上で謝罪した[31][38][39]。なお、過去にもAEDに関係したデマは、内容の細部は異なりつつも(例えば、「AEDを使うために女性を裸にしたら警察を呼ばれた」という内容)、インターネット上で流布されたことがある[38]。
使用時の法的責任の問題
[編集]米国
[編集]米国では州法などで救助行為を奨励することを目的とした責任軽減を定める法として、善きサマリア人の法(Good Samaritan Law(Act))が制定されている[40]。ただし、州法によって善きサマリア人の法の内容は様々で、約7割の州ではすべての人を対象にしているが、残りの3割の州では医療従事者や消防隊員・警察官などに対象を限定しており、すべての人を対象としている場合でも明示的に医療従事者を含むと規定する場合が多い[40]。
また、6割強の州で「誠実に(in good faith)」という要件、約4割の州で「無償で(without compensation 又は gratuitously)」という要件を明記している[40]。なお、ミネソタ州とバーモント州では支援義務を課している[40]。
日本
[編集]対象の身体に対する「急迫の危害」を回避するための「救命処置」であるAEDの利用により、救命対象を死亡させた場合、あるいは怪我や障害を与えた場合でも、使用者は悪意または重過失がなければ責任を問われない[41]。さらに、AEDの使用により症状悪化が起きることは滅多に無いため、日本救急医学会は「此方の問いかけに反応がなく、呼吸がない場合に使用」する機器だと述べた上で、対象の意識や呼吸の状態が少しでも普通では無いと感じた場合にも試しに使用してみることを推奨している[41][42]。日本救急医学会の指導医によるとAEDを使用しないと死亡に至る死戦期呼吸と普通の呼吸の差を見分けることが一般人には難しいことや、そもそも心室細動時の呼吸状態である死戦期呼吸の認知度が低いことも、即座のAED利用をしない要因の一つと指摘している[43]。
先述の通り、AEDの使用による救命に失敗した場合でも、悪意または重過失がなければ、救助者が責任を問われることはない。しかし日本には「善きサマリア人の法」がないため救助者が提訴される可能性が存在するという指摘がある[44]。日本には善きサマリア人の法と似た民法698条の「緊急事務管理規定」があるものの、民法698条では不十分とする1999年の消防庁報告書や、緊急時における重過失の線引きが判例の積み立ても足りず曖昧であるといった指摘がなされている[45][46]。
実際、2016年に千葉県が訴訟費用を貸し付ける規定を盛り込んだ条例を制定している[47]。ただし、千葉県はその趣旨で「AEDの使用等が直ちに訴訟に繋がるものではなく、いたずらに『訴訟』という言葉が先行して一般県民の誤解と不安感を煽ることがないように、特に丁寧な説明を行うよう留意する必要がある」としている[48]。
なお、1994年総務庁報告書は「現行法の緊急事務管理によってほとんどのケースをカバーでき、免責の範囲はかなり広い」としつつ、将来的な課題として引き続き慎重に検討する必要があるとしている[40]。
使用率の低さ
[編集]2018年の時点で日本には少なくとも50万台以上のAEDが設置されていると推定されているが、心肺停止によって倒れるところを目撃された人のうち、AEDによる電気ショックが行われる割合は4%程度である[49][50]。しかもそのうち約半数は医療従事者であり、一般市民による使用率は低い。そうした背景を受け、京都大学の石見教授は「AEDが素早く心停止の現場に届く仕組みの構築」と「AEDを使った救命処置を出来る人を増やすこと」が必要であるとしている。
関連文献
[編集]- 久保田博南『いのちを救う先端技術』PHP研究所〈PHP新書〉、2008年。ISBN 4569701159。
脚注
[編集]- ^ JRC蘇生ガイドライン2015 第1章 一次救命処置(BLS)
- ^ a b 総務省消防庁「包括的指示下での除細動に関する研究会報告書」 2022年7月25日閲覧。
- ^ 心室細動の症状 - 06. 心臓と血管の病気 - MSDマニュアル家庭版
- ^ カーラーの救命曲線によれば、心停止3分で死亡率はおよそ50%、と言われている。
- ^ 非医療従事者による自動体外式除細動器 (AED) を用いた除細動と心肺蘇生 - 大阪府三島救急医療センター(シカゴのオヘア空港やラスベガスのカジノに設置されたAEDが市民によって使用され、高い救命率を示した話。)[リンク切れ]
- ^ Valenzuela, Terence D.; Roe, Denise J.; Nichol, Graham; Clark, Lani L.; Spaite, Daniel W.; Hardman, Richard G. (2000). “Outcomes of Rapid Defibrillation by Security Officers after Cardiac Arrest in Casinos”. New England Journal of Medicine 343 (17): 1206-1209. doi:10.1056/NEJM200010263431701. PMID 11071670 .
- ^ よくあるご質問 (PDF) 減らせ突然死 AEDプロジェクト
- ^ “オートショックAEDとは、一般的なAEDとの違いについて | AED(自動体外式除細動器)ならヤガミ”. AED情報なら株式会社ヤガミ. 2022年5月14日閲覧。
- ^ “・ショックボタンを有さない自動体外式除細動器(オートショックAED)使用時の注意点に関する情報提供等の徹底について(◆令和03年07月30日医政地発第730003号薬生安発第730003号薬生機審発第730003号)”. www.mhlw.go.jp. 2022年5月15日閲覧。
- ^ “オートショックAED徹底解剖。一般的なAEDとの違いとは? | AEDガイド”. inoti-aed.com (2022年4月22日). 2022年6月8日閲覧。
- ^ 報道でのAEDに関する表現について - 公益財団法人日本AED財団、2022年7月10日
- ^ 緊急メッセージ:安倍元総理銃撃事件に関わるAED使用について - 公益財団法人日本AED財団、2022年7月14日
- ^ 西武 新人選手に心臓マッサージとAED講習会 スポニチ、2013年1月19日
- ^ a b 日本循環器学会AED検討委員会; 日本心臓財団 (2012). “AEDの具体的設置·配置基準に関する提言”. 心臓 44 (4): 392-402. doi:10.11281/shinzo.44.392 .
- ^ 大塚祐司「航空機内での心肺蘇生の実施により心的外傷を負った1例」『宇宙航空環境医学』第44巻第3号、日本宇宙航空環境医学会、2007年、71-82頁、ISSN 03870723。
- ^ AEDの部品 使用期限切れに御注意を 京都市消防局、2009年11月20日
- ^ “AEDの日常点検の方法|点検について|設置済みのお客様へ|AEDライフ by 日本光電”. 日本光電のAED情報サイト【AEDライフ】. 2024年4月4日閲覧。
- ^ “救急車のAEDバッテリー切れ 70代女性、搬送先で死亡 成田:朝日新聞デジタル”. 朝日新聞デジタル (2022年2月4日). 2024年2月6日閲覧。
- ^ a b c d 橋本真由美、奥寺敬「救急医療から見たAEDの地理的空間」 2022年7月25日閲覧。
- ^ お客様、沿線の皆様、関係業務機関との連携 - JR東海 安全報告書 2008
- ^ “「涙をふいて」高円宮さま作った曲、AED普及ソングに:朝日新聞デジタル”. 朝日新聞デジタル. 2019年6月13日閲覧。
- ^ “お知らせ”. www.nz-ishikai.or.jp. 2019年6月8日閲覧。
- ^ “AED20年、救った8千の命 全国69万台、使用率低さ課題:朝日新聞デジタル”. 朝日新聞. 2024年10月21日閲覧。
- ^ AEDはどこで購入できますか? 2017年3月1日
- ^ 救命救急医療機器事業の日本法人営業開始について 旭化成、2012年10月24日
- ^ a b c “女性だとAEDが使われない? 救命処置の男女差”. NHK (2019年5月8日). 2019年5月12日閲覧。
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- ^ 清水岳 (2019年5月10日). “【女性とAED】服は全部脱がせなくても大丈夫。訴訟リスクがないことを知ろう。”. AEDガイド. 2019年5月12日閲覧。
- ^ a b c “嘘だった「AED使った男性をセクハラで...」 投稿主「問題提起のつもりだった」”. J-CAST (2017年12月22日). 2017年12月23日閲覧。
- ^ “「女性にAED」はセクハラ? 高校生ら対象の調査で男女格差、パッド装着時に抵抗感か”. 夕刊フジ (2019年5月17日). 2019年5月23日閲覧。
- ^ a b c “いつ、誰にでも起こりうる心肺停止の怖さ。あなたができる救助の心構え”. Philips. 2019年8月9日閲覧。
- ^ 総務省 関東管区行政評価局,『国の出先機関等の施設における救命活動に関する調査 -AEDを中心として-』. 2018
- ^ 新潟県監査委員,『行政監査結果報告書 AED(自動体外式除細動器)の設置、管理等について 〜いざという時、使えるように〜』. 2019
- ^ a b “一次救命処置およびAED使用に関する意識調査| AEDコラム|AEDなら旭化成ゾールメディカル”. AEDなら旭化成ゾールメディカル. 2022年6月22日閲覧。
- ^ “女性にAED ためらわないで”. NHK (2019年5月31日). 2021年1月10日閲覧。
- ^ a b c 島袋コウ (2017年12月31日). “広がった「AEDセクハラデマ」と、その裏で築かれる偏見”. 琉球新報Style. 琉球新報社. 2018年2月9日閲覧。
- ^ 「【謝罪】AEDに関するツイートについて」モクセイ属のヒイラギさん2017年12月22日
- ^ a b c d e 小西敦「緊急事務管理規定とよきサマリア人法の必要性」国際文化研修2017春 vol.95 - 全国市町村国際文化研修所 2022年7月25日閲覧。
- ^ a b 日本救急医学会 公式ウェブサイト
- ^ えっ、意識低下した人に「AED使うな」? 「自称」看護師の指示は大間違い J-CASTニュース 2016年7月25日
- ^ 女子マネジャー死亡、「呼吸」誤解? AED使ってれば 朝日新聞 2017年8月17日
- ^ 成相通子(m3.com編集部) (2015年10月9日). “「善きサマリア人法」、日本では進まず◆Vol.2 - 医療維新 - m3.comの医療コラム”. m3.com. エムスリー株式会社. 2019年5月23日閲覧。
- ^ 沼田貴範. “応急手当と法的責任”. plaza.umin.ac.jp. 2019年8月9日閲覧。
- ^ 小西敦,『緊急事務管理規定とよきサマリア人法の必要性』. 2017
- ^ “AED利用、千葉県が条例で促進 救助巡る訴訟も支援”. 日本経済新聞 (2016年10月19日). 2019年5月12日閲覧。
- ^ “千葉県AEDの使用及び心肺蘇生法の実施の促進に関する条例逐条解説” (PDF). 2019年5月12日閲覧。
- ^ “「AEDと心肺蘇生 更なる活用への課題」(視点・論点)”. NHK (2019年7月4日). 2021年1月10日閲覧。
- ^ “除細動器と心臓ペースメーカのきほん: AED使用の現状・問題点”. 九州大学附属図書館. 2021年1月10日閲覧。
注釈
[編集]- ^ 深圳邁瑞生物医療電子のOEM機だが、フクダ電子は選任製造販売元ではなく製造販売業者として取り扱う(添付文書等への外国特例承認取得者の記載はなし)。
- ^ AED-9100/9200シリーズはカルディアック・サイエンスのOEM、AED-1200以降の機種は自社製造(ただしAED-1200はカルディアック・サイエンスから技術提携を受ける形で製造)。
- ^ パワーハートG3はカルディアック・サイエンス、レスキューハート HDF-3500はハートサインテクノロジーズリミテッドのOEM。
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- AEDで助かる命 - 日本心臓財団
- 日本AED財団
- 減らせ突然死 AED プロジェクト
- 日本救急医療財団 全国AEDマップ - AED設置情報を提供
- AEDを点検しましょう! - 厚生労働省
- AEDの製品外観一覧 - 厚生労働省
- 非医療従事者による自動体外式除細動器 (AED) の使用のあり方検討会報告書 - 厚生労働省
- 「体育活動時等における事故対応テキスト〜ASUKAモデル〜」 さいたま市教育委員会 平成24年9月30日