「作並駅」の版間の差分
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|画像説明 = 新駅舎正面(2009年8月) |
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|よみがな = さくなみ |
|よみがな = さくなみ |
2020年2月15日 (土) 02:02時点における版
作並駅 | |
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新駅舎正面(2009年8月) | |
さくなみ Sakunami | |
◄熊ケ根 (5.0 km) (5.1 km) 奥新川► | |
所在地 | 仙台市青葉区作並字相ノ沢27-2 |
所属事業者 | 東日本旅客鉄道(JR東日本) |
所属路線 | ■仙山線 |
キロ程 | 28.7 km(仙台起点) |
電報略号 | サミ |
駅構造 | 地上駅 |
ホーム | 2面3線 |
乗車人員 -統計年度- |
186人/日(降車客含まず) -2018年- |
開業年月日 | 1931年(昭和6年)8月30日[1] |
備考 |
簡易委託駅 仙台市内駅 |
作並駅(さくなみえき)は、宮城県仙台市青葉区作並字相ノ沢にある、東日本旅客鉄道(JR東日本)仙山線の駅である。
仙台方面からの普通列車の一部が当駅で折り返す。
歴史
作並駅は仙山東線の延長によって1931年(昭和6年)8月30日に開業した。開業当時の作並駅は仙山東線の終端駅だった。この駅の設置には岩松旅館の主で県会議員でもあった岩松亥之助が関わっていたと言われる[2]。この当時、駅の周辺には人家が3軒しかなかった[3]。駅の設置をきっかけに鉄道職員の住居が作られるなどして、集落が形成された。
作並機関区・仙山線管理所
仙台と山形からそれぞれ線路が延びる形で建設された仙山線は、1937年(昭和12年)11月10日に全線開通した[2]。宮城県と山形県の県境には奥羽山脈を横断するための仙山トンネルが建設された。仙山トンネルは総延長5361メートルを誇るトンネルである。この中で機関士が蒸気機関車の煙で辛い思いをしないように、仙山トンネルを含む作並駅から山寺駅の区間は初めから直流電化で建設され、電気機関車がここを走ることになった[4]。仙山線の全線開通と同時に、作並駅には機関車の車両基地が設けられた。
作並駅に置かれた機関車の車両基地は、当初は仙台機関区作並機関支区といった。これは合計40名あまりの組織であり、東京や水上の機関区で学んだ22名が中核となった。車両については直流用のED19形電気機関車4両がここに配置された。作並機関支区は1947年(昭和22年)に本区として独立して作並機関区となった[5]。1950年代に仙山線の北仙台駅から作並駅の区間が交流電化の試験路線となり、作並機関区には交流用機関車のED44形・ED45形が配置され[6]、各種の試験の供された。
1960年(昭和35年)8月20日、作並に仙山線管理所が置かれ、作並機関区は仙山線管理所車両科となった。管理所制度は、地方線区の実情にあった路線経営を目指すために、国鉄が1956年(昭和31年)に起こした制度である。仙山線管理所は国鉄仙台鉄道管理局の中では6番目に発足した管理所で、270名あまりの人員がここに所属した。仙山線管理所は、経営改善の他に、鉄道施設への落石や雪崩の防止に取り組み、列車の安全運行を目指した[7]。仙山線管理所は1968年(昭和43年)9月に廃止されることになり、これに伴って検修要員は長町機関区へ、その他の人員は仙台運転所へ異動した。所属していた機関車は他所の基地へ転属するか廃車となった。これはちょうど、仙山線全線が交流電化に統一された時期に当たった[6]。
上記以外で作並に所属した機関車としては、ED14形、ED17形、ED37形(ED29形)、ED60形、ED93形(ED77形)があった[6]。
転車台
作並駅にはかつて使用されていた転車台の遺構が残っている。この転車台は仙台から列車を牽引してきた蒸気機関車が向きを変えるための下路式転車台である[8]。下路式なのは、雨水の自然排水には限度があり深くできないことと、北側斜面の地山が近いため地盤が固く掘りにくいことが原因と考えられている[9]。長さは約18メートル、幅は3メートル、高さは4メートルである。鉄骨が錆びており、運転台が壊れている。それでも取り囲む円形軌条を含めばだいたい当時の形をとどめている[10]。1960年台後半、全線電化と蒸気機関車の廃止で、転車台は使われなくなり、作並駅では土砂に埋められていた。しかし2014年(平成26年)に、市民団体「関山街道フォーラム協議会」が委員会を設立し、同年3月にこれを掘り起こした[10]。JR仙山線には作並駅の他に山寺駅にも転車台の遺構がある。これは山形から来た機関車の向きを変えるものだった[8]。
年表
- 1931年(昭和6年)8月30日:開業[1]。
- 1969年(昭和44年)11月1日:ニッカウヰスキー専用線開設、これに伴い専用線発着車扱貨物の取扱開始。
- 1972年(昭和47年):出改札中止、運転要員のみ配置。
- 1980年(昭和55年)6月1日:貨物営業を中止。
- 1985年(昭和60年)3月14日:無人化。
- 1986年(昭和61年):簡易委託化。
- 1987年(昭和62年)4月1日:国鉄分割民営化により、東日本旅客鉄道の駅となる。
- 2008年(平成20年)3月:木造の新駅舎完成[11]。
- 2014年(平成26年)4月1日:ICカード「Suica」利用開始[12]。
駅構造
単式ホーム1面1線と島式ホーム1面2線、計2面3線のホームを有する地上駅。互いのホームは仙台方の構内踏切で連絡している。仙台方には、作並機関区の名残の機関庫があり、現在は保線基地として活用されている。また、転車台の遺構がある[10]、線路の南側に木造駅舎があり、出入口はこの一箇所である。ホームから駅舎への降り口に作並こけしの大きな模型と、交流電化発祥の碑がある。この石碑は当時の機関区長がコツコツと自作した物であるという[13][6]。
愛子駅管理の簡易委託駅(作並観光案内所受託)で、日中のみ案内所の係員が配置される。乗車駅証明書発行機、窓口(POS端末設置)、簡易Suica改札機設置。かつては急行「べにばな」の間合いで使われていた列車の夜間滞泊が設定されていた。
JRの特定都区市内制度における「仙台市内」の駅である。
のりば
番線 | 路線 | 方向 | 行先 |
---|---|---|---|
1 | ■仙山線 | 下り | 山形方面 |
2・3 | 上り | 仙台方面 |
(出典:JR東日本:駅構内図)
- 当駅始発は3番線を使用する。
-
ホーム側から見た新駅舎(2009年6月)
-
旧駅舎入口(2007年3月)
-
ホーム側から見た旧駅舎(2005年10月)
利用状況
JR東日本によると、2018年度(平成30年度)の1日平均乗車人員は186人である[利用客数 1]。1960年代前半が400人台でもっとも多かったが、1960年代後半から急激に減少し、1993年度には88人にまで落ち込んだ。翌年に233人になり、以後200人台 - 100人台で推移している。
近年の推移は以下のとおりである。
乗車人員等推移[14] | |||
---|---|---|---|
年度 | 1日平均 乗車人員 |
貨物発 | 貨物着 |
1957年(昭和32年) | 377 | 4.7t | 9.1t |
1960年(昭和35年) | 433 | 3.2t | 4.5t |
1970年(昭和45年) | 216 | 5t | 32t |
1980年(昭和55年) | 140 | 1t | 11t |
1990年(平成 | 2年)289 | ||
1999年(平成11年) | 251 | ||
2000年(平成12年) | 252[利用客数 2] | ||
2001年(平成13年) | 249[利用客数 3] | ||
2002年(平成14年) | 235[利用客数 4] | ||
2003年(平成15年) | 237[利用客数 5] | ||
2004年(平成16年) | 240[利用客数 6] | ||
2005年(平成17年) | 233[利用客数 7] | ||
2006年(平成18年) | 225[利用客数 8] | ||
2007年(平成19年) | 229[利用客数 9] | ||
2008年(平成20年) | 206[利用客数 10] | ||
2009年(平成21年) | 189[利用客数 11] | ||
2010年(平成22年) | 179[利用客数 12] | ||
2011年(平成23年) | 142[利用客数 13] | ||
2012年(平成24年) | 167[利用客数 14] | ||
2013年(平成25年) | 165[利用客数 15] | ||
2014年(平成26年) | 194[利用客数 16] | ||
2015年(平成27年) | 206[利用客数 17] | ||
2016年(平成28年) | 192[利用客数 18] | ||
2017年(平成29年) | 186[利用客数 19] | ||
2018年(平成30年) | 186[利用客数 1] |
- 1日平均乗車人員(単位:人/日)
駅周辺
駅の北は山で、駅前から南に、ごく短い宮城県道133号作並停車場線を経て、国道48号に通じる。周辺は作並地区の中心で、住宅が集まるが、商店街はない。
江戸時代に作並村の中心だった宿場は広瀬川沿いの上流方向にあった。作並温泉は、さらに上流、駅から北西へ約2キロメートル離れたところにある。
下流方向、東にめだつ山は、鎌倉山である。ゴリラ山の愛称は、この方面から見上げた稜線がゴリラの横顔に似ているためについた。山の麓を通り過ぎたところ、駅から東に約1.5キロメートルのところに、ニッカウヰスキー仙台工場(宮城峡蒸留所)がある。
バス路線
作並温泉へは、国道48号沿いに「作並駅前」停留所があり、仙台市営バス作並温泉行が1時間に1本運行。駅前の「作並駅」停留所からは、八ツ森、白沢車庫行のみ発車する。かつては作並駅バス停を経由しての作並温泉行も設定されていたが、旅館の送迎バスが列車発着時に運行しているために廃止になった。
隣の駅
脚注
記事本文
- ^ a b “JR作並駅 85周年イベント”. 交通新聞 (交通新聞社). (2016年9月1日)
- ^ a b 『宮城町誌』(本編)698頁。
- ^ 朝日新聞仙台支局・編『宮城風土記』第1巻、宝文堂、1984年、123頁。
- ^ 『仙台市史』通史編7(近代2)324-326頁。
- ^ 『宮城町誌』(本編)685-686頁。
- ^ a b c d 『東北の鉄道』271-272頁。
- ^ 『宮城町誌』(本編)688頁。
- ^ a b [仙山線パネル展 新幹線は仙山線から始まった]. p.2
- ^ [仙山線の魅力再発見]. p.69-70
- ^ a b c JR仙山線作並駅 転車台威容現す 市民グループが発掘 - 2014年5月4日河北新報
- ^ “<東仙台駅>築74年の木造駅舎お別れ”. 河北新報 ONLINE NEWS (河北新報社). (2015年9月9日). オリジナルの2016年3月23日時点におけるアーカイブ。 2016年3月23日閲覧。
- ^ Suica の一部サービスをご利用いただける駅が増えます - 2013年11月29日東日本旅客鉄道株式会社
- ^ 『宮城町誌』(本編)687頁。
- ^ 1957年から1964年までは『宮城町誌』本編701頁。
利用状況
- ^ a b “各駅の乗車人員(2018年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年7月18日閲覧。
- ^ “各駅の乗車人員(2000年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年2月18日閲覧。
- ^ “各駅の乗車人員(2001年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年2月18日閲覧。
- ^ “各駅の乗車人員(2002年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年2月18日閲覧。
- ^ “各駅の乗車人員(2003年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年2月18日閲覧。
- ^ “各駅の乗車人員(2004年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年2月18日閲覧。
- ^ “各駅の乗車人員(2005年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年2月18日閲覧。
- ^ “各駅の乗車人員(2006年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年2月18日閲覧。
- ^ “各駅の乗車人員(2007年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年2月18日閲覧。
- ^ “各駅の乗車人員(2008年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年2月18日閲覧。
- ^ “各駅の乗車人員(2009年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年2月18日閲覧。
- ^ “各駅の乗車人員(2010年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年2月18日閲覧。
- ^ “各駅の乗車人員(2011年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年2月18日閲覧。
- ^ “各駅の乗車人員(2012年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年2月18日閲覧。
- ^ “各駅の乗車人員(2013年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年2月18日閲覧。
- ^ “各駅の乗車人員(2014年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年2月18日閲覧。
- ^ “各駅の乗車人員(2015年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年2月18日閲覧。
- ^ “各駅の乗車人員(2016年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年2月18日閲覧。
- ^ “各駅の乗車人員(2017年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年2月18日閲覧。
参考文献
- 宮城町誌編纂委員会 『宮城町誌』本編、宮城町役場、1969年。
- 仙台市史編さん委員会 『仙台市史』通史編7(近代2) 仙台市、2009年。
- 高橋善三郎(著)、高橋和雄(編)、高橋ハルエ(発行) 『東北の鉄道』 1998年。
関連項目
外部リンク
- 駅の情報(作並駅):JR東日本