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{{Infobox baseball player
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|選手名 = 小川 一平
| 選手名 = 小川 一平
|所属球団 = 阪神タイガース
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|背番号 = 66
| 背番号 = 122
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| 画像説明 = 2021年10月10日、[[明治神宮野球場]]にて
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|初出場 = 2020年6月20日
| 初出場 = 2020年6月20日
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|年俸 = 950万円(2021年)<ref>{{Cite web|url=https://www.nikkansports.com/baseball/professional/koukai/team/koukai-tigers.html|title=阪神 - 契約更改 - プロ野球|publisher=日刊スポーツ|accessdate=2020-12-20}}</ref>
| 年俸 = 850万円(2025年)<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.nikkansports.com/baseball/professional/koukai/team/koukai-tigers.html |title=阪神 - 契約更改 - プロ野球 |publisher=日刊スポーツ |date= |accessdate=2024-11-19}}</ref>
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* [[神奈川県立横須賀工業高等学校]]
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'''小川 一平'''(おがわ いっぺい、[[1997年]][[6月3日]] - )は、[[阪神タイガース]]に所属する[[神奈川県]][[逗子市]]出身の[[プロ野球選手]]([[投手]])。右投右打。
'''小川 一平'''(おがわ いっぺい、[[1997年]][[6月3日]] - )は、[[神奈川県]][[逗子市]]出身の[[プロ野球選手]]([[投手]]・[[育成選手制度 (日本プロ野球)|育成選手]])。右投右打。[[阪神タイガース]]所属


== 経歴 ==
== 経歴 ==
=== プロ入り前 ===
=== プロ入り前 ===
[[逗子市立逗子小学校]]の2年時に「逗子オリーブス」で[[軟式野球]]を始めると、4年時から投手を務める<ref name="zushi191108">[https://zushi-hayama.keizai.biz/headline/257/ 阪神ドラフト6位指名でプロ野球入り 小川一平選手、 逗子市長に決意表明] 逗子葉山経済新聞 201911月8日</ref><ref name="number190629">[https://number.bunshun.jp/articles/-/839862 熊本で根を張るドラフト候補投手。2度続く苦難にも「運命は変えられる」。 - ドラフト会議] Number Web 2019年6月29</ref>。[[逗子市立逗子中学校]]への在学中には、校内の軟式野球部に所属していた<ref name="zushi191108" /><ref name="nishinippon191004">[https://www.nishinippon.co.jp/nsp/item/n/548369/ 熊本地震、けが乗り越えた「不屈の右腕」 東海大九州・小川 プロで恩返し] 西日本スポーツ 201910月4日</ref>。
[[逗子市立逗子小学校]]の2年時に「逗子オリーブス」で[[軟式野球]]を始めると、4年時から投手を務める<ref name="zushi191108">{{Cite web|和書|url=https://zushi-hayama.keizai.biz/headline/257/ |title=阪神ドラフト6位指名でプロ野球入り 小川一平選手、 逗子市長に決意表明 |publisher=逗子葉山経済新聞 |date=2019-11-08 |accessdate=2021-09-16}}</ref><ref name="number190629">{{Cite web|和書|url=https://number.bunshun.jp/articles/-/839862 |title=熊本で根を張るドラフト候補投手。2度続く苦難にも「運命は変えられる」。 - ドラフト会議 |publisher=Number Web |date=2019-06-29 |accessdate=2021-09-16}}</ref>。[[逗子市立逗子中学校]]在学中には、校内の軟式野球部に所属していた{{R|zushi191108}}<ref name="nishinippon191004">{{Cite web|和書|url=https://web.archive.org/web/20191109063249/https://www.nishinippon.co.jp/nsp/item/n/548369/ |title=熊本地震、けが乗り越えた「不屈の右腕」 東海大九州・小川 プロで恩返し |publisher=西日本スポーツ |date=2019-10-04 |accessdate=2021-09-16}}</ref>。


[[神奈川県立横須賀工業高等学校]]への進学後は、2年時の秋からエースの座をつかんだ<ref name="gate191016">[https://baseballgate.jp/p/788788/ 県2回戦投手からの成り上がりはまだまだ続く大型右腕 小川一平(東海大九州キャンパス)【時は来た!ドラフト指名を待つ男たち 大学生編】] BASEBALL GATE 20191016</ref>ものの、2年時の秋と3年時の春に相次いで故障。3年時夏の[[全国高等学校野球選手権神奈川大会|神奈川大会]]では1回戦で完投勝利を収めた<ref>[https://www.nikkansports.com/baseball/highschool/news/1506047.html 横須賀工・小川「目立ちたい」1失点完投/神奈川 - 高校野球] 日刊スポーツ 2015年7月12</ref>ものの、2回戦で敗れたため、在学中は[[甲子園の名がつく高校生大会一覧#高校野球(硬式)|甲子園球場の全国大会]]と縁がなかった<ref name="gate191016" />
[[神奈川県立横須賀工業高等学校]]進学後は、2年時の秋からエースの座をつかんだ<ref name="gate191016">{{Cite web|和書|url=https://baseballgate.jp/p/788788/ |title=県2回戦投手からの成り上がりはまだまだ続く大型右腕 小川一平(東海大九州キャンパス)【時は来た!ドラフト指名を待つ男たち 大学生編】 |publisher=BASEBALL GATE |date=2019-10-16 |accessdate=2021-09-16}}</ref>ものの、2年時の秋と3年時の春に相次ぎ、故障。3年時夏の[[全国高等学校野球選手権神奈川大会|神奈川大会]]では1回戦で完投勝利を収めた<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.nikkansports.com/baseball/highschool/news/1506047.html |title=横須賀工・小川「目立ちたい」1失点完投/神奈川 - 高校野球 |publisher=日刊スポーツ |date=2015-07-12 |accessdate=2021-09-16}}</ref>ものの、2回戦で敗れたため、在学中は[[甲子園の名がつく高校生大会一覧#高校野球(硬式)|甲子園球場の全国大会]]と縁がなかった{{R|gate191016}}


高校からの卒業後に[[熊本県]]の[[東海大学|東海大学九州キャンパス]]へ進学したが、入学直後の{{by|2016年}}4月に[[熊本地震 (2016年)|熊本地震]]で被災。一時は、避難生活や実家への帰省を余儀なくされた。チームもこの年に[[九州地区大学野球連盟|九州大学野球]]のリーグ戦出場を辞退した<ref name="number190629" /><ref name="gate191016" />が、2年の春季リーグ戦から出場を再開すると、主に[[クローザー]]として3勝をマーク。先発でも完投勝利を記録したほか、チームを11年りの[[全日本大学野球選手権]]出場に導いた<ref name="number190629" /><ref name="nishinippon191004" />。2年時の冬に大学日本代表候補の合宿に参加した<ref name="nishinippon191004" />が、先発へ本格的に転向した3年時の9月に腰痛を発症<ref name="sponichi191018">[https://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2019/10/18/kiji/20191018s00001173070000c.html 阪神6位は小川一平 指名唯一の大学生 球児の「投球術」継ぎ“火の国ストッパー”に] Sponichi Annex 20191018</ref>。4年時には、他の部員の不祥事によってチームが春季リーグ戦への出場を辞退した<ref name="number190629" /><ref name="gate191016" />ものの、秋季リーグ戦で敢闘賞を受賞した。
高校からの卒業後に[[熊本県]]の[[東海大学|東海大学九州キャンパス]]へ進学したが、入学直後の{{by|2016年}}4月に[[熊本地震 (2016年)|熊本地震]]で被災。一時は、避難生活や実家への帰省を余儀なくされた。チームもこの年に[[九州地区大学野球連盟|九州大学野球]]のリーグ戦出場を辞退{{R|number190629|gate191016}}が、2年の春季リーグ戦から出場を再開すると、主に[[抑え投手|クローザー]]として3勝を記録。先発でも完投勝利を記録したほか、チームを11年りの[[全日本大学野球選手権]]出場に導いた{{R|number190629|nishinippon191004}}。2年時の冬に大学日本代表候補の合宿に参加した{{R|nishinippon191004}}が、先発へ本格的に転向した3年時の9月に腰痛を発症<ref name="sponichi191018">{{Cite web|和書|url=https://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2019/10/18/kiji/20191018s00001173070000c.html |title=阪神6位は小川一平 指名唯一の大学生 球児の「投球術」継ぎ“火の国ストッパー”に |publisher=Sponichi Annex |date=2019-10-18 |accessdate=2021-09-16}}</ref>。4年時には、他の部員の不祥事により、チームが春季リーグ戦への出場を辞退{{R|number190629|gate191016}}ものの、秋季リーグ戦で敢闘賞を受賞した。


[[2019年度新人選手選択会議 (日本プロ野球)|2019年NPBドラフト会議]]で、[[阪神タイガース]]から6巡目指名<ref name="nikkan191028">[https://www.nikkansports.com/baseball/news/201910280000854.html 阪神6位小川「2球種で抑えられる」理想は山崎康晃] 日刊スポーツ 20191028 </ref>5巡目までの指名を高校生に絞っていた阪神に大学生の投手から唯一指名されたものの、契約金3,000万円、年俸700万円(金額は推定)という条件で入団した。担当スカウトは[[田中秀太]]<ref name="nikkan191114">[https://www.nikkansports.com/baseball/news/201911140000994.html 阪神6位小川一平、一平ちゃんの「CMこないかな」] 日刊スポーツ 20191114</ref>で、背番号は'''66'''<ref>[https://www.daily.co.jp/tigers/2019/12/02/0012925695.shtml 阪神入団会見 ドラフト1位西は背番号15 過去には御園生、湯舟も…] デイリースポーツ 201912月2日</ref>。
[[2019年度新人選手選択会議 (日本プロ野球)|2019年NPBドラフト会議]]にて[[阪神タイガース]]から6巡目指名<ref name="nikkan191028">{{Cite web|和書|url=https://www.nikkansports.com/baseball/news/201910280000854.html |title=阪神6位小川「2球種で抑えられる」理想は山崎康晃 |publisher=日刊スポーツ |date=2019-10-28 |accessdate=2021-09-16}}</ref>{{Efn2|5巡目までの指名を高校生に絞っていた阪神に大学生の投手から唯一指名された。}}を受け、契約金3,000万円、年俸700万円(金額は推定)という条件で入団{{R|nikkan191114}}。担当スカウトは[[田中秀太]]<ref name="nikkan191114">{{Cite web|和書|url=https://www.nikkansports.com/baseball/news/201911140000994.html |title=阪神6位小川一平、一平ちゃんの「CMこないかな」 |publisher=日刊スポーツ |date=2019-11-14 |accessdate=2021-09-16}}</ref>で、背番号は'''66'''<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.daily.co.jp/tigers/2019/12/02/0012925695.shtml |title=阪神入団会見 ドラフト1位西は背番号15 過去には御園生、湯舟も… |publisher=デイリースポーツ |date=2019-12-02 |accessdate=2021-09-16}}</ref>。


=== プロ入り後 ===
=== プロ入り後 ===
{{by|2020年}}には、二軍の春季キャンプを経て、[[オープン戦]]の後半から一軍に合流。合流後は対外試合に登板していなかったが、[[5月31日]]の紅白戦でストレートが自己最速の152km/hを記録したことから、一軍の[[セットアッパー]]候補として一躍注目された<ref name="nikkan200531">[https://www.nikkansports.com/baseball/news/202005310000315.html 阪神6位小川「もっと上を」最速152キロ1回0封] 日刊スポーツ 2020年5月31</ref>。その後の練習試合で他球団を相手に中継ぎの経験を積んだ<ref>[https://full-count.jp/2020/06/17/post802878/ 広島森下、DeNA坂本、阪神小川…練習試合でアピールした新人選手は?【セ・リーグ編】] FullCount 2020年6月17</ref>末に、新人選手からただ1人開幕一軍入りを達成<ref>
{{by|2020年}}シーズンには、二軍の春季キャンプを経て、[[オープン戦]]の後半から一軍に合流。合流後は対外試合に登板していなかったが、5月31日の紅白戦でストレートが自己最速の152km/hを記録したことから、一軍の[[セットアッパー]]候補として一躍注目された<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.nikkansports.com/baseball/news/202005310000315.html |title=阪神6位小川「もっと上を」最速152キロ1回0封 |publisher=日刊スポーツ |date=2020-05-31 |accessdate=2021-09-16}}</ref>。その後の練習試合で他球団を相手に中継ぎの経験を積んだ<ref>{{Cite web|和書|url=https://full-count.jp/2020/06/17/post802878/ |title=広島森下、DeNA坂本、阪神小川…練習試合でアピールした新人選手は?【セ・リーグ編】 |publisher=Full-Count |date=2020-06-17 |accessdate=2021-09-16}}</ref>末に、新人選手からただ1人開幕一軍入りを達成<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.nikkansports.com/baseball/news/202006180000379.html |title=2020年阪神開幕一軍メンバー公示/一覧 |publisher=日刊スポーツ |date=2020-06-18 |accessdate=2021-09-16}}</ref>。大学から直接阪神へ入団した新人投手が開幕戦で一軍登録されるのは、[[日本大学硬式野球部|日本大学]]から{{by|2000年}}に入団した[[吉野誠]]以来20年ぶりであった<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.nikkansports.com/baseball/news/202005250000672.html |title=阪神6位小川、20年ぶり大卒新人の開幕一軍へ決意 |publisher=日刊スポーツ |date=2020-06-18 |accessdate=2021-09-16}}</ref>{{Efn2|なお、登板日の関係から開幕戦での一軍登録とはなっていないが、2007年には[[小嶋達也]]が大卒ルーキーながら開幕ローテーション入りし、開幕3試合目で先発登板した例がある。}}。6月20日に、[[読売ジャイアンツ]]との開幕カード第2戦([[東京ドーム]])7回裏に救援で公式戦へデビュー。しかし、[[暴投]]や自身の[[失策]]などをきっかけに5点を失ったため、二死を取っただけで降板を命じられた<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.nikkansports.com/baseball/news/202006200000551.html |title=阪神小川ほろ苦いプロ初登板 暴投、失策など5失点 |publisher=日刊スポーツ |date=2020-06-18 |accessdate=2021-09-16}}</ref>。以降も一軍公式戦13試合に救援で登板したが、防御率が一時10点以上に達するなど投球内容が安定せず、勝敗が付かないまま8月17日付で出場選手登録を抹消された<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.nikkansports.com/baseball/news/202008170000825.html |title=阪神原口文仁、ドラフト6位小川一平が抹消/8月17日公示 |publisher=日刊スポーツ |date=2020-08-17 |accessdate=2021-09-16}}</ref>。この年限りで現役を引退する[[藤川球児]]から一軍帯同中に投げ方を教わった[[フォークボール]]を新たな武器<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.daily.co.jp/opinion-d/2020/08/19/0013615429.shtml |title=【野球】阪神・小川 球児直伝“新球”フォークで進化なるか |publisher=デイリースポーツ |date=2020-08-19 |accessdate=2021-09-16}}</ref>に、[[ウエスタン・リーグ]]公式戦5試合の登板で防御率1.50という成績を残したことから、9月3日に再び登録された<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.nikkansports.com/baseball/news/202009030000364.html |title=阪神6位小川一平一軍再合流「ゼロで抑える投球を」 |publisher=日刊スポーツ |date=2020-09-03 |accessdate=2021-09-16}}</ref>。
[https://www.nikkansports.com/baseball/news/202006180000379.html 2020年阪神開幕一軍メンバー公示/一覧]
日刊スポーツ 2020年6月18日</ref>。大学から直接阪神へ入団した新人投手の開幕一軍入りは、[[日本大学硬式野球部|日本大学]]から{{by|2000年}}に入団した[[吉野誠]]以来20年振りであった<ref>[https://www.nikkansports.com/baseball/news/202005250000672.html 阪神6位小川、20年ぶり大卒新人の開幕一軍へ決意]日刊スポーツ 2020年6月18日</ref>。[[6月20日]]に、[[読売ジャイアンツ]]との開幕カード第2戦([[東京ドーム]])7回裏に救援で公式戦へデビュー。しかし、[[暴投]]や自身の[[失策]]などをきっかけに5点を失ったため、2死を取っただけで降板を命じられた<ref>[https://www.nikkansports.com/baseball/news/202006200000551.html 阪神小川ほろ苦いプロ初登板 暴投、失策など5失点]日刊スポーツ 2020年6月18日</ref>。以降も一軍公式戦13試合に救援で登板したが、防御率が一時10点以上に達するなど投球内容が安定せず、勝敗が付かないまま[[8月17日]]付で出場選手登録を抹消された<ref>[https://www.nikkansports.com/baseball/news/202008170000825.html 阪神原口文仁、ドラフト6位小川一平が抹消/8月17日公示]日刊スポーツ 2020年8月17日</ref>。この年限りで現役を引退する[[藤川球児]]から一軍帯同中に投げ方を教わった[[フォークボール]]を新たな武器<ref>[https://www.daily.co.jp/opinion-d/2020/08/19/0013615429.shtml 【野球】阪神・小川 球児直伝“新球”フォークで進化なるか]デイリースポーツ 2020年8月19日</ref>に、[[ウエスタン・リーグ]]公式戦5試合の登板で防御率1.50という成績を残したことから、[[9月3日]]に再び登録<ref>[https://www.nikkansports.com/baseball/news/202009030000364.html 阪神6位小川一平一軍再合流「ゼロで抑える投球を」]日刊スポーツ 2020年9月3日</ref>。


{{by|2021年}}シーズンは初めて春季キャンプから一軍に帯同するも<ref>{{Cite web|和書|title=阪神 1軍キャンプメンバー42選手を発表 ドラ1佐藤輝ら新人6選手が沖縄スタート - スポニチ Sponichi Annex 野球|url=https://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2021/01/21/kiji/20210121s00001173234000c.html|website=スポニチ Sponichi Annex|accessdate=2021-11-09|language=ja}}</ref>、開幕一軍のメンバーからは外れることとなった<ref>{{Cite web|和書|title=「開幕一軍」の登録公示 阪神は佐藤輝ら新人3選手が一軍スタート | BASEBALL KING|url=https://baseballking.jp/ns/269230|website=BASEBALL KING|accessdate=2021-11-09|language=ja}}</ref>。6月8日に今季初登録されたが、登板機会のないまま同14日に再び登録を抹消された<ref>{{Cite web|和書|title=阪神・ガンケル、小川が出場選手登録を抹消 広島は大量7人を入れ替え/デイリースポーツ online|url=https://www.daily.co.jp/baseball/2021/06/14/0014415127.shtml|website=デイリースポーツ online|accessdate=2021-11-09|language=ja}}</ref>。その後、[[2021プロ野球エキシビションマッチ|エキシビションマッチ]]で好投するなどアピールを続け<ref>{{Cite web|和書|title=阪神・小川 1軍初先発で5回無失点と好投 後半戦へアピール - スポニチ Sponichi Annex 野球|url=https://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2021/07/30/kiji/20210730s00001173544000c.html|website=スポニチ Sponichi Annex|accessdate=2021-11-09|language=ja}}</ref>、8月22日に再昇格した<ref>{{Cite web|和書|title=阪神・小川が1軍に合流 中継ぎ要員として昇格の見込み - スポニチ Sponichi Annex 野球|url=https://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2021/08/22/kiji/20210822s00001173294000c.html|website=スポニチ Sponichi Annex|accessdate=2021-11-09|language=ja}}</ref>。再昇格後は安定した投球を続け、[[岩貞祐太]]の不調により空席となっていた7回のマウンドをサウスポーの[[及川雅貴]]と共に担うようになった。9月8日の対[[東京ヤクルトスワローズ]]戦([[阪神甲子園球場]])の登板では、同点の場面でリリーフした直後の攻撃でチームが勝ち越したことでプロ初勝利を挙げた<ref name="daily20210914">{{Cite web|和書|url=https://www.daily.co.jp/tigers/2021/09/14/0014676635.shtml |title=阪神・小川 強気で六回の男「自分の球は打たれない気持ちで」七回の男・及川の座狙う |publisher=デイリースポーツ |date=2021-09-14 |accessdate=2021-09-14}}</ref>。その後は[[2021年のセントラル・リーグクライマックスシリーズ|クライマックスシリーズ]]まで一軍に帯同し続けた(CSでは登板なし)。
== 選手としての特徴・人物 ==
長身から投げ下ろす最速152km/hのストレート<ref name="nikkan200531" />と、「パワーチェンジ」と自称する力強い[[チェンジアップ]]が武器<ref name="nikkan191028" />。[[スライダー (球種)|スライダー]]、[[カット・ファスト・ボール|カットボール]]などの[[変化球]]を織り交ぜている<ref>[https://real-sports.jp/page/articles/313546799644148893 ドラフトは佐々木、奥川だけじゃない! 知られざる隠れ指名候補4選手に刮目せよ!] REAL SPORTS 20191014日</ref>。


{{by|2022年}}シーズンは、開幕ローテーション入りを確実としていた[[ジョー・ガンケル]]の調整が遅れたことによりオープン戦中盤から先発調整を始め、プロ入り3年目にして初の開幕ローテーション入りを果たした<ref>{{Cite web|和書|title=阪神小川一平が初のローテ入り「落ち着いてきた」矢野監督 開幕第2戦で公式戦初先発へ - プロ野球 : 日刊スポーツ |url=https://www.nikkansports.com/baseball/news/202203190001472.html |website=nikkansports.com |access-date=2022-04-16 |language=ja}}</ref>。その後再び中継ぎに配置転換となった<ref>{{Cite web|和書|title=中継ぎへ配置転換となった阪神・小川がピンチしのぎ1回無失点「与えられた場面で頑張る」/デイリースポーツ online |url=https://www.daily.co.jp/tigers/2022/04/08/0015203902.shtml |website=デイリースポーツ online |access-date=2022-04-16 |language=ja}}</ref>が、4月13日の対[[中日ドラゴンズ]]戦([[ナゴヤドーム|バンテリンドームナゴヤ]])に先発を予定していた[[伊藤将司]]が試合当日に[[新型コロナウイルス]]陽性と診断されたことにより急遽代役として先発登板し、5回を2安打無失点に抑えた(勝ち負け付かず)<ref>{{Cite web|和書|title=【阪神】急きょ先発の小川一平5回途中無失点 伊藤将と藤浪2人の先発が離脱した窮地で奮闘光る - プロ野球 : 日刊スポーツ |url=https://www.nikkansports.com/baseball/news/202204130001342.html |website=nikkansports.com |access-date=2022-04-16 |language=ja}}</ref>。その後再び先発ローテーションに復帰したものの、同月25日に右肘の張りを訴え登録を抹消された<ref>{{Cite web|和書|title=【阪神】苦境支えた小川一平まさかの抹消、代役候補に秋山、村上ら 回復気配チームに逆風 - プロ野球 : 日刊スポーツ |url=https://www.nikkansports.com/baseball/news/202204250001092.html |website=nikkansports.com |access-date=2022-07-01 |language=ja}}</ref>。7月に実戦復帰し、二軍での登板を続けていたが、10月の[[フェニックス・リーグ]]で右肘の張りが再発し、シーズン終了後の12月16日、右肘[[関節鏡]]視下手術および[[尺骨神経]]前方移行術を受けたことが球団から発表された<ref>{{Cite web|和書|title=【阪神】小川一平が右肘手術「不安を取り除くために」 |url=https://hochi.news/articles/20221216-OHT1T51134.html |website=スポーツ報知 |date=2022-12-16 |access-date=2022-12-16 |language=ja}}</ref>。
ニックネームは、自身と同じ名前をブランド名に使用する[[明星食品]]のカップ麺シリーズにちなんで「[[一平ちゃん]]」。阪神入団後の報道でも、「虎の一平ちゃん」というフレーズが使われている。実際には、大学生時代に2週間に1回のペースで「一平ちゃん」のカップ焼きそばを食べていたとのことで、阪神と仮契約を結んだ際には「一平ちゃん」のテレビCMに出演することを目標に挙げていた<ref name="nikkan191114" /><ref>[https://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2020/06/01/kiji/20200601s00001173076000c.html “虎の一平ちゃん”阪神・小川 自己最速更新の152キロで1回無失点 本家に負けじ“濃厚”なアピール]スポーツニッポン 2020年6月1日</ref>。


{{by|2023年}}シーズンは、2月の春季キャンプでキャッチボールができるまでに回復。キャンプ中にブルペン入りするまでには至らなかったものの、6月には打撃投手を務め<ref>{{Cite news|和書|title=「チームの戦力になりたい」―。復活に向けて順調な「一平ちゃん」こと小川一平(阪神タイガース)|author=土井麻由実|newspaper=Yahoo!ニュース|date=2023-06-26|url=https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/930e2d039feb7b7b038ac57e84f4dfd440384749|accessdate=2023-11-16}}</ref>、7月2日の[[ウエスタン・リーグ]]戦で実戦復帰を果たし、最速149km/hを計測した<ref>{{Cite news|和書|title=阪神2軍・小川が実戦復帰で1回3人斬り 最速149キロをマーク 昨年12月に右肘手術|newspaper=デイリースポーツ online|date=2023-07-02|url=https://www.daily.co.jp/tigers/2023/07/02/0016541270.shtml|accessdate=2023-11-16}}</ref>。しかし、シーズン中に一軍に上がることはなく、9月28日、右肘内側側副靭帯再建術([[トミー・ジョン手術]])を受けたことが球団から発表された<ref>{{Cite news|和書|title=阪神4年目右腕・小川が右ひじ手術 今季ここまで1軍登板なし|newspaper=Sponichi Annex|date=2023-09-28|url=https://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2023/09/28/kiji/20230928s00001173242000c.html|accessdate=2023-11-16}}</ref>。オフの11月16日、契約更改交渉にて、来季は[[育成選手制度 (日本プロ野球)|育成選手]]として契約することに合意し、推定年俸は300万円減の1000万円でサインした。背番号は'''122'''<ref>{{Cite news|和書|title=阪神・小川一平が育成契約に 9月に右肘トミー・ジョン手術 実戦復帰は来年9月メド|newspaper=デイリースポーツ online|date=2023-11-16|url=https://www.daily.co.jp/tigers/2023/11/16/0017033631.shtml|accessdate=2023-11-16}}</ref>。
大学1年時に熊本地震で被災した直後の帰省中には、[[渋谷]]のスクランブル交差点で、被災地への義援金を募る活動に参加していた<ref>[https://www.nikkansports.com/baseball/column/baseballcountry/news/201910160000276.html 隠し玉キラリ NTT東日本・保坂、東海大九州・小川 - 野球の国から - 野球コラム] 日刊スポーツ 20191017</ref>。


== 選手としての特徴 ==
[[藤川球児]]から直伝された[[フォークボール]]も持っているという<ref>{{Cite web|url=https://www.nikkansports.com/baseball/news/202011140001272.html|title=阪神2軍小川0封2K!球児直伝フォークも近日公開|publisher=日刊スポーツ|date=2020-11-14|accessdate=2020-11-27}}</ref>。
長身から投げ下ろす最速153km/hのストレート<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.nikkansports.com/baseball/news/202108240001205.html |title=阪神小川一平が今季初1軍で最速153キロ無失点、9回締めた |publisher=日刊スポーツ |date=2021-08-24 |accessdate=2021-09-19}}</ref>と、「パワーチェンジ」と自称する力強い[[チェンジアップ]]が武器{{R|nikkan191028}}。[[スライダー (球種)|スライダー]]、[[カット・ファスト・ボール|カットボール]]などの[[変化球]]を織り交ぜている<ref>{{Cite web|和書|url=https://real-sports.jp/page/articles/313546799644148893 |title=ドラフトは佐々木、奥川だけじゃない! 知られざる隠れ指名候補4選手に刮目せよ! |publisher=REAL SPORTS |date=2019-10-14 |accessdate=2021-09-16}}</ref>。[[藤川球児]]から直伝された[[フォークボール]]も持っているという<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.nikkansports.com/baseball/news/202011140001272.html |title=阪神2軍小川0封2K!球児直伝フォークも近公開 |publisher=日刊スポーツ |date=2020-11-14 |accessdate=2020-11-27}}</ref>。

== 人物 ==
ニックネームは、自身と同じ名前をブランド名に使用する[[明星食品]]のカップ麺シリーズにちなんで「'''[[一平ちゃん]]'''」。阪神入団後の報道でも、「虎の一平ちゃん」というフレーズが使われている。実際には、大学生時代に2週間に1回のペースで「一平ちゃん」のカップ焼きそばを食べていたとのことで、阪神と仮契約を結んだ際には「一平ちゃん」のテレビCMに出演することを目標に挙げていた{{R|nikkan191114}}<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2020/06/01/kiji/20200601s00001173076000c.html |title=“虎の一平ちゃん”阪神・小川 自己最速更新の152キロで1回無失点 本家に負けじ“濃厚”なアピール |publisher=スポーツニッポン |date=2020-06-01 |accessdate=2021-09-16}}</ref>。

大学1年時に熊本地震で被災した直後の帰省中には、[[渋谷]]のスクランブル交差点で、被災地への義援金を募る活動に参加していた<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.nikkansports.com/baseball/column/baseballcountry/news/201910160000276.html |title=隠し玉キラリ NTT東日本・保坂、東海大九州・小川 - 野球の国から - 野球コラム |publisher=日刊スポーツ |date=2019-10-17 |accessdate=2021-09-16}}</ref>。


== 詳細情報 ==
== 詳細情報 ==
=== 年度別投手成績 ===
=== 年度別投手成績 ===
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|}
* 2020年度シーズン終了時
* 2024年度シーズン終了時

=== 年度別守備成績 ===
=== 年度別守備成績 ===
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!colspan="2"|通算
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* 2020年度シーズン終了時
* 2024年度シーズン終了時

=== 記録 ===
=== 記録 ===
; 初記録
;; 投手記録
* 初登板:2020年6月20日、対[[読売ジャイアンツ]]2回戦([[東京ドーム]])、7回裏に2番手で救援登板、2/3回 5失点(自責1)
* 初登板:2020年6月20日、対[[読売ジャイアンツ]]2回戦([[東京ドーム]])、7回裏に2番手で救援登板、2/3回 5失点(自責1)
* 初奪三振:同上、7回裏に[[吉川尚輝]]から空振り三振
* 初奪三振:同上、7回裏に[[吉川尚輝]]から空振り三振
* 初ホールド:2021年8月31日、対[[中日ドラゴンズ]]15回戦([[阪神甲子園球場]])、6回表に2番手で救援登板、1回無失点
* 初勝利:2021年9月8日、対[[東京ヤクルトスワローズ]]17回戦(阪神甲子園球場)、6回表に2番手で救援登板、1回無失点
* 初先発登板:2022年3月26日、対東京ヤクルトスワローズ2回戦([[大阪ドーム|京セラドーム大阪]])、5回2/3を4失点で敗戦投手
;; 打撃記録
* 初打席:2022年3月26日、対東京ヤクルトスワローズ2回戦(京セラドーム大阪)、3回裏に[[高橋奎二]]から見逃し三振

=== 背番号 ===
=== 背番号 ===
* '''66''' (2020年 - )
* '''66'''(2020年 - 2023年
* '''122'''(2024年 - )

=== 登場曲 ===
=== 登場曲 ===
* 「ハレルヤ!!!!」 - [[GReeeeN]] (2020年 -
* 「ハレルヤ!!!!」[[GReeeeN]](2020年)
* 「Believer」[[イマジン・ドラゴンズ|Imagine Dragons]](2021年 - )
<!--=== 代表歴 ===-->


== 脚注 ==
== 脚注 ==
=== 注釈 ===
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=== 出典 ===
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== 関連項目 ==
== 関連項目 ==
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== 外部リンク ==
== 外部リンク ==
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2024年11月23日 (土) 08:04時点における最新版

小川 一平
阪神タイガース #122
2021年10月10日、明治神宮野球場にて
基本情報
国籍 日本の旗 日本
出身地 神奈川県逗子市
生年月日 (1997-06-03) 1997年6月3日(27歳)
身長
体重
183 cm
80 kg
選手情報
投球・打席 右投右打
ポジション 投手
プロ入り 2019年 ドラフト6位
初出場 2020年6月20日
年俸 850万円(2025年)[1]
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)

小川 一平(おがわ いっぺい、1997年6月3日 - )は、神奈川県逗子市出身のプロ野球選手投手育成選手)。右投右打。阪神タイガース所属。

経歴

[編集]

プロ入り前

[編集]

逗子市立逗子小学校の2年時に「逗子オリーブス」で軟式野球を始めると、4年時から投手を務める[2][3]逗子市立逗子中学校在学中には、校内の軟式野球部に所属していた[2][4]

神奈川県立横須賀工業高等学校進学後は、2年時の秋からエースの座をつかんだ[5]ものの、2年時の秋と3年時の春に相次ぎ、故障。3年時夏の神奈川大会では1回戦で完投勝利を収めた[6]ものの、2回戦で敗れたため、在学中は甲子園球場の全国大会と縁がなかった[5]

高校からの卒業後に熊本県東海大学九州キャンパスへ進学したが、入学直後の2016年4月に熊本地震で被災。一時は、避難生活や実家への帰省を余儀なくされた。チームもこの年に九州大学野球のリーグ戦出場を辞退[3][5]が、2年の春季リーグ戦から出場を再開すると、主にクローザーとして3勝を記録。先発でも完投勝利を記録したほか、チームを11年ぶりの全日本大学野球選手権出場に導いた[3][4]。2年時の冬に大学日本代表候補の合宿に参加した[4]が、先発へ本格的に転向した3年時の9月に腰痛を発症[7]。4年時には、他の部員の不祥事により、チームが春季リーグ戦への出場を辞退[3][5]ものの、秋季リーグ戦で敢闘賞を受賞した。

2019年度NPBドラフト会議にて阪神タイガースから6巡目指名[8][注 1]を受け、契約金3,000万円、年俸700万円(金額は推定)という条件で入団[9]。担当スカウトは田中秀太[9]で、背番号は66[10]

プロ入り後

[編集]

2020年シーズンには、二軍の春季キャンプを経て、オープン戦の後半から一軍に合流。合流後は対外試合に登板していなかったが、5月31日の紅白戦でストレートが自己最速の152km/hを記録したことから、一軍のセットアッパー候補として一躍注目された[11]。その後の練習試合で他球団を相手に中継ぎの経験を積んだ[12]末に、新人選手からただ1人開幕一軍入りを達成[13]。大学から直接阪神へ入団した新人投手が開幕戦で一軍登録されるのは、日本大学から2000年に入団した吉野誠以来20年ぶりであった[14][注 2]。6月20日に、読売ジャイアンツとの開幕カード第2戦(東京ドーム)7回裏に救援で公式戦へデビュー。しかし、暴投や自身の失策などをきっかけに5点を失ったため、二死を取っただけで降板を命じられた[15]。以降も一軍公式戦13試合に救援で登板したが、防御率が一時10点以上に達するなど投球内容が安定せず、勝敗が付かないまま8月17日付で出場選手登録を抹消された[16]。この年限りで現役を引退する藤川球児から一軍帯同中に投げ方を教わったフォークボールを新たな武器[17]に、ウエスタン・リーグ公式戦5試合の登板で防御率1.50という成績を残したことから、9月3日に再び登録された[18]

2021年シーズンは初めて春季キャンプから一軍に帯同するも[19]、開幕一軍のメンバーからは外れることとなった[20]。6月8日に今季初登録されたが、登板機会のないまま同14日に再び登録を抹消された[21]。その後、エキシビションマッチで好投するなどアピールを続け[22]、8月22日に再昇格した[23]。再昇格後は安定した投球を続け、岩貞祐太の不調により空席となっていた7回のマウンドをサウスポーの及川雅貴と共に担うようになった。9月8日の対東京ヤクルトスワローズ戦(阪神甲子園球場)の登板では、同点の場面でリリーフした直後の攻撃でチームが勝ち越したことでプロ初勝利を挙げた[24]。その後はクライマックスシリーズまで一軍に帯同し続けた(CSでは登板なし)。

2022年シーズンは、開幕ローテーション入りを確実としていたジョー・ガンケルの調整が遅れたことによりオープン戦中盤から先発調整を始め、プロ入り3年目にして初の開幕ローテーション入りを果たした[25]。その後再び中継ぎに配置転換となった[26]が、4月13日の対中日ドラゴンズ戦(バンテリンドームナゴヤ)に先発を予定していた伊藤将司が試合当日に新型コロナウイルス陽性と診断されたことにより急遽代役として先発登板し、5回を2安打無失点に抑えた(勝ち負け付かず)[27]。その後再び先発ローテーションに復帰したものの、同月25日に右肘の張りを訴え登録を抹消された[28]。7月に実戦復帰し、二軍での登板を続けていたが、10月のフェニックス・リーグで右肘の張りが再発し、シーズン終了後の12月16日、右肘関節鏡視下手術および尺骨神経前方移行術を受けたことが球団から発表された[29]

2023年シーズンは、2月の春季キャンプでキャッチボールができるまでに回復。キャンプ中にブルペン入りするまでには至らなかったものの、6月には打撃投手を務め[30]、7月2日のウエスタン・リーグ戦で実戦復帰を果たし、最速149km/hを計測した[31]。しかし、シーズン中に一軍に上がることはなく、9月28日、右肘内側側副靭帯再建術(トミー・ジョン手術)を受けたことが球団から発表された[32]。オフの11月16日、契約更改交渉にて、来季は育成選手として契約することに合意し、推定年俸は300万円減の1000万円でサインした。背番号は122[33]

選手としての特徴

[編集]

長身から投げ下ろす最速153km/hのストレート[34]と、「パワーチェンジ」と自称する力強いチェンジアップが武器[8]スライダーカットボールなどの変化球を織り交ぜている[35]藤川球児から直伝されたフォークボールも持っているという[36]

人物

[編集]

ニックネームは、自身と同じ名前をブランド名に使用する明星食品のカップ麺シリーズにちなんで「一平ちゃん」。阪神入団後の報道でも、「虎の一平ちゃん」というフレーズが使われている。実際には、大学生時代に2週間に1回のペースで「一平ちゃん」のカップ焼きそばを食べていたとのことで、阪神と仮契約を結んだ際には「一平ちゃん」のテレビCMに出演することを目標に挙げていた[9][37]

大学1年時に熊本地震で被災した直後の帰省中には、渋谷のスクランブル交差点で、被災地への義援金を募る活動に参加していた[38]

詳細情報

[編集]

年度別投手成績

[編集]




















































W
H
I
P
2020 阪神 21 0 0 0 0 0 0 0 0 ---- 101 21.0 28 1 13 2 0 18 5 0 15 11 4.71 1.95
2021 19 0 0 0 0 1 0 0 2 1.000 83 21.1 15 2 7 0 0 19 0 0 7 7 2.95 1.03
2022 6 4 0 0 0 0 2 0 0 .000 100 24.2 16 3 9 2 3 22 1 0 12 12 4.38 1.01
通算:3年 46 4 0 0 0 1 2 0 2 .333 284 67.0 59 6 29 4 3 59 6 0 34 30 4.03 1.31
  • 2024年度シーズン終了時

年度別守備成績

[編集]


投手












2020 阪神 21 0 4 1 0 .800
2021 19 0 4 0 0 1.000
2022 6 1 5 0 0 1.000
通算 46 1 13 1 0 .933
  • 2024年度シーズン終了時

記録

[編集]
初記録
投手記録
打撃記録
  • 初打席:2022年3月26日、対東京ヤクルトスワローズ2回戦(京セラドーム大阪)、3回裏に高橋奎二から見逃し三振

背番号

[編集]
  • 66(2020年 - 2023年)
  • 122(2024年 - )

登場曲

[編集]

脚注

[編集]

注釈

[編集]
  1. ^ 5巡目までの指名を高校生に絞っていた阪神に大学生の投手から唯一指名された。
  2. ^ なお、登板日の関係から開幕戦での一軍登録とはなっていないが、2007年には小嶋達也が大卒ルーキーながら開幕ローテーション入りし、開幕3試合目で先発登板した例がある。

出典

[編集]
  1. ^ 阪神 - 契約更改 - プロ野球”. 日刊スポーツ. 2024年11月19日閲覧。
  2. ^ a b 阪神ドラフト6位指名でプロ野球入り 小川一平選手、 逗子市長に決意表明”. 逗子葉山経済新聞 (2019年11月8日). 2021年9月16日閲覧。
  3. ^ a b c d 熊本で根を張るドラフト候補投手。2度続く苦難にも「運命は変えられる」。 - ドラフト会議”. Number Web (2019年6月29日). 2021年9月16日閲覧。
  4. ^ a b c 熊本地震、けが乗り越えた「不屈の右腕」 東海大九州・小川 プロで恩返し”. 西日本スポーツ (2019年10月4日). 2021年9月16日閲覧。
  5. ^ a b c d 県2回戦投手からの成り上がりはまだまだ続く大型右腕 小川一平(東海大九州キャンパス)【時は来た!ドラフト指名を待つ男たち 大学生編】”. BASEBALL GATE (2019年10月16日). 2021年9月16日閲覧。
  6. ^ 横須賀工・小川「目立ちたい」1失点完投/神奈川 - 高校野球”. 日刊スポーツ (2015年7月12日). 2021年9月16日閲覧。
  7. ^ 阪神6位は小川一平 指名唯一の大学生 球児の「投球術」継ぎ“火の国ストッパー”に”. Sponichi Annex (2019年10月18日). 2021年9月16日閲覧。
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関連項目

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外部リンク

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