「Mac (コンピュータ)」の版間の差分
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Macintoshは、アップルの創業者の一人、[[スティーブ・ジョブズ]]の陣頭指揮のもとに開発された。ジョブズの思想や夢、感性が設計思想に盛り込まれ、直感的で視覚的な操作[[インタフェース (情報技術)|インタフェース]]、画面に表示される文字[[フォント]]の細やかさや美しさ、画面上に表示される図像の精度、筺体の美しさなどが重視されている([[#歴史]])。 |
Macintoshは、アップルの創業者の一人、[[スティーブ・ジョブズ]]の陣頭指揮のもとに開発された。ジョブズの思想や夢、感性が設計思想に盛り込まれ、直感的で視覚的な操作[[インタフェース (情報技術)|インタフェース]]、画面に表示される文字[[フォント]]の細やかさや美しさ、画面上に表示される図像の精度、筺体の美しさなどが重視されている([[#歴史]])。 |
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2021年5月20日 (木) 10:48時点における版
Macintosh(マッキントッシュ)は、Appleが開発および販売を行っているパーソナルコンピュータである。通称・略称は、Mac(マック)。
Macintoshは、アップルの創業者の一人、スティーブ・ジョブズの陣頭指揮のもとに開発された。ジョブズの思想や夢、感性が設計思想に盛り込まれ、直感的で視覚的な操作インタフェース、画面に表示される文字フォントの細やかさや美しさ、画面上に表示される図像の精度、筺体の美しさなどが重視されている(#歴史)。
このような特徴から、MacintoshはDTPの道を切り開き一般化させた。そのうえで、各時代のデザイン関連の先端のソフトウェアを動かせる(かつては唯一の)プラットフォームとなった。現在でもグラフィックデザイン、イラストレーション、Webデザイン、書籍・雑誌などの組版業務で主流のプラットフォームである。
デザインや組版に限らず、広く「表現」にかかわるアーティストの多くがプラットフォームにMacintoshを使用し高く評価した。それにより、音楽(デジタルミュージック、DAW)、映像(ノンリニア編集、VFX)等でも使われ続けている。
OS「macOS」は正式なUNIXである。このことにより、入手しやすい市販のコンピュータでありながら、UNIX・Linux系のソフトウェアがすんなり走るプラットフォームとして重宝されている。理学、工学などの科学・エンジニアリングの分野や、物理学、天体物理学などの研究室で世界的に採用されている。アメリカ合衆国では初等教育から高等教育などでも広く採用されている。
歴史
Macintoshの歴史を遡ると、そもそも1970年代後半、アップルの社内には複数の開発チームがあり、互いに競い合うようにして開発を行っていた。とある開発チームにジェフ・ラスキンがおり、そのチームのリーダーが、あるとき他のチームから移ってきたスティーブ・ジョブズになり、ジョブズが指揮をとることにより、プロジェクトの方向性が大きく変わったことから始まる。
- 「Macintosh」という名称を思いついた人物:ラスキン
1979年、社内開発チームのひとつ「Annie アニー」にいたジェフ・ラスキン (Jef Raskin) が、当時の会長であるマイク・マークラに自分が好きなリンゴの品種名から着想して綴りを変えた名称の「Macintosh」という製品のアイデアを話した。本来の林檎の品種ではMcIntoshの綴りだが、主に同名のオーディオ製品と区別するために「Mc」の間に「a」を入れたことによって現在もそのまま用いられている[1]。この名称がやがてプロジェクト名にもなっていったわけだが、とはいえ、ジェフ・ラスキンの思い描いていた「Macintosh」の設計案は、現在知られる「Macintosh」とは、基本的なコンセプトが大きく異なっており、テキストベースのインターフェースを持つマシン(ラスキンがアップル退社後に開発したキヤノン・キャットに似たマシン)として構想されていた[2]。(ラスキンの思い描いていたコンピュータというのは極端に低価格指向で、価格は1000ドル以下を想定し、その極端な低価格を実現するためにCPUは低性能のMC6809(8ビットCPU)で済ませ、5インチディスプレイ、というもので、インタフェースに関しても、上述したように「テキストベース」でありグラフィカルインターフェースを備えないもので、その後ジョブズが指揮をとり発売されることになったMacintoshとは別物である。[3])
- スティーブ・ジョブズのチーム参入、指揮権取得、開発方針決定
発売され、世に知られることになったMacintoshの設計を決定したのはスティーブ・ジョブズである。
そのころ、社内の別の開発チームに「Lisa・プロジェクト」というものがあったが、これは創業者のスティーブ・ジョブズが陣頭指揮をとっていたもので、Lisaというのは、ジョブズが1979年にゼロックスのPARCを訪問した際に出会ったGUI、つまりアラン・ケイらが構築した暫定Dynabook環境(Smalltalk-76をGUI OSとして動作するAlto)のGUI、に似たものを実現したものであり、つまり「重なり合う多数のウィンドウ」、「(コマンドラインではなく)メニュー方式の操作」を実現したものだった。だがLisaは、スペックが当時としては高すぎ価格設定も1万ドル弱となってしまった結果、市場の反応はひどく鈍く商業的には失敗してしまい、プロジェクトは行き詰まりを見せ、ジョブズは同プロジェクトから外され、そのかわりにジョブズは「Macintosh」という名がついたプロジェクトチームに合流することになった。ジョブズは、後から合流したにもかかわらず、そのチームのリーダーとなっていった。こうしてジョブズが指揮権を持ったことによって、ジョブズによってMacintoshプロジェクトは、ラスキンの思い描いていた「個人でも買え世間にあまねく普及するコンパクトなコンピュータ」という路線を全否定することで、いわば「Lisaの廉価版」「Lisaの改良版」を開発する場へとなっていった。ジョブズにとってはこのチームは「Lisaプロジェクトから追放された意趣返しの場」になった、と言っても良い)、その結果、Lisaの良いところ、つまりSmalltalkのGUIの特徴(オーバーラップするウインドウ、メニュー中心のマウスを使った操作、マルチフォント等)を借用し、(ゼロックスが一足先に製品化したStarの特徴である)アイコンによるファイル操作もそなえ、辛うじて個人でも購入できる程度に価格が抑えられたコンピュータ、つまり世の人々が知ることになったMacintoshが創り上げられていったのである。
1984年1月24日に初代Macintoshが発売された。発売当時の価格は2495ドルであった。初代MacintoshではOSや基本的なアプリケーションがすべてROMに収容されていたため、メモリーやストレージの負担が小さく128kBのメモリーで多くの業務が可能であった。しかし一般的なアプリケーションではメモリーがまったく不足しており、フロッピーディスクをたびたび入れ替える必要があるなど実用性に問題があった。また、回復不能なシステムエラーが発生した時には爆弾マークが表示される[4] が、これは初代Macintoshから存在していた。
Macintoshが実用に耐えるマシンとなったのは、翌年の1985年、512KBのメモリを搭載して発売されたFat Macと呼ばれた改良版のMacintosh 512Kである。途中からフロッピーディスクドライブは片面400kBから両面800kBのものになった。また RS-422経由でLaserWriterに接続可能となった。
時を同じくしてページレイアウトソフトウェアAldus PageMakerがリリースされた。PageMakerはアドビが開発したページ記述言語PostScriptを搭載し、コンピュータとプリンターの組み合わせが変わっても出力結果を維持するという環境を初めて実現、DTPの世界を切り拓いた。またこの時期、マイクロソフトからはMacintosh専用ソフトウェアとしてMicrosoft Excelがリリースされ、GUIに特化した優れた操作性と機能性によりベストセラーとなった。Macintoshは、512Kモデルの登場とDTPの波、 そしてExcelなどのビジネス用ソフトの充実とハードディスクドライブの普及があいまったことにより、ビジネスでの新たなニーズの掘り起こしに成功し、オフィス環境への大量導入が始まったのである。
その後メインメモリーが1024kBとなり、SCSIポートを装備したMacintosh Plusが1986年に発売された。このころからSCSI接続のハードディスクを使って大規模なアプリケーションとデータを扱うことが一般的になった。
1987年には20MBのハードディスクを内蔵し一個の拡張スロットPDSを装備したMacintosh SEが発売された。また同時にディスプレー分離型で6つの拡張スロット NuBusを装備したMacintosh IIが発売され、デザイン用途やサーバーなどの大規模なアプリケーションに使われるようになった。
現在ではディスプレー一体型のiMac、ディスプレー分離型のMac miniとMac Pro、ノートブック形態のMacBookに進化している。
ソフトウェア
Macintosh II と Macintosh SE が発売された1987年、アップルは、ハイパーカードとマルチファインダーを初公開している。マルチファインダーは、協調的マルチタスク(Cooperative multitasking) のマルチタスク環境であるため、アプリケーション(例えばマックドローとマックライト)が互いにCPUサイクルを譲り合うことでマルチタスク環境を実現していた。その時点の OS である System Software 5 は一度に単一のアプリケーションしか動作させることが出来ず、マルチファインダーは偉大なる進歩と言えた。マルチファインダーが標準機能として取り込まれるまでには System Software 7 まで待つ必要があった。
2001年には、ジョブズの判断でオペレーティングシステム (OS) をNeXT[5] の技術を用いてUNIX・Linuxベースの「macOS」(旧Mac OS X)へと移行した。これによりUnix系ソフトウェアも容易に移植できるプラットフォームとなった(Mac OS X v10.5からは正式なUNIXとなった[6])。実際に移植されたソフトウェアの例にMathematica等が挙げられる。
さらに、アップルは、Final Cutの買収と発売[7][8] 以降、映像関係のアプリケーションをリリースして映像業界の市場を開拓した。
印刷・出版・デザイン・音楽関係などの古くからのユーザの多くは Mac OS 9以前のバージョンのOSを使用し続けていたが、現在ではそれらの業種でもmacOSが主流になっている。
CPU
CPUには発売以来モトローラ製のMC68000系が採用されていた。1994年にはIBM・モトローラとともにPowerPCを共同開発してMC68000系から切り替えた。
2006年からはインテルのIA-32やIntel 64ベースのCPUと旧来のPC/ATハードウェアでは違うUEFIでブートするハードウェアを持つようになった。Intel Macに対応するMac OS X v10.4以降は、Mac OS 9.2.2以前のソフトウェアの実行環境(Classic環境)が廃止され、Mac OS 9.2.2以前用のソフトウェアが動作しなくなった。Mac OS X Lion以降では、インテル対応ソフトウェアのみが動作するようになった。インテル搭載機ではBoot Campを使い、Windowsを別途購入してインストールすれば、macOSとWindowsを切り替えて利用することができる[注 1]。
2020年にはMacintoshのCPUをインテル製からiPadなどで使用している(ARMアーキテクチャを使用して設計した)自社開発の「Aシリーズ」をもとにした独自のCPUへ段階的に移行する計画を発表した[9]。同年11月にはCPUを含む独自開発のシステムオンチップ(SoC)「Apple M1」が正式に発表され、M1チップを搭載した最初の3機種としてMacBook Air、MacBook Pro、Mac miniが発売された。
現状
ハードウェアとしてのMacは一時期のMacintosh互換機路線(PowerComputing、パイオニア、akia、UMAXなどが互換機を製造した)を除けば、ほとんど単一メーカの製品であり、それが他の無数に存在する(PC/AT互換機)メーカ全ての対抗馬として意識され続けてきた。
アップルは圧倒的シェアを誇るWindowsユーザ向けにもiPod・iPhoneやiTunesを提供し、アップル独自の使い勝手に親しんでもらうことによってMacへの移行を促すという戦略をとっており、近年[いつ?]のシェア向上に一役買っている。
Macの購入が検討される場合、Windows(特にMicrosoft Office)との互換性[注 2] が意識されることがしばしばある。アップルとの業務提携を結んだマイクロソフトはMac向けのMicrosoft Officeを提供し続け、Windowsとのデータ互換性も極めて高くなっているものの、Mac版Microsoft OfficeはWindows版とアプリケーションのバージョンが異なり、レイアウトなどにおいて完全には一致しない場合がある(Windows環境同士ですらアプリケーションのバージョンが違うと完全に一致しない場合がある)。
WindowsマシンとMacintoshを併用するユーザも少なくないことから、2006年にはアップルから「Boot Camp」のβ版が無償配布され、今日ではIntel Mac上でWindows 8.1および、Windows 10での起動もできるようにもなっている(ただし、Intel Mac上でのWindowsの使用についてアップルによるサポートは一切ない)。Mac OS X v10.5以降、正式版のBoot Campが搭載されている。
iPodの普及とインテル製CPUへの切り替えによって、Windowsを使っていたユーザにもMacへの親しみと安心感を与えることに成功し、特に米国でシェアを拡大、日本でも一部に波及している。
「Macintosh」や「Mac」で含まれる製品群
特定の機種を指す狭義の「Macintosh」という名称を持つ機種は初期のもの(いわゆるオリジナルの「128k」や「512k」と呼ばれるもの)にしかないが、機種ごとに、「Quadra」「Centris」「Performa」「Power Macintosh」「iMac」「eMac」「iBook」 など、アップルより発売されたMac OS/macOSを搭載したシリーズ、機種(下記)をすべて含めて「Macintosh」あるいは「Mac」と称する。
「Power Macintosh」以前のデスクトップ機種である「Quadra」や「LC」「Classic」「Centris」の場合、上位機種の「Quadra」は搭載CPUのMC68040にちなんだ「4」を意味するラテン語のQuadからの造語、「LC」は低価格でカラー表記が可能な「ローコストカラー」の略で「LC」を意味すると言われている。
また「iMac」「iBook」「iTunes」「iPod」などの「小文字iの次に大文字からはじまる単語」の組み合わせは、特に初心者にとっての明快さや低コストを重視して、多くの人に親しまれるハードやソフトに使われる名前として定着している。
インテルCPUへの移行に伴い、PowerBookG4の後継機として「MacBook Pro」、iBook G4の後継機として「MacBook」、先行して「Mac mini」が登場。後にPower Mac G5の後継として「Mac Pro」が登場し、サーバモデルの「Xserve」もインテルCPUに移行したことから、(iMacを除く機種では)下位モデルにはMacの名をそのまま用いた名称を名付け、その上位に当たるモデルに「Pro」の名を与えている。
長らく上位機種として存在していたPower Macintoshシリーズだが、実際の名称では青白のPower Macintosh G3シリーズまでを「Power Macintosh -」と称し、グラファイト化がなされたPower Mac G4シリーズ以降は全Power Mac G4または「Power Mac G5」と名付けられた。今までは愛称(もしくは略称)だった「Power Mac」が正式な名称として用いられるようになった。
現行モデルではコンピュータ本体の名称としての「Macintosh」は名を潜め、「Mac」に統一された。本体内蔵の起動ディスクの出荷時におけるボリュームラベルとして、「Macintosh HD」の名を留めている(起動ドライブがハードディスクドライブでない場合にもこの名称が用いられる)。
特徴
先駆的なデザイン観設計
Macは外観設計思想の側面からも先駆的である。1980年にMacintosh開発に加わったジョアンナ・ホフマン (Joanna HOFFMAN) は、各々の言語に依存した部分を設計の基本から分離するという国際化マルチリンガルの思想を導入した。それをブルース・ホーンが具現化し、リソースという概念を提唱し、実装された。最初はROMに基本的なユーザインターフェースのルーチンを埋め込むなどの工夫がされていたが、ハードウェアデザインにも同様な思想が導入され、コネクタの識別用には、文字でなくアイコンを用いるようにした。
ワンボタンマウス
ワンボタンマウスは、Macintosh独特のインターフェースとして知られている。これには、Macintosh発売以前のコンピュータの一般的方法であったコマンドによる操作 (CUI) では、単純な作業(例えば、ファイルの移動やコピーなど)さえできなかった人々であっても、「迷う余地がないほど単純なこと(ワンボタンマウスを使った操作)さえできれば、複雑なこともできるようになる」というアップルの主張が含まれている。元々、"The Computer for the Rest of Us"「(CUIベースではコンピュータを使えない)残された人達のためのコンピュータ(であるMac)」を掲げて来たアップルにとって、マウスがワンボタンであるということは非常に重要な意味があった。
ワンボタンマウスの採用により、複数ボタンマウスでの多機能を前提とした複雑な操作体系とそれによる混乱を避けられる。このワンボタンマウスはMac用ソフトの操作性に一貫性を持たせている。
PC/AT互換機とWindows陣営は長らく2ボタンマウスを採用して来たことから、Mac OS 8以降ではWindowsの右ボタンに相当するコンテキストメニューを採用するようになる。効率的な操作を追求するユーザーにはコンテキストメニューやExposéをマウスからワンクリックで呼び出すために、サードパーティーの多ボタンマウスを導入する者も少なくなかった。アップルはこれを受けて2005年にはMighty Mouseを発表した。Mighty Mouseは機械的には従来のワンボタンマウスのように1つのボタンがマウス全体を覆ったような形をしているが、マウスの特定部分(通常のクリックを左側、コンテキストメニューは右側に設定することが多い)が押されたことを電気的に検知することで多機能を実現している。また、ユーザーの設定で検知機能をオフにし、ワンボタンマウスと同じように使うこともできた。左右のボタンを強く押し込むと、Exposéが発動する。ホイールのようなスクロール機能を持つ小型のトラックボールも備えていたが、指の垢や埃が溜まるにつれてトラックボールの感度が著しく低下するという欠点があった。
2009年、アップルはiPhoneのようなマルチタッチ機能をマウスの上蓋に実装した、Magic Mouseを発表した。マウスの上面部全体が一つのボタンで、そのほぼ全面がマルチタッチセンサーとなっている。マルチタッチ機能を利用して、左右クリックや縦横のスクロール操作などを行うことができる。macOSに拡張ソフトを入れることで、複雑なジェスチャー操作が可能である。Magic Mouseはマウス付属モデルの標準マウスとなっている。
トラックパッド
現在のノートパソコンのほとんど(ThinkPadの旧モデルや一部のモバイル機を除く)は、キーボードの手前にパームレスト(コンピュータを操作中に手首を載せる部分)を配置し、その中央部にタッチパッド(トラックパッド)を搭載している。このデザインはアップルによって初めてポータブルコンピュータに導入されたものである。
キーボードを手前に置くラップトップやノートパソコンが当たり前だった時代、最初のPowerBookである100シリーズ(PowerBook 100、140、170)では、キーボードの位置を奥に配置し、手前に広いパームレストを設けその中央にトラックボールを設置していた。当時、各社がさまざまなポインティングデバイスを考案する中、キーボードの親指の位置に配置されたトラックボールは、タイピング中のポジションからそれほど手を離すことなくポインターを操作することができ、特別な操作を必要としないことから大いに歓迎され、他社も同様のデザインを採用していった。しかしトラックボールはマウス同様、機械的な動作を読み取ってデータに置き換えていたことから、塵や埃によって動作が妨げられるマイナス要因も持ち合わせていた。その上に機械的な構造で厚みがあるトラックボールは薄型・軽量化に不利なことから徐々に敬遠されがちになって行く。
その後アップルは新たな入力デバイスとして、PowerBook 500シリーズからトラックパッドへ移行する。当時のトラックパッドは4×5cm四方ほどのパッド(板)状のもので、そのパッドの上を指でなぞることによって、その動きをそのままポインターの動きとして変換するようなデバイスであり、信頼性の高さと薄型化に有利な特性から、その後他社も追随した。
アップルは2005年のPowerBook G4から、2本の指でトラックパッドをスワイプすることで上下・左右・斜め方向へと自在にスクロールする2 本指スクロール機能と、2本の指で同時にタップすることでコンテキストメニューを呼び出す2本指タップ機能を導入した。2008年のMacBook Air登場以降は、3本指や4本指などでの操作もできるよう改良され、スクロールのほか、画像の拡大・縮小や回転、Exposéの利用やアプリケーションの切り替えなど、多彩な機能をワンタッチで呼び出せるマルチタッチトラックパッドに発展している。これによりMacのノートパソコンのトラックパッドは多くの面でマウスを上回る使い勝手を実現したといえる。
キーボード
Macのキーボードは使用頻度の高いキーをタイピングしやすい位置に配置し、シンプルですっきりした外観になっている。Windowsで利用されているキーボードと比較するとDeleteキーが一つ(バックスペースを兼ねる)、コマンドキーとオプションキーがある、テンキーが標準では省略されている、PrintScreenなどの機能キーが存在しない、などの違いがある。
なお、同じMacでも国によってキーの配列が若干異なる場合がある。世代や機種によってMacを起動する電源キーが備わっているものや、テンキーを備えたもの、ファンクションキーがないものなどもあり、必ずしも全てのMacのキー配列が同一というわけではない。日本語版キーボードも米国版とは配列が異なり、かなキーと英数キーが追加されている(1993年頃までは米国仕様キーボードにカナ刻印されたものが使用されていた)。ノート型のMacでもBTOでパーツ変更が可能で、日本でも米国仕様キーボードを使用している者も少なくない。
コマンドキー
Macのキーボードには"コマンドキー"という修飾キーがある。
2007年まで、コマンドキーは「command」のような文字表示ではなく、アップルマークと四葉のクローバーに似たコマンドマークが並んでいる珍しい表示になっていた(初代の"Apple Macintosh Keyboard"はアップルマークがなく、コマンドマークのみ)。なぜ、2つのマークを並べる表示になったのかというと、Mac用の二代目キーボードである"Apple Desktop Bus Keyboard"が、Apple IIシリーズの一機種であるApple II GS用のキーボード"Apple II GS Keyboard"と全く同一製品だったことに由来する。(アップルが1993年まで販売していたパーソナルコンピュータ"Apple II"のキーボードには、アップルマークが表示された"アップルキー"という修飾キーがあった)つまり「Apple II GS使用時にはアップルキー」、「Mac使用時にはコマンドキー」として使える(一目で判別できる)ための工夫であった。この2つのマークを並べる表示は、近年のMacシリーズのキーボードにも継続されていた。しかし2007年8月に販売開始された"Apple Keyboard"で、ついにアップルマークの表示が廃止され、コマンドマークと「command」の併記に変更された。
よくMacユーザーでコマンドキーのことをアップルキーという者がいるが、アップルキーとは、あくまでApple IIの修飾キーの名称であり、Macの修飾キーを指す名称ではない。
拡張子とマルチユーザ
Macにおいて、ユーザは原則的に拡張子を意識せずとも良い状況が作られてきた。それは新旧のMac OSで一貫して言えることであり、ファイルを開く時は拡張子に頼らず、そのファイルを編集したアプリケーションが起動する仕組みになっている。それは、ファイル自身に、そのファイルを編集したソフトがクリエーター属性として自動的に記録されるためである。
この機能を継承しつつも、macOSへの移行に伴い拡張子の扱いも見直され、拡張子の表示と非表示は切り換えることができるようになった。アプリケーションの中には拡張子を判断するもの(例:Java)があるため、この機能はMacと他OSとの互換性を考慮した結果とも言える。
拡張子の他に、他のOSが採用している一般的な流儀としてmacOS(Mac OS 9では疑似)より採用された、ログインユーザごとに分けられたホームディレクトリにみられるマルチユーザ機能がある。Mac OS X v10.3 Pantherからはファストユーザスイッチという機能が搭載され、より簡単にユーザを切り替えることができるようになった。単独でMacを使っているユーザにも、別のユーザディレクトリを持つことで、本来の環境への影響を最小限にして X Window System などを試してみることもできる。
アーキテクチャと互換性戦略
アップルは、Mac以前の製品Apple IIや本格的なDTP時代の到来をもたらしたMacintosh IIシリーズでは、簡単に開けられるボディに高い拡張性をそなえ、ボードの交換サービスで旧機種との互換性を保ちつつ長寿命を実現した製品を発表してきた。その一方で、簡潔なデザインに到達するために、「過去との互換性は画期的な製品進歩の抵抗である」(創業者であるジョブズの発言[要出典])として大胆に切り捨てるのも、よく知られた同社の伝統である。
かつての低価格機種であるPerformaやLC、Classic等のシリーズでは拡張スロット(バス)が1基ないしは2基採用されて来たが、iMacやiBookではFireWireやUSBによる外部拡張のみとする設計思想が明確になった。密閉されたボディをもち、拡張ボードを挿すためのスロットが一切設けられなかった初代Macintoshを再現するかのように、iMacにおけるPCIスロットの廃止や、iBookにおけるPCカードスロットの省略、MacBook Airにおけるメモリスロットの排除などが行われた。Mac ProやMacBook Proなどの拡張性の高い機種でハードの拡張を行うことによって、随時OS等の進歩についていくことが容易になる一方、ハードウェアの高性能化に追随するには内部拡張を行うより買い替えてしまったほうが割安な場合もある。
1994年、ハードウェアの製造ライセンスを他社(日本国内企業ではパイオニア、アキアなど)に与えてMacintosh互換機が登場した。互換機戦略自体はジョブズ復帰後の方針転換により、1998年12月末までにすべて打ち切られたが、この時期にはMacintosh自体もCHRP仕様に基づいたアーキテクチャの見直しが図られ、PCIスロットをはじめ、IDE、AGPなどPC/AT互換機で既に実装され、いわば「枯れている」ハードウェア機構がMacintoshに導入された。ハードウェアにトラブルが起きがちと云われるようになったのもSCSI→IDE (ATA)、NuBus→PCI/AGPといった基本パーツの変更を行った頃とほぼ重なっており、アップルは次々に機能拡張ファイルを更新/追加することで対応していった。
iMac・iBook以降はアップルが独自開発したチップセットを搭載しつつも、ハードウェア仕様自体の独自規格はほぼなくなり、汎用規格のみを採用するようになった。Intel Macに移行した2006年以降では、主要部品もほとんど汎用品を採用している。ただし、2016年に登場したMacBook ProはTouch BarやTouch IDを制御する「T1」コプロセッサを搭載しており、久々にアップル独自のカスタムチップの搭載が復活することになった。
CPUの変遷と計算速度
680x0時代
発売当初の機種は、モトローラの68000系CISC型CPU(アップルやモトローラはMPUと呼称)を搭載していた。
Apple IやApple IIは、当時の流行であったインテルのx86CPUの前身となるインテル80系(8080)CPUを採用しておらず、その後のLisaでもインテルCPUを採用することはなかった。Appleシリーズの設計者であるスティーブ・ウォズニアックがモステクノロジーの6502チップを使用していた流れから、当時ワークステーションで広く使われており、処理能力が高いMC68000が採用されたのは自然だったと言える。また、x86では1Mバイト以上の物理メモリ空間を扱えず、64KB以上のメモリ空間を扱う際にトリッキーなプログラミングが必要とされ、大容量メモリの活用に制約が多かった。一方、68000はアドレスバスが24ビットであったことから2の24乗バイト=16Mバイトのメモリ空間を(RAM・I/Oポートなどを区分して)メモリアドレスによって使い分ける必要がない素直な設計であり、大容量メモリを容易に利用できた。命令セットも学習が比較的容易で使いやすく、開発者に好まれた。
また68000チップは、1985年にアップルが発売した初のレーザープリンターである、初代「LaserWriter」でも採用された。これはアドビシステムズが開発したPostScript言語を解析する機能のためであった。
PowerPC時代(G3以前)
1991年に、アップルとIBM、モトローラが提携を発表し、3社によるRISCチップのPowerPCが開発されることとなる。このPowerPCは従来と比較して圧倒的な高性能ではあったが、680x0シリーズとは互換性がなく、今までのソフトウェア資産を利用するにはMac OS側で68LC040チップ相当のコードをPowerPC命令に動的コード変換をすることでソフトウェア互換を確保した。Mac OSのコード変換機構はPowerPCコードと680x0コードの混在するソフトウェアを実行可能で、開発者は動作速度に影響を及ぼす使用頻度の高いコードから順次PowerPCコードへの書き換えを進めることができた。
System7.5まではMacOSそのものも一部を除いてほとんどPowerPCコード化されておらず、PowerPCの真価を発揮することはできなかった。System 7.5.1からMac OS 8.1にかけて徐々にPowerPCコードを増やし、Mac OS 8.5以降はPowerPC搭載モデルのみを動作対象とした。
PowerPC時代(G3以降)
1997年にはPowerPC G3(PowerPC 750)を搭載するPower Macintosh G3シリーズおよびPowerBook G3を発売する。G3はこれまでPower Mac上位機種で採用され続けてきたPowerPC 604シリーズではなく、PowerBookに搭載されてきたPowerPC 603シリーズの流れを汲むもので、603譲りの省電力・低発熱、なおかつ低価格でありながら、604eを上回る実効性能を実現したチップである。Power Mac G3はPC/AT互換機の規格を多く取り入れて低コストに製造できるように配慮されていた。PowerBook G3シリーズは、当時他のノートパソコンの追随を許さない高性能機種であった。
1999年にはSIMD演算機能であるVelocity Engineを統合したPowerPC G4 (PowerPC 7400) 搭載のPower Mac G4を発売。Velocity EngineはMacに強力なマルチメディア性能をもたらし、QuickTimeを通して動画や音声などの処理に利用された。1999年に発売されたiMac、iBookや、2000年に発売されたPower Mac G4 CubeはPowerPC G3・G4の発熱量の少なさを生かし、電動ファンのない静音機種であった。
その後2003年には広帯域のCPUバスと強力な浮動小数点演算機能をもつ64ビットのPowerPC G5 (PowerPC 970) を搭載したPower Mac G5が登場した。これは一般向けのパソコンでは初となる64ビットCPU搭載マシンであり、4GBを上回るメモリ搭載が可能となった。OSの64ビット化はハードウェアよりもかなり遅れ、2005年のMac OS X v10.4 Tigerで部分的に64ビット対応となり、2007年のMac OS X v10.5 LeopardでCocoaを含めて64ビットに対応することとなった[注 3]。
Power Mac G5は9つの可変速ファンを採用、筐体内部の空気流動を効率化させることで冷却効率の最適化を図った。モデルによってはG5チップを水冷式ラジエータで冷却する仕様もあった。Power Mac G5のファンの数が多く、負荷をかけるとファンが高速で回るのは、PowerPC G5の消費電力と発熱が従来のPowerPC G4よりも遥かに大きかったためである。 iMacはG5を搭載したシステムを液晶ディスプレイとともに、厚さわずか5cmの筐体に収めたが、発熱によるトラブルが問題となった。G5を搭載したノートパソコンはついに実現しなかった。
バージニア工科大学は、2003年に1,100台のPower Mac G5 Dual 2 GHz(2004年 - 2008年は、1,150台のXserve G5 2.3 GHz Clusterモデル。)を繋げて並列計算させるスーパーコンピュータ System X を構築した。このコンピュータは、2003年11月16日にTOP500 Supercomputer sites が発表したランキングで、世界第3位の計算速度にランクされた。大学自身による構築であったため、このシステムにかかった費用は約520万ドルで、スーパーコンピュータとして破格の安価であった(当時第1位のスーパーコンピュータであった地球シミュレータの開発費は5億ドル以上)。
Intel Mac時代
2005年6月6日、開発者向けのイベントWWDC 2005 において、1年後以降の消費電力あたりの性能向上が著しいことを理由に、2006年半ばよりCPUをPowerPCからインテルx86系のものへと順次切り替えていくことがアップルより発表された[10]。2006年1月10日に前倒しでIntel Core Duoを搭載したiMacおよびMacBook Proが発表された。PowerPCベースのソフトはダイナミックリコンパイルソフトウェア"Rosetta"(ロゼッタ)を使うことでインテルプロセッサ上での動作が可能となる。また、PowerPCベースのコードとIntel Core向けのコードの双方を組み込んだUniversal Binaryもある。最初のIntel Core(Core Duoも含む)は32ビットであったが、64ビット版のIntel Core 2やXeon 5100シリーズのリリースとともにPower Mac G5の後継となるMac Proでは64ビット版インテルチップが搭載された。
インテルのプロセッサを採用しているが、Windows XPがインテル搭載Macの採用するファームウェア "EFI" に対応していないことから既存のWindows XPを動作させることは当初疑問視されていたが、アップルからFirmware UpdateとBoot Campベータ版の提供が開始されたことにより、Intel Mac上でWindows XP SP2を動作させることができるようになった。Boot Campは2007年10月に発売されたMac OS X v10.5 Leopardで標準機能として含まれた。その後もバージョンアップが繰返され、Windows 7やWindows 8、Windows 8.1、Windows 10を動作させることも可能になっている。また公式な対応ではないが、ブートローダをEFIに対応させたLinuxなどWindows以外の一部のOSも起動が確認されている。
このようにアップルは他のOSを意図的に排除しない方針をとるが、逆にmacOSを他社製ハードウェアで動作させることについてはライセンス上認めず、強力なプロテクトをかけている。サイスターというメーカーがアップルの著作権を侵害してMac OS XをインストールできるPCを発売したが、アップルは訴訟をもってそれに対応し、販売中止に追い込んでいる。
2015年、IBMが自社に最大20万台のMacを順次導入すると発表し、Mac@IBMプログラムで自社へ大規模導入した経験[11][12] を元にアップルとの提携の一環として、IBM Managed Mobility Services for Mac[13] を開始した。日本でも2016年5月より開始している[14][15]。
bridgeOS時代
2016年のApple T1チップを搭載したMacBook Proからは、インテルのCPUを採用したまま、アーキテクチャは刷新され、TouchバーやTouch IDを含むハードウェアを制御しセキュリティを司るbridgeOSが採用されている[16][17]。
- Appleシリコン時代
2020年6月22日のWWDCでAppleはMacに搭載するCPUを今まで採用してきたインテル製のものから自社設計のAppleシリコンに今後2年間で切り替えると発表[18]。また2020年の末までにAppleシリコンを搭載した初のMacを発売すると約束した。そして2020年11月10日、Mac向けのAppleシリコンであるM1チップとそれを搭載したMacBook Air、MacBook Pro(13インチモデル)、Mac miniを発表した[19]。
機種
680x0時代のMacintosh
一体型筐体 (Original、Plus、SE、Classic、LC)
CPUとディスプレイが一体となっているMac。
- Macintosh 128K
- 初代。その大きさはオフィスにおける電話のサイズから作られた。OSの性能にくらべ、RAM領域が128Kと狭く、実用性に乏しいものであった。68000CPU (8MHz) を採用し、400KB(片面の1DD)フロッピーディスクドライブ (FDD) 内蔵。筐体デザインはよくフロッグデザインと誤解されるが、ジェリー・マノックとテリー・オヤマによるものである。
- Macintosh 512K
- 初代128Kのメモリを512Kに増強したもので、通称Fat Macと呼ばれる。
- DynaMac
- 日本のキヤノン販売(現 キヤノンマーケティングジャパン)により、Macintosh 512Kに漢字ROMを搭載し日本語(JIS第一水準)を扱えるようにした機種。
- Macintosh Plus
- 30ピンのSIMMメモリースロットを採用し1MB(最大4MB)となる。SCSIを標準で搭載。このためスペースの関係上、シリアルポートのコネクタ形状がD-sub 9ピンから丸型DIN 8ピンに変更された(この機種ではまだADBが用いられていない)。EGWORDにより日本語が使えるようになった初めてのMac。
- Macintosh SE (1987年-1990年)
- フロッグデザインの一体型。CPUは68000で、この機種からADBが用いられている。排気ファンを内蔵している。ダイレクトスロットを持ち、拡張性を持つ。内部増設用SCSIコネクタを持ち、FDDを2基、もしくはHDDとFDDをそれぞれ1基搭載可能(サードパーティーより、2基のFDDと共存できるHDD取り付けキットもあった)。後期型は内蔵FDDが2HD対応のSuperDriveになった(本体前面のSEの下にSuperDriveまたはFDHDの表記がある〔表記は時期により異なる〕)。FDDが800KBの機種は、この機種の前期型および後述のIIまで。起動HDDが指定できるようになった(PlusはFDDポート接続のHDD→SCSI ID6→0のHDDの順)。[要出典] マザーボード上のメモリースロットは Macintosh Plusと同じ30ピンSIMMで最大4MBであるが、ダイレクトスロットにサードパーティー製CPUボード68030 (-33MHz) を差し、メモリ容量16MB、演算コプロセッサ68882搭載も可能であった。
- Macintosh SE/30 (1989年-1991年)
- SEのCPUを68030 (16MHz) にした他、030プロセッサダイレクトスロット (030PDS) などを持つ。ダイレクトスロット用にさまざまなオプションが発売された。漢字Talk 7.1でMODE32もしくは32-Bit System Enablerを利用すれば、メモリは最大128MBまで利用できる。FDDはSuperDrive。カラー表示ができないことをのぞけばコンパクトマックの中でも飛び抜けたハイスペック機で高価であったが末期の値下げで一世を風靡し、一部はPowerPC登場後もしばらく現役機として使用され続けた名機であった。
- Macintosh Classic
- スッキリした外見に変更された。米国では90年の発売当時最も安価な構成で4400ドルだったのに対し、999ドル(FDDのみ)からという戦略的な価格で発売されヒットした。国内では198,000円(FDDのみ)または298,000円(40MB HDD搭載)。ただしCPUは68000であり、当時としても非力であった。68000 (8MHz) を搭載した最後のコンパクトMacで、Macintoshとしては非常に珍しく機種発売以前のゲームにも動くものがあった。起動時にCommand・Option・X・O(オー)キーを押していると、内蔵ROM (System 6.0.x) から起動できる。
- Macintosh Classic II
- SE/30の製造終了後に登場。SEシリーズより廉価であり拡張性は劣る。Classicの16ビットCPUから32ビットの68030 (16MHz) へ変更されたが、データバスは16ビットのままであった。ROMは出荷時からSystem7を見据えた32bitであったものの最大RAM容量は10MBに留まる。浮動小数点演算コプロセッサMC68881搭載専用のスロットを内部に持つ。
- Macintosh Color Classic
- 一体型初のカラーディスプレイ化を行ったものでSONYのトリニトロン管を採用している。従来のフロッグデザインとは異なった丸みを帯びたスタイルで、後のMacintoshではこちらを継承している。CPUは68030 (16MHz)。データバスは16ビットで最大RAM容量は10MB。PostPetに登場するひみつメカのモデルになったことでも有名。後に後述のColor Classic IIと同様に、中古相場が暴騰した時期がある。
- Macintosh Color Classic II
- カラー化に伴って貧弱だったColorClassicのCPUを強化(16MHz→33MHz、データバスの32ビット化)し、メモリを72ピンSIMMに変更したモデル。別名でPerforma 275が存在するが、付属品やサポートを充実させたものである。「最後のコンパクトMac」という事で熱烈な愛好家がおり、PPC化やCDドライブ搭載など各種改良され専門販売店によって販売された経緯があり、中古相場が高騰した時期がある。これは「コンパクトMacの後継」とされるiMacが発売されるまで続いた。
- Macintosh LC520
- LCシリーズのディスプレイ一体型機。同様の機体としては他にLC550、LC575があり、520と550は68030を、575は68LC040を搭載していた。ColorClassic同様のトリニトロン管を持つが、サイズが14インチに変更されている。
- Performa 520
- 派生でPerforma 520、Performa 550、Performa 575等が存在するが、それらはLC520、LC550、LC575と同様である。
- Performa 588
- Performa 588(スペシャルセット)はLC575・630の設計を引き継ぎつつ低価格を追求したもので、モニターがトリニトロン管ではなくシャドーマスクに変更され、ColorStyleWriter2200とセット販売されたこともある。68k CPUを搭載した最後の一体型Mac。
フロッグデザインとの共同デザインによるMacintosh初のポータブルマシン。アクティブマトリクスTFTモノクロ液晶(初期はバックライト無し、後期はバックライト搭載モデルが用意された)、左右交換可能なトラックボールまたはテンキー、10時間以上動作可能な鉛バッテリ(鉛蓄電池)を搭載。デスクトップモデルと比較しても遜色のない機能を誇った。妥協を許さない設計がなされていたが、大型で非常に重く (7.2 kg) 高価となってしまった。68000(Portableは日立製HD68HC000/16 MHz)搭載機種で使える内蔵RAMは基本的に4MBまで〔その設計 (メモリマップ)は128Kまで遡る〕であるが、この機種では9MBまで利用できた(なお、68000の項目を参照すれば分かるとおり、この容量制限は68000プロセッサに起因するものではなく、ROMやハードウェアのI/Oポートなどのアドレス配置によるものである。68000自体は224=16MBのメモリアドレスを扱うことができる)。また、メモリなどのオプション品が初期モデルとバックライト搭載モデルで異なる。[20][21] ちなみに、本体の取っ手は華奢な見た目のとおり、持ち運ぶためのものではない。
ノートブック型筐体 (PowerBook、PowerBook Duo)
- Macintosh PowerBook 100
- Macintosh PowerBook 140, 170, 160, 180, 165c, 180c, 145B, 150
- Macintosh PowerBook 520, 520c, 540, 540c 550c
- Macintosh PowerBook 190、190cs
- Macintosh PowerBook Duo 210, 230, 250, 270c, 280, 280c
大型筐体 (Macintosh II、Quadra)
NuBusスロットが6つあるMacのこと。Macには拡張性がないとされていたことに対して、アップルの回答の一つである。登場した当時はワークステーションと比較されることが多かった。
- Macintosh II
- Macintosh 初の完全32ビット機かつカラー対応の機種。16MHzの68020 MPUと68881 FPUを搭載し、オプションの68851 PMMU (Paged Memory Management Unit) を追加することで仮想記憶にも対応できた。FDDは800KB(後に2HD対応のアップグレードが出た)。FDDが800KBの機種は、この機種および前述のSEの前期型まで。30ピンSIMMスロット8本でRAMは最大8MB(68851 PMMUを搭載させた上で漢字Talk 7.1でMODE32もしくは32-Bit System Enablerを利用すれば、128MBまで利用できる)。IIおよびIIx、IIfxはビデオ回路を内蔵しておらず、ビデオカードに1スロット消費する。
- Macintosh IIx
- Macintosh IIのプロセッサを68030に、FPUを68882に強化したモデル。FDDがSuperDrive (2HD) になった。
- Macintosh IIfx
- 68030 40MHz搭載機種で、当時の最速マシン。RAM SIMMが特殊で高価なもので(この頃の他機種は30ピンが標準であったがこの機種に関しては64ピン、LaserWriter II NTX-Jと同じ形状)、NuBusも特殊であり互換性に難が生じ、増設ボードによっては利用出来ない問題があった。Macintosh IIとIIxユーザ向けのロジックボードアップグレードも実施された。画面表示を256色モードにして、日付を1990年3月19日に設定して起動時にCommand・Option・F・Xキーを押していると、後述のIIci同様、開発スタッフの写真が表示される(グレイ256階調でも可能かは不明)。
- Macintosh Quadra 900
- 25MHzの68040を搭載したモデルで、このタイプから縦置き用のデザインになる。IIシリーズ以降、初めて追加ドライブを搭載することが可能になり、鍵によるセキュリティーもなされるようになった。30ピンSIMMスロット16本でRAMは最大256MB。
- Macintosh Quadra 950
- Quadra 900のクロックを33MHzにアップした機種。Quadra 900の発売からわずか3カ月後に販売開始され、900のユーザ向けのアップグレードも実施された。オプションでCD-ROMドライブ搭載も可能だった。
中・小型筐体 (Macintosh II、Quadra、Centris)
NuBusスロットが三つあるMac。Quadra 800/840AVを除き、ほぼ同様の電源ユニット(寸法は同一、出力容量はIIvi/IIvx以降は増量)を備えているのが特徴。
- Macintosh IIcx
- スロットの数以外はほとんどIIxと同じ。IIci、Quadra 700へのハードウェア・アップグレードキットも準備された。"スノーホワイト"コンセプトであるがフロッグデザインではない。ビデオ回路を内蔵しておらず、ビデオカードに1スロット消費する。
- Macintosh IIci
- IIcxのビデオ回路内蔵モデル。標準のシステム構成の場合、グラフィックメモリ (VRAM) はメインメモリと共有するアーキテクチャとなっている(この機能を使うと、使わずにビデオカードを増設する場合よりもメモリアクセスが遅くなる)。Quadra 700へのハードウェア・アップグレードキットも準備された。画面表示を256色モードにして、日付を1989年9月20日に設定して起動時にCommand・Option・C・Iキーを押していると、前述のIIfx同様、開発スタッフの写真が表示される(グレイ256階調でも可能かは不明)。一部のロットにおいて、筐体内部の底面に開発スタッフのサインがあり、ロジックボードを取り外すと見ることができる。
- Macintosh Quadra 700
- IIciを縦型に改めたデザイン(実際にはどのモデルも縦置き・横置き共に可能)。MPUに25MHzの68040を搭載し、VRAMを独立させメインRAMとは別のバスで操作することでシステムバランスの低下も防いでいた。
- Macintosh IIvi
- 68030搭載モデル。性能が過去の機種IIcxにも劣るために不評であり、初めて金属を露出した小型筐体となった。以降、Power Macintosh 7100まで同デザインが使われる。初のCD-ROM内蔵モデル。
- Macintosh IIvx
- IIviと並んでMacintoshでは初のCD-ROM内蔵モデルであったが、非搭載モデルもあった。
- Macintosh Centris 650
- 68040/25MHz搭載でIIvi/IIvxと同様の筐体。
- Macintosh Quadra 650
- 68040/33MHz搭載でIIvi/IIvxと同様の筐体だが、FDDの変更により、挿入口の中央部が窪んだものへ変更になった。
- Macintosh Quadra 800
- 68040/33MHz搭載で、Quadra 700以降のミニタワー型筐体となる。以降Power Macintosh 8500まで同デザインが使われる。CD-ROMドライブ搭載モデルもあり、Quadra 900以下のサイズでありながら追加でドライブを搭載できるのが特徴であった。
- Macintosh Quadra 840AV
- Quadra 800と同デザインで、40MHzの68040が搭載されたもの。Centris 660AV同様、初のDSP搭載Macである。
ピザボックスタイプ (LC/LC II/LC III/LC 475、Quadra 605、Centris 610/660av)
エントリーモデルのデスクトップパソコン。特徴的な薄型の筐体を持つ。この種の筐体の草分けはサン・マイクロシステムズのワークステーションで、宅配ピザのパッケージのように薄いことからこう呼ばれた。横幅が純正の12インチディスプレイと合うサイズで、12インチディスプレイと組み合わせると一体型のような趣になった。各モデルともLCシリーズ専用のPDSスロットを1基搭載し、一定の拡張性を持っていた。LCシリーズの電源ユニットには物理的なシーソースイッチが採用され、ソフトウェア制御が出来ない。このシリーズも、アップルの他のシリーズ同様に上位モデルへのアップグレードサービスが行なわれた。
- Macintosh LC
- 16MHzの68020を搭載し、カラー表示と場所を取らない薄型・コンパクトなデザインが好評だった。コストダウンのためかシステムバスが16ビット幅だったため、68020の性能を生かすことができなかった。内蔵RAMは2MBで最大RAM容量は10MB。HDD 1台とFDD 1台もしくは、FDDを2台搭載することが出来る。専用バスに挿入するApple II互換カードが販売された。
- Macintosh LC II
- LCのプロセッサを68030に強化したモデル。内蔵RAMが増えた(4MB)にもかかわらずLCと同じメモリコントローラの仕様が原因で、最大RAM容量はLCと同じ10MBのままだった。68030になり仮想記憶が使えるようになったが、バスが16ビット幅のままで、処理性能はほぼ同じだった。
- Macintosh LC III
- このモデルから一枚単位で拡張できる72ピンSIMMに変更された。RAM容量は最大36MB。バスがようやく32ビット幅になり、25MHzに強化された68030とともに、LC IIで問題となっていた性能上の弱点が解消された。LC PDSの仕様が変わり、ピン数が増えた〔元のコネクタと連なった別コネクタ追加での拡張であり(バス幅の拡幅が目的ではない)、LC/LC IIに依存したカードでなければ、そのまま使えるものもある〕。
- Macintosh LC475
- 25MHzの68LC040(68040から内蔵FPUを省略したもの。68882などを追加できないため、FPUが必要な場合は68040に交換する)を搭載したモデル。LCシリーズの筐体で、前面部分がリファインされたデザイン。CPUを載せ換えるPowerPC (601) プロセッサアップグレードカードに対応。
- Macintosh Quadra 605
- 日本未発売機種で、後述のCentris 610よりも若干幅が小さいピザボックス筐体を採用している。LC475とほぼ同様のハードウェア構成である。LC475同様、PowerPCプロセッサアップグレードカードに対応。
- Macintosh Centris 610
- MC68LC040/20MHz搭載で、16インチ純正ディスプレイと横幅が合う大型ピザボックス型筐体を採用しており、NuBusとPDSのどちらかのスロットを使うことができた。このデザインは以降のPower Macintosh 6100まで採用される。
- Macintosh Centris 660AV
- Centirs 610と同デザインの大型ピザボックス型筐体で、25MHzの68040を搭載している。Quadra 840AV同様、初のDSP搭載Macである。
その他 (Macintosh IIsiや LC630、DuoDock)
- Macintosh IIsi
- 20MHzの68030を搭載。システムクロック、バスクロックともに20MHz。メモリは30ピンのSIMMを4枚まで搭載可能で、内蔵RAMは1MB、最大RAM容量は65MB。搭載OSは漢字Talk 6.0.7で、NuBus(またはPDS)カードスロットが一つ(本体のスロットからどちらかに変換して使用する)。IIci同様、標準のシステム構成の場合、グラフィックメモリはメインメモリと共有するアーキテクチャとなっている。IIcxよりも手軽なIIシリーズとして販売されたが、ピザボックススタイルのLCシリーズとも似つかない、中途半端なサイズと性能であったために人気は出なかった。後にOSが漢字Talk7に移行した際は、これを駆動するのに最低限の性能を備えていると評されたが、既に製造販売が終了しており、惜しむ声があった。
- Macintosh LC630
- 33MHzの68LC040または68040(本国仕様のみ、名称はQuadra 630)を搭載したモデルで、普及型のLCシリーズにおいて初めてCD-ROMドライブを内蔵したモデルである。また、Macintoshとして初めて内部ハードディスクとの接続インターフェイスにIDEが採用された。(CD-ROMドライブとの接続インターフェイスは従来同様のSCSI接続)内部の構成は非常にシンプルなもので、ロジックボードを裏蓋より簡単に引き出すことができ、専用のTVチューナーやビデオ入力機器を搭載することも可能だった。このデザインは後のPerforma 6210、6310まで採用されることになる。ロジックボードの構成が後のPerforma 5210、5220(500MB・800MB)、5260、5270、5280、5320系や6210、6260、6310、6410、6420系と同様のため互換性が高く、電源部の電圧変更で6300/6400系のロジックボードも搭載が可能である。以上のことから同一筐体を用いた派生機は非常に多い。
- Macintosh Performa630
- LC630にApple TV/ビデオシステム(TVチューナー)とApple MultiScan 15 Display、Apple キーボード II JIS、Apple Desktop Bus マウス Ⅱ23本のソフトウェアなどをセットにしたもの。
- Macintosh DuoDock
- 前述のPowerBookDuoシリーズと組み合わせて使うことが前提で、D-sub15ピンでディスプレイに接続して外部出力をし、ADBポートでマウスとキーボードを接続することによってデスクトップMacintosh並みの威力を発揮するものである。このDuoDockには数種類あり、モノクロ液晶Duoしか挿入できない初代DuoDock、カラー液晶Duoも挿入できるDuoDock II、PowerPC化がなされたPowerBookDuo2300c/100(後述)も挿入できるDuoDock Plusが存在する。SCSIポートを持っているのでSCSIポートにCD-ROMドライブを接続したり、シリアルポート経由でプリントアウトやLocalTalkに接続することができ(10Base-TのイーサネットポートはDuoDock II以降の採用)、コ・プロセッサ (FPU) スロットも備えているのでFPUを追加でき、VRAMも追加できた。VRAM追加では飽き足らないユーザーは、(NuBusスロットも備えているので)ビデオカードを刺してフルカラー表示をさせていた。
PowerPC搭載以後のMacintosh
ハイエンド、もしくはミドルレンジのPowerPC 601/603/604系CPUを搭載したMac
初代 Power Macintosh(G1-Power Mac, NuBus Power Mac)
- Power Macintosh 6100
- Power Macintosh 7100
- Power Macintosh 8100
第2世代(G2-Power Mac, PCI Power Mac)
- Power Macintosh 8500
- Power Macintosh 9500
- Power Macintosh 7500
- Power Macintosh 7200
- Power Macintosh 7600
- Power Macintosh 8600
- Power Macintosh 9600
- Power Macintosh 7300
デスクトップ筐体 (Power Macintosh 6100/Power Macintosh 5500/225/Performa 6210、6260、6310、6410、6420)
PowerPC 603/603e/603ev搭載のMacintoshで、LC (Performa) 520、550、575、588/630無き後の低価格Macのこと。68kロジックから派生したMacで、Power Macintoshとは名ばかりのモデルすら存在する。PerformaがなくなってからはPower Macintosh 5500/225が登場し、Performaの欠点を補ったMacとなっている。基本的にはPowerPC 603系CPUを採用していることから、604/604e/604ev搭載のPower Macとは差別化が図られている。
- Macintosh Performa 6210/6260/6310
- PowerPC搭載後初の低価格型Mac。PowerPC 603/603eを搭載し、LC-PDSとCSスロット、従来の流れを汲む72ピンSIMMメモリーを採用しているCordycepsロジックで、安価なLC630 (Performa 630) をベースに開発されている。ロジックだけでなく、搭載するドライブ構成は基本的にLC630と同等で、ハードディスクはIDE、CD-ROMドライブはSCSIとされている。LC630同様にテレビチューナーを搭載できる。Performa 6210、6260、6310が存在し、6210は603の75MHz、6260と6310は603eの100MHzを搭載しており、どの6210/6310もディスプレイとセットで売られていた
- Performa 6410、6420
- Performaシリーズでは初のミニタワー型筐体で、PowerPC 603eを搭載している。筐体上部には隠された専用5インチベイが存在し、本国ではこのベイ専用のマウントが存在した。ロジックはPower Macintosh 8500等と同様の5V作動168ピンDIMMを採用し、CS-II(CSとは一部のモデムカードのみ互換性があるが、基本的に別物)やPower Macシリーズと同様のPCIバススロットを持つAlchemyロジックを搭載しているが、この6410、6420も筐体構造の問題からハーフサイズ6インチ長のカードに限られた。PCIスロットは二つ(Alchemyと後述するGazelleのPCIスロットは仕様上は最大二つで、筐体とライザーカードにより変わる)。名称はクロックによって分けられており、6410は180MHz、6420は200MHzとされていた。6420ではトリニトロン管の17インチディスプレイが付属していたが、グラフィック性能の悪さからフルカラー出力ができないお粗末なものであった(6410は15インチか17インチを選択できた)。
- Power Macintosh 4400/200
- Mac OS 8セールス用の廉価機で、Performa無き後のラインナップを埋めるため、苦肉の策でできたのがこの「Power Macintosh 5500/225」であり、このシリーズは後述の一体型Macである5500/225の二つしか存在しない。ただATi製グラフィックアクセラレータ搭載により、Performaよりもグラフィック性能が大幅に向上しているのが特徴で、拡張性以外は7600/200と同等以上としたMacである。本国では7220の名でも販売されたが、7300と比べるとさらに質素で、低コスト化を図るために、当時のMacintoshラインナップでは唯一の金属製筐体であった。PC/AT互換機を思わせるデザインはMacユーザーの心を動かすことはなかったようで、多少高くても7300や7600を買うユーザーの方が多かった事実は否めない。デスクトップ型Macにしては珍しくフロッピードライブが左側についており、違和感を持つユーザーも少なくなかった。日本では、タブレットや画像処理ソフトが付属していたグラフィックモデルも存在していた。ロジックや電源はIBM互換機のATX規格に近いもので、その4400のロジックは「Tanzania」と呼ばれるMac OS互換機用として供給されていたもので、CPUにはPowerPC 603eの200MHzを搭載し、PCIスロットは二つ、専用の168ピンDIMM(3.3V EDOで他機種用とは互換性がない)メモリースロットは三つである。
一体型筐体 (Power Macintosh 5500/Performa 5410、5420、5430、5440/Twentieth Anniversary Macintosh)
PowerPC 603/603e/603ev搭載のMacintoshで、LC (Performa) 520/550/630無き後の一体型Macのこと。基本的には前述のデスクトップ筐体6210、6260、6310、6410、6420を一体型にしたものとも言える。
- Macintosh Performa 5210、5220、5260、5270、5280、5320
- PowerPC搭載後初の一体型。Performa 6210/6310と同様PowerPC 603/603eを搭載するCordycepsロジック。ロジックだけでなく、搭載するドライブ構成は基本的に6210/6310と同等で、ハードディスクはIDE、CD-ROMドライブはSCSIとされていることから6210/6310の一体型とも言える。LC630同様にテレビチューナを搭載できる。Performa 5210、5220、5260、5270、5280、5320が存在し、シャドーマスクCRTのサイズや603eのクロック、2次キャッシュの有無等が違う。
- Macintosh Performa 5410、5420、5430、5440
- PowerPC 603e搭載の一体型Mac。5210、5220、5260、5270、5280、5320と共通デザインで、ロジックは前述のPerforma 6410、6420と同様のAlchemyロジックを搭載しているが、この5410、5420、5430、5440も筐体構造の理由から、PCIバスに刺せるカードはハーフサイズ6インチ長のカードに限られた。前述のPerforma 6410、6420と共通の部品構成で、ハードディスクはIDE、CD-ROMドライブはSCSIとされていることから6410、6420の一体型とも言える。Performa 5410、5420、5430、5440が存在し、5420と5440は黒く塗られていたことから「黒Mac」と呼ばれている。PCIスロットは一つ。
- Power Macintosh 5500/225
- Performa5410系と同じ筐体だが新設計のロジックボードGazelleとなり(前述の4400/200のベースになっている)、PowerPC 603ev/225MHzを搭載していることによって本流のPower Mac 7300/7600並みの性能に近付けたものだと言える。4400同様、ATi製グラフィックアクセラレータ搭載によりPerformaシリーズの弱点であったグラフィック性能が大幅に見直された(反面、白黒モードや16色モード等がなくなり、古いソフトの中には動作しないものも出てきた)のも特徴。Mac OS 8の準備用として開発されていたが、発売はMac OS 8より先である。PCIスロットは一つ。
- Twentieth Anniversary Macintosh (20th Anniversary Macintosh)
- アップルの創業20周年を記念するMacintoshとして登場した。開発コードネームは「Spartacus(スパルタカス)」で、長い名称であることからそのままスパルタカスと呼ばれることも多い。CPUはPowerPC 603eをさらに省電力化させた603evの250MHzを搭載した。一見すると液晶モニタに見えるような薄型の筐体は、本体機能が組み込まれているとは思えない独創的なデザインを有している。前面にCD-ROMドライブを搭載していることから察せるように、随分なコンパクト化が計られている。キータッチが良いとされるPowerBook3400のキーボードとトラックパッドを組み込み、革張りのパームレストを備える独特なキーボードユニットを備えている。予約購入者にはPerforma 5420等で用いられた黒色マウスが付属した。電源ユニットを兼ねたBOSE製のオーディオシステムを採用していることも特徴であるが、完全予約制による手厚いサポートとオーナーシップ込みの分、高額な価格設定であった。1997年3月の発売当初は7,499ドルで販売されたが、1年以上後には通常サポートのみとなり、1,999ドルでアップル自身から在庫処分される結果となってしまった。同じ頃、日本国内でも求めやすい価格で発売されることになった。後に二次キャッシュスロットに挿すタイプのPowerPC G3カードがSonnet社より発売されている(もともと搭載されていた二次キャッシュは外す)が、Mac OS 9.1までしかサポートされていない。発売当時のCEOギル・アメリオは非常に気に入っており、創業者である二人のスティーブ(ジョブズとウォズニアック)にもシリアルNo1とNo2がそれぞれプレゼントされた。
ノートブック型筐体
- Macintosh PowerBook 5300, 5300c, 5300ce, 5300cs
- Macintosh PowerBook 1400c, 1400cs
- Macintosh PowerBook 2400c
- Macintosh PowerBook 3400c, 3400cs
- Macintosh PowerBook Duo 2300c/100
PowerPC G3以降のMacintosh
一体型筐体(iMac, eMac,等)
- iMac
- PowerPC G3/G4/G5を搭載した、ディスプレイ一体型の一般向けMac。トランスルーセントデザインや半球状の本体からモニターアームが伸びたモデル、単一の液晶モニターのように見える薄型モデルといった斬新なデザインを採用し、モデルチェンジの度に話題を集める。
- iMac
- iMac DV
- iMac G4
- iMac G5
- eMac
- 一体型Macintoshの中でも最後のブラウン管モデルで、コスト低減のため17インチCRTディスプレイを持つ。当初は米国の教育機関限定で発売された最廉価モデル。
- Power Macintosh G3 All in one
- Gossamerシリーズと同世代の一体型Macintoshで、主に教育ユース向けとして販売された。初代iMacや、最後のブラウン管一体型モデルであったeMacは、このG3 All in oneから派生したとも言える。日本での正式な発売はなかったが、やはり「Macintosh=一体型」というイメージの強さから根強い要望があり、五州貿易等から並行輸入されていた。
小型デスクトップ筐体
- Mac mini
- それまでアップル史上最小のMacだったPower Mac G4 Cubeよりも大幅に小型軽量になった、PowerPC G4を搭載した超小型のデスクトップMac。
デスクトップ筐体
- Power Macintosh G3
- Power Express
- Power Macintosh G3 (Blue & White) の登場により、完成を間近にして開発が中止された幻のハイエンドマシン。9600系の筐体を使い、12のメモリースロット、6のPCIスロットなど高い拡張性を備えていたとされている。
- Power Mac G4
- Power Macintosh G3 (Blue & White) よりデザインが継承された、四隅にハンドルを備えたポリカーボネート製筐体のモデル。このモデルからハイエンドデスクトップでも「Mac」の名称を使うようになった。
- Power Mac G5
- 四隅のハンドルと内部へのアクセスのしやすさはそのままに、アルミニウム製筐体を採用したモデル。独立して動作する複数のファンを内蔵し、前面のメッシュ状パネルから吸気する。
ノートブック型筐体
- iBook
- 「持ち運べるiMac」をコンセプトに開発された、一般向け/ローエンドノートブック。「クラムシェル」と呼ばれる貝殻に似せたボディデザインが特徴。Dual USBモデルから、シンプルな白いデザインに変更された。
- iBook G3 (クラムシェル)
- iBook G3 (Dual USB)
- iBook G4
- PowerBook G3
- PowerBook G4
- チタニウムもしくはアルミニウム製の筐体を採用する。アルミニウム版は12,15,17インチのモデルが発売された。
インテルCPU搭載のMacintosh
Open FirmwareからUEFIベースへとファームウェアも変更された。更にコントローラにApple T1, T2を使う2016年以降の機種では、BridgeOSという組込み専用OSをベースにブートしている[22][23][24]。
一体型筐体
- iMac (インテルベース)
- iMac G5よりデザインを継承した、Core Duo、Core 2 Duoを搭載したディスプレイ一体型の一般向け低価格Mac。2007年中期モデルからアルミニウムとガラスを採用し、より薄型化された。
小型デスクトップ筐体
- Mac mini
- PowerPC版と同様の筐体にCore Solo、Core Duo、Core 2 Duoを搭載した超小型のデスクトップMac。2009年より、光学ドライブを廃し、HDDを2基搭載したMac OS X Serverモデルも発売される。2020年にはAppleシリコン搭載機が登場した。
デスクトップ筐体
ノートブック型筐体
- MacBook
- iBookの後継機種となる一般ユーザー向けノートブックパソコン。Core Duo、Core 2 Duoを搭載する。2009年後期型から、ポリカーボネート製ユニボディ筐体に変更。2011年7月に一旦モデル廃止となるが、2015年4月にRetinaディスプレイを搭載したモバイルノートブックとして新たに発売された。
- MacBook Pro
- PowerBookの後継機種となるハイエンドノートブックパソコン。Core Duo、Core 2 Duo搭載。13,15,17インチをラインナップする。2008年後期型から、アルミニウム製ユニボディ筐体に変更。2020年には13インチモデルにAppleシリコン搭載機が登場した。
- MacBook Air
- Mac史上、最も薄く軽量なアルミニウム製ユニボディを搭載したモバイルノートブック。Core 2 Duo搭載。光学ドライブを搭載せず、ネットワーク経由で他のMac/PCの光学ドライブを利用できる。2020年にはAppleシリコン搭載に刷新された。
ラックマウントサーバ
- Xserve
- Mac OS X Serverを採用した1Uサーバ、Intel Xeon 5500を搭載、オプションで2基搭載も可能
現行機種一覧
PowerPC G3搭載機の発売以降、機種の絞り込みが続いており、デスクトップとノートブックにそれぞれ上位機種と下位機種を1機種ずつ(合計4機種)提供することが基本になっている。2019年7月時点ではデスクトップ4機種とノートブック2機種(合計6機種)に集約されている。
2020年12月時点で販売されている機種は、インテル製のマルチコアプロセッサ及びアップルの独自開発SoC(Appleシリコン)が搭載された機種となっている。macOSがインストールされており、インテル製プロセッサを搭載するMacintoshに限り、別売りのWindowsなどをインストールすれば、切り替えでWindowsなどの他のOSの利用が可能になっている。また、Appleシリコン搭載機種でもARM向けにビルドしたMicrosoft Windows 10が動作することは技術的に可能であるが、現時点でマイクロソフトはARM向けWindows 10のライセンス供給はプリインストールPCのみとしており、ライセンス上は使用不可[25]。アップルの関係者はマイクロソフト次第としている[26]。
デスクトップ筐体
- iMac(オールインワンデスクトップパソコン)
- iMac Pro(プロ向けオールインワンデスクトップパソコン)
- Mac mini(超小型デスクトップパソコン)
- Mac Pro(Xeonプロセッサを搭載したワークステーション)
ノートブック型筐体
- MacBook Air(超薄型ノートパソコン)
- MacBook Pro(プロ向けノートパソコン)
OS
アップル製
- 漢字Talk/Mac OS
- macOS
- macOS Server
- A/UX
- MkLinux
- Macintosh Application Environment - サン・マイクロシステムズのSPARCstationやHPのワークステーションのX Window System上で動くMac互換環境であり、MAEと略されることも多い。漢字Talk 7.5.3に相当する環境MAE 3.0で開発終了。
その他のMacintosh用OS
- BeOS
- アップルを退社したジャン・ルイ・ガセーが設立したBe社のOS。プリエンプティブマルチタスク、メモリ保護機能、マルチプロセッシング等のMac OSでは成し得られなかった高度な要素を持たせようとした。開発途上で十分な機能を備えていなかったこともあり最小限であればZIPメディア (100MB) に収まるOSであった。当初はBeのBeBox専用OSだったが、同じPowerPCを持つPower MacintoshとPerforma(PCIバスを有するものに限る)に移植され、軽快さとMac以上の愛らしいアイコンやウィンドウを持っていることや開発途上で無償で配布されたことから一部のMacユーザに実験的に使用された。後には日本語環境を搭載したバージョンも出るが、前述のNeXTとの勝負に負けた後はAT互換機にも移植される。インテルの支援もむなしく業績不振に陥りBe社は倒産、 Palmにその技術を売り渡して以降は別会社へ移ってZetaと名を変えた新バージョンが存在している。
- Linux
- Mac用ではLinuxPPCやMkLinux、近年ではYellow Dog Linux等がある。
- LinuxPPC : LinuxPPCはPowerPC搭載のPower Macintosh(603搭載モデルの一部を除く)で動作するディストリビューションである。
- Yellow Dog Linux : Yellow Dog LinuxはPowerPC G3搭載以降のPower Macintoshで動作するディストリビューションで、G3チップの中でも割とハイスペックなもので動作する。
- その他にも、Ubuntu、SUSE、Fedora、Debian、Gentoo、Vine など様々なディストリビューションが対応している。
- BSD
- FreeBSD、NetBSD、OpenBSD、Darwin等が存在する。
- NetBSD : 古くから使われており、68kチップのMacintoshでも動作するものがある。MC68020以降のMacintoshでは大半が動作する[27]。
- OpenBSD :
- MachTen : カーネギーメロン大学で研究されていたBSD派生のMachカーネルを持ち、Mac用UNIX互換環境としては割と古い部類に入る。当時このMachを用いているOSは少なく、NEXTSTEPとこのMachTenの他は数種しか存在していなかった。
- Windows
- マイクロソフトが開発したAT互換機向けのOS、Windows XP Service Pack 2以降がインテル製プロセッサ搭載マシンで動作する。
- インテル製プロセッサを搭載したMacintoshではEFIというBIOSに代わる仕組みが使用されており、それはAT互換機が現在[いつ?]に渡るまで使用しているBIOSとは互換性がない。そのためそのままでは当時のWindowsが動作しなかったが、日本円でおよそ150万円もの懸賞金がかけられ、インテル製プロセッサを搭載したマシンで開発が行なわれていた。その開発は一応成功を収めたが、直後にアップルがインテル製プロセッサを搭載したMacintoshでWindows XP Service Pack 2以降をインストール/動作させるためのMac OS X v10.4.x向けとして開発途上のBoot Campというユーティリティの配布を行なった。Boot Campは、Mac OS X v10.5 Leopardで正式版(バージョン2.0)が搭載され、Windows XPに加えて、Windows Vistaもサポートされた。その後もバージョンアップが繰返され、Windows 7やWindows 8、Windows 8.1、Windows 10を動作させることも可能になっている。
- なお、サードパーティー製仮想マシンソフトでmacOSとWindowsを同時実行させることも可能である[注 1]。
主要アプリケーションソフト
現行のmacOS環境で稼動するパッケージソフトウェアのうち、主要なものを挙げる。ここで挙げられている他社製のソフトウェアは、すべてWindows版も存在する。また、アプリケーションではないのでリストには挙げられていないが、ジャストシステムが日本語入力プログラムATOKを提供している。
なお、ここで挙げられているもののほか、中小ベンダによるアプリケーションソフトウェアが多数あり、その中にはmacOS版しかないものもある。さらに、Mozilla、Googleのソフトウェアなど、他OSでも定番となっているクロスプラットフォームの無料ソフトウェアも多数利用可能。UNIXの知識があれば、UNIX向けのソフトウェアも利用可能になる。(初期状態でシェルからの基本的なUNIXの各種コマンドなどは利用できる。ただし、初期状態では開発環境は入っていないので、ソースコードで配布されているソフトをインストールする場合、macOSのメディアから開発環境である「Xcode」をインストールする必要がある)
アップルのソフトウェアやサードパーティーのオンラインソフトウェア(フリーウェア・シェアウェア)については、Mac App Storeで入手できる。
アップル製
他社製(日本以外)
- マイクロソフト - Microsoft Office (Microsoft Word、Excel、PowerPoint、Outlook)
- アドビ - Creative Suite、Photoshop、Photoshop Elements、Premere、Illustrator、Dreamweaver、Flash、InDesign、Acrobat、After Effects、Audition他
- コーレル - Painter
- クラリス - FileMaker
- オートデスク - Maya
- クオーク - QuarkXPress
- ニューテック(日本での代理店はディストームおよびイーフロンティア) - LightWave 3D
- Nemetschek Vectorworks(日本での代理店はエーアンドエー) - VectorWorks
- PG Music(日本での代理店はイーフロンティア) - Band-in-a-Box
- Serif Europe - Affinity Designer、Affinity Photo、Affinity Publisher
- ブラックマジックデザイン - DaVinci Resolve
他社製 (日本メーカー)
周辺機器
USBで接続するプリンターやUSBメモリ、デジタルカメラなどは、WindowsとmacOS両対応のものが多い。もしドライバが付属していなければ、macOS内包の標準ドライバを使用するか、周辺機器メーカのホームページにドライバが公開されている場合があるので、公開されていればダウンロードして利用できる。
逸話
- 1987年-1991年の当時、日本で発売されていたパーソナルコンピュータとしては、コンピュータ用ロールプレイングゲーム イースシリーズが1本も移植されていない2例のうちの1つである(もう1例は富士通のFM TOWNS)。「イースI」の発売された1987年当時、日本においてMacはホビーユースに気軽に買えるような値段ではなかったので当然の流れといえたが(Apple IIには移植されている)、LC(初代LC)などの手頃な価格のカラー機が登場した1990年代に入って以降も、現在[いつ?]に至るまで1タイトルも移植されていない。
- 1992年に公開された映画『七人のおたく』には、江口洋介扮するMacおたくが登場し、ColorClassicを背負って移動したり、投入されたばかりのQuickTime技術を使って声を合成するシーンなどが描写された。
脚注
注釈
- ^ a b Boot Campによる起動時OS切り替えのほか、サードパーティー製ソフトウェアを利用すると、macOSとWindowsを同時実行させることもできる。アップルがアナウンスしているもの [1] では、Parallels Desktop for Mac[2] やVMware Fusion[3] が挙げられている。
- ^ Microsoft Excelは、元々Macintosh向けに開発された表計算ソフトであるが、他のOfficeアプリケーションはWindowsから移植されている。
- ^ PC/AT互換機ではインテルがIA-64に固執したため64ビット化が遅れ、2004年末になってAMDがx86-64(現在のx64)をK8(Opteron、Athlon64)で投入してようやく64ビットに対応した。ただし、OSの方は2005年にWindows xp Professional x64 Editionが投入されたため、完全な64ビット化はWindows勢が先んじる形になった。
出典
- ^ アイザックソン(2011)p.181
- ^ アイザックソン(2011)p.187
- ^ ジェフ・ラスキンは、それ以前にアップルでApple IおよびApple IIのマニュアル(取扱説明書)の作成を行っていた際、技術用語や命令口調の排除、カラー写真および画像の多用、背綴じでなくリングを使った綴じ方を採用しユーザが操作をしながら参照し易いようにする、などの配慮を怠らなかった。これらは当時のコンピュータ業界では新しい試みで、NASAの宇宙開発プロジェクトからヒントを得たとされている(注:リングで綴じたマニュアルは、NASAのアポロ計画で採用された宇宙飛行士向けのマニュアルに倣ったものである。)。彼は、これらマニュアルデザインの方向性、および「Macintosh」という親しみやすい名称を思いついた、という点においては、発売後のMacintoshにも「一種の足跡を残した」と 言える。(マニュアルも、リング綴じは廃止されてしまった。)プロジェクトチームを立ち上げたにもかかわらず、チームをジョブズに「のっとられて」しまった。
- ^ 中原晃司、梶浦正規著『マッキントッシュ礼賛』株式会社カットシステム、1997年6月1日、110頁。ISBN 4-906391-45-1。
- ^ スティーブ・ジョブズがかかわった会社。1997年にアップルが買収。
- ^ THE Open GROUP. “The Open Brand - Register of Certified Products”. 2010年11月3日閲覧。
- ^ Apple Computer, Inc. (1998年5月4日). “Apple Acquires Technology From Macromedia”. 1999年5月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2010年11月3日閲覧。
- ^ Apple Computer, Inc. (1999年4月19日). “Apple Ships Final Cut Pro Video Authoring Software”. 1999年5月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2010年11月3日閲覧。
- ^ “アップル 「Mac」心臓部を自社製に切り替えへ”. NHK. 2020年6月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年5月15日閲覧。
- ^ ASCII.jp (2005年6月7日). “【WWDC2005基調講演 Vol.3】ジョブズがアップルについて語ったこと──インテル移行計画”. 2010年11月3日閲覧。
- ^ Mac@IBM Keynote Highlights | JNUC 2015 - YouTube
- ^ Mac@IBM, Zero to 30,000 in 6 Months
- ^ Mac At Work: IBM Launches Services to Deploy Macs at Scale to the Enterprise via Cloud
- ^ IBM、5万台のMac自社導入/運用経験に基づく企業支援サービス
- ^ IBM Managed Mobility Services for Mac - IBM グローバル・テクノロジー・サービス
- ^ “iMac Proは電源オフでも「Hey Siri」で起動? A10チップ搭載がBridgeOS解析から発覚、セキュリティ用途の可能性も - Engadget 日本版”. Engadget JP. 2021年4月18日閲覧。
- ^ ASCII. “アップル新型「iMac」に期待すること (3/5)”. ASCII.jp. 2021年4月18日閲覧。
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- ^ Apple Inc. (2010年9月1日). “メモリ構成: Portable、PowerBook、iBook”. 2010年11月3日閲覧。
- ^ Apple Inc.. “Macintosh Portable: Technical Specifications”. 2010年11月3日閲覧。
- ^ “Apple T2 セキュリティチップについて”. Apple Support. 2020年6月3日閲覧。
- ^ Palladino, Valentina (2018年11月13日). “Apple’s T2 chip will block some third-party repairs of new devices” (英語). Ars Technica. 2020年6月3日閲覧。
- ^ macOSの /usr/standalone/firmware/iBridge1_1Customer.bundle/Contents/Info.plist 参照。
- ^ engadget (2020年6月25日). “Arm版Mac、Boot Campはどうなる? MSが「Arm版Win 10は(現時点では)提供できない」と回答”. engadget 2020年12月25日閲覧。
- ^ engadget (2020年11月21日). “「M1搭載MacでArm版Windows 10は動作可能。すべてマイクロソフト次第」アップル幹部が語る”. engadget 2020年12月25日閲覧。
- ^ 三浦 一則、1998年7月1日、『MacBSD X Window System & 日本語環境活用ガイド』、株式会社広文社 ISBN 4-905999-80-4
参考文献
- ポール・クンケル 著、大谷 和利 訳『アップルデザイン』アクシスパブリッシング、1998年。ISBN 978-4-900450-67-7。
- 柴田文彦『Macintosh Museum』MacPower編集部 編、アスキー、2004年。ISBN 978-4-7561-4515-4。
- アンディ・ハーツフェルド『レボリューション・イン・ザ・バレー 開発者が語るMacintosh誕生の舞台裏』柴田文彦(訳)、オライリー・ジャパン、2005年。ISBN 4-87311-245-1。
- 川崎和男『artificial heart:川崎和男展』坂村健 菅野沖彦 藤田治彦、アスキー、2006年。ISBN 978-4-7561-4803-2。
- ウォルター・アイザックソン 著、井口耕二 訳『スティーブ・ジョブズ I』講談社、2011年。ISBN 978-4-06-217126-7。