「マネーボール (映画)」の版間の差分
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| 上映時間 = 133分 |
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2021年8月17日 (火) 23:46時点における版
マネーボール | |
---|---|
Moneyball | |
監督 | ベネット・ミラー |
脚本 |
スティーヴン・ザイリアン アーロン・ソーキン |
原案 | スタン・チャーヴィン |
原作 |
マイケル・ルイス 『マネー・ボール』 |
製作 |
マイケル・デ・ルカ レイチェル・ホロヴィッツ ブラッド・ピット |
製作総指揮 |
スコット・ルーディン アンドリュー・S・カーシュ シドニー・キンメル マーク・バクシ |
出演者 |
ブラッド・ピット ジョナ・ヒル フィリップ・シーモア・ホフマン |
音楽 | マイケル・ダナ |
撮影 | ウォーリー・フィスター |
編集 | クリストファー・テレフセン |
製作会社 |
マイケル・デ・ルカ・プロダクションズ スコット・ルーディン・プロダクションズ スペシャルティ・フィルムズ |
配給 |
コロンビア ピクチャーズ ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント |
公開 |
2011年9月23日 2011年11月11日 |
上映時間 | 133分 |
製作国 | アメリカ合衆国 |
言語 | 英語 |
製作費 | $50,000,000[1] |
興行収入 |
$110,206,216[1] $75,605,492[1] 9億円[2] |
『マネーボール』(Moneyball)は、2011年のアメリカ合衆国の映画。マイケル・ルイスによる『マネー・ボール 奇跡のチームをつくった男』を原作とし、オークランド・アスレチックスのゼネラルマネージャー(GM)、ビリー・ビーンがセイバーメトリクスを用い経営危機に瀕した球団を再建する姿を描く。ベネット・ミラーが監督し、ブラッド・ピットがビーンを演じた。第24回東京国際映画祭にて公式クロージング作品としてアジアプレミア上映[3]。
あらすじ
ビリー・ビーンは、かつて超高校級選手としてニューヨーク・メッツからドラフト1巡目指名を受けたスター候補生だった。スカウトの言葉を信じ、名門スタンフォード大学の奨学生の権利を蹴ってまでプロの道を選んだビーンだったが、鳴かず飛ばずの日々を過ごし、さまざまな球団を転々としたのち現役を引退。スカウトに転身し、第二の野球人生を歩み始める。
2001年のディビジョンシリーズで、オークランド・アスレチックスはニューヨーク・ヤンキースに敗れ、オフにはスター選手であるジョニー・デイモン、ジェイソン・ジアンビ、ジェイソン・イズリングハウゼンの3選手のフリーエージェント移籍が確定的となった。この時アスレチックスのGMに就任していたビーンは、2002年シーズンに向けて戦力を整えるべく補強資金を求めるも、スモールマーケットのオークランドを本拠地とし、資金に余裕の無いオーナーの返事はつれない。
ある日、トレード交渉のためにクリーブランド・インディアンスのオフィスを訪れたビーンは、イエール大学卒業のスタッフ、ピーター・ブランドに出会う。ブランドは各種統計から選手を客観的に評価する『セイバーメトリクス』を用いて、他のスカウトとは違う尺度で選手を評価していた。ブランドの理論に興味を抱いたビーンは、その理論をあまり公にできず肩身の狭い思いをしていた彼を自身の補佐として引き抜き、他球団からは評価されていない埋もれた戦力を発掘し、低予算でチームを改革しようと試みる。
キャスト
※括弧内は日本語吹替
- 「オークランド・アスレチックス」のGM[4]。
- 名門イェール大の経済学部を卒業し、インディアンズのスタッフとして独自に選手のデータ分析を行っていた青年[4]。
- アート・ハウ - フィリップ・シーモア・ホフマン(石住昭彦)
- シャロン - ロビン・ライト(田中敦子)
- スコット・ハッテバーグ - クリス・プラット(T.ラック)
- デヴィッド・ジャスティス - スティーヴン・ビショップ(山口太郎)
- マーク・シャパイロ - リード・ダイアモンド
- ロン・ワシントン - ブレント・ジェニングス(中博史)
- グレイディ・フソン - ケン・メドロック(浦山迅)
- ジョン・ポロニ - ジャック・マクギー
- マット・キーオ - ニック・サーシー
- ロン・ホプキンス - グレン・モーシャワー(玉野井直樹)
- チャド・ブラッドフォード - ケイシー・ボンド(岩田安宣)
- ジェレミー・ジアンビ - ニック・ポラッツォ
- ケイシー・ビーン - ケリス・ドーシー(宇山玲加)
- ジョン・ヘンリー - アーリス・ハワード(堀内賢雄)
- 若年期のビリー・ビーン - リード・トンプソン(岡本未来)
- ミゲル・テハダ - ロイス・クレイトン
- マーク・エリス - ブレント・ドーリング(三上哲)
- ジョン・マブリー - デヴィッド・ハッチソン(クレジットなし)
- アラン - スパイク・ジョーンズ(クレジットなし)
- スティーブン・ショット - ロバート・コティック[5](クレジットなし)(井上和彦)
製作
- スタン・チャーヴィンが草稿を書き、スティーヴン・ザイリアンが脚色した。監督には当初デヴィッド・フランケルが当てられ[6]、その後スティーヴン・ソダーバーグが務めることになった。しかし撮影開始数日前の2009年6月19日、実際の選手へのインタビューが含まれているなど、脚本が通常のスポーツ映画とは異なっていたことから、ソダーバーグは監督を降板、撮影は延期された[7]。その後ベネット・ミラーが監督に決まり、アーロン・ソーキンが脚本を改稿した[8]。
- ビーンを補佐したポール・デポデスタに当たる役には当初ディミトリ・マーティンが当てられていたが、ジョナ・ヒルに代わった。
- 試合シーンでのリアリティを出すため、選手役には元野球選手や野球経験のある俳優が起用されている。テハダ役を演じたロイス・クレイトンは元メジャーリーガーである他、ジャスティス役のスティーブン・ビショップはマイナーリーグ在籍経験があり、ジャスティス本人とも親交がある。
- 撮影は2010年7月に始まった[9]。
- 日本人メジャーリーガーであるイチローも一瞬だがモニターの画面の中に映る出演をしている。本作におけるイチローは「メジャー1年目から素晴らしい結果を出して、高い評価を得ているスター選手。年俸も高くて、貧乏球団のビリーでは手の届かない選手の象徴」であると監督のベネット・ミラーは語っている[10]。
実話との相違点
20連勝を達成した試合に関しては、試合展開も含めて事実に沿っているが、それ以外のシーンにおいては若干の脚色が見られる。
- 主人公の ビリー・ビーンは妻と別れて一人娘がいる設定になっているが、実際には、既に幼馴染で2人目の妻のタラと1999年に再婚しており、翌年には双子が産まれている。[11]
- ビリー・ビーンの補佐役でイェール大学卒業となっているピーター・ブランドのモデルは、ポール・デポデスタでありハーバード大卒である。映画化にあたり、あまりに自分とは異なる外見の俳優がキャスティングされたこと、データおたくのようなキャラの描かれ方に納得できず、実名の使用を拒否している。
- ジェレミー・ジアンビやチャド・ブラッドフォードは映画序盤に他球団から獲得したように描かれているが、実際には映画序盤に相当する時期にはすでに在籍している。[12]
評価
本作は非常に高い評価を受けており、RottenTomatoesでは95%の支持を得ている他、多くの批評家が2011年公開作の年間トップ10に選出した。
映画祭・賞 | 発表日 | 部門 | 対象 | 結果 |
---|---|---|---|---|
第84回アカデミー賞[13][14] | 2012年2月26日 | 作品賞 | マイケル・デ・ルカ、レイチェル・ホロヴィッツ、ブラッド・ピット | ノミネート |
主演男優賞 | ブラッド・ピット | ノミネート | ||
助演男優賞 | ジョナ・ヒル | ノミネート | ||
脚色賞 | 脚本: スティーヴン・ザイリアン、アーロン・ソーキン 原案: スタン・チャーヴィン |
ノミネート | ||
編集賞 | クリストファー・テレフセン | ノミネート | ||
音響編集賞 | デブ・アデア、ロン・ボーチャー、デイヴ・ジャンマルコ、エド・ノヴィック | ノミネート |
劇中曲
- ケリス・ドーシー - The Show
- 2002年の開幕戦で、ギタリストのジョー・サトリアーニによるインストアレンジ・バージョン。サトリアーニ本人による演奏。
その他
- とんねるずのみなさんのおかげでしたの東日本大震災チャリティー企画「ハンマーオークション」にて、ブラッド・ピットのサイン入りジャケット、映画「マネーボール」のサイン入りポスター、さらに「円球 ぶらぴ」と直筆で書かれた掛け軸が出品され、95万円で落札された。
- 2012年10月20日にWOWOW・スターチャンネルでBS初放映。
脚注・参考文献
- ^ a b c “Moneyball” (英語). Box Office Mojo. 2011年11月14日閲覧。
- ^ 「キネマ旬報」2012年2月下旬決算特別号 211頁
- ^ 一部報道によれば、ブラッド・ピットが東京国際映画祭に合わせて、来日を計画していたことがわかった。映画祭には、来日かなわなったが、11月上旬に来日予定。ベネット・ミラー監督映画祭来日。
- ^ a b マネーボール : 作品情報 - 映画.com
- ^ ゲームソフト会社『アクティビジョン・ブリザード』のCEO。
- ^ Siegel, Tatiana (2008年10月16日). “Columbia pitches 'Moneyball' to Pitt” (英語). バラエティ. リード・ビジネス・インフォメーション. 2011年5月28日閲覧。
- ^ Fleming, Michael; Bart, Peter (2009年6月21日). “Sony scraps Soderbergh's 'Moneyball'” (英語). バラエティ. リード・ビジネス・インフォメーション. 2011年5月28日閲覧。
- ^ Fleming, Mike (2010年4月12日). “Finally, It's Batter Up For 'Moneyball'” (英語). Deadline New York. Mail.com Media. 2011年5月28日閲覧。
- ^ Slusser, Susan (2010年7月30日). “'Moneyball' shoot brings back memories” (英語). サンフランシスコ・クロニクル. ハースト・コーポレーション. 2011年5月28日閲覧。
- ^ ““イチローVSブラッド・ピット”を演出 映画『マネーボール』ベネット・ミラー監督”. ORICON STYLE (2011年11月9日). 2015年6月25日閲覧。
- ^ Glamour Path
- ^ 「映画になった奇跡の実話」 鉄人ノンフィクション編集部
- ^ “Oscar 2012 winners – The full list”. The Guardian (27 February 2012). 29 February 2012閲覧。
- ^ “Nominees and Winners for the 84th Academy Awards”. Academy Awards of Motion Picture Arts and Sciences (Oscars). 21 February 2012閲覧。