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1990年のワールドシリーズ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
1990年ワールドシリーズ
チーム 勝数
シンシナティ・レッズNL 4
オークランド・アスレチックスAL 0
シリーズ情報
試合日程 10月16日–20日
観客動員 4試合合計:20万8544人
1試合平均:05万2136人
MVP ホセ・リーホ(CIN)
ALCS OAK 4–0 BOS
NLCS CIN 4–2 PIT
殿堂表彰者 トニー・ペレス(CINコーチ[注 1]
バリー・ラーキン(CIN内野手)
トニー・ラルーサ(OAK監督)
ハロルド・ベインズ(OAK指名打者)
デニス・エカーズリー(OAK投手)
リッキー・ヘンダーソン(OAK外野手)
チーム情報
シンシナティ・レッズ(CIN)
シリーズ出場 14年ぶり09回目
GM ボブ・クイン
監督 ルー・ピネラ
シーズン成績 091勝71敗・勝率.562
NL西地区優勝
分配金 選手1人あたり11万2533.70ドル[1]

オークランド・アスレチックス(OAK)
シリーズ出場 03年連続14回目
GM サンディ・アルダーソン
監督 トニー・ラルーサ
シーズン成績 103勝59敗・勝率.636
AL西地区優勝
分配金 選手1人あたり08万6960.54ドル[1]
全米テレビ中継
放送局 CBS
実況 ジャック・バック
解説 ティム・マッカーバー
平均視聴率 20.8%(前年比4.4ポイント上昇)[2]
ワールドシリーズ
 < 1989 1991 > 

1990年の野球において、メジャーリーグベースボール(MLB)優勝決定戦の第87回ワールドシリーズ(だい87かいワールドシリーズ、87th World Series)は、10月16日から20日にかけて計4試合が開催された。その結果、シンシナティ・レッズナショナルリーグ)がオークランド・アスレチックスアメリカンリーグ)を4勝0敗で下し、14年ぶり5回目の優勝を果たした。

両チームの対戦は、1972年以来18年ぶり2回目。レギュラーシーズンの勝利数が少ないほうの球団が初戦から全勝の "スウィープ" で優勝するのは、レッズが1954年ニューヨーク・ジャイアンツ以来史上2球団目である[3]。今シリーズではレッズのビリー・ハッチャーが、第1戦の第2打席から7打数連続で安打を放ち、シリーズ記録を更新した[注 2][4]。ハッチャーは4試合で打率.750・OPS 2.050を記録したが、シリーズMVP受賞を逃した。選出されたのは、第1戦と最終第4戦に先発登板して計15.1イニングを投げ、2勝0敗・防御率0.59という成績を残したレッズのホセ・リーホである。リーホは1985年2月、カリブ海沿岸諸国のウィンターリーグによる国際大会 "カリビアンシリーズ" でもMVPを受賞している。ワールドシリーズとカリビアンシリーズの両方でMVPを受賞したのは、リーホが史上初である[注 3][5]

ワールドシリーズは1985年から2006年までの22年間、開幕を土曜日に設定していた。しかし今回だけは例外で、火曜日に開幕した。これは、MLB機構と選手会との労使交渉がまとまらず、この年のスプリングトレーニング期間にロックアウトが実施され、この影響で日程がずれたためである[6]

試合結果

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1990年のワールドシリーズは10月16日に開幕し、途中に移動日を挟んで5日間で4試合が行われた。日程・結果は以下の通り。

日付 試合 ビジター球団(先攻) スコア ホーム球団(後攻) 開催球場
10月16日(火) 第1戦 オークランド・アスレチックス 0-7 シンシナティ・レッズ リバーフロント・スタジアム
10月17日(水) 第2戦 オークランド・アスレチックス 4-5x シンシナティ・レッズ
10月18日(木) 移動日
10月19日(金) 第3戦 シンシナティ・レッズ 8-3 オークランド・アスレチックス オークランド・アラメダ・
カウンティ・コロシアム
10月20日(土) 第4戦 シンシナティ・レッズ 2-1 オークランド・アスレチックス
優勝:シンシナティ・レッズ(4勝0敗 / 14年ぶり5度目)

第1戦 10月16日

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映像外部リンク
MLB.comによる動画(英語)
初回裏、エリック・デービスがデーブ・スチュワートから2点本塁打を放ちレッズが先制(54秒)
レッズのビリー・ハッチャーが3打数3安打(56秒)
レッズ先発投手ホセ・リーホがアスレチックス打線を7回無失点に封じる(2分3秒)
9回表、ランディ・マイヤーズがウィリー・マギーを右飛に打ち取り試合終了、レッズが先勝(29秒)
  1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
オークランド・アスレチックス 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 9 1
シンシナティ・レッズ 2 0 2 0 3 0 0 0 X 7 10 0
  1. 勝利ホセ・リーホ(1勝)  
  2. 敗戦デーブ・スチュワート(1敗)  
  3. 本塁打
    CIN:エリック・デービス1号2ラン
  4. 審判
    [球審]フランク・プーリ(NL)
    [塁審]一塁: ロッキー・ロー(AL)、二塁: ジム・クイック(NL)、三塁: テッド・ヘンドリー(AL)
    [外審]左翼: ランディ・マーシュ(NL)、右翼: ラリー・バーネット(AL)
  5. 試合開始時刻: 東部夏時間UTC-4)午後8時30分 試合時間: 2時間48分 観客: 5万5830人
    詳細: Baseball-Reference.com
両チームの先発ラインナップ
オークランド・アスレチックス シンシナティ・レッズ
打順 守備 選手 打席 打順 守備 選手 打席
1 R・ヘンダーソン 1 B・ラーキン
2 W・マギー 2 B・ハッチャー
3 J・カンセコ 3 P・オニール
4 M・マグワイア 4 E・デービス
5 C・ランスフォード 5 H・モリス
6 T・スタインバック 6 C・セイボー
7 W・ランドルフ 7 J・オリバー
8 M・ガイエゴ 8 M・ダンカン
9 D・スチュワート 9 J・リーホ
先発投手 投球 先発投手 投球
D・スチュワート J・リーホ

第2戦 10月17日

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映像外部リンク
MLB.comによる動画(英語)
大統領夫人バーバラ・ブッシュによる始球式(39秒)
レッズのビリー・ハッチャーが4打数4安打(2分)
延長10回裏、一死から代打ビリー・ベイツが内野安打で出塁(53秒)
一死一・二塁となり、ジョー・オリバーがデニス・エカーズリーから三塁線を破るサヨナラ安打を放つ(1分50秒)
  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 R H E
オークランド・アスレチックス 1 0 3 0 0 0 0 0 0 0 4 10 2
シンシナティ・レッズ 2 0 0 1 0 0 0 1 0 1x 5 14 2
  1. 勝利ロブ・ディブル(1勝)  
  2. 敗戦デニス・エカーズリー(1敗)  
  3. 本塁打
    OAK:ホセ・カンセコ1号ソロ
  4. 審判
    [球審]ロッキー・ロー(AL)
    [塁審]一塁: ジム・クイック(NL)、二塁: テッド・ヘンドリー(AL)、三塁: ランディ・マーシュ(NL)
    [外審]左翼: ラリー・バーネット(AL)、右翼: フランク・プーリ(NL)
  5. 試合開始時刻: 東部夏時間UTC-4)午後8時30分 試合時間: 3時間31分 観客: 5万5832人
    詳細: Baseball-Reference.com
両チームの先発ラインナップ
オークランド・アスレチックス シンシナティ・レッズ
打順 守備 選手 打席 打順 守備 選手 打席
1 R・ヘンダーソン 1 B・ラーキン
2 C・ランスフォード 2 B・ハッチャー
3 J・カンセコ 3 P・オニール
4 M・マグワイア 4 E・デービス
5 D・ヘンダーソン 5 H・モリス
6 W・ランドルフ 6 C・セイボー
7 R・ハッシー 7 J・オリバー
8 M・ガイエゴ 8 M・ダンカン
9 B・ウェルチ 9 D・ジャクソン
先発投手 投球 先発投手 投球
B・ウェルチ D・ジャクソン

第3戦 10月19日

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映像外部リンク
MLB.comによる動画(英語)
2回裏、ハロルド・ベインズの2点本塁打でアスレチックスが逆転(1分)
レッズのクリス・セイボーが2回表と3回表の2イニング連続で本塁打を放つ(1分27秒)
  1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
シンシナティ・レッズ 0 1 7 0 0 0 0 0 0 8 14 1
オークランド・アスレチックス 0 2 1 0 0 0 0 0 0 3 7 1
  1. 勝利トム・ブラウニング(1勝)  
  2. 敗戦マイク・ムーア(1敗)  
  3. 本塁打
    CIN:クリス・セイボー1号ソロ・2号2ラン
    OAK:ハロルド・ベインズ1号2ラン、リッキー・ヘンダーソン1号ソロ
  4. 審判
    [球審]ジム・クイック(NL)
    [塁審]一塁: テッド・ヘンドリー(AL)、二塁: ランディ・マーシュ(NL)、三塁: ブルース・フローミング(NL)
    [外審]左翼: フランク・プーリ(NL)、右翼: ロッキー・ロー(AL)
  5. 試合開始時刻: 太平洋夏時間UTC-7)午後5時30分 試合時間: 3時間1分 観客: 4万8269人
    詳細: Baseball-Reference.com
両チームの先発ラインナップ
シンシナティ・レッズ オークランド・アスレチックス
打順 守備 選手 打席 打順 守備 選手 打席
1 B・ラーキン 1 R・ヘンダーソン
2 B・ハッチャー 2 C・ランスフォード
3 P・オニール 3 J・カンセコ
4 E・デービス 4 D・ヘンダーソン
5 DH H・モリス 5 DH H・ベインズ
6 C・セイボー 6 M・マグワイア
7 T・ベンジンガー 7 T・スタインバック
8 J・オリバー 8 W・ランドルフ
9 M・ダンカン 9 M・ガイエゴ
先発投手 投球 先発投手 投球
T・ブラウニング M・ムーア

第4戦 10月20日

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映像外部リンク
MLB.comによる動画(英語)
マイケル・ボルトンによる試合前のアメリカ合衆国国歌『星条旗』独唱(2分17秒)
2回表、グレン・ブラッグスは空振りしたにもかかわらず、フォロースルー時にバットを背中に当てて折る(58秒)
8回表にレッズ打線が無死満塁とし、ブラッグスの遊ゴロとハル・モリスの犠飛で2点を奪い逆転(1分42秒)
レッズ先発投手ホセ・リーホの全9奪三振(1分19秒)
9回裏、ランディ・マイヤーズがカーネイ・ランスフォードを一邪飛に打ち取り試合終了、レッズの優勝が決定(46秒)
  1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
シンシナティ・レッズ 0 0 0 0 0 0 0 2 0 2 7 1
オークランド・アスレチックス 1 0 0 0 0 0 0 0 0 1 2 1
  1. 勝利ホセ・リーホ(2勝)  
  2. セーブランディ・マイヤーズ(1S)  
  3. 敗戦デーブ・スチュワート(2敗)  
  4. 審判
    [球審]テッド・ヘンドリー(AL)
    [塁審]一塁: ランディ・マーシュ(NL)、二塁: ブルース・フローミング(NL)、三塁: フランク・プーリ(NL)
    [外審]左翼: ロッキー・ロー(AL)、右翼: ジム・クイック(NL)
  5. 試合開始時刻: 太平洋夏時間UTC-7)午後5時26分 試合時間: 2時間48分 観客: 4万8613人
    詳細: Baseball-Reference.com
両チームの先発ラインナップ
シンシナティ・レッズ オークランド・アスレチックス
打順 守備 選手 打席 打順 守備 選手 打席
1 B・ラーキン 1 R・ヘンダーソン
2 B・ハッチャー 2 W・マギー
3 P・オニール 3 D・ヘンダーソン
4 E・デービス 4 DH H・ベインズ
5 DH H・モリス 5 C・ランスフォード
6 C・セイボー 6 J・カーク
7 T・ベンジンガー 7 M・マグワイア
8 J・オリバー 8 W・ランドルフ
9 M・ダンカン 9 M・ガイエゴ
先発投手 投球 先発投手 投球
J・リーホ D・スチュワート

脚注

[編集]

注釈

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  1. ^ 殿堂入りは指導者としてではなく、一塁手としての功績が評価されてのもの。
  2. ^ それまでの最長記録は6打数連続で、1924年グース・ゴスリン1976年サーマン・マンソンが達成していた。
  3. ^ のちにデビッド・オルティーズが、2003年のカリビアンシリーズと2013年のワールドシリーズでMVPを受賞し、リーホに次ぐ2人目となる。

出典

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  1. ^ a b "World Series Gate Receipts," Baseball Almanac. 2019年8月12日閲覧。
  2. ^ "World Series Television Ratings," Baseball Almanac. 2019年8月12日閲覧。
  3. ^ Chris Jaffe, "The 10 worst postseason sweeps ever," The Hardball Times, October 22, 2012. 2019年9月22日閲覧。
  4. ^ Matt Kelly, "The hits kept on coming," Baseball Hall of Fame. 2019年8月12日閲覧。
  5. ^ Tony Grullón, "JMV en Serie del Caribe y Serie Mundial," Listín Diario, 5 de febrero de 2014. 2019年8月12日閲覧。
  6. ^ "New World Series Schedule Allows Major League Baseball to (Mostly) Avoid NFL Games," Variety, September 11, 2014. 2020年4月11日閲覧。

外部リンク

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