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2005年のワールドシリーズ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
2005年ワールドシリーズ

第1戦開始前のセレモニーが行われているU.S.セルラー・フィールドの様子
チーム 勝数
シカゴ・ホワイトソックスAL 4
ヒューストン・アストロズNL 0
シリーズ情報
試合日程 10月22日–26日
観客動員 4試合合計:16万8422人
1試合平均:04万2106人
MVP ジャーメイン・ダイ(CWS)
ALCS CWS 4–1 LAA
NLCS HOU 4–2 STL
殿堂表彰者 ハロルド・ベインズ(CWSコーチ[注 1]
ティム・レインズ(CWSコーチ[注 2]
ジェフ・バグウェル(HOU内野手)
クレイグ・ビジオ(HOU内野手)
チーム情報
シカゴ・ホワイトソックス(CWS)
シリーズ出場 46年ぶり5回目
GM ケニー・ウィリアムズ
監督 オジー・ギーエン
シーズン成績 99勝63敗・勝率.611
AL中地区優勝
分配金 選手1人あたり32万4532.72ドル[1]

ヒューストン・アストロズ(HOU)
シリーズ出場 球団創設44年目で初
GM ティム・パープラ
監督 フィル・ガーナー
シーズン成績 89勝73敗・勝率.549
NL中地区2位=ワイルドカード
分配金 選手1人あたり19万1985.45ドル[1]
全米テレビ中継
放送局 FOX
実況 ジョー・バック
解説 ティム・マッカーバー
平均視聴率 11.1%(前年比4.7ポイント下降)[2]
ワールドシリーズ
 < 2004 2006 > 

2005年の野球において、メジャーリーグベースボール(MLB)優勝決定戦の第101回ワールドシリーズ英語: 101st World Series)は、10月22日から26日にかけて計4試合が開催された。その結果、シカゴ・ホワイトソックスアメリカンリーグ)がヒューストン・アストロズナショナルリーグ)を4勝0敗で下し、88年ぶり3回目の優勝を果たした。

ホワイトソックスは、1919年シリーズにおいて8選手が賭博師と結託し八百長を仕組んだとして、コミッショナーケネソー・マウンテン・ランディスによって1921年に永久追放処分を下された、いわゆる "ブラックソックス事件" を起こしている。それ以降はシリーズ優勝から見放され、出場も1959年の一度きりにとどまっていたことから、事件によって球団に呪いがかけられたとする都市伝説 "ブラックソックスの呪い" あるいは "シューレス・ジョー・ジャクソンの呪い" がファンの間で定着した[3]。今シリーズ制覇により、ホワイトソックスはその呪いを解いた。アストロズは2012年シーズン終了後にナショナルリーグからアメリカンリーグへ転籍したため、再転籍がない限り、ナショナルリーグの球団としてシリーズに出場するのは今回が最初で最後となる。シリーズMVPには、優勝を決めた第4戦で先制・決勝の適時打を放つなど、4試合で打率.438・1本塁打・3打点OPS 1.214という成績を残したホワイトソックスのジャーメイン・ダイが選出された。

ワールドシリーズまでの道のり

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両チームの2005年

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10月16日にまずアメリカンリーグでホワイトソックス(中地区)が、そして19日にはナショナルリーグでアストロズ(中地区)が、それぞれリーグ優勝を決めてワールドシリーズへ駒を進めた。

ホームフィールド・アドバンテージ

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7月12日にミシガン州デトロイトコメリカ・パークで開催されたオールスターゲームは、アメリカンリーグナショナルリーグに7-5で勝利した。この結果、ワールドシリーズの第1・2・6・7戦を本拠地で開催できる "ホームフィールド・アドバンテージ" は、アメリカンリーグ優勝チームに与えられることになった。このオールスターには、ホワイトソックスからは投手がマーク・バーリージョン・ガーランド、野手がポール・コネルコスコット・ポドセドニックの計4人が選出された。一方のアストロズからは、投手がロジャー・クレメンスブラッド・リッジロイ・オズワルト、野手がモーガン・エンスバーグの計4人が名を連ねた。試合では全5投手が1イニング以上の登板機会を得たものの、ホワイトソックスの投手とアストロズの打者の対戦や、アストロズの投手とホワイトソックスの打者の対戦は、いずれも実現しなかった。

両チームの過去の対戦

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1997年から始まったレギュラーシーズン中のインターリーグでは、同年から2000年の4年連続で3試合ずつの計12試合が組まれ、ホワイトソックスが7勝5敗で勝ち越している[4]。直近の対戦は2000年6月にアストロズの本拠地ミニッツメイド・パークで3連戦が行われ、ホワイトソックスが2勝1敗で勝ち越した。

試合結果

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2005年のワールドシリーズは10月22日に開幕し、途中に移動日を挟んで5日間で4試合が行われた。日程・結果は以下の通り。

日付 試合 ビジター球団(先攻) スコア ホーム球団(後攻) 開催球場
10月22日(土) 第1戦 ヒューストン・アストロズ 3-5 シカゴ・ホワイトソックス U.S.セルラー・フィールド
10月23日(日) 第2戦 ヒューストン・アストロズ 6-7x シカゴ・ホワイトソックス
10月24日(月) 移動日
10月25日(火) 第3戦 シカゴ・ホワイトソックス 7-5 ヒューストン・アストロズ ミニッツメイド・パーク
10月26日(水) 第4戦 シカゴ・ホワイトソックス 1-0 ヒューストン・アストロズ
優勝:シカゴ・ホワイトソックス(4勝0敗 / 88年ぶり3度目)

第1戦 10月22日

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映像外部リンク
MLB.comによる動画(英語)
ルイス・アパリシオによる始球式(23秒)
2回表、アストロズがマイク・ラムのソロ本塁打で1-1の同点に追いつく(1分)
9回表、ボビー・ジェンクスがアダム・エバレットを空振り三振に仕留めて試合終了、ホワイトソックスが先勝(31秒)
  1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
ヒューストン・アストロズ 0 1 2 0 0 0 0 0 0 3 7 1
シカゴ・ホワイトソックス 1 2 0 1 0 0 0 1 X 5 10 0
  1. 勝利ホセ・コントレラス(1勝)  
  2. セーブボビー・ジェンクス(1S)  
  3. 敗戦ワンディ・ロドリゲス(1敗)  
  4. 本塁打
    HOU:マイク・ラム1号ソロ
    CWS:ジャーメイン・ダイ1号ソロ、ジョー・クリーディ1号ソロ
  5. 審判
    [球審]ジョー・ウェスト
    [塁審]一塁: ジェフ・ネルソン、二塁: ジェリー・レイン、三塁: デリル・カズンズ
    [外審]左翼: ゲイリー・シダーストロム、右翼: エンジェル・ヘルナンデス
  6. 試合開始時刻: 中部夏時間UTC-5)午後7時5分 試合時間: 3時間13分 観客: 4万1206人 気温: 53°F(11.7°C)
    詳細: MLB.com Gameday / ESPN.com / Baseball-Reference.com / Fangraphs
両チームの先発ラインナップ
ヒューストン・アストロズ シカゴ・ホワイトソックス
打順 守備 選手 打席 打順 守備 選手 打席
1 C・ビジオ 1 S・ポドセドニック
2 W・タベラス 2 井口資仁
3 L・バークマン 3 J・ダイ
4 M・エンスバーグ 4 P・コネルコ
5 M・ラム 5 DH C・エバレット
6 DH J・バグウェル 6 A・ローワンド
7 J・レーン 7 A・ピアジンスキー
8 B・オースマス 8 J・クリーディ
9 A・エバレット 9 J・ウリーベ
先発投手 投球 先発投手 投球
R・クレメンス J・コントレラス

第2戦 10月23日

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映像外部リンク
MLB.comによる動画(英語)
5回裏二死一塁、アストロズ先発投手アンディ・ペティットが一塁走者・井口資仁を牽制でアウトにしてイニング終了(23秒)
7回裏二死満塁、ホワイトソックスがポール・コネルコの本塁打で2点差を逆転(1分45秒)
9回表、アストロズの先頭打者ジェフ・バグウェルが今シリーズ初安打となる中前打を放つ(31秒)
そこから二死二・三塁となり、ホセ・ビスカイーノが初球を左前へ運んでバグウェルら2走者が生還、アストロズが土壇場で同点に追いつく(59秒)
その裏、ホワイトソックスがスコット・ポドセドニックのソロ本塁打でサヨナラ勝利(2分4秒)
  1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
ヒューストン・アストロズ 0 1 1 0 2 0 0 0 2 6 9 0
シカゴ・ホワイトソックス 0 2 0 0 0 0 4 0 1x 7 12 0
  1. 勝利ニール・コッツ(1勝)  
  2. 敗戦ブラッド・リッジ(1敗)  
  3. 本塁打
    HOU:モーガン・エンスバーグ1号ソロ
    CWS:ポール・コネルコ1号満塁スコット・ポドセドニック1号ソロ
  4. 審判
    [球審]ジェフ・ネルソン
    [塁審]一塁: ジェリー・レイン、二塁: デリル・カズンズ、三塁: ゲイリー・シダーストロム
    [外審]左翼: エンジェル・ヘルナンデス、右翼: ジョー・ウェスト
  5. 試合開始時刻: 中部夏時間UTC-5)午後7時16分 試合時間: 3時間11分 観客: 4万1432人 気温: 45°F(7.2°C)
    詳細: MLB.com Gameday / ESPN.com / Baseball-Reference.com / Fangraphs
両チームの先発ラインナップ
ヒューストン・アストロズ シカゴ・ホワイトソックス
打順 守備 選手 打席 打順 守備 選手 打席
1 C・ビジオ 1 S・ポドセドニック
2 W・タベラス 2 井口資仁
3 L・バークマン 3 J・ダイ
4 M・エンスバーグ 4 P・コネルコ
5 DH J・バグウェル 5 DH C・エバレット
6 J・レーン 6 A・ローワンド
7 C・バーク 7 A・ピアジンスキー
8 B・オースマス 8 J・クリーディ
9 A・エバレット 9 J・ウリーベ
先発投手 投球 先発投手 投球
A・ペティット M・バーリー

第3戦 10月25日

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映像外部リンク
MLB.comによる動画(英語)
マイケル・マクドナルドによる試合前のアメリカ合衆国国歌『星条旗』独唱(2分12秒)
5回表、ホワイトソックスが先頭打者ジョー・クリーディの本塁打で1点を返す(28秒)
9回裏、アストロズが二死満塁とサヨナラの好機を迎えるも、モーガン・エンスバーグがオーランド・ヘルナンデスの前に空振り三振を喫する(25秒)
延長14回表、ホワイトソックスがジェフ・ブラムのソロ本塁打で1点を勝ち越し(28秒)
その裏二死一・三塁からホワイトソックスは2日前の先発投手マーク・バーリーを登板させ、アダム・エバレットを遊飛に打ち取って試合を締める(52秒)
  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 R H E
シカゴ・ホワイトソックス 0 0 0 0 5 0 0 0 0 0 0 0 0 2 7 14 3
ヒューストン・アストロズ 1 0 2 1 0 0 0 1 0 0 0 0 0 0 5 8 1
  1. 勝利ダマソ・マルテ(1勝)  
  2. セーブマーク・バーリー(1S)  
  3. 敗戦エセキエル・アスタシオ(1敗)  
  4. 本塁打
    CWS:ジョー・クリーディ2号ソロ、ジェフ・ブラム1号ソロ
    HOU:ジェイソン・レーン1号ソロ
  5. 審判
    [球審]ジェリー・レイン
    [塁審]一塁: デリル・カズンズ、二塁: ゲイリー・シダーストロム、三塁: エンジェル・ヘルナンデス
    [外審]左翼: ジョー・ウェスト、右翼: ジェフ・ネルソン
  6. 試合開始時刻: 中部夏時間UTC-5)午後7時39分 試合時間: 5時間41分 観客: 4万2848人 気温: 61°F(16.1°C)
    詳細: MLB.com Gameday / ESPN.com / Baseball-Reference.com / Fangraphs
両チームの先発ラインナップ
シカゴ・ホワイトソックス ヒューストン・アストロズ
打順 守備 選手 打席 打順 守備 選手 打席
1 S・ポドセドニック 1 C・ビジオ
2 井口資仁 2 W・タベラス
3 J・ダイ 3 L・バークマン
4 P・コネルコ 4 M・エンスバーグ
5 A・ピアジンスキー 5 M・ラム
6 A・ローワンド 6 J・レーン
7 J・クリーディ 7 B・オースマス
8 J・ウリーベ 8 A・エバレット
9 J・ガーランド 9 R・オズワルト
先発投手 投球 先発投手 投球
J・ガーランド R・オズワルト

第4戦 10月26日

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映像外部リンク
MLB.comによる動画(英語)
ホワイトソックス先発投手フレディ・ガルシアはアストロズ打線を7回無失点に封じる(1分55秒)
7回裏、アストロズのアダム・エバレットが放った飛球を左翼手スコット・ポドセドニックが滑り込んで捕り、ポテンヒットとなるのを阻止(39秒)
8回表、ホワイトソックスが二死三塁からジャーメイン・ダイの中前適時打で先制(53秒)
9回裏一死二塁、アストロズの代打クリス・バークによるファウルを遊撃手フアン・ウリーベが客席へ突入しながら捕球(1分3秒)
次打者の代打オーランド・パルメイロをボビー・ジェンクスが遊ゴロに打ち取り試合終了、ホワイトソックスの優勝が決定(32秒)
  1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
シカゴ・ホワイトソックス 0 0 0 0 0 0 0 1 0 1 8 0
ヒューストン・アストロズ 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 5 0
  1. 勝利フレディ・ガルシア(1勝)  
  2. セーブボビー・ジェンクス(2S)  
  3. 敗戦ブラッド・リッジ(2敗)  
  4. 審判
    [球審]デリル・カズンズ
    [塁審]一塁: ゲイリー・シダーストロム、二塁: エンジェル・ヘルナンデス、三塁: ジョー・ウェスト
    [外審]左翼: ジェフ・ネルソン、右翼: ジェリー・レイン
  5. 試合開始時刻: 中部夏時間UTC-5)午後7時41分 試合時間: 3時間20分 観客: 4万2936人 気温: 65°F(18.3°C)
    詳細: MLB.com Gameday / ESPN.com / Baseball-Reference.com / Fangraphs
両チームの先発ラインナップ
シカゴ・ホワイトソックス ヒューストン・アストロズ
打順 守備 選手 打席 打順 守備 選手 打席
1 S・ポドセドニック 1 C・ビジオ
2 井口資仁 2 W・タベラス
3 J・ダイ 3 L・バークマン
4 P・コネルコ 4 M・エンスバーグ
5 A・ピアジンスキー 5 M・ラム
6 A・ローワンド 6 J・レーン
7 J・クリーディ 7 B・オースマス
8 J・ウリーベ 8 A・エバレット
9 F・ガルシア 9 B・バッキー
先発投手 投球 先発投手 投球
F・ガルシア B・バッキー

脚注

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注釈

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  1. ^ 殿堂入りは指導者としてではなく、指名打者としての功績が評価されてのもの。
  2. ^ 殿堂入りは指導者としてではなく、外野手としての功績が評価されてのもの。

出典

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  1. ^ a b "World Series Gate Receipts," Baseball Almanac. 2020年3月28日閲覧。
  2. ^ "World Series Television Ratings," Baseball Almanac. 2020年3月28日閲覧。
  3. ^ Paul Sullivan, Tribune Staff Writer, "FOILED AGAIN . . . AND AGAIN," Chicago Tribune, May 6, 1997. 2020年3月28日閲覧。
  4. ^ "Head-to-Head Records," Baseball-Reference.com. 2021年6月10日閲覧。

外部リンク

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