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2006年のワールドシリーズ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
2006年ワールドシリーズ

第5戦に勝利して24年ぶりの優勝を決め、喜びを爆発させるカージナルスの選手たち
チーム 勝数
セントルイス・カージナルスNL 4
デトロイト・タイガースAL 1
シリーズ情報
試合日程 10月21日–27日
観客動員 5試合合計:22万4633人
1試合平均:04万4927人
MVP デビッド・エクスタイン(STL)
ALCS DET 4–0 OAK
NLCS STL 4–3 NYM
殿堂表彰者 トニー・ラルーサ(STL監督)
スコット・ローレン(STL内野手)
ジム・リーランド(DET監督)
イバン・ロドリゲス(DET捕手)
チーム情報
セントルイス・カージナルス(STL)
シリーズ出場 02年ぶり17回目
GM ウォルト・ジョケッティ
監督 トニー・ラルーサ
シーズン成績 83勝78敗・勝率.516
NL中地区優勝
分配金 選手1人あたり36万2173.04ドル[1]

デトロイト・タイガース(DET)
シリーズ出場 22年ぶり10回目
GM デーブ・ドンブロウスキー
監督 ジム・リーランド
シーズン成績 95勝67敗・勝率.586
AL中地区2位=ワイルドカード
分配金 選手1人あたり29万1667.68ドル[1]
全米テレビ中継
放送局 FOX
実況 ジョー・バック
解説 ティム・マッカーバー
平均視聴率 10.1%(前年比1.0ポイント下降)[2]
ワールドシリーズ
 < 2005 2007 > 

2006年の野球において、メジャーリーグベースボール(MLB)優勝決定戦の第102回ワールドシリーズ英語: 102nd World Series)は、10月21日から27日にかけて計5試合が開催された。その結果、セントルイス・カージナルスナショナルリーグ)がデトロイト・タイガースアメリカンリーグ)を4勝1敗で下し、24年ぶり10回目の優勝を果たした。

カージナルス監督のトニー・ラルーサとタイガース監督のジム・リーランドはかつて、1982年からの4年間シカゴ・ホワイトソックスで監督と三塁コーチという間柄にあった[3]。ラルーサは1989年にアメリカンリーグのオークランド・アスレチックスで、リーランドは1997年にナショナルリーグのフロリダ・マーリンズで、それぞれ監督としてシリーズ優勝を経験している。したがって、今シリーズの対戦カードが確定した時点でどちらが優勝しようとも、その監督が両リーグの球団でシリーズを制する史上2人目の監督となることが決まった[注 1]。カージナルスの優勝によって、ラルーサが史上2人目となった。カージナルスのレギュラーシーズン勝率.516は 、1987年ミネソタ・ツインズ(.525)を下回り、優勝球団史上最低記録を更新した[4]シリーズMVPには、第4戦と第5戦の2試合連続で決勝の打点を挙げるなど、5試合で打率.364・4打点・OPS.891という成績を残したカージナルスのデビッド・エクスタインが選出された。

ワールドシリーズまでの道のり

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両チームの2006年

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10月14日にまずアメリカンリーグでタイガース(中地区)が、そして19日にはナショナルリーグでカージナルス(中地区)が、それぞれリーグ優勝を決めてワールドシリーズへ駒を進めた。

ホームフィールド・アドバンテージ

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7月11日にペンシルベニア州ピッツバーグPNCパークで開催されたオールスターゲームは、アメリカンリーグナショナルリーグに3-2で勝利した。この結果、ワールドシリーズの第1・2・6・7戦を本拠地で開催できる "ホームフィールド・アドバンテージ" は、アメリカンリーグ優勝チームに与えられることになった。このオールスターには、タイガースからは投手はケニー・ロジャース、野手はイバン・ロドリゲスマグリオ・オルドニェスの計3人が選出された。一方のカージナルスからは、投手はクリス・カーペンター、野手はアルバート・プホルスデビッド・エクスタインスコット・ローレンの計4人が名を連ねた。試合では、初回裏一死二塁の場面でロジャースとプホルスの対戦があり、ロジャースが遊飛に抑えている[5]

両チームの過去の対戦

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過去101回のシリーズのなかで、タイガースとカージナルスの対戦は2度ある。1934年の初対戦ではカージナルスが、1968年の2度目の対戦ではタイガースが、いずれも4勝3敗でシリーズを制した。

1997年から始まったレギュラーシーズン中のインターリーグでは、10年間で計17試合が組まれており、タイガースが11勝6敗で勝ち越している[6]。直近の対戦は、この年の6月23日から25日にかけて組まれたタイガースの本拠地コメリカ・パークでの3連戦で、タイガースが3連勝のいわゆる "スウィープ" を果たした。この3連戦最終戦前、カージナルスのアルバート・プホルスはタイガース監督のジム・リーランドに「あなたのチームはワールドシリーズへ行けそうだ。あなたと次に会う機会が、願わくはシリーズであらんことを」と声をかけていたといい、それが実現したことになる[7]

試合結果

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2006年のワールドシリーズは10月21日に開幕し、途中に移動日と雨天順延を挟んで7日間で5試合が行われた。日程・結果は以下の通り。

日付 試合 ビジター球団(先攻) スコア ホーム球団(後攻) 開催球場
10月21日(土) 第1戦 セントルイス・カージナルス 7-2 デトロイト・タイガース コメリカ・パーク
10月22日(日) 第2戦 セントルイス・カージナルス 1-3 デトロイト・タイガース
10月23日(月) 移動日
10月24日(火) 第3戦 デトロイト・タイガース 0-5 セントルイス・カージナルス ブッシュ・スタジアム
10月25日(水) 第4戦 雨天順延
10月26日(木) 第4戦 デトロイト・タイガース 4-5 セントルイス・カージナルス
10月27日(金) 第5戦 デトロイト・タイガース 2-4 セントルイス・カージナルス
優勝:セントルイス・カージナルス(4勝1敗 / 24年ぶり10度目)

第1戦 10月21日

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映像外部リンク
MLB.comによる動画(英語)
2回表、スコット・ローレンのソロ本塁打でカージナルスが同点に(25秒)
3回表、アルバート・プホルスが2点本塁打を放ちカージナルスが4点目を挙げる(26秒)
タイガース先発投手ジャスティン・バーランダーは5イニングで8三振を奪う(57秒)
カージナルス先発投手アンソニー・レイエスが8回4奪三振2失点で勝利投手に(34秒)
  1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
セントルイス・カージナルス 0 1 3 0 0 3 0 0 0 7 8 2
デトロイト・タイガース 1 0 0 0 0 0 0 0 1 2 4 3
  1. 勝利アンソニー・レイエス(1勝)  
  2. 敗戦ジャスティン・バーランダー(1敗)  
  3. 本塁打
    STL:スコット・ローレン1号ソロ、アルバート・プホルス1号2ラン
    DET:クレイグ・モンロー1号ソロ
  4. 審判
    [球審]ランディ・マーシュ
    [塁審]一塁: アルフォンソ・マルケス、二塁: ウォーリー・ベル、三塁: マイク・ウィンタース
    [外審]左翼: ジョン・ハーシュベック、右翼: ティム・マクレランド
  5. 試合開始時刻: 東部夏時間UTC-4)午後8時5分 試合時間: 2時間54分 観客: 4万2479人 気温: 56°F(13.3°C)
    詳細: MLB.com Gameday / ESPN.com / Baseball-Reference.com / Fangraphs
両チームの先発ラインナップ
セントルイス・カージナルス デトロイト・タイガース
打順 守備 選手 打席 打順 守備 選手 打席
1 D・エクスタイン 1 C・グランダーソン
2 DH C・ダンカン 2 C・モンロー
3 A・プホルス 3 P・ポランコ
4 J・エドモンズ 4 M・オルドニェス
5 S・ローレン 5 C・ギーエン
6 J・エンカーナシオン 6 I・ロドリゲス
7 R・ベリアード 7 DH S・ケイシー
8 Y・モリーナ 8 B・インジ
9 田口壮 9 R・サンティアゴ
先発投手 投球 先発投手 投球
A・レイエス J・バーランダー

第2戦 10月22日

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映像外部リンク
MLB.comによる動画(英語)
タイガース先発投手ケニー・ロジャースが8イニングを5奪三振で無失点に抑える(1分)
  1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
セントルイス・カージナルス 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1 4 1
デトロイト・タイガース 2 0 0 0 1 0 0 0 X 3 10 1
  1. 勝利ケニー・ロジャース(1勝)  
  2. セーブトッド・ジョーンズ(1S)  
  3. 敗戦ジェフ・ウィーバー(1敗)  
  4. 本塁打
    DET:クレイグ・モンロー2号ソロ
  5. 審判
    [球審]アルフォンソ・マルケス
    [塁審]一塁: ウォーリー・ベル、二塁: マイク・ウィンタース、三塁: ジョン・ハーシュベック
    [外審]左翼: ティム・マクレランド、右翼: ランディ・マーシュ
  6. 試合開始時刻: 東部夏時間UTC-4)午後8時26分 試合時間: 2時間55分 観客: 4万2533人 気温: 44°F(6.7°C)
    詳細: MLB.com Gameday / ESPN.com / Baseball-Reference.com / Fangraphs
両チームの先発ラインナップ
セントルイス・カージナルス デトロイト・タイガース
打順 守備 選手 打席 打順 守備 選手 打席
1 D・エクスタイン 1 C・グランダーソン
2 DH S・スピージオ 2 C・モンロー
3 A・プホルス 3 P・ポランコ
4 S・ローレン 4 M・オルドニェス
5 J・エンカーナシオン 5 C・ギーエン
6 J・エドモンズ 6 I・ロドリゲス
7 P・ウィルソン 7 DH S・ケイシー
8 Y・モリーナ 8 B・インジ
9 A・マイルズ 9 R・サンティアゴ
先発投手 投球 先発投手 投球
J・ウィーバー K・ロジャース

第3戦 10月24日

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映像外部リンク
MLB.comによる動画(英語)
カージナルス先発投手クリス・カーペンターが8イニングを6奪三振で無失点に抑える(51秒)
  1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
デトロイト・タイガース 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 3 1
セントルイス・カージナルス 0 0 0 2 0 0 2 1 X 5 7 0
  1. 勝利クリス・カーペンター(1勝)  
  2. 敗戦ネイト・ロバートソン(1敗)  
  3. 審判
    [球審]ウォーリー・ベル
    [塁審]一塁: マイク・ウィンタース、二塁: ジョン・ハーシュベック、三塁: ティム・マクレランド
    [外審]左翼: ランディ・マーシュ、右翼: アルフォンソ・マルケス
  4. 試合開始時刻: 中部夏時間UTC-5)午後7時35分 試合時間: 3時間3分 観客: 4万6513人 気温: 43°F(6.1°C)
    詳細: MLB.com Gameday / ESPN.com / Baseball-Reference.com / Fangraphs
両チームの先発ラインナップ
デトロイト・タイガース セントルイス・カージナルス
打順 守備 選手 打席 打順 守備 選手 打席
1 C・グランダーソン 1 D・エクスタイン
2 C・モンロー 2 P・ウィルソン
3 P・ポランコ 3 A・プホルス
4 M・オルドニェス 4 S・ローレン
5 C・ギーエン 5 R・ベリアード
6 I・ロドリゲス 6 J・エドモンズ
7 S・ケイシー 7 Y・モリーナ
8 B・インジ 8 田口壮
9 N・ロバートソン 9 C・カーペンター
先発投手 投球 先発投手 投球
N・ロバートソン C・カーペンター

第4戦 10月26日

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  1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
デトロイト・タイガース 0 1 2 0 0 0 0 1 0 4 10 1
セントルイス・カージナルス 0 0 1 1 0 0 2 1 X 5 9 0
  1. 勝利アダム・ウェインライト(1勝)  
  2. 敗戦ジョエル・ズマヤ(1敗)  
  3. 本塁打
    DET:ショーン・ケイシー1号ソロ
  4. 審判
    [球審]マイク・ウィンタース
    [塁審]一塁: ジョン・ハーシュベック、二塁: ティム・マクレランド、三塁: ランディ・マーシュ
    [外審]左翼: アルフォンソ・マルケス、右翼: ウォーリー・ベル
  5. 試合開始時刻: 中部夏時間UTC-5)午後7時30分 試合時間: 3時間35分 観客: 4万6470人 気温: 53°F(11.7°C)
    詳細: MLB.com Gameday / ESPN.com / Baseball-Reference.com / Fangraphs
両チームの先発ラインナップ
デトロイト・タイガース セントルイス・カージナルス
打順 守備 選手 打席 打順 守備 選手 打席
1 C・グランダーソン 1 D・エクスタイン
2 C・モンロー 2 C・ダンカン
3 C・ギーエン 3 A・プホルス
4 M・オルドニェス 4 J・エドモンズ
5 S・ケイシー 5 S・ローレン
6 I・ロドリゲス 6 P・ウィルソン
7 P・ポランコ 7 Y・モリーナ
8 B・インジ 8 A・マイルズ
9 J・ボンダーマン 9 J・スーパン
先発投手 投球 先発投手 投球
J・ボンダーマン J・スーパン

第5戦 10月27日

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映像外部リンク
MLB.comによる動画(英語)
カージナルスの先発投手ジェフ・ウィーバーは8イニングを9奪三振無失点に抑える(1分29秒)
7回表、先頭打者プラシド・ポランコの一・二塁間を抜けようかという打球を一塁手アルバート・プホルスがダイビングキャッチし、一ゴロでアウトに(1分5秒)
9回表、アダム・ウェインライトがブランドン・インジを空振り三振に仕留めて試合終了、カージナルスの優勝が決定(44秒)
  1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
デトロイト・タイガース 0 0 0 2 0 0 0 0 0 2 5 2
セントルイス・カージナルス 0 1 0 2 0 0 1 0 X 4 8 1
  1. 勝利ジェフ・ウィーバー(1勝1敗)  
  2. セーブアダム・ウェインライト(1勝1S)  
  3. 敗戦ジャスティン・バーランダー(2敗)  
  4. 本塁打
    DET:ショーン・ケイシー2号2ラン
  5. 審判
    [球審]ジョン・ハーシュベック
    [塁審]一塁: ティム・マクレランド、二塁: ランディ・マーシュ、三塁: アルフォンソ・マルケス
    [外審]左翼: ウォーリー・ベル、右翼: マイク・ウィンタース
  6. 試合開始時刻: 中部夏時間UTC-5)午後7時30分 試合時間: 2時間56分 観客: 4万6638人 気温: 47°F(8.3°C)
    詳細: MLB.com Gameday / ESPN.com / Baseball-Reference.com / Fangraphs
両チームの先発ラインナップ
デトロイト・タイガース セントルイス・カージナルス
打順 守備 選手 打席 打順 守備 選手 打席
1 C・グランダーソン 1 D・エクスタイン
2 C・モンロー 2 C・ダンカン
3 C・ギーエン 3 A・プホルス
4 M・オルドニェス 4 J・エドモンズ
5 S・ケイシー 5 S・ローレン
6 I・ロドリゲス 6 R・ベリアード
7 P・ポランコ 7 Y・モリーナ
8 B・インジ 8 田口壮
9 J・バーランダー 9 J・ウィーバー
先発投手 投球 先発投手 投球
J・バーランダー J・ウィーバー

脚注

[編集]

注釈

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  1. ^ 両リーグの球団でシリーズ優勝を達成した史上初の監督は、スパーキー・アンダーソンである。アンダーソンは1975年1976年ナショナルリーグシンシナティ・レッズで、1984年アメリカンリーグのタイガースで、優勝を果たした。1984年シリーズも今シリーズと同じく、アンダーソンだけでなく対戦相手サンディエゴ・パドレス監督のディック・ウィリアムズも、勝てば両リーグの球団でのシリーズ優勝を達成するところだった。

出典

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  1. ^ a b "World Series Gate Receipts," Baseball Almanac. 2020年3月29日閲覧。
  2. ^ "World Series Television Ratings," Baseball Almanac. 2020年3月29日閲覧。
  3. ^ Ron Cook, "Cook: A special manager has his team at a special place," Pittsburgh Post-Gazette, October 21, 2006. 2020年3月29日閲覧。
  4. ^ Dan Fox, "Schrodinger’s Bat: Rainy Days and Sundays," Baseball Prospectus, November 2, 2006. 2020年3月29日閲覧。
  5. ^ "2006 All-Star Game Box Score, July 11," Baseball-Reference.com. 2020年3月29日閲覧。
  6. ^ "Head-to-Head Records," Baseball-Reference.com. 2021年6月13日閲覧。
  7. ^ Dave Sheinin, "Rested, Weary and Ready Tigers, Cardinals Took Vastly Different Paths Into World Series," The Washington Post, October 21, 2006. 2020年3月29日閲覧。

外部リンク

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