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2006年のアメリカンリーグチャンピオンシップシリーズ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
2006年アメリカンリーグ
チャンピオンシップシリーズ

第1戦が行われているマカフィー・コロシアムの様子
チーム 勝数
デトロイト・タイガース 4
オークランド・アスレチックス 0
シリーズ情報
試合日程 10月10日–14日
観客動員 4試合合計:15万6459人
1試合平均:03万9115人
MVP プラシド・ポランコ(DET)
責任審判 ジェリー・クロフォード[1]
ALDS DET 3–1 NYY
OAK 3–0 MIN
殿堂表彰者 ジム・リーランド(DET監督)
イバン・ロドリゲス(DET捕手)
フランク・トーマス(OAK指名打者)
チーム情報
デトロイト・タイガース(DET)
シリーズ出場 19年ぶり04回目
GM デーブ・ドンブロウスキー
監督 ジム・リーランド
シーズン成績 95勝67敗・勝率.586
中地区2位=ワイルドカード

オークランド・アスレチックス(OAK)
シリーズ出場 14年ぶり11回目
GM ビリー・ビーン
監督 ケン・モッカ
シーズン成績 93勝69敗・勝率.574
西地区優勝

 < 2005
ALCS
2006

2007 > 

 < 2005
NLCS
2006

2007 > 
ワールドシリーズ

2006年の野球において、メジャーリーグベースボール(MLB)ポストシーズンは10月3日に開幕した。アメリカンリーグの第37回リーグチャンピオンシップシリーズ英語: 37th American League Championship Series、以下「リーグ優勝決定戦」と表記)は、10日から14日にかけて計4試合が開催された。その結果、デトロイト・タイガース中地区)がオークランド・アスレチックス西地区)を4勝0敗で下し、22年ぶり10回目のリーグ優勝およびワールドシリーズ進出を果たした。

両球団がポストシーズンで対戦するのは、1972年のリーグ優勝決定戦以来34年ぶり2度目。この年のレギュラーシーズンでは両球団は9試合対戦し、タイガースが5勝4敗と勝ち越していた[2]。今シリーズはタイガースが初戦から3連勝したあと、第4戦をマグリオ・オルドニェスサヨナラ本塁打で制し、負けなしの "スウィープ" でリーグ優勝を決めた。リーグ優勝決定戦での優勝決定サヨナラ本塁打は3年ぶり3度目[注 1][3]、7戦4勝制のリーグ優勝決定戦をスウィープ突破は11年ぶり4度目である[注 2][4]シリーズMVPには、第2戦と第4戦で3安打ずつ放つなど、4試合で打率.529・2打点OPS 1.167という成績を残したタイガースのプラシド・ポランコが選出された。しかしタイガースは、ワールドシリーズではナショナルリーグ王者セントルイス・カージナルスに1勝4敗で敗れ、22年ぶり5度目の優勝を逃した。

試合結果

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2006年のアメリカンリーグ優勝決定戦は10月10日に開幕し、途中に移動日を挟んで5日間で4試合が行われた。日程・結果は以下の通り。

日付 試合 ビジター球団(先攻) スコア ホーム球団(後攻) 開催球場
10月10日(火) 第1戦 デトロイト・タイガース 5-1 オークランド・アスレチックス マカフィー・コロシアム
10月11日(水) 第2戦 デトロイト・タイガース 8-5 オークランド・アスレチックス
10月12日(木) 移動日
10月13日(金) 第3戦 オークランド・アスレチックス 0-3 デトロイト・タイガース コメリカ・パーク
10月14日(土) 第4戦 オークランド・アスレチックス 3-6x デトロイト・タイガース
優勝:デトロイト・タイガース(4勝0敗 / 22年ぶり10度目)

第1戦 10月10日

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  1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
デトロイト・タイガース 0 0 2 3 0 0 0 0 0 5 11 1
オークランド・アスレチックス 0 0 0 0 0 0 0 1 0 1 8 1
  1. 勝利ネイト・ロバートソン(1勝)  
  2. 敗戦バリー・ジト(1敗)  
  3. 本塁打
    DET:ブランドン・インジ1号ソロ、イバン・ロドリゲス1号ソロ
  4. 審判
    [球審]ジェリー・クロフォード
    [塁審]一塁: ハンター・ウェンデルステット、二塁: デリル・カズンズ、三塁: チャック・メリウェザー
    [外審]左翼: ゲイリー・シダーストロム、右翼: マイク・ライリー
  5. 試合開始時刻: 太平洋夏時間UTC-7)午後5時20分 試合時間: 3時間20分 観客: 3万5655人 気温: 63°F(17.2°C)
    詳細: MLB.com Gameday / ESPN.com / Baseball-Reference.com / Fangraphs
両チームの先発ラインナップ
デトロイト・タイガース オークランド・アスレチックス
打順 守備 選手 打席 打順 守備 選手 打席
1 C・グランダーソン 1 J・ケンドール
2 P・ポランコ 2 M・コッツェイ
3 S・ケイシー 3 M・ブラッドリー
4 M・オルドニェス 4 DH F・トーマス
5 C・ギーエン 5 J・ペイトン
6 I・ロドリゲス 6 E・チャベス
7 C・モンロー 7 N・スウィッシャー
8 DH M・テイムズ 8 M・スクータロ
9 B・インジ 9 D・ヒメネス
先発投手 投球 先発投手 投球
N・ロバートソン B・ジト

第2戦 10月11日

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映像外部リンク
MLB.comによる動画(英語)
タイガースのプラシド・ポランコが初回表から3打席連続安打を記録(29秒)
タイガース先発投手ジャスティン・バーランダーが5.1イニングで6三振を奪う(36秒)
アスレチックスのミルトン・ブラッドリーが3回裏に2点本塁打、7回裏にソロ本塁打を放つ(1分16秒)
  1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
デトロイト・タイガース 0 1 0 4 0 2 0 0 1 8 11 0
オークランド・アスレチックス 1 0 2 0 0 1 1 0 0 5 11 1
  1. 勝利ジャスティン・バーランダー(1勝)  
  2. セーブトッド・ジョーンズ(1S)  
  3. 敗戦エステバン・ロアイザ(1敗)  
  4. 本塁打
    DET:アレクシス・ゴメス1号2ラン、カーティス・グランダーソン1号ソロ
    OAK:ミルトン・ブラッドリー1号2ラン・2号ソロ、エリック・チャベス1号ソロ
  5. 審判
    [球審]ハンター・ウェンデルステット
    [塁審]一塁: デリル・カズンズ、二塁: チャック・メリウェザー、三塁: ゲイリー・シダーストロム
    [外審]左翼: マイク・ライリー、右翼: ジェリー・クロフォード
  6. 試合開始時刻: 太平洋夏時間UTC-7)午後5時21分 試合時間: 3時間6分 観客: 3万6168人 気温: 67°F(19.4°C)
    詳細: MLB.com Gameday / ESPN.com / Baseball-Reference.com / Fangraphs
両チームの先発ラインナップ
デトロイト・タイガース オークランド・アスレチックス
打順 守備 選手 打席 打順 守備 選手 打席
1 C・グランダーソン 1 J・ケンドール
2 N・ペレス 2 M・コッツェイ
3 P・ポランコ 3 M・ブラッドリー
4 M・オルドニェス 4 DH F・トーマス
5 C・ギーエン 5 E・チャベス
6 I・ロドリゲス 6 J・ペイトン
7 C・モンロー 7 N・スウィッシャー
8 DH A・ゴメス 8 M・スクータロ
9 B・インジ 9 D・ヒメネス
先発投手 投球 先発投手 投球
J・バーランダー E・ロアイザ

第3戦 10月13日

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映像外部リンク
MLB.comによる動画(英語)
タイガースのプラシド・ポランコが初回裏に先制適時打、3回裏に二塁打を放つ(40秒)
アスレチックスの二塁手マーク・カイガーが8回裏の守備から出場、レギュラーシーズン未経験でポストシーズンの試合に出場した史上初の選手となる(57秒)
  1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
オークランド・アスレチックス 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 2 0
デトロイト・タイガース 2 0 0 0 1 0 0 0 X 3 6 0
  1. 勝利ケニー・ロジャース(1勝)  
  2. セーブトッド・ジョーンズ(2S)  
  3. 敗戦リッチ・ハーデン(1敗)  
  4. 本塁打
    DET:クレイグ・モンロー1号ソロ
  5. 審判
    [球審]デリル・カズンズ
    [塁審]一塁: チャック・メリウェザー、二塁: ゲイリー・シダーストロム、三塁: マイク・ライリー
    [外審]左翼: ジェリー・クロフォード、右翼: ハンター・ウェンデルステット
  6. 試合開始時刻: 東部夏時間UTC-4)午後4時31分 試合時間: 2時間57分 観客: 4万1669人 気温: 41°F(5°C)
    詳細: MLB.com Gameday / ESPN.com / Baseball-Reference.com / Fangraphs
両チームの先発ラインナップ
オークランド・アスレチックス デトロイト・タイガース
打順 守備 選手 打席 打順 守備 選手 打席
1 J・ケンドール 1 C・グランダーソン
2 M・コッツェイ 2 C・モンロー
3 M・ブラッドリー 3 P・ポランコ
4 DH F・トーマス 4 M・オルドニェス
5 J・ペイトン 5 C・ギーエン
6 E・チャベス 6 I・ロドリゲス
7 N・スウィッシャー 7 DH O・インファンテ
8 M・スクータロ 8 B・インジ
9 D・ヒメネス 9 R・サンティアゴ
先発投手 投球 先発投手 投球
R・ハーデン K・ロジャース

アスレチックスは8回表、一死一塁で9番・二塁ダンジェロ・ヒメネス代打ボビー・キールティを送ったが、二ゴロ併殺に終わった。そしてその裏の守備で、キールティに代えてマーク・カイガーを二塁へ入れた。カイガーはレギュラーシーズンでの出場経験がなく、メジャー初出場をポストシーズンで経験した史上初の選手となった。本来は、8月31日までに所属球団の40人ロースター入りしていないカイガーのような選手には、ポストシーズンのロースター入り資格がない。しかし故障者の代役という名目であれば特例措置が認められ、正二塁手マーク・エリス地区シリーズで右手人差し指骨折していたため、カイガーに白羽の矢が立った[5]

カイガーはこの回二死一塁、9番ラモン・サンティアゴの遊ゴロで遊撃手マルコ・スクータロからの送球を受けて一塁走者アレクシス・ゴメスをアウトにし、1刺殺を記録した。9回表に打順は回ってこず試合が終了し、アスレチックスは0-3で敗れた。翌日の第4戦でも、9回表にヒメネスの代打でキールティが登場→その裏からキールティに代わってカイガーが二塁守備に就く、という同じ流れがあったが、ここではカイガーに守備機会はなかった。シーズン終了後の12月にカイガーはアスレチックスを解雇され、翌2007年以降3年間は延べ3球団の傘下マイナーリーグでプレイしたものの、メジャー昇格の機会は得られなかった。2009年シーズン終了後、カイガーはメジャーのレギュラーシーズン出場を果たせぬまま引退を決めたため、結果的にはメジャーでの出場機会は今シリーズの2試合だけとなった[6]

第4戦 10月14日

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映像外部リンク
MLB.comによる動画(英語)
5回裏、カーティス・グランダーソンの適時二塁打でタイガースが2点差に追い上げる(51秒)
タイガースのマグリオ・オルドニェスが6回裏に同点ソロ本塁打、9回裏にリーグ優勝決定サヨナラ本塁打を放つ(2分47秒)
  1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
オークランド・アスレチックス 2 0 0 1 0 0 0 0 0 3 8 1
デトロイト・タイガース 0 0 0 0 2 1 0 0 3x 6 11 0
  1. 勝利ウィル・レデズマ(1勝)  
  2. 敗戦ヒューストン・ストリート(1敗)  
  3. 本塁打
    OAK:ジェイ・ペイトン1号ソロ
    DET:マグリオ・オルドニェス1号ソロ・2号3ラン
  4. 審判
    [球審]チャック・メリウェザー
    [塁審]一塁: ゲイリー・シダーストロム、二塁: マイク・ライリー、三塁: ジェリー・クロフォード
    [外審]左翼: ハンター・ウェンデルステット、右翼: デリル・カズンズ
  5. 試合開始時刻: 東部夏時間UTC-4)午後4時30分 試合時間: 3時間23分 観客: 4万2967人 気温: 50°F(10°C)
    詳細: MLB.com Gameday / ESPN.com / Baseball-Reference.com / Fangraphs
両チームの先発ラインナップ
オークランド・アスレチックス デトロイト・タイガース
打順 守備 選手 打席 打順 守備 選手 打席
1 J・ケンドール 1 C・グランダーソン
2 M・コッツェイ 2 C・モンロー
3 M・ブラッドリー 3 P・ポランコ
4 DH F・トーマス 4 M・オルドニェス
5 E・チャベス 5 C・ギーエン
6 J・ペイトン 6 I・ロドリゲス
7 N・スウィッシャー 7 DH A・ゴメス
8 M・スクータロ 8 B・インジ
9 D・ヒメネス 9 R・サンティアゴ
先発投手 投球 先発投手 投球
D・ヘイレン J・ボンダーマン

脚注

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注釈

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  1. ^ 過去の2度は、いずれもニューヨーク・ヤンキースの選手による。1976年には最終第5戦でクリス・チャンブリスが、2003年には最終第7戦でアーロン・ブーンが、それぞれ放った。
  2. ^ 1995年ナショナルリーグアトランタ・ブレーブスが達成して以来。アメリカンリーグに限れば、1990年のアスレチックス以来26年ぶりとなった。

出典

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  1. ^ Associated Press, "Crawford, Welke picked as LCS crew chiefs," ESPN.com, October 10, 2006. 2023年12月5日閲覧。
  2. ^ "Head-to-Head Records," Baseball-Reference.com. 2021年6月13日閲覧。
  3. ^ Roger Schlueter, "MLB Notebook: Ishikawa joins LCS icons / Giants hero just the fourth player since 1969 with pennant-winning homer," MLB.com, October 17, 2014. 2021年6月13日閲覧。
  4. ^ Daniel Kramer, "Every sweep in League Championship Series history / Nats just 2nd club to win pennant in 4 games then claim WS title," MLB.com, October 16, 2019. 2021年6月13日閲覧。
  5. ^ The Associated Press, "Kiger gets his first shot in big leagues," Gainesville Sun, October 14, 2006. 2021年6月13日閲覧。
  6. ^ Matt Rothenberg, "A DEBUT TO REMEMBER FOR RAÚL MONDESÍ," Baseball Hall of Fame. 2021年6月13日閲覧。

外部リンク

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