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1985年のアメリカンリーグチャンピオンシップシリーズ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
1985年アメリカンリーグ
チャンピオンシップシリーズ
チーム 勝数
カンザスシティ・ロイヤルズ 4
トロント・ブルージェイズ 3
シリーズ情報
試合日程 10月8日–16日
観客動員 7試合合計:26万4167人
1試合平均:03万7738人
MVP ジョージ・ブレット(KC)
殿堂表彰者 ジョン・シャーホルツ(KC GM)
ジョージ・ブレット(KC内野手)
パット・ギリック(TOR GM)
ボビー・コックス(TOR監督)
チーム情報
カンザスシティ・ロイヤルズ(KC)
シリーズ出場 2年連続6回目
GM ジョン・シャーホルツ
監督 ディック・ハウザー
シーズン成績 91勝71敗・勝率.562
西地区優勝

トロント・ブルージェイズ(TOR)
シリーズ出場 球団創設9年目で初
GM パット・ギリック
監督 ボビー・コックス
シーズン成績 99勝62敗・勝率.615
東地区優勝

 < 1984
ALCS
1985

1986 > 

 < 1984
NLCS
1985

1986 > 
ワールドシリーズ

1985年の野球において、メジャーリーグベースボール(MLB)ポストシーズンは10月8日に開幕した。アメリカンリーグの第17回リーグチャンピオンシップシリーズ(17th American League Championship Series、以下「リーグ優勝決定戦」と表記)は、同日から16日にかけて計7試合が開催された。その結果、カンザスシティ・ロイヤルズ西地区)がトロント・ブルージェイズ東地区)を4勝3敗で下し、5年ぶり2回目のリーグ優勝およびワールドシリーズ進出を果たした。

リーグ優勝決定戦は1969年の開始以来、1984年までの16年間は5戦3勝制で行われてきた。それが今回から、ワールドシリーズと同じ7戦4勝制に変更された。

この年のレギュラーシーズンでは両球団は12試合対戦し、ロイヤルズが7勝5敗と勝ち越していた[1]。今シリーズはブルージェイズが初戦から2連勝し、3勝目も先に挙げたが、ロイヤルズが第5戦から3連勝して逆転した。7戦4勝制のシリーズにおいて初戦から2連敗後の逆転制覇は、今シリーズと同じ日に先に決着したナショナルリーグ優勝決定戦でのセントルイス・カージナルスに続き、ロイヤルズがポストシーズン史上延べ9球団目である[2]シリーズMVPには、第5戦・第6戦の2試合連続で決勝の打点を挙げるなど、7試合で打率.348・3本塁打・5打点・OPS 1.326という成績を残したロイヤルズのジョージ・ブレットが選出された。このあとロイヤルズは、ワールドシリーズでもナショナルリーグ王者カージナルスを4勝3敗で下し、球団創設17年目で初の優勝を成し遂げた。

試合結果

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1985年のアメリカンリーグ優勝決定戦は10月8日に開幕し、途中に移動日を挟んで9日間で7試合が行われた。日程・結果は以下の通り。

日付 試合 ビジター球団(先攻) スコア ホーム球団(後攻) 開催球場
10月08日(火) 第1戦 カンザスシティ・ロイヤルズ 1-6 トロント・ブルージェイズ エキシビション・スタジアム
10月09日(水) 第2戦 カンザスシティ・ロイヤルズ 5-6x トロント・ブルージェイズ
10月10日(木) 移動日
10月11日(金) 第3戦 トロント・ブルージェイズ 5-6 カンザスシティ・ロイヤルズ ロイヤルズ・スタジアム
10月12日(土) 第4戦 トロント・ブルージェイズ 3-1 カンザスシティ・ロイヤルズ
10月13日(日) 第5戦 トロント・ブルージェイズ 0-2 カンザスシティ・ロイヤルズ
10月14日(月) 移動日
10月15日(火) 第6戦 カンザスシティ・ロイヤルズ 5-3 トロント・ブルージェイズ エキシビション・スタジアム
10月16日(水) 第7戦 カンザスシティ・ロイヤルズ 6-2 トロント・ブルージェイズ
優勝:カンザスシティ・ロイヤルズ(4勝3敗 / 5年ぶり2度目)

第1戦 10月8日

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映像外部リンク
MLB.comによる動画(英語)
9回表、トム・ヘンキーがフランク・ホワイトを中飛に打ち取り試合終了、ブルージェイズが先勝(36秒)
  1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
カンザスシティ・ロイヤルズ 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1 5 1
トロント・ブルージェイズ 0 2 3 1 0 0 0 0 X 6 11 0
  1. 勝利デーブ・スティーブ(1勝)  
  2. 敗戦チャーリー・リーブラント(1敗)  
  3. 審判
    [球審]デーブ・フィリップス
    [塁審]一塁: デイル・フォード、二塁: ジム・エバンス、三塁: テッド・ヘンドリー
    [外審]左翼: ビック・ボルタジオ、右翼: デリル・カズンズ
  4. 試合開始時刻: 東部夏時間UTC-4)午後8時30分 試合時間: 2時間24分 観客: 3万9115人 気温: 57°F(13.9°C)
    詳細: Baseball-Reference.com
両チームの先発ラインナップ
カンザスシティ・ロイヤルズ トロント・ブルージェイズ
打順 守備 選手 打席 打順 守備 選手 打席
1 L・スミス 1 D・ガルシア
2 W・ウィルソン 2 L・モスビー
3 G・ブレット 3 G・ベル
4 DH J・オータ 4 DH C・ジョンソン
5 P・シェリダン 5 J・バーフィールド
6 F・ホワイト 6 W・アップショー
7 S・バルボニ 7 G・オージ
8 J・サンドバーグ 8 E・ウィット
9 B・ビアンカラーナ 9 T・フェルナンデス
先発投手 投球 先発投手 投球
C・リーブラント D・スティーブ

第2戦 10月9日

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映像外部リンク
MLB.comによる動画(英語)
9回表、代打パット・シェリダンのソロ本塁打でロイヤルズが4-4の同点に(49秒)
延長10回裏、ロイド・モスビーの適時打でブルージェイズが同点に追いつく(1分14秒)
なおも二死二塁から、アル・オリバーが左前打で二塁走者モスビーを還し、ブルージェイズがサヨナラ勝利(1分20秒)
  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 R H E
カンザスシティ・ロイヤルズ 0 0 2 1 0 0 0 0 1 1 5 10 3
トロント・ブルージェイズ 0 0 0 1 0 2 0 1 0 2x 6 10 0
  1. 勝利トム・ヘンキー(1勝)  
  2. 敗戦ダン・クイゼンベリー(1敗)  
  3. 本塁打
    KC:ウィリー・ウィルソン1号2ラン、パット・シェリダン1号ソロ
  4. 審判
    [球審]デイル・フォード
    [塁審]一塁: ジム・エバンス、二塁: テッド・ヘンドリー、三塁: ビック・ボルタジオ
    [外審]左翼: デリル・カズンズ、右翼: デーブ・フィリップス
  5. 試合開始時刻: 東部夏時間UTC-4)午後3時00分 試合時間: 3時間39分 観客: 3万4029人 気温: 65°F(18.3°C)
    詳細: Baseball-Reference.com
両チームの先発ラインナップ
カンザスシティ・ロイヤルズ トロント・ブルージェイズ
打順 守備 選手 打席 打順 守備 選手 打席
1 L・スミス 1 D・ガルシア
2 W・ウィルソン 2 L・モスビー
3 G・ブレット 3 G・ベル
4 DH H・マクレー 4 DH C・ジョンソン
5 F・ホワイト 5 J・バーフィールド
6 S・バルボニ 6 W・アップショー
7 D・モトリー 7 G・オージ
8 J・サンドバーグ 8 E・ウィット
9 B・ビアンカラーナ 9 T・フェルナンデス
先発投手 投球 先発投手 投球
B・ブラック J・キー

第3戦 10月11日

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映像外部リンク
MLB.comによる動画(英語)
ロイヤルズのジョージ・ブレットが初回裏に先制のソロ本塁打、6回裏に同点の2点本塁打を放つ(40秒)
3回表一死三塁、ロイド・モスビーの三塁線へのゴロを三塁手ブレットが逆シングルで捕球、本塁へ送球してブルージェイズの同点を阻止(1分3秒)
次打者の打席で、ロイヤルズ先発投手ブレット・セイバーヘイゲンが一塁走者モスビーを牽制でアウトに仕留める(1分47秒)
8回裏、スティーブ・バルボニの適時打でロイヤルズが勝ち越し(1分18秒)
  1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
トロント・ブルージェイズ 0 0 0 0 5 0 0 0 0 5 13 1
カンザスシティ・ロイヤルズ 1 0 0 1 1 2 0 1 X 6 10 1
  1. 勝利スティーブ・ファー(1勝)  
  2. 敗戦ジム・クランシー(1敗)  
  3. 本塁打
    TOR:ジェシー・バーフィールド1号2ラン、ランス・マリニクス1号2ラン
    KC:ジョージ・ブレット1号ソロ・2号2ラン、ジム・サンドバーグ1号ソロ
  4. 審判
    [球審]ジム・エバンス
    [塁審]一塁: テッド・ヘンドリー、二塁: ビック・ボルタジオ、三塁: デリル・カズンズ
    [外審]左翼: デーブ・フィリップス、右翼: デイル・フォード
  5. 試合開始時刻: 中部夏時間UTC-5)午後7時20分 試合時間: 2時間51分 観客: 4万224人
    詳細: Baseball-Reference.com
両チームの先発ラインナップ
トロント・ブルージェイズ カンザスシティ・ロイヤルズ
打順 守備 選手 打席 打順 守備 選手 打席
1 D・ガルシア 1 L・スミス
2 L・モスビー 2 W・ウィルソン
3 R・マリニクス 3 G・ブレット
4 W・アップショー 4 DH H・マクレー
5 DH A・オリバー 5 F・ホワイト
6 G・ベル 6 P・シェリダン
7 E・ウィット 7 S・バルボニ
8 J・バーフィールド 8 J・サンドバーグ
9 T・フェルナンデス 9 B・ビアンカラーナ
先発投手 投球 先発投手 投球
D・アレクサンダー B・セイバーヘイゲン

第4戦 10月12日

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  1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
トロント・ブルージェイズ 0 0 0 0 0 0 0 0 3 3 7 0
カンザスシティ・ロイヤルズ 0 0 0 0 0 1 0 0 0 1 2 0
  1. 勝利トム・ヘンキー(2勝)  
  2. 敗戦チャーリー・リーブラント(2敗)  
  3. 審判
    [球審]テッド・ヘンドリー
    [塁審]一塁: ビック・ボルタジオ、二塁: デリル・カズンズ、三塁: デーブ・フィリップス
    [外審]左翼: デイル・フォード、右翼: ジム・エバンス
  4. 試合開始時刻: 中部夏時間UTC-5)午後7時20分 試合時間: 3時間2分 観客: 4万1112人
    詳細: Baseball-Reference.com
両チームの先発ラインナップ
トロント・ブルージェイズ カンザスシティ・ロイヤルズ
打順 守備 選手 打席 打順 守備 選手 打席
1 D・ガルシア 1 L・スミス
2 L・モスビー 2 W・ウィルソン
3 G・ベル 3 G・ブレット
4 DH C・ジョンソン 4 DH H・マクレー
5 J・バーフィールド 5 P・シェリダン
6 W・アップショー 6 F・ホワイト
7 G・オージ 7 S・バルボニ
8 E・ウィット 8 J・サンドバーグ
9 T・フェルナンデス 9 B・ビアンカラーナ
先発投手 投球 先発投手 投球
D・スティーブ C・リーブラント

第5戦 10月13日

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  1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
トロント・ブルージェイズ 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 8 0
カンザスシティ・ロイヤルズ 1 1 0 0 0 0 0 0 X 2 8 0
  1. 勝利ダニー・ジャクソン(1勝)  
  2. 敗戦ジミー・キー(1敗)  
  3. 審判
    [球審]ビック・ボルタジオ
    [塁審]一塁: デリル・カズンズ、二塁: デーブ・フィリップス、三塁: デイル・フォード
    [外審]左翼: ジム・エバンス、右翼: テッド・ヘンドリー
  4. 試合開始時刻: 中部夏時間UTC-5)午後3時35分 試合時間: 2時間21分 観客: 4万46人 気温: 70°F(21.1°C)
    詳細: Baseball-Reference.com
両チームの先発ラインナップ
トロント・ブルージェイズ カンザスシティ・ロイヤルズ
打順 守備 選手 打席 打順 守備 選手 打席
1 D・ガルシア 1 L・スミス
2 L・モスビー 2 W・ウィルソン
3 G・ベル 3 G・ブレット
4 DH C・ジョンソン 4 DH H・マクレー
5 J・バーフィールド 5 F・ホワイト
6 W・アップショー 6 S・バルボニ
7 G・オージ 7 D・モトリー
8 E・ウィット 8 J・サンドバーグ
9 T・フェルナンデス 9 B・ビアンカラーナ
先発投手 投球 先発投手 投球
J・キー D・ジャクソン

第6戦 10月15日

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映像外部リンク
MLB.comによる動画(英語)
5回表、ジョージ・ブレットのソロ本塁打でロイヤルズが勝ち越し(44秒)
  1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
カンザスシティ・ロイヤルズ 1 0 1 0 1 2 0 0 0 5 8 1
トロント・ブルージェイズ 1 0 1 0 0 1 0 0 0 3 8 2
  1. 勝利マーク・グビザ(1勝)  
  2. セーブダン・クイゼンベリー(1敗1S)  
  3. 敗戦ドイル・アレクサンダー(1敗)  
  4. 本塁打
    KC:ジョージ・ブレット3号ソロ
  5. 審判
    [球審]デリル・カズンズ
    [塁審]一塁: デーブ・フィリップス、二塁: デイル・フォード、三塁: ジム・エバンス
    [外審]左翼: テッド・ヘンドリー、右翼: ビック・ボルタジオ
  6. 試合開始時刻: 東部夏時間UTC-4)午後8時15分 試合時間: 3時間12分 観客: 3万7557人
    詳細: Baseball-Reference.com
両チームの先発ラインナップ
カンザスシティ・ロイヤルズ トロント・ブルージェイズ
打順 守備 選手 打席 打順 守備 選手 打席
1 L・スミス 1 D・ガルシア
2 W・ウィルソン 2 L・モスビー
3 G・ブレット 3 R・マリニクス
4 DH H・マクレー 4 W・アップショー
5 P・シェリダン 5 DH A・オリバー
6 S・バルボニ 6 G・ベル
7 J・サンドバーグ 7 E・ウィット
8 F・ホワイト 8 J・バーフィールド
9 B・ビアンカラーナ 9 T・フェルナンデス
先発投手 投球 先発投手 投球
M・グビザ D・アレクサンダー

第7戦 10月16日

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映像外部リンク
MLB.comによる動画(英語)
6回表二死満塁、ジム・サンドバーグの走者一掃三塁打でロイヤルズが4点差に突き放す(38秒)
9回裏、ダン・クイゼンベリーがロイド・モスビーを二ゴロに打ち取り試合終了、ロイヤルズのリーグ優勝が決定(39秒)
  1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
カンザスシティ・ロイヤルズ 0 1 0 1 0 4 0 0 0 6 8 0
トロント・ブルージェイズ 0 0 0 0 1 0 0 0 1 2 8 1
  1. 勝利チャーリー・リーブラント(1勝2敗)  
  2. 敗戦デーブ・スティーブ(1勝1敗)  
  3. 本塁打
    KC:パット・シェリダン2号ソロ
  4. 審判
    [球審]デーブ・フィリップス
    [塁審]一塁: デイル・フォード、二塁: ジム・エバンス、三塁: テッド・ヘンドリー
    [外審]左翼: ビック・ボルタジオ、右翼: デリル・カズンズ
  5. 試合開始時刻: 東部夏時間UTC-4)午後8時17分 試合時間: 2時間49分 観客: 3万2084人 気温: 44°F(6.7°C)
    詳細: Baseball-Reference.com
両チームの先発ラインナップ
カンザスシティ・ロイヤルズ トロント・ブルージェイズ
打順 守備 選手 打席 打順 守備 選手 打席
1 L・スミス 1 D・ガルシア
2 W・ウィルソン 2 L・モスビー
3 G・ブレット 3 R・マリニクス
4 DH H・マクレー 4 W・アップショー
5 P・シェリダン 5 DH A・オリバー
6 S・バルボニ 6 G・ベル
7 J・サンドバーグ 7 E・ウィット
8 F・ホワイト 8 J・バーフィールド
9 B・ビアンカラーナ 9 T・フェルナンデス
先発投手 投球 先発投手 投球
B・セイバーヘイゲン D・スティーブ

評価

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ハードボール・タイムズ』のクリス・ジャフは2011年10月、歴代のポストシーズン各シリーズについて、面白さの数値化を試みた。「1点差試合は3ポイント、1-0の試合ならさらに1ポイント」「サヨナラゲームは10ポイント、サヨナラが本塁打によるものならさらに5ポイント」「7試合制のシリーズが最終戦までもつれれば15ポイント」などというように、試合経過やシリーズの展開が一定の条件を満たすのに応じてポイントを付与することで、主観的ではなく定量的な評価を行った。その結果、その年の両リーグ優勝決定戦まで全262シリーズの平均が45ポイントのところ、今シリーズは108.3ポイントを獲得した。これは全シリーズ中12位、リーグ優勝決定戦に限れば7位の高得点だった[3]

脚注

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  1. ^ "1985 Kansas City Royals Schedule," Baseball-Reference.com. 2021年3月2日閲覧。
  2. ^ Chad Thornburg, "Teams that came back from 0-2 deficits / 14 teams have rebounded from losing 1st 2 games of 7-game series," MLB.com, October 19, 2020. 2021年3月2日閲覧。
  3. ^ Chris Jaffe, "The top ten postseason series of all-time," The Hardball Times, October 24, 2011. 2021年3月7日閲覧。

外部リンク

[編集]