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1961年のワールドシリーズ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
1961年ワールドシリーズ
チーム 勝数
ニューヨーク・ヤンキースAL 4
シンシナティ・レッズNL 1
シリーズ情報
試合日程 10月4日–9日
観客動員 5試合合計:22万3247人
1試合平均:04万4649人
MVP ホワイティー・フォード(NYY)
殿堂表彰者 ヨギ・ベラ(NYY捕手)
ホワイティー・フォード(NYY投手)
ミッキー・マントル(NYY外野手)
フランク・ロビンソン(CIN外野手)
ジョッコ・コンラン(審判員)
チーム情報
ニューヨーク・ヤンキース(NYY)
シリーズ出場 02年連続26回目
GM ロイ・ヘイミー
監督 ラルフ・ハウク
シーズン成績 109勝53敗・勝率.673
分配金 選手1人あたり7389.13ドル[1]

シンシナティ・レッズ(CIN)
シリーズ出場 21年ぶり04回目
GM ビル・デウィット
監督 フレッド・ハッチンソン
シーズン成績 093勝61敗・勝率.574
分配金 選手1人あたり5356.37ドル[1]
全米テレビ中継
放送局 NBC
実況 メル・アレン
解説 ジョー・ガラジオーラ・シニア
ワールドシリーズ
 < 1960 1962 > 

1961年の野球において、メジャーリーグベースボール(MLB)優勝決定戦の第58回ワールドシリーズ英語: 58th World Series)は、10月4日から9日にかけて計5試合が開催された。その結果、ニューヨーク・ヤンキースアメリカンリーグ)がシンシナティ・レッズナショナルリーグ)を4勝1敗で下し、3年ぶり19回目の優勝を果たした。

両チームの対戦は、1939年以来22年ぶり2回目。1961年当時は冷戦の真っ只中で、両球団の名称がヤンキースアメリカ合衆国北東部白人)とレッズ共産主義の象徴色)だったことから、政治的な注目を集めた。ペンシルベニア州最高裁判所判事マイケル・マスマノは、新聞の見出しが「アカがヤンキーを殺す」となる事態を恐れ、レッズという球団名を変更するよう求める書簡を監督のフレッド・ハッチンソン宛に出したとされる[2]。ヤンキースは敵地での3試合で合計得失点差+16を記録しており、これは1903年シリーズ第5戦〜第7戦のボストン・アメリカンズに並ぶ歴代最多タイである[3]シリーズMVPには、初戦に先発登板して完封勝利を挙げるなど、2試合14.0イニングで2勝・防御率0.00という成績を残したヤンキースのホワイティー・フォードが選出された。

試合結果

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1961年のワールドシリーズは10月4日に開幕し、途中に移動日を挟んで6日間で5試合が行われた。日程・結果は以下の通り。

日付 試合 ビジター球団(先攻) スコア ホーム球団(後攻) 開催球場
10月04日(水) 第1戦 シンシナティ・レッズ 0-2 ニューヨーク・ヤンキース ヤンキー・スタジアム
10月05日(木) 第2戦 シンシナティ・レッズ 6-2 ニューヨーク・ヤンキース
10月06日(金) 移動日
10月07日(土) 第3戦 ニューヨーク・ヤンキース 3-2 シンシナティ・レッズ クロスリー・フィールド
10月08日(日) 第4戦 ニューヨーク・ヤンキース 7-0 シンシナティ・レッズ
10月09日(月) 第5戦 ニューヨーク・ヤンキース 13-5 シンシナティ・レッズ
優勝:ニューヨーク・ヤンキース(4勝1敗 / 3年ぶり19度目)

第1戦 10月4日

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映像外部リンク
MLB.comによる動画(英語)
9回表、ホワイティー・フォードがベイダ・ピンソンを遊飛に打ち取り試合終了、完封でヤンキースに先勝をもたらす(22秒)
  1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
シンシナティ・レッズ 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 2 0
ニューヨーク・ヤンキース 0 0 0 1 0 1 0 0 X 2 6 0
  1. 勝利ホワイティー・フォード(1勝)  
  2. 敗戦ジム・オトゥール(1敗)  
  3. 本塁打
    NYY:エルストン・ハワード1号ソロ、ビル・スコウロン1号ソロ
  4. 審判
    [球審]エド・ランギー(AL)
    [塁審]一塁: ジョッコ・コンラン(NL)、二塁: フランク・ウモント(AL)、三塁: オーギー・ドナテリ(NL)
    [外審]左翼: シャグ・クロフォード(NL)、右翼: ボブ・スチュワート(AL)
  5. 試合時間: 2時間11分 観客: 6万2397人
    詳細: MLB.com Gameday / Baseball-Reference.com
両チームの先発ラインナップ
シンシナティ・レッズ ニューヨーク・ヤンキース
打順 守備 選手 打席 打順 守備 選手 打席
1 D・ブラッシンゲーム 1 B・リチャードソン
2 E・カスコ 2 T・クーベック
3 V・ピンソン 3 R・マリス
4 F・ロビンソン 4 E・ハワード
5 W・ポスト 5 B・スコウロン
6 G・フリース 6 Y・ベラ
7 G・コールマン 7 H・ロペス
8 D・ジョンソン 8 C・ボイヤー
9 J・オトゥール 9 W・フォード
先発投手 投球 先発投手 投球
J・オトゥール W・フォード

第2戦 10月5日

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  1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
シンシナティ・レッズ 0 0 0 2 1 1 0 2 0 6 9 0
ニューヨーク・ヤンキース 0 0 0 2 0 0 0 0 0 2 4 3
  1. 勝利ジョーイ・ジェイ(1勝)  
  2. 敗戦ラルフ・テリー(1敗)  
  3. 本塁打
    CIN:ゴーディ・コールマン1号2ラン
    NYY:ヨギ・ベラ1号2ラン
  4. 審判
    [球審]ジョッコ・コンラン(NL)
    [塁審]一塁: フランク・ウモント(AL)、二塁: オーギー・ドナテリ(NL)、三塁: エド・ランギー(AL)
    [外審]左翼: シャグ・クロフォード(NL)、右翼: ボブ・スチュワート(AL)
  5. 試合時間: 2時間43分 観客: 6万3083人
    詳細: MLB.com Gameday / Baseball-Reference.com
両チームの先発ラインナップ
シンシナティ・レッズ ニューヨーク・ヤンキース
打順 守備 選手 打席 打順 守備 選手 打席
1 E・チャコーン 1 B・リチャードソン
2 E・カスコ 2 T・クーベック
3 V・ピンソン 3 R・マリス
4 F・ロビンソン 4 Y・ベラ
5 G・コールマン 5 J・ブランチャード
6 W・ポスト 6 E・ハワード
7 G・フリース 7 B・スコウロン
8 J・エドワーズ 8 C・ボイヤー
9 J・ジェイ 9 R・テリー
先発投手 投球 先発投手 投球
J・ジェイ R・テリー

第3戦 10月7日

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映像外部リンク
MLB.comによる動画(英語)
9回表、先頭打者ロジャー・マリスの本塁打でヤンキースが勝ち越し(43秒)
  1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
ニューヨーク・ヤンキース 0 0 0 0 0 0 1 1 1 3 6 1
シンシナティ・レッズ 0 0 1 0 0 0 1 0 0 2 8 0
  1. 勝利ルイス・アローヨ(1勝)  
  2. 敗戦ボブ・パーキー(1敗)  
  3. 本塁打
    NYY:ジョニー・ブランチャード1号ソロ、ロジャー・マリス1号ソロ
  4. 審判
    [球審]フランク・ウモント(AL)
    [塁審]一塁: オーギー・ドナテリ(NL)、二塁: エド・ランギー(AL)、三塁: ジョッコ・コンラン(NL)
    [外審]左翼: シャグ・クロフォード(NL)、右翼: ボブ・スチュワート(AL)
  5. 試合時間: 2時間15分 観客: 3万2589人
    詳細: MLB.com Gameday / Baseball-Reference.com
両チームの先発ラインナップ
ニューヨーク・ヤンキース シンシナティ・レッズ
打順 守備 選手 打席 打順 守備 選手 打席
1 B・リチャードソン 1 E・チャコーン
2 T・クーベック 2 E・カスコ
3 R・マリス 3 V・ピンソン
4 M・マントル 4 F・ロビンソン
5 Y・ベラ 5 G・コールマン
6 E・ハワード 6 W・ポスト
7 B・スコウロン 7 G・フリース
8 C・ボイヤー 8 J・エドワーズ
9 B・スタッフォード 9 B・パーキー
先発投手 投球 先発投手 投球
B・スタッフォード B・パーキー

第4戦 10月8日

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  1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
ニューヨーク・ヤンキース 0 0 0 1 1 2 3 0 0 7 11 0
シンシナティ・レッズ 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 5 1
  1. 勝利ホワイティー・フォード(2勝)  
  2. セーブジム・コーツ(1S)[注 1]  
  3. 敗戦ジム・オトゥール(2敗)  
  4. 審判
    [球審]オーギー・ドナテリ(NL)
    [塁審]一塁: エド・ランギー(AL)、二塁: ジョッコ・コンラン(NL)、三塁: フランク・ウモント(AL)
    [外審]左翼: シャグ・クロフォード(NL)、右翼: ボブ・スチュワート(AL)
  5. 試合時間: 2時間27分 観客: 3万2589人
    詳細: MLB.com Gameday / Baseball-Reference.com
両チームの先発ラインナップ
ニューヨーク・ヤンキース シンシナティ・レッズ
打順 守備 選手 打席 打順 守備 選手 打席
1 B・リチャードソン 1 E・チャコーン
2 T・クーベック 2 E・カスコ
3 R・マリス 3 V・ピンソン
4 M・マントル 4 F・ロビンソン
5 E・ハワード 5 W・ポスト
6 Y・ベラ 6 G・フリース
7 B・スコウロン 7 G・コールマン
8 C・ボイヤー 8 D・ジョンソン
9 W・フォード 9 J・オトゥール
先発投手 投球 先発投手 投球
W・フォード J・オトゥール

第5戦 10月9日

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映像外部リンク
MLB.comによる動画(英語)
3回裏、フランク・ロビンソンがラルフ・テリーから3点本塁打を放ち、レッズが3点差に詰め寄る(43秒)
9回裏、バド・デイリーがベイダ・ピンソンを左飛に打ち取り、ヤンキースの優勝が決定(24秒)
  1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
ニューヨーク・ヤンキース 5 1 0 5 0 2 0 0 0 13 15 1
シンシナティ・レッズ 0 0 3 0 2 0 0 0 0 5 11 3
  1. 勝利バド・デイリー(1勝)  
  2. 敗戦ジョーイ・ジェイ(1勝1敗)  
  3. 本塁打
    NYY:ジョニー・ブランチャード2号2ラン、ヘクター・ロペス1号3ラン
    CIN:フランク・ロビンソン1号3ラン、ウォーリー・ポスト1号2ラン
  4. 審判
    [球審]エド・ランギー(AL)
    [塁審]一塁: ジョッコ・コンラン(NL)、二塁: フランク・ウモント(AL)、三塁: オーギー・ドナテリ(NL)
    [外審]左翼: シャグ・クロフォード(NL)、右翼: ボブ・スチュワート(AL)
  5. 試合時間: 3時間5分 観客: 3万2589人
    詳細: MLB.com Gameday / Baseball-Reference.com
両チームの先発ラインナップ
ニューヨーク・ヤンキース シンシナティ・レッズ
打順 守備 選手 打席 打順 守備 選手 打席
1 B・リチャードソン 1 D・ブラッシンゲーム
2 T・クーベック 2 E・カスコ
3 R・マリス 3 V・ピンソン
4 J・ブランチャード 4 F・ロビンソン
5 E・ハワード 5 G・コールマン
6 B・スコウロン 6 W・ポスト
7 H・ロペス 7 G・フリース
8 C・ボイヤー 8 J・エドワーズ
9 R・テリー 9 J・ジェイ
先発投手 投球 先発投手 投球
R・テリー J・ジェイ

脚注

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注釈

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  1. ^ MLBにおいてセーブが公式記録となったのは1969年のことである。そのため、今シリーズでのセーブは参考記録である。

出典

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  1. ^ a b "World Series Gate Receipts," Baseball Almanac. 2018年12月15日閲覧。
  2. ^ Jeff Merron, "The strangest Series moments," ESPN.com, 2004. 2018年12月15日閲覧。
  3. ^ Sarah Langs and Matt Kelly, "Astros' road sweep most dominant in WS history," MLB.com, October 28, 2019. 2019年11月2日閲覧。

外部リンク

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