「エホバの証人」の版間の差分

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=== 輸血拒否 ===
=== 輸血拒否 ===
{{See also|輸血拒否|エホバの証人輸血拒否事件}}
{{See also|輸血拒否|エホバの証人輸血拒否事件}}

聖書中には、次のような「血を避けるべき」とする記述がいくつかあり<ref>[[s:創世記(口語訳)#9:4|創世記(口語訳)#9:4]]</ref><ref>[[s:レビ記(口語訳)#17:10|レビ記(口語訳)#17:10]]</ref><ref>[[s:申命記(口語訳)#12:23|申命記(口語訳)#12:23]]</ref><ref>[[s:使徒行伝(口語訳)#15:20|使徒行伝(口語訳)#15:20]]</ref><ref>[[s:使徒行伝(口語訳)#15:28|使徒行伝(口語訳)#15:28,29]]</ref>、これらを輸血は禁じられていると解釈している<ref group="証人">{{Cite web |url=https://www.jw.org/ja/%E3%82%A8%E3%83%9B%E3%83%90%E3%81%AE%E8%A8%BC%E4%BA%BA/%E3%82%88%E3%81%8F%E3%81%82%E3%82%8B%E8%B3%AA%E5%95%8F/%E3%82%A8%E3%83%9B%E3%83%90%E3%81%AE%E8%A8%BC%E4%BA%BA%E3%81%8C%E8%BC%B8%E8%A1%80%E3%82%92%E5%8F%97%E3%81%91%E5%85%A5%E3%82%8C%E3%81%AA%E3%81%84%E7%90%86%E7%94%B1/ |title=エホバの証人が輸血を受け入れないのはなぜですか - エホバの証人公式サイト |accessdate=2017-9-21}}</ref>。
エホバの証人は[[輸血]]を拒否することで知られる{{sfn|阿部|野中|2006|p=722}}。その根拠とされているのは聖書中の
また、代替治療として無輸血治療の選択、[[自己血輸血|自己輸血]]や[[血液製剤|血液分画]]の使用については各人の良心に基づいて決定するとしている。

{{Quotation|いかなる生き物の血も、決して食べてはならない。すべての生き物の命は、その血だからである。それを食べる者は断たれる。|レビ記17章14節(新共同訳)抜粋}}
{{Quotation|いかなる生き物の血も、決して食べてはならない。すべての生き物の命は、その血だからである。それを食べる者は断たれる。|レビ記17章14節(新共同訳)抜粋}}


といった「血を避けるべき」とするいくつかの記述<ref>[[s:創世記(口語訳)#9:4|創世記(口語訳)#9:4]]</ref><ref>[[s:レビ記(口語訳)#17:10|レビ記(口語訳)#17:10]]</ref><ref>[[s:申命記(口語訳)#12:23|申命記(口語訳)#12:23]]</ref><ref>[[s:使徒行伝(口語訳)#15:20|使徒行伝(口語訳)#15:20]]</ref><ref>[[s:使徒行伝(口語訳)#15:28|使徒行伝(口語訳)#15:28,29]]</ref>である<ref group="証人" name="輸血">{{Cite web|url=https://www.jw.org/ja/%E3%82%A8%E3%83%9B%E3%83%90%E3%81%AE%E8%A8%BC%E4%BA%BA/%E3%82%88%E3%81%8F%E3%81%82%E3%82%8B%E8%B3%AA%E5%95%8F/%E3%82%A8%E3%83%9B%E3%83%90%E3%81%AE%E8%A8%BC%E4%BA%BA%E3%81%8C%E8%BC%B8%E8%A1%80%E3%82%92%E5%8F%97%E3%81%91%E5%85%A5%E3%82%8C%E3%81%AA%E3%81%84%E7%90%86%E7%94%B1/|title=エホバの証人が輸血を受け入れないのはなぜですか|website=エホバの証人公式サイト|accessdate=2017-9-21}}</ref>{{sfn|星野|2006|p=297}}。エホバの証人はこれらの記述について、輸血により血を身体に入れることを禁じるものと解釈し<ref group="証人" name="輸血" />{{sfn|星野|2006|p=297}}、反すれば<q>神との関係において霊的生命とみなすものが損なわれ、無意味な生活、死よりも悪いものがもたらされる</q>と考えている{{sfn|中村|2010|p=812}}。こういった立場は1945年に協会により示されたものである{{sfn|星野|2006|p=297}}。なお、[[自己血輸血|自己輸血]]や[[血液製剤|血液分画]]の使用については、各信者の良心に基づく判断に委ねられている{{sfn|星野|2006|p=299}}{{sfn|中村|2010|p=812}}
幼少者への輸血拒否事案が生じたことから<ref name="asahi"/><ref name=settoku/>、公益社団法人[[日本医師会]]は「エホバの証人と輸血」 声明を発表し、「自己決定能力がない幼少の患者」への必要な輸血を親権者が拒否した際の親権喪失の申立を行うことへの考慮、実際に、緊急輸血を必要とした幼児が病院、[[児童相談所]]、[[家庭裁判所]]の連携により救命された例があることに言及している<ref>[http://www.med.or.jp/doctor/member/kiso/d3.html 『エホバの証人と輸血』公益社団法人日本医師会]</ref>。また日本輸血・細胞治療学会など5学会の合同委員会は2008年「宗教的輸血拒否に関するガイドライン」を定めた<ref>[https://kotobank.jp/word/%E5%AE%97%E6%95%99%E7%9A%84%E8%BC%B8%E8%A1%80%E6%8B%92%E5%90%A6%E3%81%AB%E9%96%A2%E3%81%99%E3%82%8B%E3%82%AC%E3%82%A4%E3%83%89%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%B3-895008 2013-04-17 朝日新聞 朝刊]</ref>。


集団として輸血を拒否するというこのような立場は、国家や[[マジョリティ]]の立場、あるいは医療者の倫理観と衝突することもある{{sfn|星野|2006|p=297}}{{sfn|中村|2010|pp=812f}}。事実輸血拒否は1980年代以降各国で問題として表面化しており、エホバの証人側も問題に対応すべく1988年にホスピタル・インフォメーション・サービスという専門部局を立ち上げ、情報収集・分析・対応策の検討を行うとともに、同部局の指示のもと地域で実際的な活動をする医療機関連絡委員会を展開している{{sfn|星野|2006|p=299}}。日本の司法においては、[[#輸血拒否にかかる事案|後述]]の[[エホバの証人信者の両親による輸血委任仮処分申請事件]]についての大分地裁判決(1985年)や[[エホバの証人輸血拒否事件|東大医科研病院事件]]についての最高裁判決(2000年)を通じて、患者の自己決定権を是認する方向で、一応の判断基準が示されてきた{{sfn|勝又|2010|pp=14f}}。もっとも医療現場ではほとんどの場合、(可能なかぎり無輸血で治療を進めた上で)救命のためにやむを得ない場合には輸血をおこなうという同意書への署名がなされない場合は治療をおこなわないという方針をとっており、事実上エホバの証人の患者を締め出すための方策となってしまっている{{sfn|川﨑|櫻井|金子|2017|p=74}}。
『カルト宗教信じてました。 「エホバの証人2世」の私が25年間の信仰を捨てた理由』の著者たもさんは、結婚してやっと生まれたひとり息子が、「輸血」を必要とする病だったことをきっかけエホバの証人を脱退した。本書の「おわりに」ではエホバの証人について「エホバの証人は確かに子どもを殺していました。子どもの人権を侵害し、自由を奪い、教えに背くなら存在を否定し、輸血拒否で実際に命を・・・」と記している<ref name="tamo">たもさん『カルト宗教信じてました。 「エホバの証人2世」の私が25年間の信仰を捨てた理由』[[彩図社]]、2018年、ISBN 978-4-8013-0300-3</ref>。


親権者が子供に対する輸血を拒否することについては、異文化尊重の立場から子供のみを切り離して考えるべきではないとする見解{{sfn|星野|2006|p=301}}がある一方で、親権の濫用であるとの見解{{sfn|中村|2010|pp=833f}}もある{{efn2|結婚してやっと生まれたひとり息子が輸血を必要とする病だったことをきっかけエホバの証人を脱退した元信者は、<q>エホバの証人は確かに子どもを殺していました。子どもの人権を侵害し、自由を奪い、教えに背くなら存在を否定し、輸血拒否で実際に命を……</q>と記している{{r|tamo}}。}}。[[アメリカ合衆国|アメリカ]]や[[イギリス]]、[[ドイツ]]においては、司法手続きを通じて子供に対する輸血をおこなったという事案がある{{sfn|中村|2010|pp=834}}。日本では、2008年に日本輸血・細胞治療学会ら5学会からなる合同委員会が交付した「宗教的輸血拒否に関するガイドライン」において、医療側の努力によっても同意が得られなかった場合は、<q>児童相談所に虐待通告し、児童相談所で一時保護の上、児童相談所から親権喪失を申し立て、あわせて親権者の職務停止の処分を受け、親権代行者の同意により輸血を行う</q>ことが定められ、実際に緊急輸血を必要とした幼児が病院、[[児童相談所]]、[[家庭裁判所]]の連携により救命された例がある{{sfn|宗教的輸血拒否に関する合同委員会|2008|p=1}}{{sfn|日本医師会|2018}}。
一方、エホバの証人は、子供を死なせているという意見に対して、それは全く根拠のない主張であり、心臓手術や整形外科手術や臓器移植など、複雑な外科的処置が無輸血で施されることは少なくなく、子どもを含め輸血をしなかった患者の術後の経過は多くの場合輸血をした人と変わらないかそれよりも良好であると述べている。また、ある医学雑誌に2004年に掲載された記事に「エホバの証人に対して用いるために開発された技術の多くは今後,標準的な手法となってゆくだろう」と述べられたこと<ref>Continuing Education in Anaesthesia, Critical Care & Pain, Volume 4, No. 2, page 39.</ref>、また2010年に医学誌「心臓,肺,循環」(Heart, Lung and Circulation)に掲載された記事には「“無輸血手術”は,エホバの証人に限るのではなく,通常の手術の際にも普通に用いるべきものである」と記されていると述べている<ref group="証人">{{Cite web |url=https://www.jw.org/ja/%E3%82%A8%E3%83%9B%E3%83%90%E3%81%AE%E8%A8%BC%E4%BA%BA/%E3%82%88%E3%81%8F%E3%81%82%E3%82%8B%E8%B3%AA%E5%95%8F/%E3%82%A8%E3%83%9B%E3%83%90%E3%81%AE%E8%A8%BC%E4%BA%BA%E3%81%8C%E8%BC%B8%E8%A1%80%E3%82%92%E5%8F%97%E3%81%91%E5%85%A5%E3%82%8C%E3%81%AA%E3%81%84%E7%90%86%E7%94%B1/ |title=エホバの証人が輸血を受け入れないのはなぜですか - エホバの証人公式サイト |accessdate=2021-8-15}}</ref>。


輸血拒否により多くの信者が死亡しているとの見解に対してエホバの証人側は、<q>複雑な外科的処置が無輸血で施されることは少なく</q>なく、<q>子どもを含め、輸血をしなかった患者の術後の経過は多くの場合、輸血をした人と変わらないか、それよりも良好で</q>あると回答している<ref group="証人" name="輸血" />。{{harvtxt|Milligan|Bellamy|2004|pp=36 & 39}} は<q>イギリスでは輸血量を減らすための技術的経験が増加しつつあり</q>、輸血用血液の重大な不足が懸念される現状を踏まえると、<q>エホバの証人の患者への使用のために開発された多くの技術は、血液のストックを節約し輸血の必要性を減らすための努力において、来る数年のうちに標準的な実践となるだろう</q>としている。エホバの証人はこれを、<q>エホバの証人に対して用いるために開発された技術の多くは今後、標準的な手法となってゆくだろう</q>という形で引き、2010年の''Heart, Lung and Circulation''誌からの<q>“無輸血手術”は,エホバの証人に限るのではなく,通常の手術の際にも普通に用いるべきものである</q>との引用とともに、無輸血医療に対する否定的な見方は近年変わりつつあることの根拠として挙げている<ref group="証人" name="輸血" />。
上記の医学雑誌には続きがあり、「血液ストックを節約し、輸血の必要性を減らすための努力で」「エホバの証人に対して用いるために開発された技術の多くは今後,標準的な手法となってゆくだろう」という記述になっており、輸血のための血液節約と輸血を減らすという目的が前提になっている<ref>Continuing Education in Anaesthesia, Critical Care & Pain, Volume 4, No. 2, page 39.</ref>。


=== 兵役拒否 ===
=== 兵役拒否 ===
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=== コミック ===
=== コミック ===
*『よく宗教勧誘に来る人の家に生まれた子の話』いしいさや著。 - [[ヤングマガジンサード]]([[講談社]])にて2017年6月より連載開始した自伝漫画。いしいがツイッターで自主発表した8ページの本作が、わずか2日間で3万リツイートを超える大反響を呼んだ<ref name="yokusyu">[http://yanmaga.jp/contents/yokushukyo 漫画『よく宗教勧誘に来る人の家に生まれた子の話』公式ページ] 作品中にエホバの証人の施設「王国会館」が登場する。</ref><ref name="natari">[http://natalie.mu/comic/news/235656 マツリ新作「HUMINT」&元二世信者の自伝マンガ、ヤンマガサードで始動 - コミックナタリー]</ref>。約半年後にあたる2017年[[12月20日]]には[[講談社の漫画レーベル#雑誌に依存しないレーベル|KCデラックス]]より単行本第1巻(ISBN 978-4-06-510538-2)が発売されている。本書によれば、<q>この漫画は、作者自身の体験をもとに事実を再構成したもの</q>であり、主人公''さやちゃん''は少女時代のいしいであると思われる。帯の<cite>裏表紙</cite>側には''さやちゃん''がエホバの証人の虐待を受ける場面が2カット引用されており、それぞれ衣服の一部または大部分を着けない状態で、衣料品のベルトでおしりを打たれる、友達のプレゼントであるかわいいお洋服の破棄を強いられるなどが描かれている。
*『よく宗教勧誘に来る人の家に生まれた子の話』いしいさや著。 - [[ヤングマガジンサード]]([[講談社]])にて2017年6月より連載開始した自伝漫画。いしいがツイッターで自主発表した8ページの本作が、わずか2日間で3万リツイートを超える大反響を呼んだ<ref name="yokusyu">[http://yanmaga.jp/contents/yokushukyo 漫画『よく宗教勧誘に来る人の家に生まれた子の話』公式ページ] 作品中にエホバの証人の施設「王国会館」が登場する。</ref><ref name="natari">[http://natalie.mu/comic/news/235656 マツリ新作「HUMINT」&元二世信者の自伝マンガ、ヤンマガサードで始動 - コミックナタリー]</ref>。約半年後にあたる2017年[[12月20日]]には[[講談社の漫画レーベル#雑誌に依存しないレーベル|KCデラックス]]より単行本第1巻(ISBN 978-4-06-510538-2)が発売されている。本書によれば、<q>この漫画は、作者自身の体験をもとに事実を再構成したもの</q>であり、主人公''さやちゃん''は少女時代のいしいであると思われる。帯の<cite>裏表紙</cite>側には''さやちゃん''がエホバの証人の虐待を受ける場面が2カット引用されており、それぞれ衣服の一部または大部分を着けない状態で、衣料品のベルトでおしりを打たれる、友達のプレゼントであるかわいいお洋服の破棄を強いられるなどが描かれている。
*『カルト宗教信じてました。 「エホバの証人2世」の私が25年間の信仰を捨てた理由』たもさん著。 - 10歳の時に母親に連れられてカルト宗教に入信。進学や夢、友人関係など、多くのものを宗教による制限のために諦めてきたが、結婚してやっと生まれたひとり息子が、「輸血」を必要とする病だったことをきっかけにカルト宗教への違和感を強め35歳の時に脱退。体験をコミックエッセイとして描いている。著者は「おわりに」でエホバの証人について「エホバの証人は確かに子どもを殺していました。子どもの人権を侵害し、自由を奪い、教えに背くなら存在を否定し、輸血拒否で実際に命を・・・」と記している<ref name="tamo"/>
*『カルト宗教信じてました。 「エホバの証人2世」の私が25年間の信仰を捨てた理由』たもさん著。 - 10歳の時に母親に連れられてカルト宗教に入信。進学や夢、友人関係など、多くのものを宗教による制限のために諦めてきたが、結婚してやっと生まれたひとり息子が、「輸血」を必要とする病だったことをきっかけにカルト宗教への違和感を強め35歳の時に脱退。体験をコミックエッセイとして描いている。{{r|tamo}}


== 脚注・引用 ==
== 脚注・引用 ==
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=== 注釈 ===
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=== 出典 ===
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== 参考文献 ==
* {{cite journal|date=2004-04|first=Lisa J|last=Milligan|first2=Mark C|last2=Bellamy|title=Anaesthesia and critical care of Jehovah's Witnesses|journal=Continuing Education in Anaesthesia Critical Care & Pain|publisher=British Journal of Anaesthesia|volume=4|issue=2|pages=35-39|doi=10.1093/bjaceaccp/mkh012|ref=harv}}
* {{cite journal|和書|date=2006-05-26|last=星野|first=晋|title=輸血拒否の主体は誰か — 文化人類学的視点から見た輸血拒否|journal=日本臨床麻酔学会誌|publisher=日本臨床麻酔学会|volume=26|issue=3|pages=296-302|doi=10.2199/jjsca.26.296|ref=harv}}
* {{cite journal|和書|date=2006-12-22|last=阿部|first=文明|last2=野中|first2=明彦|title=エホバの証人に対する輸血に関する判決文精読による一考察|journal=日本臨床麻酔学会誌|publisher=日本臨床麻酔学会|volume=26|issue=7|pages=7222-726|doi=10.2199/jjsca.26.722|ref=harv}}
* {{Cite web|date=2008-02-28|title=宗教的輸血拒否に関するガイドライン|publisher=宗教的輸血拒否に関する合同委員会|url=https://anesth.or.jp/files/pdf/guideline.pdf|accessdate=2021-09-14|ref=harv|year=2008}}
* {{cite journal|和書|date=2010-02|last=中村|first=邦義|title=医療倫理 — エホバの証人の輸血拒否をめぐって|journal=産大法学|publisher=京都産業大学法学会|volume=43|issue=3/4|pages=807-841|naid=110007504323|ref=harv}}
* {{cite journal|和書|date=2010-09-23|last=勝又|first=純俊|title=信仰に基づく輸血拒否に関する社会医学的・法的・倫理的問題の検討|journal=生命倫理|publisher=日本生命倫理学会|volume=20|issue=1|pages=13-21|doi=10.20593/jabedit.20.1_13|ref=harv}}
* {{cite journal|和書|date=2017-07-12|last=川﨑|first=志保理|last2=櫻井|first2=順子|last3=金子|first3=真弘|title=エホバの証人の輸血拒否における医療現場の現状と倫理|journal=臨床倫理|publisher=日本臨床倫理学会|volume=2017年|issue=5|pages=73-76|doi=10.34329/jce.5.0_73|ref=harv}}
* {{Cite web|date=2018-08|title=B-6. エホバの証人と輸血|work=医の倫理の基礎知識 2018年版|website=日本医師会|publisher=日本医師会|url=https://www.med.or.jp/doctor/rinri/i_rinri/b06.html|accessdate=2021-09-14|ref=harv|year=2018}}


== 関連項目 ==
== 関連項目 ==

2021年9月14日 (火) 15:27時点における版

エホバの証人
エホバの証人の公式ロゴ
分類 キリスト教系の宗教
三位一体の否認
霊魂消滅説
組織構造 エホバの証人の組織構造[1]
地域 世界の旗 世界
創設者 チャールズ・テイズ・ラッセル
創設日 1870年代
創設地 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
ペンシルベニア州ビッツバーグ
会衆数 120,387
信徒数 8,695,808人
公式サイト www.jw.org
『2020奉仕年度の報告 エホバの証人の世界的な活動』2020年の総計[証人 1]
テンプレートを表示
エホバの証人を設立したチャールズ・テイズ・ラッセル(1911年撮影)
神奈川県海老名市の日本支部
ブカレストルーマニア

エホバの証人(エホバのしょうにん、: Jehovah's Witnesses)は、キリスト教系の宗教[2][3][4]ものみの塔聖書冊子協会などの法人が各国にあり、ほぼ全世界で活動している。エホバ(ヤハウェ)を信仰している。

1870年代チャールズ・テイズ・ラッセルによって設立され、世界本部は長らくアメリカ合衆国ニューヨーク州ニューヨーク市ブルックリン区に置かれていたが、2016年に同州ウォーウィックへ移転する。当初は「国際聖書研究者協会」という組織名だったが、後に聖書から真の神の名を告げ知らせる使命を認識し「エホバの証人」に改名する。一般的に聖書教育活動で知られ、無料の個別聖書レッスン、オンラインレッスンを熱心に行なっている [5][6][7]

聖書は主にものみの塔聖書冊子協会が翻訳した新世界訳聖書を使用する。聖書の教義を以下のように説明する。全てのものには創造者(神)がいる。(インテリジェント・デザイン論を支持している)神は唯一神エホバヤハウェ)であり、キリストは神の子であって[7]、天使長ミカエルと同一である[証人 2]。現代の世界は神に反逆した天使(「反逆者」という意味の「サタン」と呼ばれている)の支配下にあり[証人 3]、やがて終わりの日にキリスト率いる神の軍団との大戦争(ハルマゲドン)によりサタンの支配を終わらせ、地球にパラダイスと神の名誉を回復させる。その時、人間はキリストの贖いの犠牲により、アダムから受け継いだ罪が許され、死んだ人たちも復活させられて神の教育を受け、永遠に生きる機会を得る [証人 4][証人 5]。 

カトリック正教会プロテスタントなどの主流派キリスト教会が信じる「三位一体説」[8]イエス・キリストの神格化」「不滅の魂」などを否定する立場をとっている[9][10][11][12]

沿革

  • 1870年 - チャールズ・テイズ・ラッセル聖書研究のグループを作り、彼らは聖書の系統的な研究を始める。
  • 1879年 -「シオンのものみの塔およびキリストの臨在の告知者」(現・ものみの塔誌)を創刊。
  • 1884年 - シオンのものみの塔冊子協会(現「ペンシルバニア州のものみの塔聖書冊子協会」)が米国ペンシルベニア州で宗教法人として認可。初代会長、ラッセル。
  • 1900年 - 最初の支部事務所が英国ロンドンに開設される。宣教活動が28の国や地域で行われる。
  • 1909年 - 世界本部をニューヨーク州ブルックリン区へ移転。
  • 1910年 - 聖書研究者は国際聖書研究者協会という名称を使い始める。(I.B.S.A.)
  • 1919年 -「黄金時代」誌(現・目ざめよ!誌)を創刊。
  • 1931年 -「エホバの証人」という名称が採択される。
  • 1933年 - ドイツのナチス政権下で布教活動が禁止され、第二次世界大戦終結まで多数の信者が強制収容所に収監される。(「エホバの証人とホロコースト」参照)
  • 1950年 - 新世界訳聖書英語版「クリスチャン・ギリシャ語聖書」(新約聖書)が完成。
  • 1961年 - 新世界訳聖書英語版が全巻完成。
  • 1982年 - 新世界訳聖書日本語版が全巻完成。
  • 1984年 - 新世界訳聖書英語改訂版が発表される。
  • 1985年 - 新世界訳聖書日本語改訂版が発表される。
  • 2013年 - 新世界訳聖書英語改訂版が発表される。
  • 2014年 - JW Broadcasting[証人 6]が開始される。
  • 2016年 - 世界本部を米国ニューヨーク州ウォーウィックに移転する。
  • 2019年 - 新世界訳聖書日本語改訂版が発表される。公式サイトの閲覧可能言語数が1000を超える[13]
  • 2020年 - 新型コロナウイルス感染症の世界的な流行に伴い、3月頃から世界中のほとんどの地域で、物理的に集まっての集会や野外宣教、大会などが中止になる。ただし、オンライン会議システムを用いて、それらは継続して行われている。

聖書を信じる宗教としての信仰の確立の歴史

エホバ神の最初の証人は、神の民として古代イスラエル人に与えられた。イエスも父である神の証人だった。イエスは死後神により復活させられ、新しい契約により神の民を組織した。贖いとして死んだ事への信仰と、エホバ神への信仰により、神の民に入れるとされる。

組織

統治体、地帯区、支部、巡回区、各会衆という構造になっており、各々に監督や長老といった管理監督責任を担う信者が存在する。

施設については、前述の世界本部のほか、ものみの塔教育センターを米国ニューヨーク州パットナム郡パタソンに、ものみの塔農場を米国ニューヨーク州アルスター郡ウォールキルに有する[証人 7]

また、世界96か所に支部事務所が、239の国や地域に約11万の会衆が存在する。

特徴的な組織観

初期の統治体は、聖書は「神の言葉」であるという前提にもとづき、エホバの証人の組織を神の組織の一部であるとしている[14]。神の組織とは、神の意志を行なうために協力して働く天使を含めた天と地にいる者すべてによって構成されているとしている[15]

[16]

信者数

平均伝道者数, 1945年〜2005年

2020年[注 1]の公表値によると、エホバの証人の全世界での伝道者数は約869万人である[証人 1]。 最多国アメリカ合衆国での信者数は約120万人ほどいるとされている。

日本においては2020年度の最高伝道者数は212,683人であり、アジア諸国ではフィリピンに次いで多い。

教義

JW Library

近年、統合電子メディア閲覧アプリ「JW Library」が製作され、各種の聖書、書籍や雑誌はじめとした紙ベースの出版物、また動画形式の教材を見ることができ、集会や伝道活動などで使用されている。 これは、一般に公開されているため誰でもダウンロードし教義の大半を閲覧することができる。

神の名

聖書にみられる唯一神エホバを崇拝の対象とする。 原文に近い聖書写本には、神の固有の名としてテトラグラマトンの四文字語יהוהと記述されており、YHWHもしくはJHVHに相当する。 もっとも、神の名をどう発音するかではなく、神の名を敬意を込めて用いることが重要である。

神の概念

  • 多くのキリスト教会が信じ、重要視している三位一体を否定する[証人 8][17]
  • の名はエホバである。
  • イエス・キリストは神の子であり、エホバに最初に創造された者である[18]
  • 天使長ミカエルがキリストであるとする[18][証人 2]
  • キリストは処刑後、人間としてではなく霊の体として復活し昇天した。終わりの日に神の王国の王として再臨し、将来全人類を裁く
  • 聖霊は神ではない。「非人格的」な「神の活動力」である[18]

神の王国

神の王国は、イエス・キリストの宣教における中心的な概念で、『新約聖書』所収の4つの『福音書』に合計50回以上現れる用語である。エホバの証人のいう神の王国は主に千年王国説(至福千年説)に依っている。千年王国説は、ユダヤ教終末論に由来し、キリスト教では『新約聖書』所収の『ヨハネ黙示録』第20章「千年間の支配」「サタンの敗北」「最後の裁き」[19]がその主な根拠になっている[20]

エホバの証人は神の王国について次のように規定している。すなわち、神の王国は1914年を起点に、天でイエス・キリストを王として設立された[証人 9] 。そのキリストの再臨は「しるし」であり目には見えないが、予告された社会現象により識別できる(マタイによる福音書24章3節から25章46節およびルカによる福音書21章5節から36節参照)[証人 10]。新しい社会を実現する政府である[証人 11]。ハルマゲドン後、地上は千年の時を経てかつて創世記に記述されているような楽園に回復される[証人 12][証人 13]。楽園を回復する作業を行うのは、ハルマゲドンを生き残った者、復活された者たちである。

聖書を信じる宗教としての基本的な教義

ナザレのイエスは死んだけれども、よみがえった

  • 罪がないナザレのイエスは人間の原罪を贖うため死刑になったが、死んでから3日たってからまた生き返った、と信じる。聖書に書いてある通りである。

ナザレのイエスは天に昇って行ってから、神の右に座った

  • ナザレのイエスはみんなの見ている前で、天に昇って行った、と信じる。聖書に書いてある通りである。
  • ナザレのイエスは王国の支配者となり、ハルマゲドンで今現在生きている者と、すでに死んだ者とを裁くと信じる。

聖書は神の言葉だと信じる

長い歴史の下に書かれたが一貫性があり、内容が調和している事から、聖霊に満たされて神により書かれたと信じる。旧約聖書#神の言葉として成立した聖書の歴史を参照。

活動

年間行事

  • 毎年3月または4月にキリストの死の記念式典を行う。(主の晩餐に相当)
  • 週に2回、集会を行う。(週末:公開聖書講演会・「ものみの塔」研究、週中:クリスチャンとしての生活と奉仕の集会)
  • 上記以外に地区大会(年1回)、巡回大会(年2回)が催される。
  • 毎回の大会において、認められた人に対しバプテスマが行われる。

熱心な伝道

韓国大成里駅の前に伝道のため置かれたエホバの証人のパンフレット据置台。世界各地の駅前でパンフレットを掲げるスタイルの伝道を行っている。

エホバの証人は街頭、駅前、戸別の家庭訪問などの熱心な伝道を世界各地で行っている[21]。「無言で駅前・街頭にてパンフレットを掲げる」伝道スタイルがベン・H・ウィンタースの小説『地上最後の刑事』の中に登場している[22]


なお直接尋ねるか、公式サイトJW.ORGより、無料の聖書レッスンを申し込める。毎週オンラインや電話でレッスンを行い聖書を学べる。

エホバの証人は上記の聖書的根拠として以下を挙げている。

彼らは「興味がない」と訪問伝道を断った家にも繰り返し訪問する。公式サイトでは以下の考えを表明している[証人 16]

  • 以前は興味がなかった人たちも含めすべての人に伝えようと努力しています。
  • 以前は興味を示さなかった人でも,再び訪問した時には関心を持っていることがよくあります。
  • とはいえ,聖書の音信を押しつけることはありません。

また繰り返し訪問する理由として以下の3点を挙げている。

  • 移転している場合がある。
  • 家族の別の人が関心を示すかもしれない。
  • 考えが変わることもありえる。

主な行動様式

新型コロナウイルス感染症に伴う影響

沿革」節でも触れた通り、新型コロナウイルス感染症の流行に伴い世界中で集会や大会、野外での宣教活動(戸別訪問・街路でカートを用いた伝道)が中止されている。そのため、集会は主に遠隔会議システムを用いて行われる[証人 19]。また手紙や電話、LINEなどのSNS電子メールを用いた伝道が行われている。なおエホバの証人の本部ならびに各支部は現在ロックダウンされており、印刷物の製造や発送も中止されているため集会や宣教活動で用いる文書を新たに入手することはできなくなっていたが、同年9月頃から再び印刷物の製造や発送が再開された。

特筆的な事柄

輸血拒否

エホバの証人は輸血を拒否することで知られる[24]。その根拠とされているのは聖書中の

いかなる生き物の血も、決して食べてはならない。すべての生き物の命は、その血だからである。それを食べる者は断たれる。 — レビ記17章14節(新共同訳)抜粋

といった「血を避けるべき」とするいくつかの記述[25][26][27][28][29]である[証人 20][30]。エホバの証人はこれらの記述について、輸血により血を身体に入れることを禁じるものと解釈し[証人 20][30]、反すれば神との関係において霊的生命とみなすものが損なわれ、無意味な生活、死よりも悪いものがもたらされると考えている[31]。こういった立場は1945年に協会により示されたものである[30]。なお、自己輸血血液分画の使用については、各信者の良心に基づく判断に委ねられている[32][31]

集団として輸血を拒否するというこのような立場は、国家やマジョリティの立場、あるいは医療者の倫理観と衝突することもある[30][33]。事実輸血拒否は1980年代以降各国で問題として表面化しており、エホバの証人側も問題に対応すべく1988年にホスピタル・インフォメーション・サービスという専門部局を立ち上げ、情報収集・分析・対応策の検討を行うとともに、同部局の指示のもと地域で実際的な活動をする医療機関連絡委員会を展開している[32]。日本の司法においては、後述エホバの証人信者の両親による輸血委任仮処分申請事件についての大分地裁判決(1985年)や東大医科研病院事件についての最高裁判決(2000年)を通じて、患者の自己決定権を是認する方向で、一応の判断基準が示されてきた[34]。もっとも医療現場ではほとんどの場合、(可能なかぎり無輸血で治療を進めた上で)救命のためにやむを得ない場合には輸血をおこなうという同意書への署名がなされない場合は治療をおこなわないという方針をとっており、事実上エホバの証人の患者を締め出すための方策となってしまっている[35]

親権者が子供に対する輸血を拒否することについては、異文化尊重の立場から子供のみを切り離して考えるべきではないとする見解[36]がある一方で、親権の濫用であるとの見解[37]もある[注 2]アメリカイギリスドイツにおいては、司法手続きを通じて子供に対する輸血をおこなったという事案がある[39]。日本では、2008年に日本輸血・細胞治療学会ら5学会からなる合同委員会が交付した「宗教的輸血拒否に関するガイドライン」において、医療側の努力によっても同意が得られなかった場合は、児童相談所に虐待通告し、児童相談所で一時保護の上、児童相談所から親権喪失を申し立て、あわせて親権者の職務停止の処分を受け、親権代行者の同意により輸血を行うことが定められ、実際に緊急輸血を必要とした幼児が病院、児童相談所家庭裁判所の連携により救命された例がある[40][41]

輸血拒否により多くの信者が死亡しているとの見解に対してエホバの証人側は、複雑な外科的処置が無輸血で施されることは少なくなく、子どもを含め、輸血をしなかった患者の術後の経過は多くの場合、輸血をした人と変わらないか、それよりも良好であると回答している[証人 20]Milligan & Bellamy (2004, pp. 36 & 39) はイギリスでは輸血量を減らすための技術的経験が増加しつつあり、輸血用血液の重大な不足が懸念される現状を踏まえると、エホバの証人の患者への使用のために開発された多くの技術は、血液のストックを節約し輸血の必要性を減らすための努力において、来る数年のうちに標準的な実践となるだろうとしている。エホバの証人はこれを、エホバの証人に対して用いるために開発された技術の多くは今後、標準的な手法となってゆくだろうという形で引き、2010年のHeart, Lung and Circulation誌からの“無輸血手術”は,エホバの証人に限るのではなく,通常の手術の際にも普通に用いるべきものであるとの引用とともに、無輸血医療に対する否定的な見方は近年変わりつつあることの根拠として挙げている[証人 20]

兵役拒否

「戦いを学ばない」[42][43]「剣を取るものは剣によって滅びる」[44]という聖書の記述を理由に、兵役を拒否する[証人 21]徴兵制度の国々で軍隊から問題視されることがある。国家は徴兵拒否に対して、エホバの証人の所属者らを投獄するのが一般的である。

近年では、良心的兵役拒否人権の一つとして認識されるようになってきたことから、社会奉仕活動への参加を義務付けることによって、兵役の義務の代替行為とする事例も増えている。

マインドコントロール、脱会問題

カルト宗教被害者の問題解決に取り組む、「真理のみことば伝道協会[45]」主宰のウィリアム・ウッド牧師は「エホバの証人 マインドコントロールの実態」など多数の書物を出版している[46][47] 脱会者による実名・顔出しの手記[48]、家族の脱会体験談も出版されている[49]

一方、精選版日本国語大辞典によると「マインドコントロール」とは、「対象となった人の感情・思想・行動などを本人に気づかれることなく一定の方向に変えること」[50]とあり、エホバの証人になるには、数ヶ月あるいは何年かの聖書レッスンを経て聖書の知識を学ぶ必要があるため、この点でマインドコントロールと言えないとの意見がある[要出典]

ある百科事典によると「彼らの信じていることはすべて聖書に基づいている。彼らは聖書の権威を当然のものとみなし,ほとんどすべての信条を聖句を使って証明する。(すなわち,裏づけとなる聖句を引用する)聖書が伝統に完全に取って代わるのである」とある[51][要文献特定詳細情報]。またジュリア・M・コルベットは「このグループは聖書研究から注意をそらしたことがない。その教えは,聖句を参照するための精密なシステムによって裏づけられている」「エホバの証人は,正直で,礼儀正しく,勤勉だという評判を得ている」と述べている[52][要文献特定詳細情報]

新ブリタニカ百科事典によると「エホバの証人は個人の振る舞いにおける高い道徳律を強調する」と説明している[53][要文献特定詳細情報]

聖書

7000回以上の主に置き換えられていた神の名前の箇所を復元している。 歴代会長3名を含む統治体成員5名からなる[54]新世界訳聖書翻訳委員会により翻訳された新世界訳聖書を使用する。

かつてはキリスト教会と同様、一般に入手可能な聖書を使用していた。例えば、英語圏ではジェイムズ王欽定訳 (KJV) とアメリカ標準訳 (ASV) を、日本では舊新約聖書日本聖書協会文語訳)(岩波書店版文語訳)などを使用していた。

主な聖書解釈

  • キリストの磔刑について十字架の形状を否定し、「一本の杭(苦しみの杭)」であったとする[55]
  • エホバの証人は失われた1世紀のクリスチャンの復興である。
  • キリストの使徒が死に絶えた後、初期キリスト教背教が起こり、後にカトリックを始め多くの教派が生じた。エホバの証人は「神の是認する唯一の真の宗教である」とし、背教したキリスト教会は悪魔の手先であり、偽りの宗教組織全体は黙示録に描かれた淫婦とする。
  • 「血を避けるべき」という聖書の記述は、血液を食するだけでなく、体内に取り入れる行為(輸血も含む)を避けることも含まれる。
  • 人は死ぬと存在しなくなる。死後の世界(天国地獄、その他の名称の異世界)は存在しない。
  • 復活は「天への復活」(14万4千人)と「地上への復活」の2種類がある。
  • 信仰を業により示す必要がある。その業の最高のものは布教活動であり、エホバの証人の「救い」は組織への服従に基づいている[18]。エホバの証人発行の書物にて「しかし必要なのは信仰だけではありません。(中略)本当の気持ちを示す業もなければなりません」と書かれている[証人 22]

主流派キリスト教会からの批判

カトリック・プロテスタント・正教会の各団体、関係者などによる見解

キリスト教主流派が重要視する三位一体などの教義を否認していることから、カトリック・プロテスタント正教会などから異教あるいは異端とされている。例として、以下が挙げられる。

  • 全世界のカトリック教会を統率する組織であるローマ教皇庁は2008年の見解において、エホバの証人をカトリック教会に対して、サイエントロジー教会旧統一教会(文鮮明)と同列の新宗教としている[9]
  • プロテスタント福音派尾形守は著書において、エホバの証人などの異端とキリスト教の根本的な違いは「霊の違い」であり、異端は悪霊による惑わしの教えであるとする。根拠として聖書の第一ヨハネ4:1-3、黙示録16:13、第一テモテ4:1を挙げている。「真理のみことば伝道協会」主宰のウィリアム・ウッド牧師も同様の見解を示している[7]
  • アメリカ正教会は「正教会のキリスト教徒と異端者」という公式見解にて、エホバの証人を異端として取り上げている[10]
  • シェヌーダ3世 (コプト正教会アレクサンドリア総主教)は「異端・エホバの証人」という書籍を著している[11]
  • 福音派の尾形守は、著書の見解においてエホバの証人は末日聖徒イエス・キリスト教会(モルモン教)・世界平和統一家庭連合(旧略称:統一教会)と共に「日本で顕著な活動をしている」とし、「三大異端」として取り上げている。またジャーナリストの伊藤正孝、作家の八木谷涼子も同3教団を「三大異端」と記している[6][56]
  • キリスト教大事典』1066頁(教文館、昭和63年8月10日 改訂新版第9版)では、エホバの証人は『いっさいの正統的教理と既成教会に反対(している)』と記されている[12]

カルト・セクト指定

いくつかの政府はカルトまたはセクトと分類しているケースがある。例として以下の政府・議会報告が挙げられる。

住人による反対運動

日本の長野県下伊那郡松川町で発足された「松川町増野エホバ対策委員会」は「エホバ反対運動」において「エホバの証人がしつこく訪問してきて困る」という苦情に対処し、社会的被害の拡大を食い止めることを目的としているとし、1998年には「エホバの証人・訪問お断り」ステッカーを2回にわたり計1万枚を自費作成し、近隣地域への無料配布を実施するなどした。なお、この部落においては教会(王国会館)の建設反対運動が活発に行われたが、最終的に建設された。

JW.ORG(公式サイト)

2020年12月時点では、手話言語を含めた1,027言語に翻訳されており、世界で最も多くの言語に翻訳されたサイトとなっている[60]

聖書に基づいた様々な教えやアドバイスが記されている。また本サイトから聖書レッスンの申し込みや世界的活動への寄付(クレジットカードデビットカードを使用、銀行送金、小切手、遺言書や信託を利用した遺贈、金融資産または保険証券、不動産、株式、債券、宝石や貴金属、その他の特別な種類の財産なども寄付可能)、出版物やビデオ、音楽のダウンロード[注 3]が可能である。

裁判・法的規制

バーネット事件

米国ウェストバージニア州で、星条旗への忠誠の誓いを拒んだ女性信者の姓にちなむ行政訴訟。

第二次世界大戦中の1943年6月14日米最高裁判所は「エホバの証人の子弟を放校する権利は教育委員会にはない」という判断を下し、勝訴が確定した。  

輸血拒否にかかる事案

1985年(昭和60年)6月6日、日本の小学生の男児(当時10歳)が神奈川県川崎市高津区交通事故に遭い、両親が輸血拒否したことにより死亡したとされる事件[6]では、男児の父親が新聞記者に「男児が病床で『生きたい』と語った」と証言したため(ただし現場を目撃した医療関係者は、これに否定的見解を示している)、「なぜ救うことができなかったのか」という批判がマスコミを中心として渦巻くことになった[61][62]

その後1988年(昭和63年)、裁判所は「輸血をしても命は助からなかった」と判断、略式命令が下され児童の両親は無罪、運転手が業務上過失致死罪で起訴され罰金15万円の有罪となった(川崎簡略式 昭和63.8.20)。2000年(平成12年)2月19日には、エホバの証人輸血拒否事件について最高裁判所は「宗教上の理由で輸血を拒否する意思決定を行う権利は人格権の一内容として尊重される」と認め、「無断で輸血を行った医師と病院はこれを侵害した」として患者の遺族(患者は一審判決後に死去)に55万円の支払いを命じる判決を下した。

なおこの事件では、マスコミによる執拗なバッシングが行われた[証人 23]

神戸高専剣道実技拒否事件

神戸市立工業高等専門学校のエホバの証人の信者である生徒が、「必須科目であった体育での剣道の科目を履行しなかったことで、退学または留年処分になったこと」の是非が争われたケースで、1996年(平成8年)3月8日、日本の最高裁判所は、学校側が主張する剣道の必須性を退け、「格闘技を拒否された場合の代替措置を用意しなかったことは、学校側の落ち度である」と指摘し、「退学または留年処分は不当である」との判決を下し、勝訴が確定した。

性的児童虐待

2012年6月13日、米国カリフォルニア州のアラメダ上級裁判所(一審裁判所)[63]で行われた裁判で、当協会は約800億円相当の協会の資産の凍結を命じられ、賠償金280万ドル(22億円)の40%を支払うように命じられた。判決によると、エホバの証人の男性信者が当時9歳だった少女に1年の間性的虐待を加えているという通報を知りながら、罪を立証するには2人ないし3人の証人が必要との教理(コリントの信徒二13:1)が結果的に警察へ通報を妨げることになり、長老たちが決定した組織的な隠蔽であり違法との判決に至った。その後、エホバの証人側は同州控訴裁判所(二審裁判所)に控訴の後、原告側と和解した[64]。なお同様の被害が、イギリスオーストラリアで計1600人以上隠蔽されていたとの報告があり、国による調査や告訴が多数なされている[65][66][67][68][69]

兵役拒否に対する処罰

兵役や国家に対する忠誠の拒否などで処罰されたものある。

エホバの証人は「彼らはそのつるぎを打ちかえてすきとし、そのやりを打ちかえてかまとし、国は国にむかってつるぎをあげず、彼らはもはや戦いのことを学ばない」(イザヤ書2章4節)という聖書の記述に従っているためであるが、当該国の軍事当局から見れば従軍拒否などはあくまでも法令違反とされる場合がある。代表的な事例として、ナチス・ドイツにおいて兵役を拒否したためにより強制収容所に送致され多くが処刑された出来事などが挙げられる(「エホバの証人とホロコースト」参照)。2017年現在でも一部の国々で同様の事例が存在する[証人 24]

韓国では、これまで良心的兵役拒否が認められていなかったため、兵役拒否は法に基づき処罰されてきた。この処罰を受けた人は、1954年から2018年まで約2万人に上った。その99.2%がエホバの証人の信徒とされる[70]。しかし、2018年11月1日、韓国の大法院(最高裁判所)は良心的兵役拒否が犯罪ではないとの判決を下し、合計65人のエホバの証人が釈放された。[証人 25]

ロシアでの活動禁止措置

ロシアの法務省は、エホバの証人を「過激主義団体の一つである」と認定し、布教活動および集会を禁じる措置を行っている。エホバの証人が配布したある小冊子に、作家レフ・トルストイの言葉が引用され、ロシア正教会の教理が「迷信で呪術的」と記載されていたのを司法省が問題視したという[71]。法務省はこれに先立ち、同団体内での「過激主義的な行動」の兆候をつかんだと発表していた[72]。ロシア政府は「憎悪を煽り、市民の人間としての尊厳を軽んじている」と非難、訴状には「この団体は国家を尊重せず、あらゆる市民的な結びつきを弱らせ、国の安全を破壊する」と記されていた。エホバの証人側はロシア連邦最高裁判所に撤回を求める裁判を起こしたが、最高裁は法務省側の主張を支持し、エホバの証人は2017年4月よりロシア国内の活動を禁止されている[証人 26]。この弾圧に対し、国際宗教自由委員会(USCIRF)の議長でイエズス会の司祭トーマス・J・リースは「ロシア政府の今回の措置は、同国内でのエホバの証人の法的存在を抹消することを目的としているようだ。USCIRFは、この平和的な宗教団体に対する弾圧を止めるよう、ロシア政府に要請する」[71]と声明を発表した。

題材作品

小説

  • 説得―エホバの証人と輸血拒否事件』 - 1988年大泉実成。1985年6月に神奈川県で実際にあった、出血多量で死んだ小学生の輸血拒否事件を基に、ある信者家族の信仰と生命の尊さを巡る葛藤を一人のルポライターが克明に綴ったノンフィクション小説[61]。1993年にTBSでドラマ化され話題になった。
  • NHKにようこそ!』 - 2002年、滝本竜彦。ひきこもりの青年と、彼を立ち直らせようとする新興宗教の二世信者の少女を中心とした物語[73]

ドラマ

映画

  • 『あかぼし』朴璐美主演。精神のバランスを崩し新興宗教にのめりこんでいく母親を、幼い息子の目を通して描く[74][75]

書籍

  • 船瀬俊介、内海聡 両著『血液の闇』((三五館 ISBN 978-4883206162、2014年)ーテレビドラマや小説の「説得」その他、昭和天皇崩御の際の輸血についても触れている。副題 輸血は受けてはいけない)。(船瀬俊介著(医療ジャーナリスト)、 内海 聡著(内科医、Tokyo DD Clinic院長) (2014年6月)

コミック

  • 『よく宗教勧誘に来る人の家に生まれた子の話』いしいさや著。 - ヤングマガジンサード講談社)にて2017年6月より連載開始した自伝漫画。いしいがツイッターで自主発表した8ページの本作が、わずか2日間で3万リツイートを超える大反響を呼んだ[76][77]。約半年後にあたる2017年12月20日にはKCデラックスより単行本第1巻(ISBN 978-4-06-510538-2)が発売されている。本書によれば、この漫画は、作者自身の体験をもとに事実を再構成したものであり、主人公さやちゃんは少女時代のいしいであると思われる。帯の裏表紙側にはさやちゃんがエホバの証人の虐待を受ける場面が2カット引用されており、それぞれ衣服の一部または大部分を着けない状態で、衣料品のベルトでおしりを打たれる、友達のプレゼントであるかわいいお洋服の破棄を強いられるなどが描かれている。
  • 『カルト宗教信じてました。 「エホバの証人2世」の私が25年間の信仰を捨てた理由』たもさん著。 - 10歳の時に母親に連れられてカルト宗教に入信。進学や夢、友人関係など、多くのものを宗教による制限のために諦めてきたが、結婚してやっと生まれたひとり息子が、「輸血」を必要とする病だったことをきっかけにカルト宗教への違和感を強め35歳の時に脱退。体験をコミックエッセイとして描いている。[38]

脚注・引用

注釈

  1. ^ 2019年9月1日 - 2020年8月31日。エホバの証人の奉仕年度をアメリカの年度に合わせている為である。
  2. ^ 結婚してやっと生まれたひとり息子が輸血を必要とする病だったことをきっかけエホバの証人を脱退した元信者は、エホバの証人は確かに子どもを殺していました。子どもの人権を侵害し、自由を奪い、教えに背くなら存在を否定し、輸血拒否で実際に命を……と記している[38]
  3. ^ ダウンロードはakamaihd.netサーバを通して行われる。

出典

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  2. ^ 島薗進『何のための「宗教」か?―現代宗教の抑圧と自由』青弓社 1994年
  3. ^ 井門富二夫『カルトの諸相 キリスト教の場合』岩波書店 1997年
  4. ^ Anthony A. Hoekema (1963). The Four Major Cults:Christian Science, Jehovah's Witnesses, Mormonism, Seventh-day Adventism. Eerdmans. ISBN 0-85364-094-7 
  5. ^ 『日本大百科全書(ニッポニカ)』(エホバの証人)川又志朗
  6. ^ a b c 「三大異端」に言及。- 伊藤正孝、市雄貴『血を拒む「エホバの証人」--異端の輝きと悲惨』朝日ジャーナル:第27巻第27号(1985),p22.朝日新聞社
  7. ^ a b c ウィリアム・ウッド『[エホバの証人]への伝道ハンドブック』いのちのことば社、1987年
  8. ^ “[「キリスト教はどのように腐敗していったか」”. 2021年7月21日閲覧。]
  9. ^ a b Witnesses of Hope in an Ecumenical and Inter-religious Surrounding- ローマ教皇庁による2008年4月の公式見解。エホバの証人をプロテスタントのセクト(異端)としている。
  10. ^ a b The Orthodox Christian and the Heretic- アメリカ正教会「正教会のキリスト教徒と異端者」
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  12. ^ a b 『キリスト教大事典 改訂新版第9版』教文館、1988年
  13. ^ https://globalbydesign.com/2019/11/04/1000-languages-the-worlds-most-multilingual-website/
  14. ^ 神の組織は、神のご意志を行なうために協力して働く、天と地にいる者すべてによって構成されている「 神の組織の一員として安全を保ちなさい」
  15. ^ 「義なる者たちは地を所有し,そこに永久に住む」
  16. ^ イエス・キリストの目に見えない「臨在」は、異邦人時代の終わった1914年に始まったとされ、それ以後の期間が「終わりの日」に相当するとされている。「 復活の行なわれるその終わりの日に今生きる」
  17. ^ https://wol.jw.org/ja/wol/d/r7/lp-j-rb/1101989312
  18. ^ a b c d 『宣教ハンドブック Q&A130』共立基督教研究所 いのちのことば社1991年
  19. ^ 『新共同訳聖書』の小見出し。
  20. ^ 参照:川中子義勝、國府田武「千年王国」『岩波キリスト教辞典岩波書店、2002年、691-692頁。ISBN 400080202X
  21. ^ Jehovah’s Witnesses take to streets as busy heathens are rarely home World news The Guardian
  22. ^ 『地上最後の刑事』 - ベン・H・ウィンタース - Google ブックス
  23. ^ 「神は目に見えない方であり、神を崇拝する人は聖なる力と真理に導かれて崇拝しなければなりません。」(ヨハネ4章24節);「子供たち、偶像から身を守りなさい。」(ヨハネ第一5章21節);「偶像によって汚されたものと性的不道徳と締め殺された動物と血を避けるよう書き送ることです。」(使徒15章20節);「神の神殿と偶像にどんな接点があるでしょうか。神が言った通りです。『私は彼らの中に住み、彼らの中を歩く。そして私は彼らの神となり、彼らは私の民となる」。(コリント第二6章16節);「ですから、愛する皆さん、偶像礼拝から逃げ去ってください。」(コリント第一10章14節);「ですから、性的不道徳、汚れ、奔放な性欲、有害な欲望、また貪欲つまり偶像崇拝に陥らないよう、地上の体の各部をいわば殺しなさい。」(コロサイ3章5節)
  24. ^ 阿部 & 野中 2006, p. 722.
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エホバの証人の公式サイト・出版物など

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関連項目

外部リンク