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「政府四演説」の版間の差分

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=== 演説の開催について ===
=== 演説の開催について ===
内閣閣僚による国会演説自体は[[大日本帝国憲法]]時代に存在した[[帝国議会]]から行われることが慣例化しており、[[1890年]](明治23年)に召集された第1回帝国議会に於いて、同年[[12月6日]]の衆議院本会議の席上、当時の[[山縣有朋]](第3代[[内閣総理大臣]])が施政方針演説、[[松方正義]]([[日本の大蔵大臣・財務大臣一覧|大蔵大臣]])が財政演説をそれぞれ実施したのが最初の政府演説である<ref>{{Cite web |date=1890-12-7 |url=https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/#/detail?minId=000113242X00418901206 |title=官報號外 『衆議院第一回通常會議事速記録第四號』 |format=PDF |publisher=内閣官報局 |accessdate=2018-4-6}}</ref>。
内閣閣僚による国会演説自体は[[大日本帝国憲法]]時代に存在した[[帝国議会]]から行われることが慣例化しており、[[1890年]](明治23年)に召集された第1回帝国議会に於いて、同年[[12月6日]]の衆議院本会議の席上、当時の[[山縣有朋]](第3代[[内閣総理大臣]])が施政方針演説、[[松方正義]]([[財務大臣 (日本)|大蔵大臣]])が財政演説をそれぞれ実施したのが最初の政府演説である<ref>{{Cite web |date=1890-12-7 |url=https://teikokugikai-i.ndl.go.jp/#/detail?minId=000113242X00418901206 |title=官報號外 『衆議院第一回通常會議事速記録第四號』 |format=PDF |publisher=内閣官報局 |accessdate=2018-4-6}}</ref>。


政府四演説は理論上は国会が開会中であればいつでも行うことができるが、[[1991年]](平成3年)以前は通常国会の召集が12月だったため、召集直後の自然休会を経て、翌年1月に改めて演説を行うケースが多かった。[[1992年]](平成4年)以降は1月の通常国会召集直後に、年1回行うのが慣例となった。ただし、[[臨時会|臨時国会]]の冒頭に総理が所信表明演説を行った後、[[補正予算]]の趣旨説明を兼ねた財政演説も行ったケースなど、同一年に複数回の四演説、ないしは所信表明と他の3つのうちの1つないしは2つという形の政府演説を行うこともあり得る。
政府四演説は理論上は国会が開会中であればいつでも行うことができるが、[[1991年]](平成3年)以前は通常国会の召集が12月だったため、召集直後の自然休会を経て、翌年1月に改めて演説を行うケースが多かった。[[1992年]](平成4年)以降は1月の通常国会召集直後に、年1回行うのが慣例となった。ただし、[[臨時会|臨時国会]]の冒頭に総理が所信表明演説を行った後、[[補正予算]]の趣旨説明を兼ねた財政演説も行ったケースなど、同一年に複数回の四演説、ないしは所信表明と他の3つのうちの1つないしは2つという形の政府演説を行うこともあり得る。

2023年1月7日 (土) 06:29時点における版

政府四演説の1つである施政方針演説を行う鳩山由紀夫内閣総理大臣(2010年1月29日、第174回国会にて)
政府四演説の1つである経済演説を行う甘利明内閣府特命担当大臣(経済財政政策担当)(2015年2月12日、第189回国会にて)

政府四演説(せいふよんえんぜつ)とは、日本の国会において毎年1月(かつては12月)に召集される通常国会または通常国会に代わる特別国会において、内閣総理大臣国務大臣が行う4つの演説のこと。

概説

政府四演説は以下の4つの大臣による演説である。

演説は衆議院参議院の両院本会議で行われ、それに対して各会派代表から代表質問が行われる。通例では、通常国会の召集日が決まった時点で議院運営委員会理事会による大まかな調整、召集日に理事会での調整内容を確定する作業を経て、演説実施の前日に内閣総理大臣から議長宛てに発言の通告が行われる。議運は発言の通告を受け取った時点で、国会中継を行う担当者(NHK局員・ドワンゴニコ生配信担当社員ら)を議場に入れる許可を出す。

演説が終わると遅くとも翌平日中、演説が金曜日に行われた場合衆議院では週明けの月曜日に代表質問を始めるため当日中[1]に議院規則に基づき各会派から質疑通告が提出される。質疑通告には質疑を行う案件、質疑者、質疑時間及び答弁要求閣僚が記されている[2]

演説の開催について

内閣閣僚による国会演説自体は大日本帝国憲法時代に存在した帝国議会から行われることが慣例化しており、1890年(明治23年)に召集された第1回帝国議会に於いて、同年12月6日の衆議院本会議の席上、当時の山縣有朋(第3代内閣総理大臣)が施政方針演説、松方正義大蔵大臣)が財政演説をそれぞれ実施したのが最初の政府演説である[3]

政府四演説は理論上は国会が開会中であればいつでも行うことができるが、1991年(平成3年)以前は通常国会の召集が12月だったため、召集直後の自然休会を経て、翌年1月に改めて演説を行うケースが多かった。1992年(平成4年)以降は1月の通常国会召集直後に、年1回行うのが慣例となった。ただし、臨時国会の冒頭に総理が所信表明演説を行った後、補正予算の趣旨説明を兼ねた財政演説も行ったケースなど、同一年に複数回の四演説、ないしは所信表明と他の3つのうちの1つないしは2つという形の政府演説を行うこともあり得る。

財政法第27条により翌年度の一般会計予算は1月中に国会に提出するのを常例と規定されており、なおかつ財政演説は予算案の趣旨説明を兼ねることから、通常国会が開会しても翌年度当初予算案が国会に上がる前に政府四演説を行うのは異例中の異例となる。第2次安倍内閣以降は、通常国会の冒頭に補正予算案を提出してその趣旨説明たる財政演説のみを行い、補正予算の成立後に翌年度当初予算を提出した上で改めて四演説を行う形態も採られていた。しかし、2017年(平成29年)の第189通常国会以降は、冒頭で当年度補正と翌年度当初の2つの一般会計予算案が同時に提出され、会期初日の開会式直後に四演説を行う形に変更されている。

過去の政府四演説

過去の政府四演説
年月 国会 内閣 施政方針演説
所信表明演説
外交演説 財政演説 経済演説
1948年3月20日 第2回国会 芦田内閣 芦田均 - - 栗栖赳夫
1949年4月4日 第5回国会 吉田内閣 吉田茂 - 池田勇人 青木孝義
1950年1月23日 第7回国会 吉田内閣 -
1950年11月24日 第9回国会 吉田内閣 - -
1951年1月26日 第10回国会 吉田内閣 - 周東英雄 池田勇人
1952年1月23日 第13回国会 吉田内閣 -
1952年11月24日 第15回国会 吉田内閣 岡崎勝男 向井忠晴 -
1953年1月30日 第15回国会 吉田内閣 小笠原三九郎
1953年6月16日 第16回国会 吉田内閣 小笠原三九郎 岡野清豪
1954年1月27日 第19回国会 吉田内閣 愛知揆一
1954年11月30日 第20回国会 吉田内閣 - -
1955年1月22日 第21回国会 鳩山一郎内閣 鳩山一郎 重光葵 一万田尚登 一万田尚登
1955年4月25日 第22回国会 鳩山一郎内閣 石橋湛山
1956年1月30日 第24回国会 鳩山一郎内閣 高碕達之助
1957年2月4日 第26回国会 石橋内閣 岸信介[4] 岸信介 池田勇人 宇田耕一
1957年11月1日 第27回国会 岸内閣 - 一万田尚登 -
1958年1月29日 第28回国会 岸内閣 藤山愛一郎 河野一郎
1958年9月30日 第30回国会 岸内閣 - -
1959年1月27日 第31回国会 岸内閣 佐藤栄作 世耕弘一
1960年2月1日 第34回国会 岸内閣 菅野和太郎
1960年10月21日 第36回国会 池田内閣 池田勇人 小坂善太郎 水田三喜男 迫水久常
1961年1月30日 第38回国会 池田内閣
1961年9月28日 第39回国会 池田内閣 -
1962年1月19日 第40回国会 池田内閣 藤山愛一郎
1963年1月23日 第43回国会 池田内閣 大平正芳 田中角栄 -
1963年10月18日 第44回国会 池田内閣 -
1964年1月21日 第46回国会 池田内閣 -
1964年11月21日 第47回国会 佐藤内閣 佐藤栄作 椎名悦三郎 -
1965年1月25日 第48回国会 佐藤内閣 -
1965年7月30日 第49回国会 佐藤内閣 福田赳夫 -
1965年10月13日 第50回国会 佐藤内閣 - 藤山愛一郎
1966年1月28日 第51回国会 佐藤内閣 福田赳夫
1967年3月14日 第55回国会 佐藤内閣 三木武夫 水田三喜男 宮沢喜一
1968年1月27日 第58回国会 佐藤内閣
1969年1月27日 第61回国会 佐藤内閣 愛知揆一 福田赳夫 菅野和太郎
1970年2月14日 第63回国会 佐藤内閣 佐藤一郎
1971年1月22日 第65回国会 佐藤内閣
1971年10月19日 第67回国会 佐藤内閣 福田赳夫 水田三喜男 -
1972年1月29日 第68回国会 佐藤内閣 木村俊夫
1972年10月28日 第70回国会 田中角栄内閣 田中角栄 大平正芳 植木庚子郎 -
1973年1月27日 第71回国会 田中角栄内閣 愛知揆一 小坂善太郎
1973年12月1日 第72回国会 田中角栄内閣 - 福田赳夫 -
1974年1月21日 田中角栄内閣 大平正芳 内田常雄
1974年12月14日 第74回国会 三木内閣 三木武夫 - 大平正芳 -
1975年1月24日 第75回国会 三木内閣 宮沢喜一 福田赳夫
1975年9月16日 第76回国会 三木内閣 - -
1976年1月23日 第77回国会 三木内閣 大平正芳 福田赳夫
1977年1月31日 第80回国会 福田赳夫内閣 福田赳夫 鳩山威一郎 坊秀男 倉成正
1977年10月3日 第82回国会 福田赳夫内閣 -
1978年1月21日 第84回国会 福田赳夫内閣 園田直 村山達雄 宮沢喜一
1978年9月20日 第85回国会 福田赳夫内閣 -
1979年1月25日 第87回国会 大平内閣 大平正芳 金子一平 小坂徳三郎
1980年1月25日 第91回国会 大平内閣 大来佐武郎 竹下登 正示啓次郎
1981年1月26日 第94回国会 鈴木善幸内閣 鈴木善幸 伊東正義 渡辺美智雄 河本敏夫
1982年1月25日 第96回国会 鈴木善幸内閣 櫻内義雄
1982年12月3日 第97回国会 中曽根内閣 中曽根康弘 - 竹下登 -
1983年1月24日 第98回国会 中曽根内閣 安倍晋太郎 塩崎潤
1984年2月6日 第101回国会 中曽根内閣 河本敏夫
1985年1月25日 第102回国会 中曽根内閣 金子一平
1986年1月27日 第104回国会 中曽根内閣 平泉渉
1987年1月26日 第108回国会 中曽根内閣 倉成正 宮沢喜一 近藤鉄雄
1987年7月6日 第109回国会 中曽根内閣 - -
1988年1月25日 第112回国会 竹下内閣 竹下登 宇野宗佑 中尾栄一
1989年2月10日 第114回国会 竹下内閣 村山達雄 愛野興一郎
1990年3月2日 第118回国会 海部内閣 海部俊樹 中山太郎 橋本龍太郎 相沢英之
1991年1月25日 第120回国会 海部内閣 越智通雄
1992年1月24日 第123回国会 宮沢内閣 宮沢喜一 渡辺美智雄 羽田孜 野田毅
1992年10月30日 第125回国会 宮沢内閣 - -
1993年1月22日 第126回国会 宮沢内閣 渡辺美智雄 林義郎 船田元
1994年3月4日 第129回国会 細川内閣 細川護熙 羽田孜 藤井裕久 久保田真苗
1995年1月20日 第132回国会 村山内閣 村山富市 河野洋平 武村正義 高村正彦
1996年1月22日 第136回国会 橋本内閣 橋本龍太郎 池田行彦 久保亘 田中秀征
1997年1月20日 第140回国会 橋本内閣 三塚博 麻生太郎
1998年2月16日 第142回国会 橋本内閣 小渕恵三 松永光 尾身幸次
1999年1月19日 第145回国会 小渕内閣 小渕恵三 高村正彦 宮沢喜一 堺屋太一
2000年1月28日 第147回国会 小渕内閣 河野洋平
2001年1月31日 第151回国会 森内閣 森喜朗 麻生太郎
2002年2月4日 第154回国会 小泉内閣 小泉純一郎 川口順子 塩川正十郎 竹中平蔵
2003年1月31日 第156回国会 小泉内閣
2004年1月19日 第159回国会 小泉内閣 谷垣禎一
2005年1月21日 第162回国会 小泉内閣 町村信孝
2006年1月20日 第164回国会 小泉内閣 麻生太郎 与謝野馨
2007年1月26日 第166回国会 安倍内閣 安倍晋三 尾身幸次 大田弘子
2008年1月18日 第169回国会 福田康夫内閣 福田康夫 高村正彦 額賀福志郎
2009年1月28日 第171回国会 麻生内閣 麻生太郎 中曾根弘文 中川昭一 与謝野馨
2010年1月29日 第174回国会 鳩山由紀夫内閣 鳩山由紀夫 岡田克也 菅直人 菅直人
2011年1月24日 第177回国会 菅直人内閣 菅直人 前原誠司 野田佳彦 与謝野馨
2012年1月24日 第180回国会 野田内閣 野田佳彦 玄葉光一郎 安住淳 古川元久
2013年2月28日 第183回国会 安倍内閣 安倍晋三 岸田文雄 麻生太郎 甘利明
2014年1月24日 第186回国会 安倍内閣
2015年2月12日 第189回国会 安倍内閣
2016年1月22日 第190回国会 安倍内閣
2017年1月20日 第193回国会 安倍内閣 石原伸晃
2018年1月22日 第196回国会 安倍内閣 河野太郎 茂木敏充
2019年1月28日 第198回国会 安倍内閣
2020年1月20日 第201回国会 安倍内閣 茂木敏充 西村康稔
2021年1月18日 第204回国会 菅義偉内閣 菅義偉
2022年1月17日 第208回国会 岸田内閣 岸田文雄 林芳正 鈴木俊一 山際大志郎

脚註

  1. ^ 余程の緊急事態または参議院の緊急集会でない限り土曜日日曜日国民の祝日には本会議・委員会を開催しないため。
  2. ^ 国会キーワード:政府四演説と代表質問 - 参議院ホームページ。
  3. ^ 官報號外 『衆議院第一回通常會議事速記録第四號』” (PDF). 内閣官報局 (1890年12月7日). 2018年4月6日閲覧。
  4. ^ 1957年2月4日の第26回国会では、内閣総理大臣:石橋湛山が病に倒れ療養中であったため、外務大臣の岸信介が登壇・演説した。