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生チョコレート

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
生チョコレート

生チョコレート(なまチョコレート)は、チョコレート生地に生クリーム洋酒を練り込み、柔らかい食感をつくり出したもののこと[1][2]

生チョコレートは日本の洋菓子店・シルスマリアオーナーシェフを務めた小林正和が1988年に考案した[2][3][4]。シルスマリアはその6年前の1982年(昭和57年)2月に開店していたが、当時は一口サイズのトリュフが40種類ほど販売されていた[3]。小林は「トリュフの中身だけを食べさせる」ことを思いつき、チョコレートや生クリームの種類、固さや粘り気を調整して「生チョコレート」の原型を完成させた[3][4]。小林は完成した生チョコレートの特許を取得せず、広く広めるためにあえてレシピを公開した[3][4]

公正取引委員会は「チョコレート類の表示に関する公正競争規約」において、生チョコレートを『チョコレート加工品(チョコレート生地を全重量の40%以上使用したもの)のうち、クリームが全重量の10%以上であって、水分(クリームに含有されるものを含む)が全重量の10%以上となるもの』と定義している[5]

生チョコレートは日本で独自に発展・アレンジされている菓子であるため海外には普及していない[6]。チョコレートに生クリームなどを加えるという製法から「ガナッシュ:Ganache)」が近いものの、本来ガナッシュは他の菓子を作る際の材料という位置づけであり、生チョコレートは「ガナッシュをアレンジして単体で食べられるようにしたもの」と捉えることもできる[6][7]。ガナッシュを固めた菓子としてスイスジュネーブ名物の「パヴェ・ド・ジュネーブ(Pavé de Genève)」があり、日本では「生チョコレート」と呼ばれることも多い[8][9]

脚注

[編集]
  1. ^ チョコレート・ココア辞典『生チョコレート』 - コトバンク
  2. ^ a b 石原亜香利 (2017年1月3日). “「生チョコ」は日本の独自規格だった 発祥は神奈川の洋菓子店”. Excite Bit. 2021年7月17日閲覧。
  3. ^ a b c d 【生チョコ誕生秘話⁉】ショコラティエ小林正和さん”. NHK (2023年7月18日). 2023年12月18日閲覧。
  4. ^ a b c 生チョコの“生みの親”が飯山にショコラトリーをオープン「北信濃いいやまショコラの森 Bunzoo(ブンゾー)」@飯山市”. 長野こまち (2021年7月22日). 2023年12月18日閲覧。
  5. ^ チョコレート類の表示に関する公正競争規約” (PDF). 全国公正取引協議会連合会. 2022年2月15日閲覧。:第4条 (3)
  6. ^ a b 「生チョコ」(生チョコレート)は英語でどう言う?”. weblio英会話コラム (2017年1月23日). 2023年12月18日閲覧。
  7. ^ チョコレート・ココア辞典『ガナッシュ』 - コトバンク
  8. ^ Switzerland Tourismスイス政府観光局. “Pavés from Geneva”. 2014年7月19日閲覧。
  9. ^ 生チョコレートは材料2つでできる⁉賞味期限や保管方法、レシピも紹介 | 基礎知識 | Hello, Chocolate(ハローチョコレート)| 株式会社 明治 - Meiji Co., Ltd.”. www.meiji.co.jp. 2024年7月25日閲覧。