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第164回天皇賞

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

第164回天皇賞(だい164かいてんのうしょう・あき)は、2021年10月31日東京競馬場で行われた競馬競走である。3歳馬のエフフォーリアが優勝し、2002年シンボリクリスエス以来19年ぶり、グレード制導入以降では史上3頭目となる3歳馬による天皇賞(秋)制覇となった[1]

第164回天皇賞 (秋)
開催国 日本の旗 日本
主催者 日本中央競馬会(JRA)
競馬場 東京競馬場
施行年 2021年
施行日 10月31日(日)
距離 芝2000m
格付け GI
賞金 1着賞金150,000,000円
出走条件 サラ系3歳以上(国際)(指定)
負担重量 定量
出典 [1][2]
施行時刻 15時40分
天候
馬場状態
優勝馬 エフフォーリア
優勝騎手 横山武史
優勝調教師 鹿戸雄一美浦
優勝馬主 (有)キャロットファーム
優勝生産者 ノーザンファーム安平町
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競走前の状況

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映像外部リンク
【参考レース】2021年 天皇賞(秋)JRA

主な競走結果

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下記各競走は、すべて2021年に行われたものである。また図中の太字強調は本競走に出走する馬である。

大阪杯

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着順 馬番 競走馬名 性齢 騎手 斤量 タイム 着差 単勝オッズ 人気
1着 8 レイパパレ 4 川田将雅 55 2:01.6 12.2 4
2着 1 モズベッロ 5 池添謙一 57 2:02.3 4 68.8 6
3着 7 コントレイル 牡4 福永祐一 57 2:02.5 3/4 1.8 1
4着 12 グランアレグリア 牝5 C.ルメール 55 2:02.5 クビ 2.8 2
6着 10 カデナ 牡7 鮫島克駿 57 2:03.0 1.3/4 182.5 11
10着 5 ペルシアンナイト 牡7 幸英明 57 2:04.2 1/2 111.3 9
天候:雨、馬場状態:重[2]
2021年 大阪杯(GI)
レース映像 JRA公式チャンネルによる動画

第65回大阪杯は、先手を取ったレイパパレが、直線で外に持ち出して後続を突き放し、2着のモズベッロに4馬身差をつけ優勝した[3]。さらに3/4馬身差の3着にコントレイル、4着にグランアレグリアの順で入線した[3]。また、コントレイルは大阪杯の疲れが抜けず、万全の態勢で迎えられないとして、目標としていた宝塚記念への出走を見送り、秋の天皇賞へ向かった[4]

天皇賞(春)

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着順 馬番 競走馬名 性齢 騎手 斤量 タイム 着差 単勝オッズ 人気
1着 1 ワールドプレミア 牡5 福永祐一 58 3:14.7 5.2 3
2着 12 ディープボンド 牡4 和田竜二 58 3:14.8 3/4 3.6 1
3着 3 カレンブーケドール 牝5 戸崎圭太 56 3:15.2 2 7.3 4
7着 7 ユーキャンスマイル 牡6 藤岡佑介 58 3:16.5 3.1/2 12.0 5
天候:晴、馬場状態:良[5]
2021年 天皇賞(春)(GI)
レース映像 JRA公式チャンネルによる動画

第163回天皇賞(春)は、中団でレースを進めたワールドプレミアが、直線で外から各馬を差し切り、その内に食い下がったディープボンドに3/4馬身差をつけて優勝した[6]。さらに2馬身差の3着にカレンブーケドールが入った[6]

東京優駿(日本ダービー)

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着順 馬番 競走馬名 性齢 騎手 斤量 タイム 着差 単勝オッズ 人気
1着 10 シャフリヤール 牡3 福永祐一 57 2:22.5 11.7 4
2着 1 エフフォーリア 牡3 横山武史 57 2:22.5 ハナ 1.7 1
3着 11 ステラヴェローチェ 牡3 吉田隼人 57 2:22.7 1.1/4 40.2 9
天候:晴、馬場状態:良[7]
2021年 日本ダービー(GI)
レース映像 JRA公式チャンネルによる動画

第88回東京優駿(日本ダービー)は、中団でレースを進めたシャフリヤールが、直線で狭いところをこじ開けて進路を確保し、先に抜け出していたエフフォーリアに内から並びかけて競り合い、これをハナ差下して優勝した[8]。初黒星を喫したエフフォーリアは、菊花賞を回避し、天皇賞(秋)で始動することとなった[9]

安田記念

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着順 馬番 競走馬名 性齢 騎手 斤量 タイム 着差 単勝オッズ 人気
1着 11 ダノンキングリー 牡5 川田将雅 58 1:31.7 47.6 8
2着 5 グランアレグリア 牝5 C.ルメール 56 1:31.7 アタマ 1.5 1
3着 13 シュネルマイスター 牡3 横山武史 54 1:31.8 1/2 10.2 4
6着 10 カデナ 牡7 武豊 58 1:32.2 1/2 167.9 14
天候:曇、馬場状態:良[10]
2021年 安田記念(GI)
レース映像 JRA公式チャンネルによる動画

第71回安田記念は、中団でレースを進めたダノンキングリーが、直線で外から脚を伸ばして、内で馬群を捌いてきたグランアレグリアとの追い比べをアタマ差制して優勝した[11]。カデナは直線で最後方から上がり3ハロン33秒2の末脚を使い6着で入線した[12]。また、グランアレグリアはレース後、ノーザンファーム天栄での調整中に喉頭蓋エントラップメントの症状が判明し、8月12日に喉頭蓋を開放する手術を行ったものの、予定通り天皇賞(秋)へ向かった[13]

宝塚記念

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着順 馬番 競走馬名 性齢 騎手 斤量 タイム 着差 単勝オッズ 人気
1着 7 クロノジェネシス 牝5 C.ルメール 56 2:10.9 1.8 1
2着 1 ユニコーンライオン 牡5 坂井瑠星 58 2:11.3 2.1/2 27.8 7
3着 2 レイパパレ 牝4 川田将雅 56 2:11.4 クビ 3.5 2
4着 10 カレンブーケドール 牝5 戸崎圭太 56 2:11.7 2 6.7 3
7着 8 カデナ 牡7 浜中俊 58 2:12.2 クビ 74.0 8
8着 11 モズベッロ 牡5 池添謙一 58 2:12.2 ハナ 23.5 6
天候:晴、馬場状態:良[14]
2021年 宝塚記念(GI)
レース映像 JRA公式チャンネルによる動画

第62回宝塚記念は、好位でレースを進めたクロノジェネシスが、直線で前を交わして抜け出し、逃げてしぶとさを見せたユニコーンライオンに2馬身半差をつけ優勝した[15]。さらにクビ差の3着にレイパパレ、4着にカレンブーケドールの順で入線した[15]

馬場状態

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競走当週は芝刈り、肥料殺菌剤の散布、散水を実施[16]。芝の草丈は、野芝は約10 - 12センチメートル、洋芝は約14 - 18センチメートルに設定された[16]。競走2日前の金曜日に観測した芝のクッション値は、8.9で「標準」とされるクッション性であり、同じく含水率は、ゴール前が13.6パーセント、第4コーナーが12.5パーセントを観測した[16]

競走当日は昼前から小雨が降り出したが、「良」の馬場状態を変えるまでには至らなかった[17][18]

出走馬

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映像外部リンク
【レーシングプロファイル】2021年 天皇賞(秋)JRA
映像外部リンク
【重賞リポート】2021年 天皇賞(秋)JRA
映像外部リンク
【調教動画】2021年 天皇賞(秋)JRA

18頭まで出走可能な天皇賞(秋)には、16頭が出走登録を行った[19]

前年に無傷の7連勝でクラシック三冠を達成し、GI・5勝目を狙うコントレイル、マイル・スプリントに続く3階級でのGI制覇を目指すグランアレグリア、同年の皐月賞を無敗で制覇した3歳馬・エフフォーリアの3頭が出走を表明し、「三強」を形成した[20][21]

大阪杯以来約6か月半振り、同年2戦目の出走となるコントレイルは、8キログラム減の馬体重464キログラムで臨んだ[18]。4歳の三冠馬が天皇賞(秋)を優勝すると、ミスターシービー(1984年)以来37年振りの記録[注 1]となる[22][23]。安田記念以来のグランアレグリアは2キログラム増の馬体重504キログラム、デビュー以来最多体重タイで臨んだ[18]。2000メートル以上で未勝利の馬が天皇賞(秋)を優勝することは少なからずあり、芝マイルGI勝ち馬に限ってもヤマニンゼファー(1993年)、バブルガムフェロー(1996年)、アグネスデジタル(2001年)、モーリス(2016年)が達成していた[23]。コントレイルとグランアレグリアは、馬場に苦しんでともに敗れた大阪杯以来の再対決となった[24]。東京優駿以来のエフフォーリアは4キログラム増の514キログラム、本競走出走馬中の最高体重で臨んだ[18]。3歳の皐月賞馬が天皇賞(秋)を優勝したことは無かった[注 2]ものの、皐月賞馬に限らない3歳馬ではバブルガムフェロー、シンボリクリスエス(2002年)が達成しているように、決して届かない記録ではなかった[23]

その他、GIで2・3着が4回あるカレンブーケドール、阪神開催の天皇賞(春)でGI・2勝目を挙げており史上6頭目[注 3]の同一年天皇賞春秋制覇を目指すワールドプレミア[23]、2021年度サマー2000シリーズ優勝馬のトーセンスーリヤ[25]、休養明けではありながら中山金杯中山記念で重賞連勝中のヒシイグアス[25]、天皇賞(秋)とはローテーションの相性が良い札幌記念から臨戦する3着ペルシアンナイト及び6着ユーキャンスマイル[26]、前哨戦の毎日王冠から臨戦する3着ポタジェ、6着サンレイポケット及び10着カデナ[26]などが参戦し、GI馬5頭、重賞馬8頭での発走となった[20][27]

枠順

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枠番 馬番 競走馬名 性齢 騎手 斤量

[kg]

調教師 単勝人気 馬体重

[kg]

所属 氏名 オッズ 人気
1 1 コントレイル 4 福永祐一 58 栗東 矢作芳人 2.5 1 464
2 カデナ 牡7 田辺裕信 58 栗東 中竹和也 257.8 15 478
2 3 モズベッロ 牡5 池添謙一 58 栗東 森田直行 104.6 9 482
4 ポタジェ 牡4 川田将雅 58 栗東 友道康夫 23.3 5 474
3 5 エフフォーリア 牡3 横山武史 56 美浦 鹿戸雄一 3.4 3 514
6 トーセンスーリヤ 牡6 横山和生 58 美浦 小野次郎 67.1 8 488
4 7 ワールドプレミア 牡5 岩田康誠 58 栗東 友道康夫 30.2 6 482
8 サンレイポケット 牡6 鮫島克駿 58 栗東 高橋義忠 113.5 10 472
5 9 グランアレグリア 5 C.ルメール 56 美浦 藤沢和雄 2.8 2 504
10 カイザーミノル 牡5 横山典弘 58 栗東 北出成人 146.7 11 466
6 11 ムイトオブリガード 牡7 柴田善臣 58 栗東 角田晃一 332.6 16 492
12 ラストドラフト 牡5 三浦皇成 58 美浦 戸田博文 190.4 14 462
7 13 ペルシアンナイト 牡7 大野拓弥 58 栗東 池江泰寿 159.1 13 490
14 カレンブーケドール 牝5 戸崎圭太 56 美浦 国枝栄 19.6 4 482
8 15 ヒシイグアス 牡5 松山弘平 58 美浦 堀宣行 40.4 7 492
16 ユーキャンスマイル 牡6 藤岡佑介 58 栗東 友道康夫 153.0 12 500

展開

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グランアレグリアが好発を決め、ゲート内で後ろ脚を蹴り上げる素ぶりも見せたエフフォーリアが五分の発馬、ゲート内で駐立の悪かったコントレイルは出足がつかずに後手を踏む形になった[18][28]。確たる逃げ馬が不在のなか[29]、カイザーミノルが押し出されるようにハナに立ち、向こう正面でグランアレグリアが2番手に上がり、トーセンスーリヤがインコースの3番手[30]。1馬身差でカレンブーケドール、ポタジェがいて、これを見る形でエフフォーリアとヒシイグアスが追走して先団を形成した[30]。中団では、エフフォーリアの好位置を見ながらコントレイル[31]、さらにラストドラフト、サイレイポケットと続き、後方はばらけてムイトオブリガード、モズベッロが追走[30]。3馬身ほど空いてワールドプレミア、ユーキャンスマイル、ペルシアンナイトと続き、最後方にポツンとカデナが追走していく。最初の1000メートルは1分0秒5で通過した[30]

先頭はカイザーミノルのまま3-4コーナーを回っていくが、その間、緩かったペースが残り800メートルから加速[29][30]。これにグランアレグリアが並走し、先頭に立とうとしたところで直線に入った[30]

直線に入ると、馬場の3分どころでグランアレグリアが先頭に立ち、好位の後ろにいたエフフォーリア、中団にいたコントレイルも外に出されて追い出される[30]。残り200メートルを切るとこの3頭の争いとなった[30]。エフフォーリアが残り100メートルで先頭に立つと、グランアレグリアの勢いは劣勢で、コントレイルもエフフォーリアに届くほどの勢いはなく、エフフォーリアがゴールまで押し切って三強対決を制した[30]。外から追ったコントレイルが1馬身差の2着、内で粘ったグランアレグリアはさらにクビ差の3着で入線した[30][32]

競走結果

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映像外部リンク
2021年 天皇賞(秋)(GI)
レース映像 JRA公式チャンネルによる動画

着順

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以下の内容は、JRA[33]及びnetkeiba.com[34]の情報に基づく。

着順 馬番 競走馬名 性齢 騎手 斤量 タイム 着差 通過 上がり3F 人気
1着 5 エフフォーリア 牡3 横山武史 56 1:57.9 6-6-6 33.2 3
2着 1 コントレイル 牡4 福永祐一 58 1:58.0 1 9-8-8 33.0 1
3着 9 グランアレグリア 牝5 C.ルメール 56 1:58.1 クビ 2-2-2 33.8 2
4着 8 サンレイポケット 牡6 鮫島克駿 58 1:58.4 1.3/4 10-6-6 33.6 10
5着 15 ヒシイグアス 牡5 松山弘平 58 1:58.7 1.3/4 7-8-8 33.7 7
6着 4 ポタジェ 牡4 川田将雅 58 1:58.7 クビ 4-3-3 34.1 5
7着 13 ペルシアンナイト 牡7 大野拓弥 58 1:58.7 アタマ 15-15-14 33.1 13
8着 12 ラストドラフト 牡5 三浦皇成 58 1:58.9 1.1/2 7-10-11 33.6 14
9着 16 ユーキャンスマイル 牡6 藤岡佑介 58 1:59.0 クビ 13-14-14 33.4 12
10着 11 ムイトオブリガード 牡7 柴田善臣 58 1:59.1 3/4 11-12-11 33.8 16
11着 7 ワールドプレミア 牡5 岩田康誠 58 1:59.1 アタマ 14-13-11 33.7 6
12着 14 カレンブーケドール 牝5 戸崎圭太 56 1:59.2 1/2 4-3-3 34.7 4
13着 3 モズベッロ 牡5 池添謙一 58 1:59.3 1/2 11-10-8 34.2 9
14着 10 カイザーミノル 牡5 横山典弘 58 1:59.3 ハナ 1-1-1 35.0 11
15着 6 トーセンスーリヤ 牡6 横山和生 58 1:59.4 1/2 2-3-3 34.8 8
16着 2 カデナ 牡7 田辺裕信 58 1:59.7 2 16-16-16 33.8 15

配当

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馬番 配当 人気
単勝 5 0000340円 003番人気
複勝 5 0000120円 003番人気
1 0000110円 001番人気
9 0000110円 002番人気
枠連 1-3 0000400円 002番人気
馬連 1-5 0000390円 002番人気
ワイド 1-5 0000170円 002番人気
5-9 0000200円 003番人気
1-2 0000170円 001番人気
馬単 5-1 0000850円 004番人気
3連複 1-5-9 0000350円 001番人気
3連単 5-1-9 002,040円 004番人気

ワイド170円、馬単850円、3連複2040円は、各式別における同競走の史上最低払戻金額[35]

競走に関するデータ

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ハロンタイム[36] 12.8 - 11.5 - 11.9 - 12.0 - 12.3 - 12.0 - 11.8 - 11.1 - 11.1 - 11.4
1000m通過タイム[36] 60.5秒(カイザーミノル)
上がり4ハロン[36] 45.4秒
上がり3ハロン[36] 33.6秒
優勝馬上がり3ハロン[36] 33.2秒
上がり3ハロン最速[36] 33.0秒(コントレイル)

達成された記録

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エフフォーリア

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父父のシンボリクリスエス以来19年ぶりとなる3歳での天皇賞・秋制覇[1][29][33]。また、グレード制導入後、1996年のバブルガムフェロー、2002年のシンボリクリスエスに次いで史上3頭目の制覇[1][29][33]

騎手:横山武史

JRA重賞は同年7勝目、通算8勝目[35]2009年に父・横山典弘カンパニー)、1969年に祖父・横山富雄メジロタイヨウ)が同競走を制しており、史上初の親子三代による制覇であった[29][33][37]

調教師:鹿戸雄一

天皇賞(秋)は初勝利[35]。JRA重賞は同年3勝目、通算10勝目[35]

父:エピファネイア

産駒のJRA重賞は通算8勝目[35]

評価

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本競走では、ほかで一堂に会することの無かった上位3頭が揃ったために「一期一会」[24][38]の三強対決とも評された。

石田敏徳は、3歳馬が「受けて立つ競馬」で超一線級の古馬を破ったという点から、本競走を優勝馬エフフォーリアの父父シンボリクリスエスよりもむしろバブルガムフェローの勝った天皇賞(秋)に重ねている[38]。また石田は、エフフォーリアがもし東京優駿を勝っていれば菊花賞に向かっていた可能性があったことから、「ダービーのハナ負けは、若き王者の軍門に下った馬たちの運命も変えた」として競馬のドラマ性を指摘した[39]

有吉正徳は、「1200メートル通過1分12秒5、勝ち時計1分57秒9」という展開を見せた本競走について、「1200メートル通過1分12秒5、勝ち時計1分57秒8」という展開を見せて同じく三強[注 4]で決着した第162回天皇賞(秋)との類似を指摘し、その残り800メートルでは強豪馬しか残れない瞬発力勝負が繰り広げられた、と分析した[32]。有吉は、個性豊かな一流馬3頭が交わった本競走を「異種格闘技戦[24]「2021年最良のレース」[32]と称している。

2021年優駿大賞の「レース・オブ・ザ・イヤー2021」では、第41回ジャパンカップに次ぐ第2位の支持を受けた[40]

本競走の2着馬コントレイルは同年のジャパンカップで126ポンド、3着馬グランアレグリアは同年のヴィクトリアマイルで120ポンドのレーティングを獲得している[41]。着順上位4頭のレーティングを基に世界の競走を格付けするワールドベストレースでは、本競走は「123.00」という2021年の競走で第4位、特に芝2000メートルまたは日本国内のなかでは同年で第1位の評価を受けた[42]

脚注

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参考文献

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注釈

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  1. ^ 本競走開催時点で、グレード制導入以来3頭が挑戦し、ミスターシービーのほかにシンボリルドルフ2着(1985年)、ナリタブライアン12着(1995年)[22]。グレード制導入以前、3200メートルの天皇賞(秋)ではシンザン(1965年)が優勝している[22]
  2. ^ 本競走開催時点で、グレード制導入以来4頭が挑戦し、ジェニュイン2着(1995年)、ダイワメジャー17着(2001年)、イスラボニータ3着(2014年)、サートゥルナーリア6着(2019年)[23]
  3. ^ 本競走開催時点で、タマモクロス(1988年)、スペシャルウィーク(1999年)、テイエムオペラオー(2000年)、メイショウサムソン(2007年)、キタサンブラック(2017年)の5頭が達成[25]
  4. ^ アーモンドアイフィエールマンクロノジェネシスの3頭[32]

出典

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  1. ^ a b c 【天皇賞・秋結果】エフフォーリアが3強対決を制す! シンボリクリスエス以来19年ぶり4頭目の3歳馬V”. netkeiba.com. 2022年2月6日閲覧。
  2. ^ 第2回阪神4日目”. JRA(日本中央競馬会). 2022年2月6日閲覧。
  3. ^ a b 【大阪杯結果】レイパパレが豪華メンバー完封! 無傷6連勝でGI初制覇!”. netkeiba.com. 2022年2月6日閲覧。
  4. ^ コントレイル 宝塚記念見送り 矢作師「秋の天皇賞に万全の状態で向かいたい」”. netkeiba.com. 2022年2月6日閲覧。
  5. ^ 第2回阪神競馬12日目”. jra.go.jp. JRA(日本中央競馬会). 2022年4月22日閲覧。
  6. ^ a b 【天皇賞・春結果】ワールドプレミアがGI・2勝目! 福永祐一騎手は洋一元騎手との親子制覇達成”. netkeiba.com. 2022年4月22日閲覧。
  7. ^ 第2回東京競馬12日目”. jra.go.jp. JRA(日本中央競馬会). 2022年2月7日閲覧。
  8. ^ 【日本ダービー結果】シャフリヤールが激戦を制して戴冠! 福永祐一騎手は史上3人目のダービー連覇!”. netkeiba.com. 2022年2月7日閲覧。
  9. ^ 皐月賞馬エフフォーリアは秋盾で始動 年内は有馬記念との2戦を予定”. netkeiba.com. 2022年2月7日閲覧。
  10. ^ 第3回東京競馬2日目”. JRA(日本中央競馬会). 2022年3月7日閲覧。
  11. ^ 【安田記念結果】ダノンキングリーが接戦制し悲願のGI初制覇! グランアレグリア連覇ならず2着”. netkeiba.com. 2022年2月7日閲覧。
  12. ^ JRA 武豊「最低人気」カデナで魅せた最短ワープ!? 安田記念(G1)名手の技が冴えた「秘策」がズバリ、「4年8カ月」ぶりのタッグが生んだ意外な記録とは”. biz-journal.jp. 2022年2月7日閲覧。
  13. ^ グランアレグリアが喉を手術”. netkeiba.com. 2022年2月7日閲覧。
  14. ^ 第3回阪神競馬4日目”. 2022年2月7日閲覧。
  15. ^ a b 【宝塚記念結果】クロノジェネシス完勝! 牝馬初のグランプリ3連覇を達成!”. netkeiba.com. 2022年2月7日閲覧。
  16. ^ a b c 【馬場情報】東京競馬場 | 競馬ニュース”. netkeiba.com. 2022年6月1日閲覧。
  17. ^ 【勝負の分かれ目 天皇賞・秋】騎乗馬を信じた好騎乗で横山武史騎手が父子3代天皇賞制覇 | 競馬ニュース”. netkeiba.com. 2022年6月1日閲覧。
  18. ^ a b c d e 『優駿』2021年12月号 68頁
  19. ^ 出走馬決定順一覧(特別登録)”. jra.go.jp. JRA(日本中央競馬会). 2022年2月6日閲覧。
  20. ^ a b 【天皇賞・秋見どころ】コントレイル、グランアレグリアら世代の代表格が中距離の覇を競う”. netkeiba.com. 2022年2月6日閲覧。
  21. ^ 「3強」断然ムードの天皇賞・秋。「最強のシルバーコレクター」が一角崩しを狙う”. sportiva.shueisha.co.jp. 2022年2月6日閲覧。
  22. ^ a b c 『優駿』2021年11月号 52頁
  23. ^ a b c d e 『優駿』2021年11月号 53頁
  24. ^ a b c 『優駿』2022年2月号 51頁
  25. ^ a b c 『優駿』2021年11月号 54頁
  26. ^ a b 『優駿』2021年11月号 55頁
  27. ^ 【天皇賞】ワールドプレミア 1週前から上昇 友道師「ようやく間に合った」”. netkeiba.com. 2022年2月6日閲覧。
  28. ^ 『優駿』2022年2月号 52頁
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