西群馬郡
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郡域
[編集]1878年(明治11年)に行政区画として発足した当時の郡域は、現在の行政区画では概ね以下の区域にあたる。
歴史
[編集]国郡里制から近世まで概ね継承された郡である群馬郡から、明治11年の郡区町村編制法施行に際して東群馬郡(利根川左岸地域)を分離した残り大部分の地域で、郡制施行(群馬県では明治29年)後における群馬郡の大部分にもあたる。
郡発足までの沿革
[編集]- 「旧高旧領取調帳」に記載されている明治初年時点での、群馬郡のうち後の当郡域の支配は以下の通り。●は村内に寺社領が存在。幕府領は関東在方掛の岩鼻陣屋が管轄。【 】は後に北群馬郡となる区域。(2町177村)
知行 | 村数 | 村名 | |
---|---|---|---|
幕府領 | 幕府領 | 1町 35村 |
岩鼻町、台新田村、矢中村、●下滝村、滝村、宿横手村、斎田村、与六分村、上新田村(現玉村町)、八幡原村、倉ヶ野出作(倉賀野村のうち)、綿貫村、中津福島村(福島村)、●生原村、板井村、中斎田村、●西明屋村、●白川村、●高浜村、●富岡村、本郷村、●和田山村、野良犬村、●白岩村、神戸村、中室田村、●三ノ倉村、●尻高村、【半田村、石原村、●渋川村、金井村、阿久津村、南牧村、祖母島村、伊香保村、●白井村】 |
旗本領 | 13村 | 金古村[1]、中里村(現高崎市中里)、柏木沢村、松之沢村、十文字村、三子沢村、中山村、【長岡村、上野田村、小倉村、北牧村、横堀村、小野子村】 | |
幕府領・旗本領 | 8村 | 下斎田村、矢原村、権田村、【北下村、下野田村、有馬村、●中郷村、村上村】 | |
藩領 | 上野高崎藩 | 1町 72村 |
高崎[2]、●赤坂村、●飯塚村、下小鳥村、●上並榎村、下並榎村、下小塙村、江木村、貝沢村、●上大類村、新保村、浜尻村、井野村、京目村、前箱田村、岩押村、高関村、上中居村、新保田中村、●南大類村、●宿大類村、●矢島村、西島村、島野村、元島名村、後家村、上佐野村、下佐野村、●新後閑(しごか)村、和田多中村、●倉賀野村、●下和田村、筑縄村、正観寺村、井出村、菅谷村、小八木村、西新波村、楽間村、大八木村、●北新波村、●上小鳥村、吾嶺村、菊地村、●上小塙村、●南新波村、●浜川村、佐野窪村、中尾村、上新田村(現前橋市)、下新田村、大沢村、川曲村、稲荷新田村、●下之城村、中泉村、●柴崎村、下中居村、栗崎村、中里村(現高崎市東中里)、西横手村、下大類村、滝新田村、宇貫村、●棟高村、三ツ寺村、上滝村、稲荷台村、大友村、江田村、●元惣社村、●上芝村、下芝村 |
上野前橋藩 | 1町 24村 |
小河原分村、石倉分村、●植野村、東国分村、●西国分村、大屋敷村、野馬塚村、●惣社町、高井村、金敷平村、●引間村、塚田村、大渡村、内藤分村、古市村、小相木村、箱田村、鳥羽村、日高村、中島村、【川島村、湯中子村、八木原村、大久保村、●漆原村】 | |
上野沼田藩 | 5村 | ●足門村、冷水村、後引間村、北原村、青梨子村 | |
上野安中藩 | 3村 | 行力村、●広馬場村、●善地村 | |
上野吉井藩[3] | 2村 | 上室田村、【湯ノ上村】 | |
幕府領・藩領 | 幕府領・前橋藩 | 2村 | ●東明屋村、【●上白井村】 |
幕府領・安中藩 | 2村 | 宮沢村、【新井村】 | |
幕府領・高崎藩 | 1村 | ●萩原村 | |
幕府領・高崎藩・安中藩 | 1村 | ●保渡田村 | |
幕府領・旗本領・前橋藩 | 1村 | 池端村 | |
幕府領・旗本領・吉井藩[3] | 3村 | 中大類村、【●山子田村、吹屋村】 | |
旗本領・前橋藩 | 3村 | 上青梨子村、【南下村、中村】 | |
旗本領・吉井藩 | 1村 | ●下室田村 | |
その他 | 寺社領 | 1村 | 【水沢村】 |
- 慶応4年6月17日(1868年8月5日) - 新政府が岩鼻陣屋に岩鼻県を設置。幕府領・旗本領を管轄。
- 明治初年(2町1駅144村)
- 榛名山村が起立。
- 倉賀野村が倉賀野駅に改称。
- 前橋藩の領地替えにより、幕府領の一部(生原村、板井村、中斎田村、西明屋村、白川村、高浜村、富岡村、本郷村、和田山村、下斎田村、中大類村、上室田村、野良犬村、池端村、矢原村、東明屋村、松之沢村、十文字村、三子沢村、宮沢村、白岩村、神戸村、中室田村、三ノ倉村、上白井村、権田村、尻高村、【山子田村、湯ノ上村、新井村、北下村、下野田村、有馬村、半田村、石原村、渋川村、金井村、阿久津村、南牧村、祖母島村、伊香保村、白井村、中郷村、北牧村、横堀村、小野子村および村上村の一部】)、旗本領の一部(下室田村のうち旗本大久保氏知行を除く全域)、高崎藩領の一部(中泉村、柴崎村、下中居村、栗崎村、中里村=現・高崎市東中里、西横手村、下大類村、滝新田村、宇貫村、棟高村、三ツ寺村、上滝村、稲荷台村、大友村、江田村、元惣社村、上芝村、下芝村)が前橋藩領となる。
- このころ水沢村が前橋藩領となる。
- 明治2年12月26日(1870年1月27日) - 吉井藩が廃藩。管轄区域が岩鼻県の管轄となる。
- 明治4年
- 明治6年(1873年)
- 明治7年(1874年) - 中斎田村が斎田村に、滝新田村が上滝村にそれぞれ合併。(2町1駅138村)
- 明治8年(1875年) - 中里村が東中里村に改称。
- 明治9年(1876年)
郡発足以降の沿革
[編集]- 明治11年(1878年)12月7日 - 郡区町村編制法の群馬県での施行により、群馬郡のうち2町1駅140村の区域に行政区画としての西群馬郡が発足。「西群馬片岡郡役所」が高崎連雀町に設置され、片岡郡とともに管轄。
- 明治22年(1889年)4月1日 - 町村制の施行により、以下の町村が発足。(6町32村)
- 高崎町 ← 高崎宮元町、高崎連雀町、高崎田町、高崎新町、高崎真町、高崎鎌倉町、高崎砂賀町、高崎鞘町、高崎白銀町、高崎元紺屋町、高崎羅漢町、高崎通町、高崎明石町、高崎十人町、高崎職人町、高崎檜物町、高崎鍛冶町、高崎下横町、高崎新田町、高崎南町、高崎新喜町、高崎龍見町、高崎若松町、高崎本町、高崎赤坂町、高崎常盤町、高崎歌川町、高崎四ツ谷町、高崎相生町、高崎住吉町、高崎嘉多町、高崎九蔵町、高崎高砂町、高崎新紺屋町、高崎寄合町、高崎中紺屋町、高崎柳川町、高崎堰代町、高崎山田町、高崎北通町、高崎弓町、高崎椿町、高崎高松町、下和田村、下並榎村、赤坂村、飯塚村[一部](現・高崎市)
- 佐野村 ← 上佐野村、下佐野村、佐野窪村、下之城村、下中居村、和田多中村、上中居村、新後閑村(現・高崎市)
- 倉賀野町(倉賀野駅が単独町制。現・高崎市)
- 岩鼻村 ← 岩鼻町、矢中村、栗崎村、東中里村、台新田村、綿貫村(現・高崎市)
- 大類村 ← 上大類村、中大類村、下大類村、宿大類村、南大類村、柴崎村(現・高崎市)
- 滝川村 ← 上滝村、下滝村、滝村、西横手村、中島村、宿横手村、下斎田村(現・高崎市)、宇貫村(現・佐波郡玉村町)、八幡原村(現・高崎市、佐波郡玉村町)、板井村(現・佐波郡玉村町)
- 京ヶ島村 ← 島野村、京目村、元島名村、矢島村、西島村、大沢村、萩原村(現・高崎市)
- 東村 ← 箱田村、後家村、前箱田村、川曲村、稲荷新田村、下新田村、上新田村、小相木村、古市村、江田村(現・前橋市)
- 元総社村 ← 元惣社村、内藤分村、大友村、大渡村(現・前橋市)
- 新高尾村 ← 新保田中村、中尾村、新保村、日高村(現・高崎市)、鳥羽村(現・前橋市)
- 中川村 ← 小八木村、大八木村、正観寺村、井野村、浜尻村(現・高崎市)
- 塚沢村 ← 貝沢村、岩押村、高関村、江木村、飯塚村[大部分](現・高崎市)
- 六郷村 ← 筑縄村、上小鳥村、下小鳥村、上小塙村、下小塙村、上並榎村(現・高崎市)
- 長野村 ← 行力村、楽間村、菊地村、吾嶺村、浜川村、北新波村、南新波村、西新波村(現・高崎市)
- 久留馬村 ← 高浜村、本郷村、白岩村、十文字村、宮沢村、三子沢村、神戸村(現・高崎市榛名地域)
- 室田村 ← 下室田村、中室田村、上室田村、榛名山村(現・高崎市榛名地域)
- 倉田村 ← 三ノ倉村、権田村(現・高崎市倉渕地域)
- 車郷村 ← 富岡村、善地村、和田山村、白川村(現・高崎市箕郷地域)
- 箕輪村 ← 西明屋村、上芝村、矢原村、東明屋村、金敷平村、松之沢村、下芝村(現・高崎市箕郷地域)
- 相馬村 ← 柏木沢村(現高崎市箕郷地域)、広馬場村(現・北群馬郡榛東村)
- 上郊村 ← 生原村(現高崎市箕郷地域)、保渡田村、中里村、井出村(現・高崎市群馬地域)
- 堤ヶ岡村 ← 三ツ寺村、棟高村、中泉村、福島村、菅谷村(現・高崎市群馬地域)
- 国府村 ← 引間村、稲荷台村、後引間村、冷水村、東国分村、西国分村、北原村、塚田村(現・高崎市群馬地域)
- 総社町 ← 惣社町、高井村、植野村(現・前橋市)
- 金古町 ← 金古村、足門村(現・高崎市群馬地域)
- 清里村 ← 野良犬村、青梨子村、池端村、上青梨子村(現・前橋市)
- 駒寄村 ← 大久保村、漆原村(現・北群馬郡吉岡町)
- 古巻村 ← 半田村、八木原村、有馬村(現・渋川市)
- 明治村 ← 上野田村、下野田村、小倉村、北下村、南下村(現・北群馬郡吉岡町)
- 桃井村 ← 山子田村、新井村、長岡村(現・北群馬郡榛東村)
- 豊秋村 ← 石原村、湯ノ上村、中村(現・渋川市)
- 渋川町(渋川村が単独町制、現・渋川市)
- 伊香保町 ← 伊香保村、湯中子村、水沢村(現・渋川市伊香保地域)
- 金島村 ← 金井村、南牧村、阿久津村、川島村、祖母島村(現・渋川市)
- 長尾村 ← 北牧村、白井村、吹屋村、横堀村(現・渋川市子持地域)
- 白郷井村 ← 上白井村、中郷村(現・渋川市子持地域)
- 小野上村 ← 小野子村、村上村(現・渋川市小野上地域)
- 高山村 ← 中山村、尻高村(現・吾妻郡高山村)
- 斎田村・与六分村・上新田村(現玉村町)が那波郡玉村町の、川原島新田が南勢多郡南橘村の各一部となる。
- 明治29年(1896年)4月1日 - 郡制の施行のため、下記の変更が行われる。同日西群馬郡廃止。
- 西群馬郡の一部(高山村を除く全域)・片岡郡の区域をもって群馬郡(第2次)が発足。
- 高山村の所属郡が吾妻郡に変更。
行政
[編集]代 | 氏名 | 就任年月日 | 退任年月日 | 備考 |
---|---|---|---|---|
1 | 宮田重固 | 明治11年(1878年)12月7日 | 明治13年(1880年)7月15日 | |
2 | 吉見邦直 | 明治13年(1880年)7月15日 | 明治23年(1890年)12月6日 | |
3 | 伊藤祐之 | 明治23年(1890年)12月6日 | 明治26年(1893年)8月14日 | |
4 | 深谷徳三郎 | 明治26年(1893年)8月14日 | 明治29年(1896年)3月31日 | 西群馬郡廃止 |
西群馬郡役場
[編集]高崎連雀町47番地に所在。明治14年片岡郡役所を合併し、西群馬片岡郡役所となる。明治28年火災で焼失[5]。
脚注
[編集]参考文献
[編集]- 「角川日本地名大辞典」編纂委員会 編『角川日本地名大辞典』 10 群馬県、角川書店、1988年6月1日。ISBN 4040011007。
- 旧高旧領取調帳データベース
- 群馬県群馬郡教育会 編『群馬県群馬郡誌』群馬県群馬郡教育会、1925年。doi:10.11501/1020918。
関連項目
[編集]先代 群馬郡(第1次) |
行政区の変遷 1878年 - 1896年 |
次代 群馬郡(第2次) |