群馬郡
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郡域
[編集]1896年(明治29年)に発足した当時の郡域は、現在の行政区画では概ね以下の区域に相当する。
- 烏川以東
- 石原町、乗附町、寺尾町、聖石町、片岡町一 - 三丁目、八千代町一 - 四丁目および城山町一・二丁目の一部)
歴史
[編集]飛鳥藤原宮出土の木簡に、「上毛野国車評」と書かれたものが見つかっている。群馬はもともと、上毛野国(後の上野国)の評(後の郡)としてある「車(くるま)」という地名であった。
評が郡に変わって車郡になってから、奈良時代の713年(和銅6年)に好字二字で地名を表すことになったとき、群馬郡(くるまのこおり、くるまぐん)に改名されたと推測されている。字の選択にあたっては、この辺りが馬産地であったことが考慮されたと思われる。
「ぐんま」の読みは後になって生まれたもので、「くるま」は江戸時代まで使われていた。「ぐんま」に確定したのは明治時代からである。
和名類聚抄に群馬郡の郷として長野、井出、小野、八木、上郊、畔切、島名、群馬、桃井、有馬、利刈、駅家、白衣が挙げられている。
群馬郡(第1次)
[編集]- 所属町村の変遷は東群馬郡#郡発足までの沿革、西群馬郡#郡発足までの沿革をそれぞれ参照
- 「旧高旧領取調帳」に記載されている明治初年時点での、当郡域3町206村の支配は以下の通り。幕府領は関東在方掛の岩鼻陣屋が管轄。他にも寺社領が各村に散在。(3町206村)
- 慶応4年6月17日(1868年8月5日) - 新政府が岩鼻陣屋に岩鼻県を設置。幕府領・旗本領を管轄。
- 明治初年 - 前橋藩の領地替えにより、幕府領・旗本領・高崎藩領の各一部が前橋藩領となる。
- 明治2年12月26日(1870年1月27日) - 吉井藩が廃藩。管轄区域が岩鼻県の管轄となる。
- 明治4年
- 明治6年(1873年)6月15日 - 熊谷県の管轄となる。
- 明治9年(1876年)8月21日 - 第2次府県統合により、熊谷県が武蔵国の管轄地域を埼玉県に合併して群馬県(第2次)に改称。当郡域は群馬県の管轄となる。
- 明治11年(1878年)12月7日 - 郡区町村編制法の群馬県での施行により、利根川以東の1町22村の区域に東群馬郡、残部の2町1駅140村をに西群馬郡がそれぞれ発足。同日群馬郡(第1次)廃止。
群馬郡(第2次)
[編集]- 明治29年(1896年)
- 4月1日 - 郡制の施行のため、西群馬郡の一部(高山村を除く全域)・片岡郡の区域をもって群馬郡(第2次)が発足。以下の町村が所属。(6町32村)
- 旧・西群馬郡(6町31村) - 高崎町、佐野村、倉賀野町、岩鼻村、大類村、滝川村、京ヶ島村(現・高崎市)、東村、元総社村(現・前橋市)、新高尾村(現・高崎市、前橋市)、中川村、塚沢村、六郷村、長野村、久留馬村、室田村、倉田村、車郷村、箕輪村(現・高崎市)、相馬村(現・高崎市、北群馬郡榛東村)、上郊村、堤ヶ岡村、国府村(現・高崎市)、総社町(現・前橋市)、金古町(現・高崎市)、清里村(現・前橋市)、駒寄村(現・北群馬郡吉岡町)、古巻村(現渋川市)、明治村(現・北群馬郡吉岡町)、桃井村(現・北群馬郡榛東村)、豊秋村、渋川町、伊香保町、金島村、長尾村、白郷井村、小野上村(現・渋川市)
- 旧・片岡郡(1村) - 片岡村(現・高崎市)
- 7月15日 - 郡制を施行。
- 4月1日 - 郡制の施行のため、西群馬郡の一部(高山村を除く全域)・片岡郡の区域をもって群馬郡(第2次)が発足。以下の町村が所属。(6町32村)
- 明治33年(1900年)4月1日 - 高崎町が市制施行して高崎市となり、郡より離脱。(5町32村)
- 明治38年(1905年)4月1日 - 室田村が町制施行して室田町となる。(6町31村)
- 大正10年(1921年)4月1日 - 箕輪村が町制施行して箕輪町となる。(7町30村)
- 大正12年(1923年)4月1日 - 郡会が廃止。郡役所は存続。
- 大正15年(1926年)7月1日 - 郡役所が廃止。以降は地域区分名称となる。
- 昭和2年(1927年)4月1日 - 塚沢村・片岡村が高崎市に編入。(7町28村)
- 昭和14年(1939年)10月1日 - 佐野村が高崎市に編入。(7町27村)
- 昭和17年(1942年)7月1日 - 「群馬地方事務所」が高崎市に設置され、本郡を管轄。
- 昭和24年(1949年)10月1日 - 渋川町・伊香保町・金島村・古巻村・豊秋村・駒寄村・明治村・桃井村・長尾村・白郷井村・小野上村の2町9村の区域をもって北群馬郡を設置。(5町18村)
- 昭和26年(1951年)4月1日 - 六郷村が高崎市に編入。(5町17村)
- 昭和29年(1954年)4月1日 - 総社町・東村・元総社村が前橋市に編入。(4町15村)
- 昭和30年(1955年)
- 昭和31年(1956年)9月30日(4町5村)
- 大類村が高崎市に編入。
- 滝川村・京ヶ島村が合併して群南村が発足。
- 昭和32年(1957年)
- 昭和34年(1959年)4月1日 - 箕郷町の一部(大字柏木沢の一部)が桃井村に編入。
- 昭和38年(1963年)3月31日 - 倉賀野町が高崎市に編入。(3町2村)
- 昭和40年(1965年)9月1日 - 群南村が高崎市に編入。(3町1村)
- 平成8年(1996年)7月1日 - 倉淵村が倉渕村に改称。
- 平成18年(2006年)
- 1月23日 - 箕郷町・群馬町・倉渕村が高崎市に編入。(1町)
- 10月1日 - 榛名町が高崎市に編入。同日群馬郡消滅。
変遷表
[編集]自治体の変遷
明治22年4月1日 | 明治29年4月1日 | 明治29年 - 大正15年 | 昭和元年 - 昭和19年 | 昭和20年 - 昭和29年 | 昭和30年 - 昭和35年 | 昭和35年 - 昭和64年 | 平成元年 - 現在 | 現在 | ||||
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西群馬郡 | 高山村 | 明治29年4月1日 吾妻郡へ移行 |
吾妻郡 高山村 |
吾妻郡 高山村 |
吾妻郡 高山村 |
吾妻郡 高山村 |
吾妻郡 高山村 |
吾妻郡 高山村 |
吾妻郡 高山村 | |||
東村 | 明治29年4月1日 群馬郡発足 |
東村 | 東村 | 昭和29年4月1日 前橋市に編入 |
前橋市 | 前橋市 | 前橋市 | 前橋市 | ||||
総社町 | 総社町 | 総社町 | ||||||||||
元総社村 | 元総社村 | 元総社村 | ||||||||||
清里村 | 清里村 | 清里村 | 清里村 | 昭和30年1月20日 前橋市に編入 | ||||||||
新高尾村 | 新高尾村 | 新高尾村 | 新高尾村 | 昭和30年1月20日 前橋市に一部編入 | ||||||||
昭和30年1月20日 高崎市に一部編入 |
高崎市 | 高崎市 | 高崎市 | |||||||||
中川村 | 中川村 | 中川村 | 中川村 | 昭和30年1月20日 高崎市に編入 | ||||||||
六郷村 | 六郷村 | 六郷村 | 昭和26年4月1日 高崎市に編入 |
高崎市 | ||||||||
佐野村 | 塚沢村 | 昭和14年10月1日 高崎市に編入 |
高崎市 | |||||||||
佐野村 | 佐野村 | 昭和2年4月1日 高崎市に編入 | ||||||||||
片岡郡 | 片岡村 | 片岡村 | ||||||||||
西群馬郡 | 高崎町 | 明治33年4月1日 市制 |
高崎市 | |||||||||
長野村 | 長野村 | 長野村 | 長野村 | 昭和30年8月1日 高崎市に編入 | ||||||||
大類村 | 大類村 | 大類村 | 大類村 | 昭和31年9月30日 高崎市に編入 | ||||||||
倉賀野町 | 倉賀野町 | 倉賀野町 | 倉賀野町 | 倉賀野町 | 昭和38年3月31日 高崎市に編入 | |||||||
岩鼻村 | 岩鼻村 | 岩鼻村 | 岩鼻村 | 昭和32年8月1日 高崎市に一部編入 |
高崎市 | |||||||
昭和32年8月1日 群南村に一部編入 |
昭和40年9月1日 高崎市に編入 | |||||||||||
京ヶ島村 | 京ヶ島村 | 京ヶ島村 | 京ヶ島村 | 昭和31年9月30日 群南村 |
群南村 | |||||||
滝川村 | 滝川村 | 滝川村 | 滝川村 | |||||||||
昭和32年8月1日 旧滝川村の一部(宇貫と八幡原の一部)玉村町と合併 昭和32年10月15日 旧滝川村の一部(板井)玉村町へ編入 |
佐波郡 玉村町 |
佐波郡 玉村町 |
佐波郡 玉村町 | |||||||||
久留馬村 | 久留馬村 | 久留馬村 | 久留馬村 | 昭和30年3月1日 榛名町に編入 |
榛名町 | 平成18年10月1日 高崎市に編入 |
高崎市 | |||||
室田村 | 明治38年4月1日 町制 |
室田町 | 室田町 | 昭和30年2月1日 榛名町 | ||||||||
碓氷郡 | 里見村 | 碓氷郡 | 里見村 | 里見村 | 里見村 | |||||||
烏淵村 | 烏淵村 | 烏淵村 | 烏淵村 | 昭和30年4月1日 倉淵村 |
倉淵村 | 平成8年7月1日 倉渕村に改称 |
平成18年1月23日 高崎市に編入 | |||||
西群馬郡 | 倉田村 | 明治29年4月1日 群馬郡発足 |
倉田村 | 倉田村 | 倉田村 | |||||||
金古町 | 金古町 | 金古町 | 金古町 | 昭和30年4月1日 群馬町 |
群馬町 | 群馬町 | ||||||
堤ヶ岡村 | 堤ヶ岡村 | 堤ヶ岡村 | 堤ヶ岡村 | |||||||||
国府村 | 国府村 | 国府村 | 国府村 | |||||||||
上郊村 | 上郊村 | 上郊村 | 上郊村 | 昭和32年4月1日 群馬町に編入 | ||||||||
昭和32年4月1日 箕郷町に編入 |
箕郷町 | 箕郷町 | ||||||||||
箕輪村 | 大正10年4月1日 町制 |
箕輪町 | 箕輪町 | 昭和30年4月1日 箕郷町 | ||||||||
車郷村 | 車郷村 | 車郷村 | 車郷村 | |||||||||
相馬村 | 相馬村 | 相馬村 | 相馬村 | 昭和30年3月30日 箕郷町に編入 | ||||||||
昭和30年3月30日 桃井村に編入 |
昭和34年8月1日 榛東村に改称 |
榛東村 | 榛東村 | 北群馬郡 榛東村 | ||||||||
桃井村 | 桃井村 | 桃井村 | 昭和24年10月1日 北群馬郡が分立 |
桃井村 | 桃井村 | |||||||
駒寄村 | 駒寄村 | 駒寄村 | 駒寄村 | 昭和30年4月1日 吉岡村 |
吉岡村 | 平成3年4月1日 町制施行 |
北群馬郡 吉岡町 | |||||
明治村 | 明治村 | 明治村 | 明治村 | |||||||||
伊香保町 | 伊香保町 | 伊香保町 | 伊香保町 | 伊香保町 | 伊香保町 | 平成18年2月20日 渋川市 |
渋川市 | |||||
長尾村 | 長尾村 | 長尾村 | 長尾村 | 昭和35年9月1日 子持村 |
子持村 | |||||||
白郷井村 | 白郷井村 | 白郷井村 | 白郷井村 | |||||||||
小野上村 | 小野上村 | 小野上村 | 小野上村 | 小野上村 | 小野上村 | |||||||
渋川町 | 渋川町 | 渋川町 | 昭和29年4月1日 渋川市 |
渋川市 | 渋川市 | |||||||
金島村 | 金島村 | 金島村 | ||||||||||
古巻村 | 古巻村 | 古巻村 | ||||||||||
豊秋村 | 豊秋村 | 豊秋村 |
行政
[編集]- 群馬郡(第2次)長[2]
代 | 氏名 | 就任年月日 | 退任年月日 | 備考 |
---|---|---|---|---|
1 | 深谷徳三郎 | 明治29年(1896年)4月1日[3] | 明治30年(1897年)6月12日 | |
2 | 森重毅 | 明治30年(1897年)6月12日 | 明治31年(1898年)10月4日 | |
3 | 利根川孫六 | 明治31年(1898年)10月4日 | 明治35年(1902年)4月30日 | |
4 | 今村眞橘 | 明治35年(1902年)4月30日 | 明治39年(1906年)6月16日 | |
5 | 橋本求 | 明治39年(1906年)6月16日 | 明治44年(1911年)1月19日 | |
6 | 樫田三郎 | 明治44年(1911年)1月19日 | 大正元年(1912年)12月17日 | |
7 | 直井三郎 | 大正元年(1912年)12月17日 | 大正2年(1913年)6月30日 | |
8 | 中西銈也 | 大正2年(1913年)6月30日 | 大正5年(1916年)7月28日 | |
9 | 橋本直次郎 | 大正5年(1916年)7月28日 | 大正13年(1924年)10月4日 | |
10 | 安間喜太郎 | 大正13年(1924年)10月4日 | 大正13年(1924年)12月17日 | |
11 | 細野重晴 | 大正13年(1924年)12月17日 | 大正15年(1926年)7月1日[4] | 郡役所廃止により、廃官 |
脚注
[編集]- ^ “金井沢碑”. 高崎市. 2019年4月22日閲覧。
- ^ 群馬県群馬郡教育会 1925, pp. 906–907.
- ^ “国立国会図書館デジタルコレクション”. dl.ndl.go.jp. 2023年9月24日閲覧。
- ^ “国立国会図書館デジタルコレクション”. dl.ndl.go.jp. 2023年9月24日閲覧。
参考文献
[編集]- 「角川日本地名大辞典」編纂委員会 編『角川日本地名大辞典』 10 群馬県、角川書店、1988年6月1日。ISBN 4040011007。
- 旧高旧領取調帳データベース
- 群馬県群馬郡教育会 編『群馬県群馬郡誌』群馬県群馬郡教育会、1925年。doi:10.11501/1020918。
関連項目
[編集]先代 ----- |
行政区の変遷 - 1878年 (第1次) |
次代 東群馬郡・西群馬郡 |
先代 西群馬郡・片岡郡 |
行政区の変遷 1896年 - 1949年 (第2次・分割前) |
次代 群馬郡(第2次)・北群馬郡 |
先代 群馬郡(第2次) |
行政区の変遷 1949年 - 2009年 (第2次・分割後) |
次代 (消滅) |