角山栄
表示
角山 栄(角山 榮、つのやま さかえ、1921年11月7日 - 2014年10月15日)は、日本の経済史家。和歌山大学学長や堺市博物館館長を務めた。専攻はイギリス近代経済史。
来歴・人物
[編集]大阪府大阪市出身で、幼少期は堺市で育った。市岡中学校(旧制)、旧制大阪高等学校を経て[1]、1945年(昭和20年)に京都帝国大学経済学部卒業。1950年(昭和25年)和歌山大学経済学部助教授。1961年(昭和36年)「イギリス毛織物工業史論」で経済学博士(京都大学)。和歌山大学経済学部教授、1967年(昭和42年)-1968年(昭和43年)経済学部長、1975年(昭和50年)4-7月学長、1986年(昭和61年)定年退官、名誉教授。その後は奈良産業大学教授を経て、1993年(平成5年)から2008年まで堺市博物館長を務めた。1992年(平成4年)平和堂貿易より時の功労賞、1997年(平成9年)秋、勲二等瑞宝章受勲[2]。
大塚久雄の歴史学(大塚史学)の批判者でも著名だった。
2014年10月15日にがんで死去した[3]。92歳没。叙正四位[4]。
著書
[編集]- 『文芸復興より啓蒙思想え 近世西洋文化史』関書院 1949
- 『資本主義の成立過程』ミネルヴァ書房(社会科学選書)1956
- 『イギリス絶対主義の構造』ミネルヴァ書房 1958
- 『イギリス毛織物工業史論 初期資本主義の構造』ミネルヴァ書房 1960
- 『産業革命の群像 現代社会の原点をさぐる』清水書院「センチュリーブックス」1971、新版1984
- 『茶の世界史 緑茶の文化と紅茶の社会』中公新書 1980、改版2017
- 『時計の社会史』中公新書 1984
- 『時計の社会史』吉川弘文館「読みなおす日本史」、2014 ※改訂版
- 『辛さの文化 甘さの文化』同文館出版 1987
- 『「通商国家」日本の情報戦略 領事報告をよむ』日本放送出版協会(NHKブックス)1988
- 『「通商国家」日本の情報戦略 領事報告をよむ』吉川弘文館「読みなおす日本史」、2018 ※改訂版
- 『シンデレラの時計 人びとの暮らしと時間』ポプラ社 1992、新版1996 のち平凡社ライブラリー
- 『アジアルネサンス 勃興する新・都市型文明』PHP研究所 1995。選書版
- 『時間革命』新書館 1998
- 『堺 海の都市文明』PHP新書 2000
- 『「生活史」の発見 フィールドワークで見る世界』中央公論新社 2001
- 『茶ともてなしの文化』NTT出版 2005
- 『新しい歴史像を探し求めて』ミネルヴァ書房:シリーズ「自伝」、2010
共編著
[編集]- 経済史学 東洋経済新報社 1970(経済学入門叢書)
- 図説経済学体系 8 西洋経済史 学文社 1971
- 生活の世界歴史 10 産業革命と民衆 河出書房新社 1975 のち新版、河出文庫
- 図説西洋経済史 学文社 1977.11(図説経済学体系)
- 路地裏の大英帝国 イギリス都市生活史 川北稔共編 平凡社 1982.2 のち同ライブラリー
- 日本領事報告の研究 同文館出版 1986.12(京都大学人文科学研究所研究報告)
- 日本のお茶3 お茶と文化 ぎょうせい 1988
翻訳
[編集]- 世界経済史 工業化の現代史 ヒューズ 共訳 マグロウヒル好学社 1977.9
出典
[編集]参考文献
[編集]- 和歌山大学経済学部 編「〔角山栄教授〕略歴および著作目録(角山教授退官記念特集号)」『経済理論 = The Wakayama economic review』第214号、和歌山大学経済学会、1986年11月。国立国会図書館書誌ID:2819300。