部谷京子
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部谷 京子(へや きょうこ、1954年 - )は、日本の映画美術監督。広島県広島市南区出身[1]。
人物・経歴
[編集]広島市立白島小学校、広島女学院中学校・高等学校卒業後に上京し、武蔵野美術大学造形学部卒業。在学中から円谷プロダクション制作の特撮テレビドラマ『恐竜戦隊コセイドン』に美術アルバイトとして参加[2]。以後、フリーの美術スタッフとして活動する[2]。1984年、武田一成監督『私の中の娼婦』(にっかつ)で初めて美術スタッフとしてクレジットに名前が載る。
1992年、周防正行監督『シコふんじゃった。』で、美術監督としてデビューし[2]、1996年、同監督の『Shall we ダンス?』、2006年、同監督の『それでもボクはやってない』の美術に対し、日本アカデミー賞最優秀美術賞を受賞。以後、優秀美術賞も含め、合計10回受賞。故郷である広島の原爆を絡めた吉田喜重監督『鏡の女たち』(2003年)の美術も担当。
2010年1月31日、NHK『課外授業 ようこそ先輩』に出演し、母校、広島市立白島小学校を訪ねた。また同年、福屋八丁堀本店8階にオープンした映画館『八丁座』(旧:松竹東洋座・広島名画座)の内装デザインを手掛け話題となった。
2013年、『天地明察』の美術で第67回毎日映画コンクール美術賞受賞[3]。2016年11月、紫綬褒章を受章[4]。
主な美術監督作品
[編集]映画
[編集]- 『シコふんじゃった。』(1992年、周防正行監督)
- 『ナンミン・ロード』(1992年、五十嵐匠監督)
- 『パ★テ★オ』(1992年、楠田泰之監督)
- 『空がこんなに青いわけがない』(1993年、柄本明監督)
- 『お墓と離婚』(1993年、岩松了監督)
- 『夏の庭 The Friends』(1993年、相米慎二監督)
- 『RAMPO』(1994年、奥山和由監督版)
- 『河童』(1994年、石井竜也監督)
- 『人でなしの恋』(1995年、松浦雅子監督)
- 『幻の光』(1995年、是枝裕和監督)
- 『Shall we ダンス?』(1996年、周防正行監督) - 日本アカデミー賞最優秀美術賞受賞。
- 『モスラ』(1996年、米田興弘監督)
- 『MISTY』(1997年、三枝健起監督)
- 『誘拐』(1997年、大河原孝夫監督) - 日本アカデミー賞優秀美術賞受賞。
- 『シャ乱Qの演歌の花道』(1997年、滝田洋二郎監督)
- 『絆 -きずな-』(1998年、根岸吉太郎監督)
- 『ショムニ』(1998年、渡邊孝好監督)
- 『お受験』(1999年、滝田洋二郎監督)
- 『金融腐蝕列島〔呪縛〕』(1999年、原田眞人監督)
- 『源氏物語 あさきゆめみし Lived in A Dream』(2000年、三枝健起監督)
- 『バトル・ロワイアル』(2000年、深作欣二監督)
- 『サトラレ TRIBUTE to a SAD GENIUS』(2001年、本広克行監督)
- 『火垂』(2001年、河瀬直美監督)
- 『陰陽師』(2001年、滝田洋二郎監督) - 日本アカデミー賞優秀美術賞受賞。
- 『突入せよ! あさま山荘事件』(2002年、原田眞人監督)
- 『壬生義士伝』(2003年、滝田洋二郎監督)
- 『鏡の女たち』(2003年、吉田喜重監督)
- 『陰陽師II』(2003年、滝田洋二郎監督)
- 『北の零年』(2005年、行定勲監督)
- 『シュガー&スパイス 風味絶佳』(2006年、中江功監督)
- 『愛の流刑地』(2007年、鶴橋康夫監督)
- 『それでもボクはやってない』(2007年、周防正行監督)日本アカデミー賞最優秀美術賞受賞。
- 『マリと子犬の物語』(2007年、猪股隆一監督)
- 『チーム・バチスタの栄光』(2008年、中村義洋監督)
- 『容疑者Xの献身』(2008年、西谷弘監督)
- 『ハナミズキ』(2010年、土井裕泰監督)
- 『雷桜』(2010年、廣木隆一監督)
- 『少女たちの羅針盤』(2011年、長崎俊一監督)
- 『ロック 〜わんこの島〜』(2011年、中江功監督)
- 『天地明察』(2012年、滝田洋二郎監督) - 第67回毎日映画コンクール美術賞受賞。
- 『インターミッション』(2013年、樋口尚文監督)
- 『あん』(2015年、河瀬直美監督)
- 『シネマの天使』(2015年、時川英之監督)
- 『リップヴァンウィンクルの花嫁』(2016年、岩井俊二監督)
- 『ラストレシピ〜麒麟の舌の記憶〜』(2017年、滝田洋二郎監督)
テレビドラマ
[編集]- 『なぞの転校生』(2014年、テレビ東京)
TV出演
[編集]- 『課外授業 ようこそ先輩』(2010年1月31日、NHK総合)
- 語りは、『Shall we ダンス?』で主役を演じた役所広司が担当した。
脚注
[編集]- ^ 中国新聞 2013年11月10日 p. 27『シネマ尾道開館5周年』
- ^ a b c 東宝SF特撮映画シリーズ11 1996, p. 61, 「スタッフが語る LDKバトルはいかに作られたか 僕の居間は戦場だった」
- ^ 鈴木隆; 広瀬登 (2013年1月18日). “毎日映画コンクール:大賞は「終の信託」”. 毎日jp. 毎日新聞社. pp. 1-2. 2013年2月7日閲覧。
- ^ “秋の褒章、772人20団体の受章決まる”. 朝日新聞デジタル (2016年11月2日). 2016年11月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年5月12日閲覧。
参考文献
[編集]- 『モスラ』東宝〈東宝SF特撮映画シリーズVOL.11〉、1996年12月21日。ISBN 4-924609-66-8。