青山ベルコモンズ
青山ベルコモンズ Aoyama Bell Commons | |
---|---|
店舗概要 | |
所在地 |
〒107-0061 東京都港区北青山二丁目14-6 |
座標 | 北緯35度40分10秒 東経139度42分56.9秒 / 北緯35.66944度 東経139.715806度座標: 北緯35度40分10秒 東経139度42分56.9秒 / 北緯35.66944度 東経139.715806度 |
開業日 | 1976年(昭和51年)6月2日 |
閉業日 | 2014年(平成26年)3月30日[2] |
施設所有者 | ベルエポック特定目的会社[1] |
敷地面積 | 2,043 m² |
延床面積 | 15,164 m² |
商業施設面積 | 4,529 m² |
店舗数 | 27 |
駐車台数 | 126台 |
最寄駅 | 東京メトロ銀座線外苑前駅 |
外部リンク | 青山ベルコモンズ[リンク切れ] |
青山ベルコモンズ(あおやまベルコモンズ、Aoyama Bell Commons)は、東京都港区青山にかつてあった商業ビルである。いわゆるファッションビルのはしりとも言われ[3]、初めは1976年(昭和51年)、当時の婦人服専門店大手、鈴屋によって企画・建設された。
概要
[編集]青山ベルコモンズは1976年(昭和51年)6月、婦人服飾を中心とした専門店型のショッピングセンター (SC) として東京都港区青山に開業した[4]。当初の運営者は当時の婦人服専門店大手の鈴屋で、これは専門店が自ら本格的SCを運営した初めてのものであった[4]。社内からは、過大投資であるとして反対する意見もあった[5]。
所在地は青山通りと外苑西通りが交わる青山三丁目交差点であり、至近には東京メトロ銀座線外苑前駅がある。明るいブラウン色の建物を特徴とするベルコモンズは、この近辺におけるランドマークとなっており、内部には衣類店のほか、飲食店、家具店、デリ、ゴルフ教室、オフィスなどが入居している。最上階である11階には展示会などに使われるサロン、屋上にはテニスコートがある[6]。
建物は地上11階・地下2階建で、黒川紀章設計事務所による設計は、「アーバン・ヒル(都市の中の丘)」をコンセプトとしており、周辺の景観にアクセントをつけ、低層階においては、それぞれの階と道路とを結ぶ外部階段が設けられ、好きなフロアに直接、自由に上がって楽しめるような構造になっている[6]。外観は凹凸の多い下層部と、垂直な外壁の上層部とが対照的となっている[6]。内部では、ひとつの階を二つに分けた「スキップフロア」構造が5階まで採用され、半階フロアは1階から3階まで吹き抜けとなった中央部分を取り囲む螺旋階段のように配置されている[6]。この構造のため、重層のファッションビルにもかかわらずエスカレーターが存在せず、代わりに各階を見渡せるシースルーのエレベーターが設置されている[6]。
沿革
[編集]1985年(昭和60年)、第一生命保険が青山ベルコモンズの土地・建物を、それまで所有者だったアサヒ土地開発[7]から、約240億円で買収したことが報じられた[8]。この買収額はバブル前だった当時において、既設ビルの売買としては日本国内で最大規模のものであった[8]。
1997年(平成9年)、それまでビルの運営管理を行っていた鈴屋が和議申請をして事実上倒産、青山エイピーオー社がビルの企画運営を担当するようになった[9]。
青山ベルコモンズは2000年(平成12年)、開業以来初めての全面改装を実施、営業面積を270m2増しの4,520m2とし、物販34店、飲食11店のテナントのうち23店を新規に導入した[9]。この際には、従来対象としていた20代女性に加え、団塊ジュニアとその母親の年代層にも対象を加える戦略がとられた[9]。
2012年(平成24年)、日米の不動産投資ファンドが共同出資した特定目的会社が第一生命保険から青山ベルコモンズを取得[1]。
2014年(平成26年)3月30日を以ってファッションビルとしては閉館となり、38年の歴史に幕を下ろした[2]。ビルそのものはオフィスビルとして再出発する予定[10]であったが、2015年12月より解体された[11]。閉館に伴い、ジャックスとの提携によるハウスカード「青山ベルコモンズカード」も同日付でサービスを終了し、2014年(平成26年)4月1日以降は使用できなくなっている[12]。
2020年(令和2年)8月5日、跡地に三菱地所がオフィスやホテル、商業施設などを備えた地上20階建ての複合ビルとしてthe ARGYLE aoyama(ジ アーガイル アオヤマ)を建設[13]。 ホテルのプロデュースはプラン・ドゥ・シー[14]が行い、青山グランドホテル (THE AOYAMA GRAND HOTEL)[15]を開業した。なお、青山ベルコモンズが青山のランドマークであった1970年〜80年頃のヴィンテージマンションをコンセプトにデザインされており、プラン・ドゥ・シーはホテルとしては東京初進出となった。
建物概要
[編集]- 地上11階、塔屋2階、地下1階、最高高さ48.35m
- 完成 - 1976年(昭和51年)6月1日
- 敷地面積 - 2,043m2
- 延床面積 - 15,164m2
- 立体駐車場 - 126台収容
- 施工 - 竹中工務店
- 管理 - 第一ビルディング[16][17]
脚注
[編集]- ^ a b 「青山ベルコモンズ」取得のアレンジメント及びアセットマネジメント業務受託に関するお知らせ(シンプレクス不動産投資顧問、2012年7月4日)
- ^ a b “青山ベルコモンズ、38年の歴史に幕”. 繊研新聞 (繊研新聞社). (2014年3月17日)
- ^ 青山ベルコモンズ 「建築家の黒川紀章さん死去 『毎日jp』(毎日新聞)、平成23年8月7日閲覧[リンク切れ]
- ^ a b 鈴屋、東京・青山に婦人服飾中心の専門店型SC「青山ベルコモンズ」をオープン 『日本経済新聞』 昭和51年6月3日 夕刊3面
- ^ 処世術捨てた革命児、組織頼らず自ら仕掛け(現場報告新企業人) 『日経産業新聞』 昭和61年2月3日
- ^ a b c d e 「ビル紳士録66 青山ベルコモンズ 低層フロアと街路を結ぶ」 『毎日新聞』 平成3年7月8日 夕刊
- ^ アサヒ土地開発は、戸建て住宅分譲からオフィスビル開発まで手がける総合デベロッパー(本社・東京、社長・近藤修)であったが、その後1999年(平成11年)に倒産した。負債総額は3,226億円だった。
- ^ a b 「第一生命、東京・青山の大型商業ビル買収、土地代込み総額240億円」 『日本経済新聞』 昭和60年9月20日 朝刊
- ^ a b c 青山ベルコモンズ、初の全面改装、テナント大幅入れ替え - 団塊世代も対象に 『日本経済新聞』 平成12年10月24日朝刊17面
- ^ 青山ベルコモンズが閉館 38年の歴史に幕Fashionsnap.com 平成25年12月3日(同日閲覧)
- ^ 建設データバンク 解体情報
- ^ 青山ベルコモンズカード会員の皆様へ青山ベルコモンズ 平成25年12月3日閲覧[リンク切れ]
- ^ 「青山ベルコモンズ」跡 三菱地所、建て替え着手『日本経済新聞』朝刊2017年12月22日(東京面)
- ^ プラン・ドゥ・シーhttps://plandosee.co.jp/
- ^ THE AOYAMA GRAND HOTEL 青山グランドホテル https://aoyamagrand.com/
- ^ 主要間管理ビル一覧 株式会社第一ビルディングのウェブサイト、平成23年8月7日閲覧
- ^ 青山ベルコモンズは開業以来、鈴屋がオーナーである第一ビルディングから管理運営を受託していた。「青山ベルコモンズ、開業以来の全面改装、テナント半数新規導入」 『日経流通新聞』 平成12年10月24日9面