2024年日本維新の会代表選挙
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2024年日本維新の会代表選挙(2024ねんにっぽんいしんのかいだいひょうせんきょ)は、2024年(令和6年)12月1日に行われる予定の、日本維新の会の党首である代表を選出する選挙である。
概要
[編集]第50回衆議院議員総選挙で、日本維新の会は全国政党化を目指し164人を擁立したが[1]、大阪の19の小選挙区で全勝した[2]一方で兵庫では全敗となった[3]。関西以外の大半の選挙区で苦戦を強いられ、比例では前回より約300万票減、前回獲得した東北・中国・四国の各ブロックで議席を失った。近畿ブロックでは第一党の座を守ったものの前回から3議席減[4]。結果、獲得議席は公示前の44議席から6議席減となる38議席に留まった[5][6]。
選挙結果を受け、馬場伸幸代表は「最大の目標は与党の過半数割れだ。達成されれば、その一翼を担った自負は持っていい」と発言したが[7]、10月30日に行われた国会議員団の役員会で浅田均参議院会長が「選挙は大惨敗であり、責任を取るべきだ」として、馬場代表と藤田文武幹事長(選挙対策本部長)に辞意を表明するよう求めるなど、党内では執行部に辞任を求める声が上がった[8]。
10月31日、馬場は党の会議で代表選挙を早急に行いたいという考えを示した[9]。11月6日の常任役員会で、代表選挙の実施の是非を問う特別党員によるインターネット投票の結果が公表され、投票総数768票のうち賛成が696票、反対が56票であったとして選挙を行うことを正式に決定。翌日には11月17日告示、12月1日投開票の日程で実施することが発表された[10][11]。
選挙データ
[編集]代表
[編集]- 選挙時:馬場伸幸(第3代)
- 選挙後:未定(第4代)
選挙制度
[編集]- 選挙権
- 特別党員(党所属国会議員・地方議員・首長と、それぞれの公認候補予定者):846人
- 一般党員(党費を連続して2年以上納入している者):2万5025人
- 被選挙権
- 特別党員で、50人以上の特別党員の推薦を得た者
推薦人は、前回2022年の代表選では30人以上だったが、特定候補への推薦人の偏在を回避し全国政党化を進めるため、引き上げられた。国会議員と地方議員を少なくとも1人ずつ含めることとされ、自身が所属または関係する議会会派から5人以上(会派が10人未満の場合は過半数)とした。
- 投票
特別党員は12月1日の臨時党大会で直接投票。一般党員は11月19日~11月30日に郵便投票。特別党員・一般党員にかかわらず1人1票とし、最多得票を獲得した候補者が当選[12]。
キャッチフレーズ
[編集]変革を起こす覚悟[13]
告示日
[編集]投開票日
[編集]主な争点
[編集]- 議席減を受け、次期参院選に向けた党勢回復[15][16]。
- 大阪一極集中からの脱却の是非[17]。
- 政府与党(自民党・公明党)と是々非々の関係を維持してきたこれまでの路線の継続の是非[18]。
- 立憲民主党など他の野党との距離感[19]。
立候補者
[編集]届け出順。
肖像 | 立候補者 | 年齢 | 現職 | 立候補表明日 | 立候補歴 |
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吉村洋文 | 49 | 大阪府知事 日本維新の会共同代表 大阪維新の会代表 |
11月12日[20] | 初 | |
金村龍那 | 45 | 衆議院議員(2期・比例南関東ブロック) 日本維新の会副幹事長 神奈川維新の会代表 |
11月15日 | 初 | |
空本誠喜 | 60 | 衆議院議員(3期・広島4区) 広島維新の会代表 |
11月15日[21] | 初 | |
松沢成文 | 66 | 参議院議員(3期・神奈川県選挙区) | 11月14日[22] | 初 |
主な推薦人
[編集]吉村洋文 | 金村龍那 | 空本誠喜 | 松沢成文 | |
---|---|---|---|---|
国会議員 | 衆議院議員 池下卓 岩谷良平 漆間譲司 黒田征樹 守島正 |
衆議院議員 阿部圭史 阿部司 池畑浩太朗 猪口幸子 浦野靖人 |
衆議院議員 高橋英明 市村浩一郎 伊東信久 奥下剛光 林佑美 三木圭恵 |
参議院議員 串田誠一 梅村みずほ 嘉田由紀子 中条きよし 松野明美 山口和之 |
地方自治体の首長 | 横山英幸(大阪市長) 永藤英機(堺市長) 藤原敏司(熊取町長) 山入端創(羽曳野市長) |
なし | なし | なし |
都道府県議会議員 | 大阪府議会議員(30名) | 奈良県議会議員(4名) 東京都議会議員(1名) 神奈川県議会議員(1名) 兵庫県議会議員(1名) |
宮城県議会議員(1名) 京都府議会議員(1名) 鳥取県議会議員(1名) 大分県議会議員(1名) |
神奈川県議会議員(3名) 京都府議会議員(1名) |
市区町村議会議員 | 大阪市会議員(9名) 堺市議会議員(2名) |
東京都(19名) 神奈川県(9名) 兵庫県(3名) 愛知県(2名) 大阪府(2名) 京都府(1名) 奈良県(1名) 福岡県(1名) |
埼玉県(12名) 宮城県(4名) 茨城県(3名) 千葉県(3名) 奈良県(3名) 北海道(2名) 長野県(2名) 岡山県(2名) 京都府(2名) 秋田県(1名) 新潟県(1名) 栃木県(1名) 東京都(1名) 鳥取県(1名) 福岡県(1名) 大分県(1名) |
神奈川県(9名) 千葉県(9名) 東京都(8名) 埼玉県(3名) 愛知県(2名) 大阪府(2名) 北海道(1名) 栃木県(1名) 石川県(1名) 福井県(1名) 長野県(1名) 静岡県(1名) 沖縄県(1名) |
吉村は大阪府議会議員を中心に、全員を大阪維新の会所属の議員や首長で固めた。金村は神奈川や東京を中心に、松沢も神奈川を含む関東を中心に集めた。空本はあえて地元の広島を除き、19都道府県から確保した[23]。現執行部には金村を支援する動きがある[24]。
立候補を断念した人物
[編集]- 馬場伸幸 - 現職、衆議院議員。
- 藤田文武 - 党幹事長、衆議院議員。
- 11月7日、馬場に続き出馬を否定した[28]。
- 東徹 - 元党総務会長、衆議院議員。
- 柳ヶ瀬裕文 - 党総務会長、参議院議員。
- 党内に推す声があったが、立候補しなかった[31]。
- 中川貴大[32] - 東京都国立市議会議員。
- 立候補を模索したが[33]、11月17日、推薦人規定を満たせず立候補を断念した。
タイムライン
[編集]- 10月27日 - 第50回衆議院議員総選挙で、公示前から議席数を減らし敗北。
- 10月31日 - 党本部で常任役員会を開き、11月下旬から12月上旬をめどに代表選を実施する方針を決定。実施の可否は議員などの電子投票で判断[34]。
- 11月6日
- 11月7日 - 藤田文武が記者会見で立候補しない意向を表明[37]。
- 11月8日 - 党本部で立候補者説明会を開催。2陣営が参加[38]。
- 11月12日
- 11月14日 - 松沢成文が記者会見で立候補を表明[22]。
- 11月15日
- 11月17日
- 告示。4人が立候補を届け出[42]。
- 2024年兵庫県知事選挙で維新が支援した清水貴之が落選[43]。
- 11月19日
予定
[編集]- 11月30日 - 郵便投票を締め切り。
- 12月1日 - 投開票。
その他
[編集]関西テレビ放送(カンテレ)が11月7日、代表にふさわしいのは誰かを街頭でアンケートしたところ、1位は吉村洋文(57%)。以下、橋下徹(14%)、松井一郎(12%)、「誰でもいい」(7%)、教育無償化を実現する会から維新に合流した前原誠司(5%)と続いた。サンプル数は不明[45]。
脚注
[編集]- ^ “「何のための全国政党なのか」維新、本拠地から噴き出す執行部批判:朝日新聞デジタル”. 朝日新聞デジタル (2024年11月2日). 2024年11月7日閲覧。
- ^ “衆院選一夜明けて…維新大阪全勝 有権者の期待は…”. テレビ大阪. (2024年10月28日) 2024年11月4日閲覧。
- ^ “維新は兵庫で小選挙区全敗、勢いに陰り 大阪との違いはなぜ生まれた”. 朝日新聞 2024年11月4日閲覧。
- ^ “維新、大阪府内の19選挙区で全勝…関西以外では苦戦し公示前の44議席下回る”. 読売新聞オンライン. (2024年10月28日) 2024年11月4日閲覧。
- ^ “維新の吉村共同代表「野党の中で一人負け」 大阪では全勝も議席減:朝日新聞デジタル”. 朝日新聞デジタル (2024年10月28日). 2024年11月7日閲覧。
- ^ “維新、「受け皿」になれず失速 漏れる不満「馬場氏の発言でだめに」:朝日新聞デジタル”. 朝日新聞デジタル (2024年10月28日). 2024年11月7日閲覧。
- ^ “維新、関西以外での浸透及ばず 野党第1党の座遠ざかる 衆院選”. 毎日新聞. 2024年11月7日閲覧。
- ^ “日本維新の会・参議院幹部、馬場伸幸代表と藤田文武幹事長に辞任要求”. 日本経済新聞 (2024年10月30日). 2024年11月7日閲覧。
- ^ 日本放送協会 (2024年10月31日). “維新 馬場代表 “議席減はすべて自分の責任” 衆院選の結果で | NHK”. NHKニュース. 2024年11月7日閲覧。
- ^ 日本放送協会 (2024年11月7日). “維新 党代表選挙 11月17日告示 12月1日投開票で実施へ | NHK”. NHKニュース. 2024年11月7日閲覧。
- ^ “維新・馬場代表が代表選に不出馬表明 17日告示、12月1日投開票”. 朝日新聞. (2024年11月6日) 2024年11月7日閲覧。
- ^ “維新の会代表選、4氏の争い…党再建策や「是々非々」路線めぐり論戦へ”. 読売新聞オンライン. (2024年11月17日) 2024年11月20日閲覧。
- ^ “日本維新の会代表選挙”. 日本維新の会. (2024年11月17日) 2024年11月20日閲覧。
- ^ a b “維新代表選17日告示へ 12月1日に投開票”. 日本経済新聞. (2024年11月16日) 2024年11月16日閲覧。
- ^ “維新の会、代表選17日に告示 4人出馬へ、吉村氏が軸”. 東京新聞. (2024年11月15日) 2024年11月20日閲覧。
- ^ “維新 代表選 空本誠喜衆院議員が立候補の意向表明へ”. NHK. (2024年11月15日) 2024年11月20日閲覧。
- ^ “維新代表選17日告示 吉村氏ら4人が立候補表明 12月1日選出”. 毎日新聞. (2024年11月15日) 2024年11月20日閲覧。
- ^ “維新代表選に吉村洋文氏ら4人が立候補へ、党再建策や政府与党との距離感が争点…17日に告示”. 読売新聞オンライン. (2024年11月15日) 2024年11月20日閲覧。
- ^ “【詳報】吉村氏ら4人の争いに 党再建・与野党距離感が争点 維新代表選告示”. 時事通信. (2024年11月18日) 2024年11月20日閲覧。
- ^ a b “【速報】「強い危機感、党の存在意義が揺らいでいる」維新・吉村洋文氏が代表選への『出馬』正式に表明「次世代のため、永田町を変える政党に」”. 讀賣テレビ. (2024年11月12日) 2024年11月17日閲覧。
- ^ “空本氏、日本維新の会代表選に立候補表明「地方から声上げていく」 衆院広島4区選出”. 中国新聞. (2024年11月15日) 2024年11月17日閲覧。
- ^ a b “維新代表選、前神奈川知事の松沢氏が出馬正式表明 大阪中心から脱却目指す”. 神奈川新聞. (2024年11月14日) 2024年11月17日閲覧。
- ^ “維新代表選「推薦人50人」のハードル 地盤中心か、各地から集めるか 4候補で分かれる”. 産経新聞. (2024年11月17日) 2024年11月18日閲覧。
- ^ “維新代表選告示、焦点は「与党協調」…看板政策「身を切る改革」見直しの声も”. 読売新聞. (2024年11月18日) 2024年11月18日閲覧。
- ^ 政治部, 時事通信 (2024年11月7日). “馬場氏、衆院選敗北で退任へ 維新、来月1日に代表選:時事ドットコム”. 時事ドットコム. 2024年11月7日閲覧。
- ^ “維新の馬場伸幸代表、代表選に出馬せず…衆院選で議席減「再スタート切る事が肝要」”. 読売新聞オンライン (2024年11月7日). 2024年11月7日閲覧。
- ^ 明日佳, 石橋 (2024年11月6日). “日本維新の会が12月1日に代表選実施 馬場代表の出馬有無焦点、吉村氏推す声も”. 産経新聞:産経ニュース. 2024年11月7日閲覧。
- ^ “維新・藤田幹事長「責任感じる」 馬場氏の代表選不出馬受け”. 東京新聞. (2024年11月7日) 2024年11月7日閲覧。
- ^ “馬場氏、衆院選敗北で退任へ=維新、来月1日に代表選”. 時事通信 (2024年11月7日). 2024年11月8日閲覧。
- ^ “松沢成文参院議員、日本維新の会代表選に意欲「低迷している党に活を入れたい」”. 読売新聞 (2024年11月11日). 2024年11月11日閲覧。
- ^ “維新代表選挙 馬場代表・藤田幹事長ともに出馬せず”. テレビ朝日 (2024年11月7日). 2024年11月7日閲覧。
- ^ “維新 代表選に松沢成文氏が立候補の意向表明”. NHK. (2024年11月14日) 2024年11月17日閲覧。
- ^ “馬場氏、衆院選敗北で退任へ=維新、来月1日に代表選”. 時事通信 (2024年11月7日). 2024年11月8日閲覧。
- ^ “維新が代表選実施の方針決定 衆院選で6議席減 党内からも馬場代表らの責任問う声 吉村氏「野党で一人負け」”. 朝日放送(ABC). (2024年10月31日) 2024年11月1日閲覧。
- ^ “衆院選で議席減の「維新」新代表を選出の選挙を実施へ”. 毎日放送(MBS). (2024年11月6日) 2024年11月17日閲覧。
- ^ “日本維新の会が代表選実施へ 馬場代表は不出馬を表明”. カンテレ. (2024年11月7日)
- ^ “維新 党代表選挙 11月17日告示 12月1日投開票で実施へ”. NHK. (2024年11月7日) 2024年11月17日閲覧。
- ^ “維新代表選、説明会に2陣営=吉村氏は「熟慮し判断」”. 時事通信 (2024年11月8日). 2024年11月8日閲覧。
- ^ “維新代表選 吉村知事に加え若手・金村龍那衆院議員も出馬表明”. テレビ朝日. (2024年11月12日) 2024年11月17日閲覧。
- ^ “維新代表選に吉村洋文氏ら4人が立候補へ、党再建策や政府与党との距離感が争点…17日に告示”. 読売新聞オンライン. (2024年11月15日) 2024年11月17日閲覧。
- ^ “維新代表選、金村龍那氏が立候補を正式表明 全国政党へ「党改革取り組む」”. 神奈川新聞. (2024年11月15日) 2024年11月17日閲覧。
- ^ “維新の会の代表選挙が告示、4氏が立候補届け出…12月1日に選出”. 読売新聞オンライン. (2024年11月17日) 2024年11月17日閲覧。
- ^ 「兵庫のエース」清水貴之氏埋没 維新を離党、戦略裏目 兵庫知事選毎日新聞 2024年11月17日
- ^ 大阪維新の会代表に吉村洋文氏の続投決定 「大阪都構想」案の再度検討を表明朝日放送テレビ(ABC) 2024年11月19日
- ^ 維新「次の代表誰?」カンテレ調査で事実上2位に意外な名前 1位はド本命、橋下氏も「やっぱり」