ITAエアウェイズ
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法人番号 | 2700150105674 | |||
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設立 | 2020年11月11日 | |||
運航開始 | 2021年10月15日 | |||
AOC # | IT.AOC.0194[4] | |||
ハブ空港 | ローマ・フィウミチーノ空港 | |||
焦点空港 | ミラノ・リナーテ空港 | |||
航空連合 | スカイチーム[5] | |||
親会社 | イタリア政府 | |||
保有機材数 | 91 | |||
本拠地 | イタリア ローマ | |||
代表者 |
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外部リンク |
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ITAエアウェイズ(ITA Airways)は、2021年10月15日に運航を開始したイタリアの国営航空会社(フラッグ・キャリア)である。
概要
[編集]正式な社名は、Italia Trasporto Aereo S.p.A. (イタリア航空輸送株式会社)であり、ITAエアウェイズは商業的な名称である。経済財務省が所有するイタリアのフラッグキャリアであり、アリタリア-イタリア航空の資産の多くを引き継いでいる。
経歴
[編集]2020年10月10日、イタリア政府はアリタリア-イタリア航空の後継となる国営フラッグキャリアである、Italia Trasporto Aereo S.p.A.設立の航空法令に署名したと発表[6]。
2021年8月には、イタリア民間航空局より航空運送事業許可(AOC)を取得した[7]。これに伴い、8月26日から航空券の販売を開始した[8]。
9月にはエアバスを戦略的パートナーと選定し、新世代機28機の購入覚書を契約した。また同時に航空機リース会社のエア・リース・コーポレーション(ALC)と計31機のリース契約を締結した[9]。
10月14日にアリタリア-イタリア航空が運航終了し[10]、翌10月15日からミラノ・リナーテ空港発バーリ国際空港行きAZ1637便よりITAエアウェイズが運航開始した[11]。10月29日には、かつてアリタリアも加盟していた航空連合、スカイチームに加盟した[12]。
2022年1月、イタリアとスイスの海運会社であるMSCと、ルフトハンザグループがITAの過半数株式取得に向け、ITAに関心表明書(EOI)を提出した[13]。また3月にはデルタ航空とエールフランス - KLMもイタリア政府にEOIを提出した[14]。
5月に入札を締め切り、8月にはアメリカの投資会社であるセルタレスとデルタ、エールフランス - KLMを入札対象に選択、過半数株式取得に向けてイタリア政府と独占交渉に入った[15]。しかし10月には交渉が決裂、改めて買収先を探すこととなった[16]。
2022年5月にエアバスA350-900型を初受領[17]。11月5日よりは同型機を使用し東京/羽田~ローマ/フィウミチーノ便を週3便で開設。ITAとしては初めてのアジア路線となる[18]。
2023年5月25日にルフトハンザグループがITAの株式の内41%を取得すること、さらにオプションとして残りの全株式を取得する契約をイタリア経済財務省と合意した[19]。6月16日にはイタリア監査裁判所がルフトハンザによるITAの株式取得の契約を承認した[20]。
2024年7月3日、欧州委員会はルフトハンザによるITAの買収を条件付きで承認した[21]。条件にはミラノ・リナーテ空港の一部の発着枠を競合他社へ譲渡することなどがある。11月29日には上記の条件を満たしたことから、欧州委員会がITAの買収を完全承認した[22]。
2024年10月よりITAはアリタリアブランドを再使用することを決定した[23][24]。
会社のID
[編集]カラーリング
[編集]2021年12月、機体記号EI-DTE機が、胴体はブルーメタリック、翼は白、ITA AirwaysのロゴはホワイトゴールドでAの一部が赤、尾翼はイタリア国旗の3色、とした新しいカラーリングでデビューした。新しいカラーリングのこの機体は、青がサッカーイタリア代表チームの色であることから、イタリアの著名なサッカー選手の名をとってパオロ・ロッシと名付けられた[25] 。メタリックカラー塗装は、航空機の重量を増加させ、その結果、燃料消費量と環境への影響が大きくなる原因として指摘されている。従来の白色塗料からの推定重量増加は、ITAの技術者による約120キログラムから、外部の専門家による約300キログラムまでの幅がある[26] [27]。
また、特別な塗装が施されている機体もある。 機体記号EI-EIBのエアバスA320は、機体は白色で、胴体に大きく"Born in 2021"と、イタリアの国旗の色に合わせて単語ごとに緑、白、赤で書かれている[注釈 1]。 機体記号EI-IFDのエアバスA350-900は、機体は白色で、胴体前方部に会社のロゴマーク、中央部に”BORN TO BE SUSTAINABLE”、後部に”-25% FUEL&CO2” と書かれている。 機体記号EI-HHI、EI-HHJ、EI-HHK、EI-HHLの4機のエアバスA220-300にもEI-IFD機と同様のカラーリングが施されている。しかし、後部の “-25% FUEL&CO2” は書かれていない。 さらに、一部の航空機には、1922年に発足したモンツァ・サーキットの100周年を記念して、前部に"MONZA 100"ステッカーが貼られている。
ロゴマーク
[編集]2020年12月に、Italia Trasporto Aereoのロゴが初めて登場した。頭文字ITA の最初の2文字は緑色で、3文字目は尾翼を表す形の「A」を上下に三分割し、上部は緑、下部は赤、中央部は白と、イタリア国旗を想起させる配色とされた[28]。このロゴは、アリタリア航空の営業停止直後の2021年9月にチケット販売の販売を開始した同社のウェブサイトにも使われていた。
2021年10月15日に、ロゴマークが更新された。ITAの3文字は緑で、Aの横棒に当たる部分のみは赤、また、アリタリアの旧ロゴマークを連想させるように、AIRWAYS もまた緑色で描かれた[29]。
運用機材
[編集]ITAエアウェイズは以下の機種を保有している[30]。 なお、エアバスA319-100/A320-200/A330-200の一部機材はアリタリア-イタリア航空から引き継いでいる。
機材 | 運用数 | 発注数 | 座席数 | 備考 | |||
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C | W | Y | 合計 | ||||
エアバスA220-100 | 9 | 3[32] | - | - | 125 | 125 | |
エアバスA220-300 | 11 | 5[33] | - | - | 148 | 148 | 全機リース機材 |
149 | 149 | ||||||
エアバスA319-100 | 10 | - | - | - | 144 | 144 | A220/A320neoに置き換え予定 |
エアバスA320-200 | 20 | ‐ | ‐ | ‐ | 171 | 171 | |
180 | 180 | ||||||
エアバスA320neo | 19 | 5[34] | - | - | 180 | 180 | |
エアバスA321neo | 7 | 2[35] | 12 | 12 | 141 | 165 | |
エアバスA330-200 | 5 | ‐ | 20 | 17 | 219 | 256 | A330-900に置き換え予定 |
エアバスA330-900 | 11 | 7[34] | 30 | 24 | 237 | 291 | |
エアバスA350-900 | 6 | 2[34] | 33 | 24 | 262 | 319 | |
計 | 98 | 24 |
ギャラリー
[編集]-
エアバスA220-100
-
エアバスA220-300 (Born to be Sustainable塗装)
-
エアバスA319-100
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エアバスA320-200
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エアバスA320neo
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エアバスA330-200
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エアバスA330-900
-
エアバスA350-900
就航都市
[編集]ITAは再国営化によりイタリア国内一部発着枠譲渡が決まっており、移行に伴い45地点(イタリア国内の21を含む)61路線に縮小提供することになっている。しかし、2025年までに74地点89路線に拡大することを計画している[36]。
2022年2月22日、国土交通省より外国人国際航空運送事業の経営許可を取得[37]。11月5日 (伊現地時間 UTC+1)、ローマ/FCO-東京/羽田)間が就航した。
サービス
[編集]マイレージサービス
[編集]ITAエアウェイズのマイレージサービスは”Volare” (ヴォラーレ:飛行) と呼ばれている。レベルは6段階であり、それらは、スマート会員、プラス会員、プレミアム会員、エグゼクティブ会員、永久エグゼクティブ会員、無制限会員、である[39]。プラス会員レベル以上では、レベルごとに専用のサービスが提供される。スマート会員以外のレベルに提供されるサービスは段階的であり、ラウンジアクセス、優先荷物対応、追加控除額、専用アシスタントのサービス、などを含んでいる。
プラス会員レベルに必要なポイントは3万、プレミアム会員は6万、エグゼクティブ会員は9万である。エグゼクティブ会員より上の2レベル(永久エグゼクティブ会員、無制限会員)はまだ公式に導入されておらず、現時点ではこれらに必要な要件と特典は不明である。また、路線や運賃、搭乗クラスによって、より多くのポイントを獲得できるアクセラレータと呼ばれるサービスもある[40]。ポイントは、特典航空券の購入や、座席指定などの付帯サービスの購入に使用できる。ポイントは、利用額と会員レベルに基づいて計算される。
スマート会員レベルでは、1ユーロあたり10ポイントが付与され、エグゼクティブ会員レベルでは13ポイントが付与される[40]。ポイントプログラムの管理のために、ITA Airwaysのコマーシャルディレクターであるエミリアーナ・リモザーニが唯一の管理者であるVOLARE LOYALTYという特定の会社がつくられた。
2022年10月15日の時点で、70万人以上がこのプログラムに登録している[41] [42]。
ビジネスクラス
[編集]ITA エアウェイズの航空機では、A330-200 と A350-900 のみがビジネスクラス専用の座席を持っており、国内線または中距離用の機体には、独立したキャビンはなく、機体前列の座席がビジネスクラスとして使われる。
座席配列が 1-2-1 である長距離路線では、ビジネスクラスはマッサージ機能付きの180°リクライニングシートとパーソナライズされた AVOD (オーディオ・ビデオ・オン・デマンド) システム付きのインタラクティブスクリーンを備えた専用キャビンである。ITAエアウェイズは、ミシュランガイドの1つ星から3つ星の評価を得ている複数のレストランを持つエンリコ・バルトリーニを含む著名イタリア人シェフと提携し、ビジネスクラス専用のアラカルトメニューとイタリアワインのリストを用意している。
短中距離の機材では、座席はエコノミークラスと同じであるが、ビジネスクラスは隣の席との2席が確保される。飛行時間に応じて変わるメニューとワインリストが提供される。
イタリア国内線では、スーペリアクラスと呼ばれるビジネスクラスがあり、サービスの内容は短・中距離路線ビジネスクラスと同等である。
同社の8機の A330-200 で利用できるプレミアムエコノミーは、座席配列が 2-3-2 であり、1機あたり17席ある。120° リクライニングシート、パーソナルスクリーンを備えた専用キャビンであり、ナイトケアとボディケア用のパーソナルキットが提供される。 プレミアムエコノミーは、A350-900 にも間もなく導入される。
長距離路線のエコノミークラスは、A350-900 では 3-3-3 の座席配列、A330-200 では 2-4-2 の座席配列である。個別ディスプレイのついた120°リクライニングシートが準備されている。 短距離路線では、A319 と A320 は 3-3 の座席配列であり、A220 は 3-2 の座席配列である。 新しいエアバス A220 には、提携しているフランスの会社サフランの革張りシートが装備されている。ITAはまた、新しい中距離航空機の機内ギャレー、旅客サービス用トロリー、エンタテインメントシステム、機内インターネット接続、のサプライヤーとしてサフランを選定している[49]。
Wi-Fi接続は、現時点では、旧アリタリア航空のエアバス A330-200 でのみ利用できる。A350-900 と A220 を皮切りに、同社のすべての新しい航空機への整備が進行中である。
脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ "in" の部分は機体色の白と区別をつけるために若干灰色である。
出典
[編集]- ^ André, Orban. “ITA spends €90 million to buy Alitalia brand, but won’t use it” (英語). aviation24.be. 2022年4月25日閲覧。
- ^ Buyck, Cathy. “Alitalia Successor ITA Moves Closer to Mid-October Launch” (英語). Aviation International News. 2021年8月23日閲覧。
- ^ “The Aviation Codes Website - Airline Codes beginning with”. www.avcodes.co.uk. 2021年8月23日閲覧。
- ^ “Regulations.gov”. www.regulations.gov. 2021年9月2日閲覧。
- ^ “ITAエアウェイズ、スカイチームに加盟”. 2021年10月31日閲覧。
- ^ “Alitalia, nasce la Newco. Gualtieri: "Poste basi per il rilancio del trasporto aereo"”. RaiNews.it. (2020年10月10日) 2024年12月3日閲覧。
- ^ “Italy's ITA secures its OL, AOC”. ch-aviation. (2021年8月18日) 2024年12月3日閲覧。
- ^ “ITA: Tickets go on sale for Italy's new national airline”. WANTED in ROME. (2021年8月25日) 2024年12月3日閲覧。
- ^ “アリタリアを引き継ぐITA、エアバスやリース会社と新世代の機材を契約”. FlyTeam. (2021年10月1日) 2024年12月3日閲覧。
- ^ “Alitalia's last flight: Italy says goodbye to airline after 74 years”. WANTED in ROME. (2021年10月14日) 2024年12月3日閲覧。
- ^ “アリタリアが運航終了・ITAエアウェイズが運航開始、3月までに羽田就航予定”. FlyTeam. (2021年10月16日) 2024年12月3日閲覧。
- ^ “SkyTeam welcomes ITA Airways on board”. SkyTeam. (2021年10月29日) 2024年12月3日閲覧。
- ^ “Lufthansa partners MSC to pitch for ITA Airways”. ch-aviation. (2022年1月25日) 2024年12月3日閲覧。
- ^ “Delta, Air France-KLM express interest for majority stake in ITA”. Aerotime. (2022年3月10日) 2024年12月3日閲覧。
- ^ “Italy Selects Certares Bid for ITA Airways Negotiations”. Airways. (2022年8月22日) 2024年12月3日閲覧。
- ^ “Non si sa ancora chi comprerà ITA Airways”. inPOST. (2022年11月2日) 2024年12月3日閲覧。
- ^ “ITA Airways becomes first Italian A350 operator”. Airbus. (2022年5月22日) 2024年12月3日閲覧。
- ^ “ITAエアウェイズ、羽田〜ローマ線開設 アリタリア航空の後継会社、初のアジア路線”. TRAICY. (2022年11月6日) 2024年12月3日閲覧。
- ^ “ルフトハンザグループ、ITAエアウェイズの株式取得に合意 保有比率41%、3億2,500万ユーロで”. TRAICY. (2023年5月26日) 2024年12月3日閲覧。
- ^ “Ita: via libera Corte dei Conti ad accordo con Lufthansa”. MEF. (2023年6月16日) 2024年12月3日閲覧。
- ^ “ルフトハンザのITA買収、欧州委が条件付き承認 発着枠の一部譲渡など”. Aviation Wire. (2024年7月4日) 2024年12月3日閲覧。
- ^ “Ita Airways-Lufthansa, via libera finale dell'Ue all'accordo”. Mediaset TGCOM24. (2024年11月29日) 2024年12月3日閲覧。
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- ^ “ITA Airways posts positive results, unveils a revitalization of Alitalia brand”. Aerotime. (2024年10月1日) 2024年12月3日閲覧。
- ^ “Ita Airways, un aereo con livrea azzurra dedicato a Paolo Rossi”. January 27, 2023閲覧。
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- ^ “Ita e la scelta dell’azzurro metallizzato: “La vernice è più pesante, così gli aerei consumano più carburante””. January 27, 2023閲覧。
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- ^ “Ita/2, Volare cresce ancora: oltre 700 mila iscritti e nuove partnership”. January 27, 2023閲覧。
- ^ “Esclusiva TFC. ITA Airways, tutti gli sviluppi del programma fedeltà Volare: alleanze, biglietti premio e privilegi Skyteam”. January 27,2023閲覧。
- ^ “搭乗クラス”. January 31, 2023閲覧。
- ^ “長距離路線ビジネスクラス”. January 31, 2023閲覧。
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- ^ “プレミアムエコノミー”. January 31, 2023閲覧。
- ^ “エコノミー”. January 31, 2023閲覧。
- ^ “I sedili Safran sugli aerei ITA Airways”. January 31, 2023閲覧。
- ^ “簡単に接続できます!”. January 31, 2023閲覧。
外部リンク
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