コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

オスミウム

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
Osmiumから転送)
レニウム オスミウム イリジウム
Ru

Os

Hs
Element 1: 水素 (H),
Element 2: ヘリウム (He),
Element 3: リチウム (Li),
Element 4: ベリリウム (Be),
Element 5: ホウ素 (B),
Element 6: 炭素 (C),
Element 7: 窒素 (N),
Element 8: 酸素 (O),
Element 9: フッ素 (F),
Element 10: ネオン (Ne),
Element 11: ナトリウム (Na),
Element 12: マグネシウム (Mg),
Element 13: アルミニウム (Al),
Element 14: ケイ素 (Si),
Element 15: リン (P),
Element 16: 硫黄 (S),
Element 17: 塩素 (Cl),
Element 18: アルゴン (Ar),
Element 19: カリウム (K),
Element 20: カルシウム (Ca),
Element 21: スカンジウム (Sc),
Element 22: チタン (Ti),
Element 23: バナジウム (V),
Element 24: クロム (Cr),
Element 25: マンガン (Mn),
Element 26: 鉄 (Fe),
Element 27: コバルト (Co),
Element 28: ニッケル (Ni),
Element 29: 銅 (Cu),
Element 30: 亜鉛 (Zn),
Element 31: ガリウム (Ga),
Element 32: ゲルマニウム (Ge),
Element 33: ヒ素 (As),
Element 34: セレン (Se),
Element 35: 臭素 (Br),
Element 36: クリプトン (Kr),
Element 37: ルビジウム (Rb),
Element 38: ストロンチウム (Sr),
Element 39: イットリウム (Y),
Element 40: ジルコニウム (Zr),
Element 41: ニオブ (Nb),
Element 42: モリブデン (Mo),
Element 43: テクネチウム (Tc),
Element 44: ルテニウム (Ru),
Element 45: ロジウム (Rh),
Element 46: パラジウム (Pd),
Element 47: 銀 (Ag),
Element 48: カドミウム (Cd),
Element 49: インジウム (In),
Element 50: スズ (Sn),
Element 51: アンチモン (Sb),
Element 52: テルル (Te),
Element 53: ヨウ素 (I),
Element 54: キセノン (Xe),
Element 55: セシウム (Cs),
Element 56: バリウム (Ba),
Element 57: ランタン (La),
Element 58: セリウム (Ce),
Element 59: プラセオジム (Pr),
Element 60: ネオジム (Nd),
Element 61: プロメチウム (Pm),
Element 62: サマリウム (Sm),
Element 63: ユウロピウム (Eu),
Element 64: ガドリニウム (Gd),
Element 65: テルビウム (Tb),
Element 66: ジスプロシウム (Dy),
Element 67: ホルミウム (Ho),
Element 68: エルビウム (Er),
Element 69: ツリウム (Tm),
Element 70: イッテルビウム (Yb),
Element 71: ルテチウム (Lu),
Element 72: ハフニウム (Hf),
Element 73: タンタル (Ta),
Element 74: タングステン (W),
Element 75: レニウム (Re),
Element 76: オスミウム (Os),
Element 77: イリジウム (Ir),
Element 78: 白金 (Pt),
Element 79: 金 (Au),
Element 80: 水銀 (Hg),
Element 81: タリウム (Tl),
Element 82: 鉛 (Pb),
Element 83: ビスマス (Bi),
Element 84: ポロニウム (Po),
Element 85: アスタチン (At),
Element 86: ラドン (Rn),
Element 87: フランシウム (Fr),
Element 88: ラジウム (Ra),
Element 89: アクチニウム (Ac),
Element 90: トリウム (Th),
Element 91: プロトアクチニウム (Pa),
Element 92: ウラン (U),
Element 93: ネプツニウム (Np),
Element 94: プルトニウム (Pu),
Element 95: アメリシウム (Am),
Element 96: キュリウム (Cm),
Element 97: バークリウム (Bk),
Element 98: カリホルニウム (Cf),
Element 99: アインスタイニウム (Es),
Element 100: フェルミウム (Fm),
Element 101: メンデレビウム (Md),
Element 102: ノーベリウム (No),
Element 103: ローレンシウム (Lr),
Element 104: ラザホージウム (Rf),
Element 105: ドブニウム (Db),
Element 106: シーボーギウム (Sg),
Element 107: ボーリウム (Bh),
Element 108: ハッシウム (Hs),
Element 109: マイトネリウム (Mt),
Element 110: ダームスタチウム (Ds),
Element 111: レントゲニウム (Rg),
Element 112: コペルニシウム (Cn),
Element 113: ニホニウム (Nh),
Element 114: フレロビウム (Fl),
Element 115: モスコビウム (Mc),
Element 116: リバモリウム (Lv),
Element 117: テネシン (Ts),
Element 118: オガネソン (Og),
Osmium has a hexagonal crystal structure
76Os
外見
青みがかった銀白色
一般特性
名称, 記号, 番号 オスミウム, Os, 76
分類 遷移金属
, 周期, ブロック 8, 6, d
原子量 190.23
電子配置 [Xe] 4f14 5d6 6s2
電子殻 2, 8, 18, 32, 14, 2(画像
物理特性
固体
密度室温付近) 22.587 g/cm3
融点での液体密度 20 g/cm3
融点 3306 K, 3033 °C, 5491 °F
沸点 5285 K, 5012 °C, 9054 °F
融解熱 57.85 kJ/mol
蒸発熱 738 kJ/mol
熱容量 (25 °C) 24.7 J/(mol·K)
蒸気圧
圧力 (Pa) 1 10 100 1 k 10 k 100 k
温度 (K) 3160 3423 3751 4148 4638 5256
原子特性
酸化数 8, 7, 6, 5, 4, 3, 2, 1, 0, -1, -2(弱酸性酸化物
電気陰性度 2.2(ポーリングの値)
イオン化エネルギー 第1: 840 kJ/mol
第2: 1600 kJ/mol
原子半径 135 pm
共有結合半径 144±4 pm
その他
結晶構造 六方晶系
磁性 常磁性[1]
電気抵抗率 (0 °C) 81.2 nΩ⋅m
熱伝導率 (300 K) 87.6 W/(m⋅K)
熱膨張率 (25 °C) 5.1 μm/(m⋅K)
音の伝わる速さ
(微細ロッド)
(20 °C) 4940 m/s
剛性率 222 GPa
体積弾性率 462 GPa
ポアソン比 0.25
モース硬度 7.0
ブリネル硬度 3920 MPa
CAS登録番号 7440-04-2
主な同位体
詳細はオスミウムの同位体を参照
同位体 NA 半減期 DM DE (MeV) DP
184Os 0.02% 1.1×1013 y α 2.963 180W
185Os syn 93.6 d ε 1.013 185Re
186Os 1.59% 2.0×1015 y α 2.822 182W
187Os 1.96% 中性子111個で安定
188Os 13.24% 中性子112個で安定
189Os 16.15% 中性子113個で安定
190Os 26.26% 中性子114個で安定
191Os syn 15.4 d β- 0.314 191Ir
192Os 40.78% > 9.8×1012 y
(未確認)
β-β- 0.414 192Pt
193Os syn 30.11 d β- 1.141 193Ir
194Os syn 6 y β- 0.097 194Ir

オスミウム: osmium [ˈɒzmiəm])は原子番号76の元素元素記号Os。硬く、もろく、非常に希少な青白い白金族遷移元素であり、合金、主に白金鉱石に微量な元素として見られる。最も密度の高い天然元素であり、実験的に測定された(X線結晶学を用いて)密度は22.587 g/cm3である。メーカーは白金、イリジウムおよびその他の白金族金属との合金を使用して万年筆のペン先の先端、電気接触、および極めて大きい耐久性と硬度を必要とする用途に使用されている[2]。オスミウムは非常に希少な金属で、地球の地殻における元素の豊富さはレニウムと同様に最も少なく、50×10−12しか含まれていない。[3][4]

名称

[編集]

ギリシヤ語「臭い」を意味するοσμή(osmi)に由来する。これは四酸化オスミウムが独特な匂いを発するため。

特徴

[編集]

物理的特性

[編集]
オスミウム(再溶解ペレット)

オスミウムは青灰色の色合いで最も密度の高い安定元素である。密度はの約2倍で[2]イリジウムよりわずかに高い[5]X線回折データから密度を計算するとこれらの元素の最も信頼性の高いデータが得られ、オスミウムの値は22.587±0.009 g/cm3でありイリジウムの値である22.562±0.009 g/cm3よりわずかに高い。どちらの金属も水の23倍近い密度であり、1+16倍の密度である[6]

とても硬いがもろい金属であり、高温でも光沢を保つ。圧縮率は非常に低く、同様に体積弾性率は非常に高く395462 GPaの間で報告されており、ダイヤモンド(443 GPa)に匹敵する。硬度は適度に高く4 GPaである[7][8][9]。その硬さ、もろさ、低い蒸気圧(白金族金属の中で最も低い)、非常に高い融点(すべての元素でタングステン、レニウムに次いで3番目に高い)により、固体オスミウムは機械加工、形成、研究が難しい。

化学的性質

[編集]
オスミウムの酸化状態
−2 Na2[Os(CO)4]
−1 Na2[Os4(CO)13]
0 Os3(CO)12
+1 OsI
+2 OsI2
+3 OsBr3
+4 OsO2, OsCl4
+5 OsF5
+6 OsF6
+7 OsOF5
+8 OsO4, Os(NCH3)4

オスミウムは酸化状態が−2から+8の化合物を形成する。最も一般的な酸化状態は+2, +3, +4, +8である。酸化状態+8はイリジウムの+9[10]を除き化学元素により達成される最大の酸化状態であり、他にはキセノン[11][12]ルテニウム[13]ハッシウム[14]イリジウムでのみ見られる[15]。2つの反応性化合物Na2[Os4(CO)13]Na2[Os(CO)4]で表される酸化状態−1, −2はオスミウムクラスター化合物の合成に使用される[16][17]

+8の酸化状態を示す最も一般的な化合物は四酸化オスミウムである。この有毒な化合物は粉末状のオスミウムが空気中にさらされると形成される。非常に揮発性が高く、水溶性で、淡黄色の結晶性固体で強いにおいがする。オスミウム粉末は四酸化オスミウムの特徴的なにおいを持つ[18]。四酸化オスミウムは塩基との反応により赤いオスミウム酸塩OsO4(OH)2−
2
を形成する。アンモニアと反応し、ニトリドオスミウム酸塩OsO3Nを形成する[19][20][21]。四酸化オスミウムは130 °Cで沸騰し、強力な酸化剤であるが、これとは対照的に二酸化オスミウム(OsO2)は黒色で不揮発性で反応性と毒性ははるかに低い。

主要な用途があるオスミウム化合物は2つだけである。四酸化オスミウムは電子顕微鏡で組織を染色や、有機合成においてアルケンを酸化するために使われ、不揮発性のオスミウム酸塩は有機酸化反応に使われる[22]

五フッ化オスミウム(OsF5)は知られているが、三フッ化オスミウム(OsF3)は未だ合成されていない。低い酸化状態は大きいハロゲンにより安定化されるため、三塩化物、三臭化物、三ヨウ化物、さらには二ヨウ化物も知られている。酸化状態+1はヨウ化オスミウム(OsI)でのみ知られているが、一方でトリオスミウムドデカカルボニル(Os3(CO)12)などのオスミウムのいくつかのカルボニル錯体は酸化状態0を示す[19][20][23][24]

一般的に、オスミウムの低い酸化状態は良いσドナー(アミンなど)およびπアクセプタ(窒素を含む複素環)である配位子により安定化される。より高い酸化状態はO2−およびN3−のような強力なσドナーおよびπドナーにより安定化される[25]

オスミウムは多数の酸化状態にある幅広い化合物を形成するが、常温常圧でバルク状態では王水含むすべての酸による攻撃に抵抗する。しかし、溶融アルカリによって攻撃される[26]

同位体

[編集]

オスミウムには7つの天然同位体があり、5つは安定している(187Os, 188Os, 189Os, 190Os, 192Os)(192Osが最も豊富)。186Osは長い半減期(2.0±1.1)×1015年(宇宙の年齢の約140000倍)を経てアルファ崩壊し、実用的な目的では安定しているとみなすことができる。また184Osは、隕石中におけるオスミウムとタングステンとの存在比の研究により、半減期1.12×1013 でアルファ崩壊することが示唆されている。[27]

アルファ崩壊は7つの天然同位体すべてで予測されているが、おそらく半減期が非常に長く186Osについてのみ観測されている。184Os192Os二重ベータ崩壊をすると予測されているが、この放射能はまだ観測されていない[28]

187Os187Re(半減期4.56×1010 )の子孫であり、地球および隕石の年代測定に広く使用されている(レニウム-オスミウム年代測定英語版参照)。また、地質時代の大陸風化の強度を測定し、大陸のクラトンマントルの根っこの安定化に対する最小年齢を修正するためにも使用されている。この崩壊がレニウムに富む鉱物に異常に多く187Osがあり理由である[29]。しかし、地質学におけるオスミウム同位体の最も注目すべき用途は豊富なイリジウムとの関連であり、6500万年前の非鳥類恐竜の絶滅を示すK-Pg境界に沿った衝撃を受けた石英の層を特徴づけている[30]

歴史

[編集]

オスミウムは、1803年にイングランドロンドンスミソン・テナントウイリアム・ウォラストンにより発見された[31]。オスミウムの発見は白金および他の白金族元素の金属の発見と絡み合っている。白金は17世紀後半にコロンビアチョコ県周辺の銀鉱山で最初に見つかり、「プラチナ」(小さい銀の意)としてヨーロッパに渡った[32]。この金属が合金ではなく明らかに新しい元素であるという発見は1748年に発表された[33]。白金を研究した化学者は白金を王水塩酸硝酸の混合物)に溶解して可溶性の塩を作った。彼らは常に少量で暗い色の不溶性の残留物を観察していた[34]ジョゼフ・プルーストはこの残留物はグラファイトであると考えた[34]Victor Collet-DescotilsAntoine François, comte de Fourcroyルイ=ニコラ・ヴォークランは1803年に黒い白金の残留物にイリジウムを観察したが、その後の実験では十分な材料を得ることはできなかった[34]。後に2人のフランス人化学Antoine-François Fourcroyとヴォークランは白金の残留物中の金属を特定し「プテン」(ptène)と呼んだ[35]

1803年、スミソン・テナントはこの不溶性の残留物を分析し、間違いなく新しい金属を含んでいると結論付けた。ヴォークランは粉末をアルカリと酸で交互に処理し[36]、揮発性の新たな酸化物を得た。ヴォークランはこれを新しい金属と考え、ギリシア語で翼を意味するπτηνος(ptènos)から「プテン」(ptene)と名づけた[37][38]。しかし、テナントは残留物をはるかに多く持ち優位に立っており、研究を続け黒色の残留物に含まれていたこれまで発見されていない2つの元素、イリジウムとオスミウムを特定した[34][36]。彼は赤熱での水酸化ナトリウムとの反応により黄色の溶液(おそらくcis–[Os(OH)2O4]2−)を得た。酸性化ののち、形成されたOsO4を蒸留することに成功した[37]。彼はこれをギリシア語のosme(臭いの意)からオスミウムと名付けた。これは揮発性の四酸化オスミウムからかすかに煙のようなにおいがしたためである[39]。この新たな元素の発見は1804年6月21日の王立協会へのレターで文書化された[34][40]

ウランとオスミウムはハーバー法で早期に成功した触媒であった。つまり、窒素水素窒素固定反応によりアンモニアが生成され、ハーバー法が経済的に成功するのに十分な収率が得られた。当時、カール・ボッシュ率いるBASFのグループは触媒として使用するために世界のほとんどのオスミウムを購入していたその後まもなく1908年に鉄と酸化鉄に基づく安価な触媒が同じグループにより最初のパイロットプラントに導入され、高価で希少なオスミウムの必要性はなくなった[41]

オスミウムは主に白金ニッケル鉱石を処理して得られる[42]

発生

[編集]
他の白金族金属の痕跡を含む天然の白金

オスミウムは偶数元素の1つであり、宇宙で一般的に見られる元素の上半分に位置する。しかし、地球の地殻の中で最も少ない安定元素であり、大陸地殻では50×10−12の平均質量分率である[43]

オスミウムは自然界では非結合の元素として、または自然界にある合金(特にイリジウム-オスミウム合金でオスミウムが多く含まれるオスミリジウムとイリジウムが多く含まれるイリドスミウム)の中で見つけられる[36]ニッケルの堆積物では白金族金属は硫化物(つまり(Pt,Pd)S)、テルリド(例えばPtBiTe)、アンチモン化物(例えばPdSb)、ヒ化物(例えばPtAs2)として発生する。これら全ての化合物で白金は少量とイリジウムとオスミウムで交換される。白金族金属の全ての元素と同様にオスミウムは自然界でニッケルまたはとの合金に含まれている[44]

地球の地殻内ではイリジウムと同様、3種の地質構造(火成鉱床(下からの地殻貫入)、衝突クレーター、および以前の構造の1つから作り直された鉱床)の最も高い部分に見られる。知られている中で最大の主要な埋蔵量は南アフリカブッシュフェルト火成岩体英語版にあるが[45]ロシアノリリスク近くの大きな銅ニッケル鉱床とカナダサドベリー隕石孔も重要な供給源である。アメリカでも少し埋蔵しているところはある[45]コロンビアチョコ県先コロンブスの人々が使用した沖積鉱床は現在でも白金族金属の供給源となっている。2番目に大きい沖積鉱床はロシアのウラル山脈で発見され、現在でも採掘されている[42][46]

日本では北海道に多く産する。

生産

[編集]
化学蒸気輸送法により成長させたオスミウム結晶

オスミウムはニッケルの採掘と加工の副産物として商業的に入手される。銅とニッケルの電解精錬中にセレンテルルなどの非金属元素とともに銀、金、白金族金属などの貴金属が陽極泥として電池の底に沈殿し、これから抽出する[47][48]。金属を分離するには初めに金属を溶解させる必要がある。分離過程と混合物の組成によりいくつかの方法でこれを達成できる。2つの代表的な方法は過酸化ナトリウムへ溶解してから続いて王水へ溶解する方法と塩素との混合物に溶解し塩酸で処理する方法である[45][49]。オスミウム、ルテニウム、ロジウム、イリジウムは王水に溶けないため、白金、金、非金属から分離でき固体の残留物が残る。ロジウムは溶融硫酸水素ナトリウムで処理することで残留物から分離することができる、Ru, Os, Irを含む不溶性の残留物は酸化ナトリウムで処理され、ここでIrは不溶であり、水溶性のRu塩およびOs塩を生成する。揮発性酸化物へ酸化した後RuO4は塩化アンモニウムにより(NH4)3RuCl6となり沈殿し、OsO4から分離される。

これを溶かしたのち、オスミウムは揮発性の四酸化オスミウムの有機溶媒による蒸留または抽出により他の白金族金属から分離される[50]。1番目の方法はテナントとウォラストンが使用した手順に似ている。どちらの方法も工業規模の生産に適している。どちらの場合も生成物は水素により還元され、粉末冶金技術を使用して処理できる粉末またはスポンジとして金属が生産される[51]

生産者も米国地質調査所(United States Geological Survey)もオスミウムの生産量を発表していない。1971年における銅精錬の副産物としての米国でのオスミウムの生産量は2000 トロイオンス(62 kg)と推定された[52]。2017年における消費用の推定オスミウム輸入量は90 kgであった[53]

用途

[編集]

酸化物が揮発性であり極めて高い毒性があるために、オスミウムは純粋な状態で使用されることはめったになく代わりに摩耗の激しい用途に対して他の金属と合金化して使用される。オスミリジウムなどのオスミウム合金は非常に硬く、他の白金族金属とともに万年筆、楽器のピボット、電気接触などの先端に使用されている。また、1945年から1955年ごろの78rpmの後半および"LP"と"45"のレコード時代の初期において、蓄音機スタイラスの先端にも使用された。オスミウム合金の先端は鋼やクロムの針先よりもはるかに耐久性があったが、競合相手であるサファイアダイヤモンドの先端よりもはるかに速く摩耗し高価であったため、廃止された[54]

四酸化オスミウム指紋の検出[55]や光学顕微鏡や電子顕微鏡脂肪組織の染色に使用されている。強力な酸化剤として主に不飽和の炭素-炭素結合と反応することで脂質を架橋し、それにより組織試料内の生体膜を固定し同時に染色する。オスミウム原子は非常に電子密度が高いため、オスミウム染色は生体物質の透過型電子顕微鏡(TEM)において画像コントラストを大幅に向上させる。これらの炭素材料はTEMのコントラストが非常に弱い(画像参照)[22]。別のオスミウム化合物であるフェリシアン化オスミウム(OsFeCN)も同様の固定および染色作用を示す[56]

四酸化オスミウムとその誘導体であるオスミウム酸カリウム英語版有機合成における重要な酸化剤である。二重結合ビシナルジオールへの変換にオスミウム酸塩を用いるシャープレス不斉ジヒドロキシ化により、バリー・シャープレスは2001年にノーベル化学賞を受賞している[57][58]。OsO4はこの用途では非常に高価であるため代わりにKMnO4がよく使われる。ただこの安価な化学試薬では収率が低くなる。

1898年、オーストリアの化学者カール・ヴェルスバッハはオスミウム製のフィラメントを備えたオスランプを開発し、1902年に商業的に導入した。そのわずか数年後にオスミウムはより安定した金属であるタングステンに置き換えられた。タングステンはすべての金属の中で最も融点が高く、電球で使用することで白熱灯の発光効率と寿命が向上する[37]

電球メーカーのオスラム(3つのドイツの会社Auer-Gesellschaft、AEG、Siemens & Halskeのランプ製造施設を統合し1906年に設立された)は、その名をオスミウムとウォルフラム(ドイツ語でタングステンを意味する)に由来する[59]

パラジウムと同様に粉末状のオスミウムは水素原子を効率的に吸収する。これによりオスミウムは金属水素化物バッテリーの電極の潜在的な候補となっている。しかし、オスミウムは高価であり最も一般的なバッテリーの電解質である水酸化カリウムと反応してしまう[60]

オスミウムは電磁スペクトル紫外領域で高い反射率を持つ。例えば600Åではオスミウムは金の2倍の反射率を持つ[61]。この高い反射率は空間的な制限によりミラーのサイズが縮小された宇宙ベースのUV分光計にとって望ましいことである。オスミウムでコーティングされたミラーはスペースシャトルに搭載されいくつかのミッションで宇宙へ行ったが、低軌道の酸素ラジカルがオスミウム層を著しく劣化させるほど豊富にあることがすぐに明らかとなった[62]

オスミウムの唯一知られた臨床的使用はスカンジナビアの関節炎患者の滑膜切除である[63]。これには毒性の高い化合物である四酸化オスミウム(OsO4)の局所投与を伴う。長期的な副作用の報告がないことはオスミウム自体に生体適合性がある可能性を示唆するが、これは投与されるオスミウム化合物に依存する。2011年、オスミウム(VI)[64]とオスミウム(II)[65]の化合物はin vivoで抗がん活性を示すことが報告されており、オスミウム化合物を抗がん剤として使用するための有望な将来性を示している[66]

注意点

[編集]

金属オスミウムは無害であるが[69]、細かく分割された金属オスミウムは自然発火[52]、室温で酸素と反応して揮発性の四酸化オスミウムを形成する。一部のオスミウム化合物は酸素が存在すると四酸化物に変換される[52]。これにより四酸化オスミウムが環境との主要な接触源になる。

四酸化オスミウムは揮発性が高く、皮膚に浸透しやすく、吸入、摂取、皮膚接触すると非常に毒性が高い[70]。空気中の低濃度の四酸化オスミウム蒸気はの鬱血と皮膚または目の損傷を引き起こす可能性があるため、ドラフトチャンバー内で使用する必要がある[18]。四酸化オスミウムは例えばアスコルビン酸[71]または多価不飽和植物油コーン油など)により比較的不活性な化合物に急速に還元される[72]

価格

[編集]

オスミウムは通常、最低99.9%の純粋な粉末として販売される。他の貴金属と同様にトロイ衡グラムで測定される。市場価格は主に需要と供給がほとんど変化しなかったため数十年の間変化していない。利用できる量が少ないことに加え、取り扱いが難しく用途が少なく酸化すると毒性の化合物を生成するため、安全に保管することが難しい。

1トロイオンスあたり400ドルという価格は1990年代以来安定しているが、それ以降のインフレにより2019年までの20年間で実質価値は約3分の2になった。

ギャラリー

[編集]

出典

[編集]
  1. ^ Magnetic susceptibility of the elements and inorganic compounds, in Handbook of Chemistry and Physics 81st edition, CRC press.
  2. ^ a b Haynes 2011, p. 4.25.
  3. ^ Fleischer, Michael (1953年). “Recent estimates of the abundances of the elements in the Earth's crust”. U.S. Geological Survey. 2020年6月閲覧。
  4. ^ Reading: Abundance of Elements in Earth's Crust | Geology”. courses.lumenlearning.com. 2018年5月10日閲覧。
  5. ^ Arblaster, J. W. (1989). “Densities of osmium and iridium: recalculations based upon a review of the latest crystallographic data”. Platinum Metals Review 33 (1): 14–16. http://www.platinummetalsreview.com/pdf/pmr-v33-i1-014-016.pdf. 
  6. ^ Arblaster, J. W. (1995). “Osmium, the Densest Metal Known”. Platinum Metals Review 39 (4): 164. オリジナルのSeptember 27, 2011時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20110927045236/http://www.platinummetalsreview.com/dynamic/article/view/pmr-v39-i4-164-164 October 9, 2009閲覧。. 
  7. ^ Weinberger, Michelle; Tolbert, Sarah; Kavner, Abby (2008). “Osmium Metal Studied under High Pressure and Nonhydrostatic Stress”. Phys. Rev. Lett. 100 (4): 045506. Bibcode2008PhRvL.100d5506W. doi:10.1103/PhysRevLett.100.045506. PMID 18352299. https://semanticscholar.org/paper/26284f357ffc6a0d689ee720f0ee0079f5de0922. 
  8. ^ Cynn, Hyunchae; Klepeis, J. E.; Yeo, C. S.; Young, D. A. (2002). “Osmium has the Lowest Experimentally Determined Compressibility”. Physical Review Letters 88 (13): 135701. Bibcode2002PhRvL..88m5701C. doi:10.1103/PhysRevLett.88.135701. PMID 11955108. https://zenodo.org/record/1233939. 
  9. ^ Sahu, B. R.; Kleinman, L. (2005). “Osmium Is Not Harder Than Diamond”. Physical Review B 72 (11): 113106. Bibcode2005PhRvB..72k3106S. doi:10.1103/PhysRevB.72.113106. 
  10. ^ Stoye, Emma (23 October 2014). “Iridium forms compound in +9 oxidation state”. Royal Society of Chemistry. 2020年6月閲覧。
  11. ^ Selig, H.; Claassen, H. H.; Chernick, C. L.; Malm, J. G. et al. (1964). “Xenon tetroxide – Preparation + Some Properties”. Science 143 (3612): 1322–3. Bibcode1964Sci...143.1322S. doi:10.1126/science.143.3612.1322. JSTOR 1713238. PMID 17799234. 
  12. ^ Huston, J. L.; Studier, M. H.; Sloth, E. N. (1964). “Xenon tetroxide – Mass Spectrum”. Science 143 (3611): 1162–3. Bibcode1964Sci...143.1161H. doi:10.1126/science.143.3611.1161-a. JSTOR 1712675. PMID 17833897. 
  13. ^ Barnard, C. F. J. (2004). “Oxidation States of Ruthenium and Osmium”. Platinum Metals Review 48 (4): 157. doi:10.1595/147106704X10801. 
  14. ^ Chemistry of Hassium”. Gesellschaft für Schwerionenforschung mbH (2002年). 2012年1月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2007年1月31日閲覧。
  15. ^ Gong, Yu; Zhou, Mingfei; Kaupp, Martin; Riedel, Sebastian (2009). “Formation and Characterization of the Iridium Tetroxide Molecule with Iridium in the Oxidation State +VIII”. Angewandte Chemie International Edition 48 (42): 7879–83. doi:10.1002/anie.200902733. PMID 19593837. 
  16. ^ Krause, J.; Siriwardane, Upali; Salupo, Terese A.; Wermer, Joseph R. et al. (1993). “Preparation of [Os3(CO)11]2− and its reactions with Os3(CO)12; structures of [Et4N] [HOs3(CO)11] and H2OsS4(CO)”. Journal of Organometallic Chemistry 454 (1–2): 263–271. doi:10.1016/0022-328X(93)83250-Y. 
  17. ^ Carter, Willie J.; Kelland, John W.; Okrasinski, Stanley J.; Warner, Keith E. et al. (1982). “Mononuclear hydrido alkyl carbonyl complexes of osmium and their polynuclear derivatives”. Inorganic Chemistry 21 (11): 3955–3960. doi:10.1021/ic00141a019. 
  18. ^ a b Mager Stellman, J. (1998). “Osmium”. Encyclopaedia of Occupational Health and Safety. International Labour Organization. pp. 63.34. ISBN 978-92-2-109816-4. OCLC 35279504. https://books.google.com/books?id=nDhpLa1rl44C 
  19. ^ a b Holleman, A. F.; Wiberg, E.; Wiberg, N. (2001). Inorganic Chemistry (1st ed.). Academic Press. ISBN 978-0-12-352651-9. OCLC 47901436 
  20. ^ a b Griffith, W. P. (1965). “Osmium and its compounds”. Quarterly Reviews, Chemical Society 19 (3): 254–273. doi:10.1039/QR9651900254. 
  21. ^ Subcommittee on Platinum-Group Metals, Committee on Medical and Biologic Effects of Environmental Pollutants, Division of Medical Sciences, Assembly of Life Sciences, National Research Council (1977). Platinum-group metals. National Academy of Sciences. p. 55. ISBN 978-0-309-02640-6. https://books.google.com/books?id=yEcrAAAAYAAJ 
  22. ^ a b Bozzola, John J.; Russell, Lonnie D. (1999). “Specimen Preparation for Transmission Electron Microscopy”. Electron microscopy : principles and techniques for biologists. Sudbury, Mass.: Jones and Bartlett. pp. 21–31. ISBN 978-0-7637-0192-5. https://books.google.com/books?id=zMkBAPACbEkC&pg=PA21 
  23. ^ Greenwood, N. N.; Earnshaw, A. (1997). Chemistry of the Elements (2nd ed.). Oxford:Butterworth-Heinemann. pp. 1113–1143, 1294. ISBN 978-0-7506-3365-9. OCLC 213025882. https://archive.org/details/chemistryelement00earn_612 
  24. ^ Gulliver, D. J; Levason, W. (1982). “The chemistry of ruthenium, osmium, rhodium, iridium, palladium and platinum in the higher oxidation states”. Coordination Chemistry Reviews 46: 1–127. doi:10.1016/0010-8545(82)85001-7. 
  25. ^ Sykes, A. G. (1992). Advances in Inorganic Chemistry. Academic Press. p. 221. ISBN 978-0-12-023637-4. https://archive.org/details/advancesinorgani39syke 
  26. ^ Osmium”. 2020年6月閲覧。
  27. ^ Peters, Stefan T.M.; Münker, Carsten; Becker, Harry; Schulz, Toni (April 2014). “Alpha-decay of 184Os revealed by radiogenic 180W in meteorites: Half life determination and viability as geochronometer”. Earth and Planetary Science Letters 391: 69–76. doi:10.1016/j.epsl.2014.01.030. 
  28. ^ Audi, Georges; Bersillon, Olivier; Blachot, Jean; Wapstra, Aaldert Hendrik (2003), “The NUBASE evaluation of nuclear and decay properties”, Nuclear Physics A 729: 3–128, Bibcode2003NuPhA.729....3A, doi:10.1016/j.nuclphysa.2003.11.001, https://hal.archives-ouvertes.fr/in2p3-00020241/document 
  29. ^ Dąbek, Józef; Halas, Stanislaw (2007). “Physical Foundations of Rhenium-Osmium Method – A Review”. Geochronometria 27: 23–26. doi:10.2478/v10003-007-0011-4. 
  30. ^ Alvarez, L. W.; Alvarez, W.; Asaro, F.; Michel, H. V. (1980). “Extraterrestrial cause for the Cretaceous–Tertiary extinction”. Science 208 (4448): 1095–1108. Bibcode1980Sci...208.1095A. doi:10.1126/science.208.4448.1095. PMID 17783054. http://earthscience.rice.edu/wp-content/uploads/2015/11/Alvarez_K-Timpact_Science80.pdf. 
  31. ^ Venetskii, S. I. (1974). “Osmium”. Metallurgist 18 (2): 155–157. doi:10.1007/BF01132596. 
  32. ^ McDonald, M. (959). “The Platinum of New Granada: Mining and Metallurgy in the Spanish Colonial Empire”. Platinum Metals Review 3 (4): 140–145. オリジナルのJune 9, 2011時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20110609195507/http://www.platinummetalsreview.com/dynamic/article/view/pmr-v3-i4-140-145 October 15, 2008閲覧。. 
  33. ^ Juan, J.; de Ulloa, A. (1748) (Spanish). Relación histórica del viage a la América Meridional. 1. p. 606 
  34. ^ a b c d e Hunt, L. B. (1987). “A History of Iridium”. Platinum Metals Review 31 (1): 32–41. http://www.platinummetalsreview.com/pdf/pmr-v31-i1-032-041.pdf 2012年3月15日閲覧。. 
  35. ^ Haubrichs, Rolf; Zaffalon, Pierre-Leonard (2017). “Osmium vs. 'Ptène': The Naming of the Densest Metal”. Johnson Matthey Technology Review 61 (3): 190. doi:10.1595/205651317x695631. http://www.technology.matthey.com/article/61/3/190-196/. 
  36. ^ a b c Emsley, J. (2003). “Osmium”. Nature's Building Blocks: An A-Z Guide to the Elements. Oxford, England, UK: Oxford University Press. pp. 199–201. ISBN 978-0-19-850340-8. https://archive.org/details/naturesbuildingb0000emsl/page/199 
  37. ^ a b c Griffith, W. P. (2004). “Bicentenary of Four Platinum Group Metals. Part II: Osmium and iridium – events surrounding their discoveries”. Platinum Metals Review 48 (4): 182–189. doi:10.1595/147106704X4844. 
  38. ^ Thomson, T. (1831). A System of Chemistry of Inorganic Bodies. Baldwin & Cradock, London; and William Blackwood, Edinburgh. p. 693. https://archive.org/details/asystemchemistr08thomgoog 
  39. ^ Weeks, M. E. (1968). Discovery of the Elements (7 ed.). Journal of Chemical Education. pp. 414–418. ISBN 978-0-8486-8579-9. OCLC 23991202. https://archive.org/details/discoveryofeleme0000week 
  40. ^ Tennant, S. (1804). “On Two Metals, Found in the Black Powder Remaining after the Solution of Platina”. Philosophical Transactions of the Royal Society 94: 411–418. doi:10.1098/rstl.1804.0018. JSTOR 107152. https://zenodo.org/record/1432312. 
  41. ^ Smil, Vaclav (2004). Enriching the Earth: Fritz Haber, Carl Bosch, and the Transformation of World Food Production. MIT Press. pp. 80–86. ISBN 978-0-262-69313-4. https://books.google.com/books?id=G9FljcEASycC 
  42. ^ a b George, Micheal W.. “2006 Minerals Yearbook: Platinum-Group Metals”. United States Geological Survey USGS. 2008年9月16日閲覧。
  43. ^ Wedepohl, Hans K (1995). “The composition of the continental crust”. Geochimica et Cosmochimica Acta 59 (7): 1217–1232. Bibcode1995GeCoA..59.1217W. doi:10.1016/0016-7037(95)00038-2. https://doi.pangaea.de/10.1594/PANGAEA.841674. 
  44. ^ Xiao, Z.; Laplante, A. R. (2004). “Characterizing and recovering the platinum group minerals—a review”. Minerals Engineering 17 (9–10): 961–979. doi:10.1016/j.mineng.2004.04.001. 
  45. ^ a b c Seymour, R. J.; O'Farrelly, J. I. (2001). “Platinum-group metals”. Kirk Othmer Encyclopedia of Chemical Technology. Wiley. doi:10.1002/0471238961.1612012019052513.a01.pub2. ISBN 978-0471238966 
  46. ^ Commodity Report: Platinum-Group Metals”. United States Geological Survey USGS. 2008年9月16日閲覧。
  47. ^ George, M. W. (2008). “Platinum-group metals”. U.S. Geological Survey Mineral Commodity Summaries. http://minerals.usgs.gov/minerals/pubs/commodity/platinum/mcs-2008-plati.pdf. 
  48. ^ George, M. W.. 2006 Minerals Yearbook: Platinum-Group Metals. United States Geological Survey USGS. http://minerals.usgs.gov/minerals/pubs/commodity/platinum/myb1-2006-plati.pdf 2008年9月16日閲覧。 
  49. ^ Renner, H.; Schlamp, G.; Kleinwächter, I.; Drost, E. et al. (2002). “Platinum group metals and compounds”. Ullmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry. Wiley. doi:10.1002/14356007.a21_075. ISBN 978-3527306732 
  50. ^ Gilchrist, Raleigh (1943). “The Platinum Metals”. Chemical Reviews 32 (3): 277–372. doi:10.1021/cr60103a002. 
  51. ^ Hunt, L. B.; Lever, F. M. (1969). “Platinum Metals: A Survey of Productive Resources to industrial Uses”. Platinum Metals Review 13 (4): 126–138. http://www.platinummetalsreview.com/pdf/pmr-v13-i4-126-138.pdf 2008年10月2日閲覧。. 
  52. ^ a b c Smith, Ivan C.; Carson, Bonnie L.; Ferguson, Thomas L. (1974). “Osmium: An Appraisal of Environmental Exposure”. Environmental Health Perspectives 8: 201–213. doi:10.2307/3428200. JSTOR 3428200. PMC 1474945. PMID 4470919. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC1474945/. 
  53. ^ Platinum-Group Metals”. USGS. 27 May 2013閲覧。
  54. ^ Cramer, Stephen D.; Covino, Bernard S. Jr. (2005). ASM Handbook Volume 13B. Corrosion: Materials. ASM International. ISBN 978-0-87170-707-9. https://books.google.com/books?id=wGdFAAAAYAAJ 
  55. ^ MacDonell, Herbert L. (1960). “The Use of Hydrogen Fluoride in the Development of Latent Fingerprints Found on Glass Surfaces”. The Journal of Criminal Law, Criminology, and Police Science 51 (4): 465–470. doi:10.2307/1140672. JSTOR 1140672. https://scholarlycommons.law.northwestern.edu/cgi/viewcontent.cgi?article=4971&context=jclc. 
  56. ^ Chadwick, D. (2002). Role of the sarcoplasmic reticulum in smooth muscle. John Wiley and Sons. pp. 259–264. ISBN 978-0-470-84479-3. https://archive.org/details/roleofsarcoplasm0000unse/page/259 
  57. ^ Kolb, H. C.; Van Nieuwenhze, M. S.; Sharpless, K. B. (1994). “Catalytic Asymmetric Dihydroxylation”. Chemical Reviews 94 (8): 2483–2547. doi:10.1021/cr00032a009. 
  58. ^ Colacot, T. J. (2002). “2001 Nobel Prize in Chemistry”. Platinum Metals Review 46 (2): 82–83. http://www.platinummetalsreview.com/pdf/pmr-v46-i2-082-083.pdf. 
  59. ^ Bowers, B., B. (2001). “Scanning our past from London: the filament lamp and new materials”. Proceedings of the IEEE 89 (3): 413–415. doi:10.1109/5.915382. 
  60. ^ Antonov, V. E.; Belash, I. T.; Malyshev, V. Yu.; Ponyatovsky, E. G. (1984). “The Solubility of Hydrogen in the Platinum Metals under High Pressure”. Platinum Metals Review 28 (4): 158–163. http://www.platinummetalsreview.com/pdf/pmr-v28-i4-158-163.pdf. 
  61. ^ Torr, Marsha R. (1985). “Osmium coated diffraction grating in the Space Shuttle environment: performance”. Applied Optics 24 (18): 2959. Bibcode1985ApOpt..24.2959T. doi:10.1364/AO.24.002959. PMID 18223987. 
  62. ^ Gull, T. R.; Herzig, H.; Osantowski, J. F.; Toft, A. R. (1985). “Low earth orbit environmental effects on osmium and related optical thin-film coatings”. Applied Optics 24 (16): 2660. Bibcode1985ApOpt..24.2660G. doi:10.1364/AO.24.002660. PMID 18223936. 
  63. ^ Sheppeard, H.; D. J. Ward (1980). “Intra-articular osmic acid in rheumatoid arthritis: five years' experience”. Rheumatology 19 (1): 25–29. doi:10.1093/rheumatology/19.1.25. PMID 7361025. 
  64. ^ Lau, T.-C; W.-X. Ni; W.-L. Man; M. T.-W. Cheung et al. (2011). “Osmium(vi) complexes as a new class of potential anti-cancer agents”. Chem. Commun. 47 (7): 2140–2142. doi:10.1039/C0CC04515B. PMID 21203649. https://semanticscholar.org/paper/cddae47b12a6e9ad34687029d0f8293d8f1aa647. 
  65. ^ Sadler, Peter; Steve D. Shnyder; Ying Fu; Abraha Habtemariam et al. (2011). “Anti-colorectal cancer activity of an organometallic osmium arene azopyridine complex”. Med. Chem. Commun. 2 (7): 666–668. doi:10.1039/C1MD00075F. http://wrap.warwick.ac.uk/38704/1/WRAP_Fu_467_MCC_2011_Ying%20Fu_2_666_deposit.pdf. 
  66. ^ Fu, Ying; Romero, María J.; Habtemariam, Abraha; Snowden, Michael E.; Song, Lijiang; Clarkson, Guy J.; Qamar, Bushra; Pizarro, Ana M. et al. (2012). “The contrasting chemical reactivity of potent isoelectronic iminopyridine and azopyridine osmium(II) arene anticancer complexes”. Chemical Science 3 (8): 2485–2494. doi:10.1039/C2SC20220D. http://wrap.warwick.ac.uk/53174/1/WRAP_Romero_489_Chem%20Sci%202012_3_2485_Maria%20J%20Romero_deposit.pdf. 
  67. ^ Second LDEF post-retrieval symposium interim results of experiment A0034”. NASA (1992年). 2009年6月6日閲覧。
  68. ^ Linton, Roger C.; Kamenetzky, Rachel R.; Reynolds, John M.; Burris, Charles L. (1992). “LDEF experiment A0034: Atomic oxygen stimulated outgassing”. NASA. Langley Research Center: 763. Bibcode1992ldef.symp..763L. 
  69. ^ McLaughlin, A. I. G.; Milton, R.; Perry, Kenneth M. A. (July 1946). “Toxic Manifestations of Osmium Tetroxide”. British Journal of Industrial Medicine 3 (3): 183–186. doi:10.1136/oem.3.3.183. ISSN 0007-1072. PMC 1035752. PMID 20991177. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC1035752/. 
  70. ^ Luttrell, William E.; Giles, Cory B. (2007). “Toxic tips: Osmium tetroxide”. Journal of Chemical Health and Safety 14 (5): 40–41. doi:10.1016/j.jchas.2007.07.003. 
  71. ^ Mushran S.P., Mehrotra U.S. (1970). “Oxidation of ascorbic acid by osmium(VIII)”. Canadian Journal of Chemistry 48 (7): 1148–1150. doi:10.1139/v70-188. 
  72. ^ How to Handle Osmium Tetroxide”. University of California, San Diego. February 21, 2006時点のオリジナルよりアーカイブ。2009年6月2日閲覧。

外部リンク

[編集]