コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

P・D・ジェイムズ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
Phyllis Dorothy James
フィリス・ドロシー・ジェイムズ
フィリス・ドロシー・ジェイムズ(2013)
誕生 (1920-08-03) 1920年8月3日
イングランドの旗 イングランド オックスフォード
死没 2014年11月27日(2014-11-27)(94歳没)
イングランドの旗 イングランド オックスフォード
職業 小説家
ウィキポータル 文学
テンプレートを表示

ホランド・パークのジェイムズ女男爵、フィリス・ドロシー・ジェイムズPhyllis Dorothy James, Baroness James of Holland Park,, 1920年8月3日 - 2014年11月27日[1])は、イギリスの女流推理作家である。

国民保健サービス内務省など公共機関で勤務した経験から[1]、沈鬱な場面設定と緻密な描写、病院や官僚制に舞台を取る込み入った人間関係を描くことで知られる。多くの作品で警視庁のアダム・ダルグリッシュが主人公として登場するが、『皮膚の下の頭蓋骨』などのコーデリア・グレイを主人公に据えた作品でも有名。ほかに映画化された『人類の子供たち』などがある。

『ナイチンゲールの屍衣』『黒い塔』『死の味』で3度CWA賞英国推理作家協会シルバーダガー賞を受賞。1987年には作家としての功績を称える CWA賞 ダイヤモンド・ダガー賞を受賞した。さらに1999年にはアメリカのMWA賞(アメリカ探偵作家クラブ)でも巨匠賞を受賞した。

1983年にDBE(大英帝国勲章中等勲爵士)に叙され、1991年一代貴族の「ホランド・パークのジェイムズ女男爵」に叙される。2014年11月に死去[1][2]

作品

[編集]

アダム・ダルグリッシュ警視シリーズ

[編集]
  • 女の顔を覆え(Cover Her Face、1962年) 山室まりや訳、早川書房ハヤカワ・ポケット・ミステリ(のちハヤカワ・ミステリ文庫))
  • ある殺意(A Mind to Murder、1963年) 山室まりや訳、早川書房(ハヤカワ・ポケット・ミステリ)(青木久恵訳でハヤカワ・ミステリ文庫)
  • 不自然な死体(Unnatural Causes、1967年) 青木久恵訳、早川書房(ハヤカワ・ポケット・ミステリ(のちハヤカワ・ミステリ文庫))
  • ナイチンゲールの屍衣(Shroud for a Nightingale、1971年) 隅田たけ子訳、早川書房(ハヤカワ・ポケット・ミステリ(のちハヤカワ・ミステリ文庫))
  • 黒い塔(The Black Tower、1975年) 小泉喜美子訳、早川書房(ハヤカワ・ポケット・ミステリ(のちハヤカワ・ミステリ文庫))
  • わが職業は死(Death of an Expert Witness、1977年) 青木久恵訳、早川書房(ハヤカワ・ポケット・ミステリ(のちハヤカワ・ミステリ文庫))
  • 死の味(A Taste for Death、1986年) 青木久恵訳、早川書房(ハヤカワ・ポケット・ミステリ(のちハヤカワ・ミステリ文庫))
  • 策謀と欲望(Devices and Desires、1989年) 青木久恵訳、早川書房(ハヤカワ・ポケット・ミステリ(のちハヤカワ・ミステリ文庫))
  • 原罪(Original Sin、1994年) 青木久恵訳、早川書房(ハヤカワ・ポケット・ミステリ(のちハヤカワ・ミステリ文庫))
  • 正義(A Certain Justice、1997年) 青木久恵訳、早川書房(ハヤカワ・ポケット・ミステリ)
  • 神学校の死(Death in Holy Orders、2001年) 青木久恵訳、早川書房(ハヤカワ・ポケット・ミステリ)
  • 殺人展示室(The Murder Room、2003年) 青木久恵訳、早川書房(ハヤカワ・ポケット・ミステリ)
  • 灯台(The Lighthouse、2005年) 青木久恵訳、早川書房(ハヤカワ・ポケット・ミステリ)
  • 秘密(The Private Patient、2008年) 青木久恵訳、早川書房(ハヤカワ・ポケット・ミステリ)

コーデリア・グレイシリーズ

[編集]
  • 女には向かない職業(An Unsuitable Job for a Woman、1972年) 小泉喜美子訳、早川書房(ハヤカワ・ポケット・ミステリ(のちハヤカワ・ミステリ文庫))
  • 皮膚の下の頭蓋骨(The Skull Beneath the Skin、1982年) 小泉喜美子訳、早川書房(ハヤカワ・ポケット・ミステリ(のちハヤカワ・ミステリ文庫))

ノン・シリーズ

[編集]
  • ラトクリフ街道の殺人(The Maul and the Pear Tree: the Ratcliffe Highway Murders 1811、1971年、T・A・クリッチリーとの共著) 森広雅子訳、国書刊行会(クライムブックス)
  • 罪なき血(Innocent Blood、1980年) 青木久恵訳、早川書房(ハヤカワ・ポケット・ミステリ(のちハヤカワ・ミステリ文庫))
  • トゥモロー・ワールド (人類の子供たち) (The Children of Men、1992年) 青木久恵訳、早川書房(ハヤカワ・ポケット・ミステリ(のちハヤカワ・ミステリ文庫))
  • 高慢と偏見、そして殺人(Death Comes to Pemberley、2011年) 羽田詩津子訳、早川書房(ハヤカワ・ポケット・ミステリ)

映像化作品・作品論

[編集]

出典

[編集]
  1. ^ a b c 英推理作家P・D・ジェイムズさん死去、94歳”. AFP🔵BB News (2014年11月28日). 2024年11月27日閲覧。
  2. ^ 英推理作家P.D.ジェイムズさん死去”. 朝日新聞デジタル (2014年11月28日). 2014年11月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年11月27日閲覧。

参考文献

[編集]
  • Gidez, Richard B. P. D. James. Twayne's English Authors Series. New York: Twayne, 1986.
  • Hubly, Erlene. "Adam Dalgliesh: Byronic Hero." Clues: A Journal of Detection 3: 40-46.
  • Knight, Stephen. “The Golden Age.” In The Cambridge Companion to Crime Fiction ed. by Martin Priestman, pp 77–94. (Cambridge University Press, 2003).
  • Kotker, Joan G. "PD James's Adam Dalgliesh Series." in In the Beginning: First Novels in Mystery Series (1995): 139+
  • Sharkey, Jo Ann. Theology in suspense: how the detective fiction of PD James provokes theological thought. (PhD Dissertation, University of St Andrews, 2011). online; with long bibliography
  • Siebenheller, Norma. P. D. James. (New York: Ungar, 1981).
  • Smyer, Richard L. “P.D. James: Crime and the Human Condition.” Clues 3 (Spring/Summer 1982): 49-61.
  • Wood, Ralph C. “A Case for P.D. James as a Christian Novelist.” Theology Today 59.4 (January 2003): 583-595.

外部リンク

[編集]