プレーンスケープ トーメント
ジャンル | ロールプレイングゲーム |
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対応機種 | Microsoft Windows |
開発元 | Black Isle Studios |
発売元 | Interplay Entertainment |
デザイナー | Chris Avellone(主任)他[1] |
バージョン | 1.1 |
人数 | 1人 |
メディア | CD-ROM、DVD-ROM、ダウンロード |
発売日 | 1999年12月12日 |
対象年齢 | ESRB:T(13歳以上) |
デバイス | キーボード、マウス |
必要環境 |
[必須] OS:Windows 95/98 CPU:MMX Pentium 200MHz 以上 メモリ:32MB 以上 グラフィックボード:VRAM 4MB 以上 空きHDD:650MB 以上 CD-ROM:8倍速以上 その他:DirectX 6.1 以上 |
エンジン | インフィニティ |
『プレーンスケープ トーメント』(Planescape: Torment )は、『アドバンスト・ダンジョンズ&ドラゴンズ』(AD&D)をベースにしたコンピュータRPG(CRPG)。Black Isle Studios が Windows 向けに開発し、Interplay Entertainment から1999年12月12日にリリースされた。日本では、SEGA から日本語マニュアル付き英語版が発売された。背景となるキャンペーン・セッティングには「プレーンスケープ」を採用している。ゲームエンジンには、BioWare の『バルダーズ・ゲート』でも使用されたインフィニティ・エンジンの改良版を採用している。
本作はストーリー主導型のゲームで、当時の他のCRPGと比べると戦闘の比重は小さい。主人公の The Nameless One(名も無き者)は殺されても何度でも蘇るイモータルであるが、すべての記憶を失っており、自分の名前さえ思い出すことができない。記憶を取り戻すために扉の町シギル(シジル)やその他の AD&D のプレーンを探索するのがゲームの中心となる。
ゲームは商業的にはそれほど成功しなかったが、多くの批評家から称賛され、カルト・クラシック(en:cult video game)となった[2]。没入感のある大量のテキスト、「プレーンスケープ」をベースにした暗く謎めいた設定、主人公のユニークな人格などは、従来のCRPGの多くの特徴と一線を画すものであった。多くのゲームライターが1999年最高のCRPGと考え、リリース以降長きにわたって注目され続けている。
また本作発売から21年後の2020年には日本語化MODが配布されている[3]。
ゲームの概要
[編集]『トーメント』は BioWare のインフィニティ・エンジンをベースにしており、ゲームは等角投影法で描写された2次元の世界で表現される[4][5]。探索画面では、地面をクリックして移動したり、オブジェクトをクリックして調べたりするというようにプレイヤーキャラクターを操作する[6]。アイテムや呪文は、ホットキー、「クイック・スロット」、またはラジアル・メニューから使用できる[7]。
ゲームのルールは『アドバンスト・ダンジョンズ&ドラゴンズ』第2版をベースにしているが[8]、主人公は自分が死ぬことができない理由を探し求めているイモータルであるため[9]、通常の『AD&D』のルールを超越した能力を持っている。ゲーム開始時に行うキャラクター作成では、主人公の能力値(ストレングス、インテリジェンス、カリスマなど)にポイントを割り振る[10][11]。ゲーム開始時の主人公のキャラクタークラスはファイターであるが、対応する教師を見付ければ、シーフやメイジになったり、ファイターに戻ったりすることができる[6]。主人公は鎧を装備できないが、代わりに魔法のタトゥーを「装備」することで能力を強化することができる[12]。主人公が死んでもたいていの場合は何もペナルティがなく、別の場所で復活する[13]。
主人公以外にもゲームの中で出会ったキャラクターのうち何人かがパーティに加わるが、主人公に同行するのは一度に5名までである。仲間にしたキャラクターは、他の NPC との会話中に発言することがあるほか、ゲーム中ランダムにパーティ・メンバー間での会話が発生する場合もある[11]。
『トーメント』は、戦闘よりも会話によるクエストの解決を重視している。ゲームの戦闘エンカウンターの多くは、会話によって解決したり、ステルスによって回避したりすることができる[11]。incite PC Gaming のレビューは、「このゲームはほぼ完全にストーリー主導であり、適切な質問をすれば、暴力が必要になる回数はわずかである」としている[14]。主人公はジャーナルを携帯しており、プレイヤーがゲームのさまざまなクエストやサブプロットの経過を追うのに役立つ[8]。
アライメントはキャラクターの道徳的および倫理的な観点を「善と悪」および「秩序と混沌」の独立した軸に基づいて決定するものである。本来の AD&D ではアライメントは静的な属性であるが、『トーメント』の主人公は「トゥルー・ニュートラル」(善でも悪でもなければ、秩序でも混沌でもない)のキャラクターとしてゲームを始め、ゲームを進めるうちに行動に応じてこの属性が徐々に変化する[4][15]。NPC の反応は主人公のアライメントに応じて変化する[8]。NextGen のレビューは、「このゲームは、親切で法を遵守する善人ぶったプレイヤーと、だれかれ構わず殺そうとする悪党プレイヤーの両方に娯楽を提供する」としている[16]。
脚注
[編集]- ^ “Planescape: Torment - Credits”. Allgame. 2009年8月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2009年3月19日閲覧。
- ^ Chris Dahlen (August 23, 2005). “Planescape: Torment”. The Escapist (magazine). 2011年8月19日閲覧。
- ^ “発売から21年の時を経て『Planescape: Torment』日本語化Modが登場! 有志が1人で翻訳”. Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト (2020年11月2日). 2024年7月6日閲覧。
- ^ a b Kasavin, Greg (1999年12月21日). “Planescape: Torment for PC Review”. GameSpot. 2009年8月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2009年2月27日閲覧。
- ^ Williams, Derek. “Planescape: Torment Overview”. Allgame. 2009年8月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2009年2月27日閲覧。
- ^ a b Norton, Matt (1999). Planescape: Torment Instruction Manual. Irvine, California: Interplay
- ^ Loijens, Joost (2000年1月22日). “Planescape: Torment Review (page 2)”. GameSpy. 2009年8月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2009年2月27日閲覧。
- ^ a b c Carr, Diane (May 2003). “Play Dead: Genre and Effect in Silent Hill and Planescape: Torment”. Game Studies 3 (1). ISSN 1604-7982. オリジナルの2009年8月7日時点におけるアーカイブ。 May 1, 2009閲覧。.
- ^ Turner, Jay (2000年11月24日). “Review: Planescape: Torment”. GamePro. 2009年8月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2009年2月27日閲覧。
- ^ Wolf, Michael (March 2000). “Planescape: Torment review”. PC Gamer US (Brisbane, California: Imagine Media) 7 (3): 82-83. ISSN 1080-4471.
- ^ a b c Loijens, Joost (2000年1月22日). “Planescape: Torment Review”. GameSpy. 2009年8月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2009年2月27日閲覧。
- ^ Schiesel, Seth (27 April 2000). “A Universe Where Ideas Can Trump Actions”. The New York Times. オリジナルの2009年8月7日時点におけるアーカイブ。
- ^ Purchese, Rob (2000年1月15日). “Planescape: Torment Review”. Eurogamer. 2009年8月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2009年2月27日閲覧。
- ^ Gladstone, Darren; Nikki Douglas (March 2000). “Ungrateful Dead: A Long, Strange Tip Through the Afterlife in Planescape: Torment”. incite PC Gaming: 110-112.
- ^ Dahlen, Chris (2005年8月23日). “Planescape: Torment”. The Escapist. 2009年8月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2009年3月4日閲覧。
- ^ Wolf, Michael (March 2000). “Planescape: Torment: Scarred and dead but still kickin' butt”. NextGen: 110-112.