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くそくらえ節

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
「くそくらえ節」
岡林信康シングル
B面 がいこつの唄
リリース
規格
  • 7インチレコード
  • URS-0003
ジャンル フォーク
レーベル URCレコード
作詞・作曲 岡林信康
チャート最高順位
  • 週間81位オリコン[1]
  • 登場回数11回(オリコン)
  • 売上2.8万枚(オリコン)
岡林信康 シングル 年表
  • くそくらえ節
  • (1969年 (1969)
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くそくらえ節』(くそくらえぶし)は、フォークソング歌手岡林信康の歌である。

解説

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高石友也が地元近江八幡の教会に来ると聞き、「高石友也って誰や?」という認識だったが、高石が立教大学出身で釜ヶ崎にいたと聞き、自分も同志社大学出身で山谷にいたという共通点から興味を持ち、高石友也が出る「反戦フォークの夕べ」の実行委員になり「高石友也きたる」とかのポスターを作った。当日その高石友也の歌を聴き、うまいとは思わなかったがまいったと思った。自分の思ったことを歌にして歌っていいんだと。それで自身も歌を作りたくなり、友達が買って弾かないギターを借りて、高石のアルバムを聴きながらコード進行などを勉強して、ちょっとずつ歌を作った。その中の1曲がこの「くそくらえ節」[2]

再び高石が来るということで、高石を呼んだ草津キリスト教会の牧師さんに、飛び入りで歌わしてくれと頼む中で、できた歌を聴かせたところ、どれもこれもつまらんと言われて、やけくそで歌ったのがこの「くそくらえ節」で、これがおもしろいと言われて歌うことになった。そしたら、高石よりも受けてしまい、その場にいた高石音楽事務所の秦政明より、「うちに入って歌わないか」と誘われ歌手になる[2]

デビュー前にいろんなステージに出て受けたことから、デビューさせる計画が持ち上がり、1968年に当初一番条件のよいビクターレコードと契約して、4月始め毎日放送のスタジオを借りて、「くそくらえ節」をA面に、「山谷ブルース」をB面で吹き込み、「山谷出身の歌手」ということで、5月15日から大々的に売り出す予定だった[3]。ところが、レコード発売直前になって、レコード倫理規定委員会から「思想的偏向性(国家権力や政治家を徹底的に風刺した歌詞となっている[4][5])」があるということ、「くそくらえ節」と言うタイトルではまずいと言うことで「ほんじゃまあおじゃまします」とタイトルに改名されたものの[6]、歌詞に問題あり(歌詞の中の政治家を批判する内容が、近く行われる参議院選挙に影響が出る[3])と言うことで、その歌詞も見直し、見本盤までは作られたが、発売中止になった[4][7][8]。規格番号はSV-1019。

結局、B面に収録されていた「山谷ブルース」をA面にして(B面は「友よ」)、デビュー曲として発売。

秦は、当時の新聞記事で、「政治家個人を中傷したわけではないし、落語家でもこのくらいのことを言っている。行き過ぎで、このままでは何も言えなくなる。どうしてもダメなら自主販売も考えている[3]」ということで、翌年立ち上げたURCレコードから、ライブ録音された物がシングル盤として発売。B面は「がいこつの唄」。

7インチレコードながら、A面が収録時間8分弱ということで、33・1/3回転、B面は通常の45回転である。

1969年8月21日 (1969-08-21)、「題名自体が下品なもの」である上に「歌詞の内容についても一方的な発言が多く、国家の誇りを傷つけ、個人、職業などをそそしるものとして」日本民間放送連盟による要注意歌謡曲指定(放送禁止)を受けた[9]。同時期には、岡林の他の曲も要注意歌謡曲指定(放送禁止)を受けている[10]

なお、1969年に出版された本「フォークは未来をひらく」の中で、この「くそくらえ節」の詳細を岡林本人が解説している[4]

エピソード

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  • フォークシンガータレントなぎら健壱は「ほんじゃまあおじゃまします」のシングル盤を所有しており、なぎら自身の著書「日本フォーク私的大全」(筑摩書房、ちくま文庫)においてジャケット写真を掲載している。

収録曲

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全作詞・作曲:岡林信康

SIDE A

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  1. くそくらえ節  – (7:43)

SIDE B

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  1. がいこつの唄  – (3:39)

収録アルバム

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  • 岡林信康URCシングル集+8(2009年)  – 発売中止となった「ほんじゃまあおじゃまします(曲の最初に、「ほんじゃまあおじゃまします」と言う)」版の「くそくらえ節」と、URCレコードから出た「くそくらえ節」「がいこつの唄」も収録。
  • 岡林四十五景〜デビュー45周年記念ベスト盤(2013年)  – 「くそくらえ節」「がいこつの唄」収録。

関連項目

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脚注

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  1. ^ 「オリコンチャートブック 1968-1997」ORICON BOOKS、1997年12月11日、61ページ。
  2. ^ a b 『村日記』岡林信康、講談社、1980年、101-114頁。
  3. ^ a b c アルバム『わたしを断罪せよ』のライナーノーツ(1968年7月の新聞記事)より。
  4. ^ a b c 「フォークは未来をひらく」高石友也、岡林信康、中川五郎 共著、新報新書、1969年5月30日、111-127頁
  5. ^ 森達也 『放送禁止歌』、光文社知恵の森文庫、2003年 222頁 ISBN 9784334782252
  6. ^ 発売中止になったこの曲は40年経って、ディスクユニオンからCD化される。
  7. ^ 「青春のバイブル―魂を揺さぶられた歌」シンコーミュージック、富澤一誠著、1993年4月、ISBN 4401614135ISBN 978-4401614134、21頁
  8. ^ “フォークの神様”岡林信康の幻のデビュー曲が“発禁”になった理由2020年3月13日閲覧。
  9. ^ 吉野健三『歌謡曲 流行らせのメカニズム』晩聲社 (ヤゲンブラ選書)、1978年、120頁。
  10. ^ 『歌謡曲 流行らせのメカニズム』121頁。

外部リンク

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