すばる文学賞
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すばる文学賞(すばるぶんがくしょう)は、集英社が主催する純文学の公募新人文学賞である。集英社出版四賞の1つ[1]。受賞作は同社が発行する文芸誌『すばる』11月号に掲載される(第17回までは12月号)。受賞者には正賞として記念品、副賞として100万円が授与される[2]。毎年3月末日締め切り。
純文学系の公募している新人賞には他に、文學界新人賞、群像新人文学賞、新潮新人賞、文藝賞、太宰治賞などがある。
受賞作一覧
[編集]回(年) | 応募総数 | 受賞作 | 受賞者 | 備考 |
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第1回(1977年) | 1017編 | 受賞作なし | ||
【佳作】「一人」 | 原トミ子 | |||
第2回(1978年) | 711編 | 「情事」 | 森瑤子 | |
「自分の戦場」 | 吉川良 | |||
【佳作】「海の向うの血」[注 1] | 飯尾憲士 | |||
第3回(1979年) | 982編 | 「京都よ、わが情念のはるかな飛翔を支えよ」 | 松原好之 | |
第4回(1980年) | 1106編 | 「ギンネム屋敷」 | 又吉栄喜 | |
【佳作】「海を越えた者たち」 | 笹倉明 | |||
第5回(1981年) | 945編 | 「家族ゲーム」[注 2] | 本間洋平 | |
第6回(1982年) | 865編 | 「三日芝居」 | 三神弘 | |
「沙耶のいる透視図」 | 伊達一行 | |||
第7回(1983年) | 918編 | 「虹のカマクーラ」 | 平石貴樹 | |
「永遠の1/2」 | 佐藤正午 | |||
第8回(1984年) | 926編 | 受賞作なし | ||
【佳作】「おまえと暮らせない」[注 3] | 原田宗典 | |||
【佳作】「天北の詩人たち」 | 冬木薫[注 4] | |||
第9回(1985年) | 945編 | 「ダックスフントのワープ」 | 藤原伊織 | |
「午後の祠り」 | 江場秀志 | |||
第10回(1986年) | 952編 | 「十六歳のマリンブルー」 | 本城美智子 | |
第11回(1987年) | 1053編 | 「クロス・ロード」 | 桑原一世 | |
「巨食症の明けない夜明け」 | 松本侑子 | |||
第12回(1988年) | 1107編 | 受賞作なし | ||
第13回(1989年) | 1125編 | 「チン・ドン・ジャン」 | 奈良裕明 | |
「ピアニシモ」 | 辻仁成 | |||
【佳作】「夢よりもっと現実的なお伽噺」 | 浅賀美奈子 | |||
第14回(1990年) | 1099編 | 「スプラッシュ」 | 大鶴義丹 | |
「革命のためのサウンドトラック」 | 清水アリカ | |||
「キャプテンの星座」 | 山室一広 | |||
第15回(1991年) | 1188編 | 「予感」 | 釉木淑乃 | |
【佳作】「微熱狼少女」 | 仁川高丸 | |||
第16回(1992年) | 1548編 | 「チューリップの誕生日」 | 楡井亜木子 | |
【佳作】「惑う朝」[注 5] | 白石一文[注 6] | |||
第17回(1993年) | 1576編 | 「19分25秒」[注 7] | 引間徹 | 第110回芥川賞候補 |
第18回(1994年) | 1545編 | 受賞作なし | ||
第19回(1995年) | 1410編 | 「韓素音の月」 | 茅野裕城子 | |
「不随の家」 | 広谷鏡子 | |||
第20回(1996年) | 1598編 | 「いちげんさん」[注 8] | デビット・ゾペティ | 第116回芥川賞候補 |
第21回(1997年) | 1188編 | 「世間知らず」 | 岩崎保子 | |
「街の座標」 | 清水博子 | |||
第22回(1998年) | 1820編 | 「あなたがほしい je te veux」[注 9] | 安達千夏 | 第120回芥川賞候補 |
第23回(1999年) | 1702編 | 「彼女のプレンカ」 | 中上紀 | |
「零歳の詩人」 | 楠見朋彦 | 第122回芥川賞候補 | ||
第24回(2000年) | 950編 | 「塔」 | 末弘喜久 | |
「ロマンティック」 | 大久秀憲 | |||
第25回(2001年) | 908編 | 「夜明けの音が聞こえる」 | 大泉芽衣子 | |
第26回(2002年) | 1331編 | 「ハミザベス」 | 栗田有起 | |
「スチール」 | 織田みずほ | |||
【佳作】「プラスティック・サマー」 | 竹邑祥太 | |||
第27回(2003年) | 1315編 | 「蛇にピアス」[注 10] | 金原ひとみ | 第130回芥川賞受賞 |
「ダンボールボートで海岸」 | 千頭ひなた | |||
第28回(2004年) | 1533編 | 「白の咆哮」 | 朝倉祐弥 | |
「漢方小説」 | 中島たい子 | 第132回芥川賞候補 | ||
第29回(2005年) | 2121編 | 「踊るナマズ」[注 11] | 高瀬ちひろ | |
第30回(2006年) | 1944編 | 「幻をなぐる」[注 12] | 瀬戸良枝 | |
【佳作】「テーパー・シャンク」 | 吉原清隆 | |||
第31回(2007年) | 1961編 | 「パワー系181」[注 13] | 墨谷渉 | |
「はじまらないティータイム」 | 原田ひ香 | |||
第32回(2008年) | 2029編 | 「灰色猫のフィルム」 | 天埜裕文 | |
【佳作】「赤い傘」[注 14] | 花巻かおり | |||
第33回(2009年) | 1686編 | 「海猫ツリーハウス」 | 木村友祐 | |
【佳作】「好去好来歌」 | 温又柔[注 15] | |||
第34回(2010年) | 1441編 | 「トロンプルイユの星」 | 米田夕歌里[注 16] | |
第35回(2011年) | 1354編 | 「フラミンゴの村」 | 澤西祐典 | |
第36回(2012年) | 1420編 | 「狭小邸宅」 | 新庄耕 | |
「黄金の庭」[注 17] | 高橋陽子 | |||
第37回(2013年) | 1433編 | 「左目に映る星」[注 18] | 奥田亜希子 | |
「教授と少女と錬金術師」[注 19] | 金城孝祐 | |||
第38回(2014年) | 1413編 | 「島と人類」 | 足立陽 | |
「みずうみのほうへ」[注 20] | 上村亮平 | |||
第39回(2015年) | 1283編 | 「温泉妖精」[3] | 黒名ひろみ | |
【佳作】「地に満ちる」 | 竹林美佳 | |||
第40回(2016年) | 1437編 | 「そういう生き物」[4] | 春見朔子 | |
【佳作】「えん」[5] | ふくだももこ | |||
第41回(2017年) | 1366編 | 「光点」[6] | 山岡ミヤ | |
【佳作】「遊ぶ幽霊」 | 兎束まいこ | |||
第42回(2018年) | 1355編 | 「わるもん」[7] | 須賀ケイ | |
第43回(2019年) | 1259編 | 「犬のかたちをしているもの」[8] | 高瀬隼子 | |
第44回(2020年) | 1146編 | 「コンジュジ」[9] | 木崎みつ子 | 第164回芥川賞候補 |
第45回(2021年) | 1251編 | 「ミシンと金魚」 | 永井みみ | |
【佳作】「我が友、スミス」 | 石田夏穂 | 第166回芥川賞候補 | ||
第46回(2022年) | 1130編 | 「がらんどう」[注 21] | 大谷朝子 | |
第47回(2023年) | 890編 | 「みどりいせき」 | 大田ステファニー歓人 | 第37回三島賞受賞 |
第48回(2024年) | 1132編 | 「 |
樋口六華 | |
【佳作】「ダンスはへんなほうがいい」 | 新崎瞳 |
選考委員
[編集]- 第1回から第5回 - 秋山駿、井上光晴、黒井千次、田久保英夫、三浦哲郎
- 第6回から第10回 - 後藤明生、佐伯彰一、中村真一郎、三木卓、安岡章太郎
- 第11回 - 青野聰、磯田光一(選考会前に死去)、井上ひさし、日野啓三、水上勉
- 第12回 - 青野聰、井上ひさし、日野啓三、水上勉
- 第13回から第15回 - 青野聰、井上ひさし、高橋源一郎、日野啓三、水上勉
- 第16回 - 新井満、石原慎太郎、瀬戸内寂聴、中上健次(選考会前に死去)、宮本輝
- 第17回から第20回 - 新井満、石原慎太郎、瀬戸内寂聴、宮本輝
- 第21回から第25回 - 奥泉光、川村湊、島田雅彦、高樹のぶ子、三木卓
- 第26回から第30回 - 川上弘美、笙野頼子、辻仁成、藤沢周、又吉栄喜
- 第31回から第35回 - 江國香織、奥泉光、角田光代、高橋源一郎、星野智幸
- 第36回から第43回 - 江國香織、奥泉光、角田光代、高橋源一郎、堀江敏幸
- 第44回から第47回 - 奥泉光、金原ひとみ、川上未映子、岸本佐知子、堀江敏幸
- 第48回から - 奥泉光、金原ひとみ、川上未映子、岸本佐知子、田中慎弥
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ 第28回柴田錬三郎賞、第39回すばる文学賞など “集英社出版四賞” の贈賞式開催 | ほんのひきだし
- ^ 第40回すばる文学賞原稿募集 | すばる - 集英社
- ^ 斎藤美奈子 (2016年2月26日). “書評『温泉妖精』黒名ひろみ著”. AERA dot.. 2017年9月18日閲覧。
- ^ “すばる文学賞に春見さん:時事ドットコム”. 時事ドットコムニュース. 時事通信社 (2016年9月5日). 2016年9月15日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年9月18日閲覧。
- ^ (黒板)第40回すばる文学賞:朝日新聞デジタル
- ^ “すばる文学賞に山岡ミヤさん”. 時事通信社 (2017年9月5日). 2017年11月11日閲覧。
- ^ すばる文学賞は須賀ケイさんの「わるもん」 小説すばる新人賞は若利恒一さんの「闇夜の底で踊れ」- 産経ニュース
- ^ すばる文学賞に高瀬隼子さん - 時事通信
- ^ 第44回すばる文学賞 木崎みつ子「コンジュジ」に決まる
関連項目
[編集]- 文学賞の一覧
- 集英社出版四賞