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アルピーヌ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
フランスの旗アルピーヌ
種類
子会社
業種 自動車
設立 1955年6月22日 (69年前) (1955-06-22)[1]
創業者 ジャン・レデレ
本社 フランスの旗 フランス セーヌ=マリティーム県ディエップ
主要人物
フィリップ・クリーフ (CEO)
従業員数
386 (2019)
親会社 ルノー(100%)
部門
  • Alpine Cars
  • Alpine Racing
ウェブサイト alpinecars.com
アルピーヌ・A110
アルピーヌ・A110 (2018)

アルピーヌAlpine)は、フランス自動車メーカー。

1973年ルノーに買収され、ルノー社の100%子会社である。2012年現在の正式名は「ソシエテ・デ・オートモビル・アルピーヌ・ルノーSociété des automobiles Alpine Renault)」。パリで設立されたアルピーヌ社だが、1969年にフランス北西部の大西洋に面した町「ディエップ」に移転、現在でも同じ場所で生産が続けられている。

2021年5月1日より、組織改編でルノー・スポールと統合し、ルノー・グループにおけるスポーツ・モデルの開発はすべてアルピーヌが担当することになった[2]

歴史

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設立

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1955年にフランスのレーシングドライバーで、ルノーのディーラーを経営するジャン・レデレが設立した。当初よりルノーのチューンナップおよびレースバージョンを数多く手がけ、ルノー4CVをベースにFRPボディをのせたA106を販売する。その後ドフィーヌをベースとしたA108,R8をベースとしたA110を販売、特にA110ラリーで活躍してアルピーヌの名前を不動のものとした。

アルピーヌ・ルノー

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1973年にレデレ家からルノーに株式を譲渡、ルノー傘下の会社となった。正式名は「ソシエテ・デ・オートモビル・アルピーヌ・ルノー」である。1973年当時はディエップ工場でA110およびA310を製造しており、その後A310V6、V6GT、V6 ターボA610を生産した。またルノーのスポーツモデルや競技車両の生産も行い、またそれらへの部品供給もアルピーヌ社が担当した。

1995年のA610生産終了を以てアルピーヌのブランドは一旦途絶えたがアルピーヌ社とディエップ工場は存続し、ルノー・スポールブランドの第一弾となった、スパイダーを皮切りに、クリオ2 RS、クリオV6、メガーヌ2 RS、クリオ3 RSの製造を担当した。但し全てのルノースポールモデルの製造を行ったわけではなく、トゥインゴ2 RSはスロベニア、メガーヌ3 RSはバレンシアで製造された。

2001年にルノーの会長にカルロス・ゴーンが就任して以降は、同氏が推し進める車種拡大にあわせてアルピーヌのブランド復活が期待された。2007年10月9日は2010年を目処にアルピーヌブランドを復活させることが公式に発表された。実際には2010年はパリ・モーターショーDeZirという名前の電気自動車コンセプトカーが発表されるに留まったが、そのコンセプトはルノーがスポーツカー専用モデルの復活を目論んでいることを予感させた。

そして、2012年モナコGPでコンセプトカーのアルピーヌA110-50英語版が登場する。同車はA110の50周年を記念するモデルと説明されたが、そのスタイリングはDeZirを踏襲するもので、またミッドシップに日産・VQ35エンジンを積み、メガーヌRSのレース仕様のシャシを流用し、カーボンファイバーの車体を組み合わせるなど、小型軽量だったA110に対してスーパースポーツと呼ぶに相応しい内容だった。A110-50は同年の各種イベントに登場、またルノーと関わりの深いラリードライバーであるジャン・ラニョッティがA110-50をドライブし、A110と共演するイメージ映像も製作された。

アルピーヌ・ケータハム~独自開発へ

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2012年11月5日、ルノーはアルピーヌの開発において英ケータハムと提携することを発表した。従来ルノーが100%持っていたアルピーヌの株式のうち、ケータハムがその50%を取得、2013年1月より新会社「オートモビル・アルピーヌ・ケータハム」を設立し、4年以内に新型車を発売するとしていた。しかし、2014年6月10日に合弁会社の全株式をルノーが取得し、ケータハムとの業務提携を解消してルノー独自でアルピーヌブランドのスポーツカー開発をすると発表した[3]

ケータハムとのアルピーヌブランドの合弁事業を解消したルノーは、2016年2月16日にアルピーヌブランド復活計画を発表し、同時に2017年に発売を予定しているスポーツカーのコンセプトモデル「アルピーヌ・ビジョン」を披露した[4]。このアルピーヌ・ビジョンは、かつてのA110 Berlinetteを再解釈したものとされている。そして2017年に開催されたジュネーブモーターショーにてA110が初公開された[5]

ルノー・スポールとの統合

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2021年1月、アルピーヌはルノー・スポール(ルノー・スポール・カーズとルノー・スポール・レーシング)を吸収し、既存のアルピーヌ事業と統合して、新たなアルピーヌ事業部を設立すると発表した。またロータス・カーズと、A110の電動後継車を共同開発する覚書を締結したと発表した。同年5月1日、ルノー・スポールはアルピーヌに吸収された[6]

レース活動

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1960年代初頭からさまざまなレースに参加している。

ラリー

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A1101973年初代WRCマニュファクチャラー・チャンピオンの栄誉に輝いた。

A110がリバイバルを果たした後の2020年に、グループR-GT規定のラリーカーも発売。2021年にFIA R-GTカップのタイトルを獲得。アルピーヌの名がラリーの栄冠に輝いたのは、実に48年ぶりであった[7]

ルノー・スポール時代から開発していた、ルノー・クリオラリー3規定(200馬力前後の4WD)車両も、プライベーターへのデリバリーが予定されている。

F1

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2021年から、前年までのルノーF1チームが名称を変え「アルピーヌF1チーム」として活動する[8]

スポーツカー

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ルノー・アルピーヌ A442B

スポーツカーレースでは「ルノー・アルピーヌ」として、ルノー・アルピーヌ・A442Bが、1978年のル・マン24時間レースで総合優勝した。

2013年、アルピーヌはフランスのプライベーターであるシグナテックと提携。オレカが製造し、日産製V8自然吸気エンジンを搭載したオレカ・03を「アルピーヌ・A450」としてバッジネームし、ヨーロピアン・ル ・マン・シリーズ(ELMS)のLMP2クラスに参戦。ドライバー/チームタイトルを獲得した。

2014年はル・マン24時間レースのLMP2クラスに参戦し、総合7位クラス3位に入った。ヨーロピアン・ル・マン・シリーズでは、ドライバー/チームの両タイトルで2連覇を果たした。

2015年からFIA 世界耐久選手権(WEC)のLMP2クラスに参戦。

2016年のWECのオペレーションは1台目はシグナテック、2台目はジャッキー・チェンのレーシングチームとのジョイントという形を取った。マシンはオレカ・05をリバッジした、A460で参戦。そしてシグナテックがル・マン24時間クラス優勝、WECのLMP2チャンピオンを獲得した[9]。2017年のル・マンはクラス3位だった。

2018-19年シーズンA470で参戦し、2年連続でル・マン24時間LMP2クラス優勝を果たし、同時に2年ぶりとなるドライバー、チームタイトルを獲得した。

そしてWECの2021年2022年に限りハイパーカークラスに、従来のLMP1(ノンハイブリッド)車両がエントリーできることを活かし、前年レベリオン・レーシングが走らせていたマシン、R13を引き継ぎ、アルピーヌ・A480として参戦した[10][11]

2021年10月、2024年からLMDhを用いてWECの最高峰クラスである、ハイパーカークラスに参戦することを発表した。引き続きシグナテックと提携、オレカ製シャーシを使用し、アルピーヌ製エンジンが搭載される[12]

エスプリ アルピーヌ

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ハイパフォーマンスブランドとして、2022年に登場したオーストラルにはアルピーヌのスピリッツを注いだ「ESPRIT ALPINE(エスプリ アルピーヌ)」を設定。ポジショニングとしてはフォルクスワーゲンの「R-Line」やメルセデス・ベンツの「AMG-Line」、日産の「nismo」、トヨタの「GR SPORT」に近い。今後は他モデルにも波及させていく予定である。

日本での展開

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東京モーターショーでは1999年まで、ルノーブースは「ルノー」と「アルピーヌ・ルノー」の2つで申請されていた。これは、かつての日本の輸入元が、ルノーとアルピーヌで別会社であった名残りである。

2017年6月1日、ルノー・ジャポンはアルピーヌブランドのニューモデルについて、日本における輸入販売事業を行うと発表した[13]。同年10月にはルノー・ジャポン内にビジネスユニット「アルピーヌ・ジャポン」が設立され[14]2018年9月21日から新型「A110」のカタログモデルの予約受付を開始した(発売は同年11月下旬)[15]。販売は、ルノー全国ディーラー網の中での特定店舗での取り扱いとなる。

車種

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現行モデル

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過去のモデル

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コンセプトカー

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レーシングカー

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ルノー・アルピーヌ

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ロードカー

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レーシングカー

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ラリーカー

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出典

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  1. ^ Smith, Roy (2008). Alpine and Renault: The Development of the Revolutionary Turbo F1 Car 1968 to 1979. Veloce Publishing. pp. 18–23. ISBN 978-1-84584-177-5 
  2. ^ メガーヌ・ルノー・スポール(R.S.)が、アルピーヌ・メガーヌになる!?”. engineweb.jp. 2021年10月9日閲覧。
  3. ^ ルノー 、ケータハムとの提携を解消…アルピーヌ復活は2016年に独自開発で”. レスポンス. 2014年6月11日閲覧。
  4. ^ 仏ルノー、アルピーヌを復活。2017年に新型スポーツカーを発売へ
  5. ^ 【ジュネーブモーターショー2017】アルピーヌ A110 新型の1.8ターボは252馬力”. レスポンス. 2017年3月9日閲覧。
  6. ^ ルノースポール・カーズをアルピーヌ・カーズに再編”. レスポンス(Response.jp). 2021年10月9日閲覧。
  7. ^ 48年ぶりにアルピーヌがラリーでシリーズ・タイトル獲得 A110がFIA RGTカップを制覇
  8. ^ ルノーが2021年から『アルピーヌF1チーム』に名称変更。マシンカラーも一新へ | F1 | autosport web”. AUTO SPORT web (2020年9月6日). 2021年1月14日閲覧。
  9. ^ WEC:ラピエールがシグナテック残留。アルピーヌとLMP2連覇に挑む
  10. ^ LMP1マシンでハイパーカークラスに参戦するアルピーヌ、ドライバーラインアップを発表 - オートスポーツ・2021年1月27日
  11. ^ アルピーヌ、WECハイパーカークラスに参戦するノンハイブリッドLMP1マシン『A480』を公 開”. autosport web. 2021年3月17日閲覧。
  12. ^ アルピーヌ、LMDhでのWEC参戦を発表。2024年開始のプログラムはF1チームとの相乗効果も利用”. autosport web. 2021年10月6日閲覧。
  13. ^ ルノー・ジャポン、アルピーヌの販売を発表”. webCG (2017年6月1日). 2023年7月18日閲覧。
  14. ^ 「A110」登場は年明け アルピーヌ・ジャポンが始動”. webCG (2017年10月11日). 2023年7月18日閲覧。
  15. ^ アルピーヌが「A110」のカタログモデルを予約受注開始”. webCG (2018年9月21日). 2023年7月18日閲覧。

関連項目

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外部リンク

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